新しいc型肝炎治療薬説明会 · 肝炎治療助成制度(2014.9.16) 1)...

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新しいC型肝炎治療薬説明会 岐阜市民病院 消化器内科

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新しいC型肝炎治療薬説明会

• 岐阜市民病院 中央検査部(消化器内科) •       内木 隆文 

• 岐阜市民病院 中央検査部(消化器内科) •       内木 隆文 

岐阜市民病院 消化器内科

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ASV  (スンベプラ)

DCV  (ダクルインザ)

待望の新薬

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-  適応となる患者さん -  新薬の効能・効果 -  内服上の注意と副作用 -  費用と助成金 -  治療対象でなかったら?

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希望者全員に使えるわけではありません

1b型の人で IFNで治療をうけたが駄目だった人 IFNが使えない人

使えるのは、

適応となる患者さん

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セログループ1(ジェノタイプ1)のC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変における次のいずれかのウイルス血症の改善 1)インターフェロンを含む治療法に不適格の未治療あるいは不耐容の患者

2)インターフェロンを含む治療法で無効となった患者

保険適応について

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セログループ1(ジェノタイプ1)

語句説明

ウイルスの型を表し,インターフェロンに効きにくいとされる.血液検査で分かる.

代償性肝硬変 形態的や肝臓の検査では肝硬変だが,肝不全症状(腹水,黄疸,脳症)などが無い状態.Child分類-A 初期の肝硬変とも言える.

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点数 1点 2点 3点

ビリルビン 22..00mmgg//ddll以下 22..11--33..00mmgg//ddll 33..11mmgg//ddll以上

アルブミン 33..55gg//ddll以上 22..88--33..55mmgg//ddll 22..77gg//ddll以下

腹水 なし コントロール容易(少量)

コントロール困難(大量)

脳症 なし わずか あり

プロトロンビン 7700%%超 4400--7700%% 4400%未満

CChhiilldd AA CChhiilldd BB CChhiilldd CC

55--66点 77--99点 1100--1155点

Child-Pugh分類 肝臓の働きを確認します.

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不適格の未治療

語句説明

IFN治療を受けたことが無い患者さんで,不適格条件(血球減少,高齢.うつ.その他合併症)によりIFN治療が困難とされる患者さん.

不耐容 IFN治療でIFNまたはリバビリンの副作用により投与を中止した患者さん.

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参考)IFN 不適格例とは? (*1)

IFN投与で副作用が強い 自己免疫性肝炎や自己免疫疾患 非代償性肝疾患 ひどいうつ病 好中球  1500/μL 血小板 90,000/μL Hb    10.0 g/dL 心臓疾患

単に入院できない、副作用が怖い、などは 不適格例には入らない 助成制度の診断書は、理由を書く必要あり

(*1)

アメリカの学会

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

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無効とは

語句説明

IFN治療期間中でもウイルスが1回も消失(検出せず)していない

再燃とは IFN治療中にウイルスが陰性化したが,治療後にぶり返した. 現時点では再燃例は保険適応とはなっていない.

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肝がんの合併

語句説明

治療開始時に肝がんを認めるもの,治療後ならば合併なしとなる

ウイルス排除を目的とした... 少量長期療法はこの範疇に入らない.

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ASV  (スンベプラ)

DCV  (ダクルインザ)

新薬の効能・効果

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ダクルインザ

スンベプラ

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難治例(1b 高ウイルス量)の治癒率

0%

20%

40%

60%

80%

100% 80-90%

DCV+ASV (24Weeks)

経口剤

IFNα-2b Mono-

Therapy

IFNα-2b +RBV

(24Weeks)

IFNα-2b+RBV+IFN (24Weeks)

PegIFNα +RBV

(48Weeks)

PegIFNα +RBV

(72Weeks)

PegIFNα-2b +RBV+TPV (24Weeks)

PegIFNα-2a+RBV+SMV (24Weeks)

2%

20-30%

30-40%

40-50% 50-60%

75-85% 80-86%

インターフェロン使用

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治療効果に影響する因子は何なのか?

効く人と効かない人があるのはなぜか?

飲み薬も、効果は100%ではない

つまり

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治験の成績は84.7%が完治,逆に約15%の患者は治療後にウイルスがぶり返している. 1)耐性ウイルスの存在 → 治療前に分かる 2)しっかり服用できていない 3)その他(不明)

新薬が効果が無い場合?

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薬剤耐性変異解析検査

n 専用スピッツ n 11回22..00mmll必要 n PPCCRR--iinnvvaaddeerr法

n 保険診療外 1177228800円

n 必ず診察日以外で採血をお願いします. 

HHCCVV薬剤耐性変異

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Y93変異陽性(10-­‐20%)→  ダクルインザ耐性 治療待機  Y93変異弱陽性 →治療要検討

D168変異陽性(1-­‐2%)→  スンベプラ耐性 治療待機  D168変異弱陽性 →およそ問題なし

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治療可能群  

DCV/ASV併用療法フローチャート

Ac,Bc  (=NS3弱陽性)

E群以外は次期治療

が期待できる

     

>90%  (41/43)  

     

>60%  (7/11)

<25%  (1/4)

HCV薬剤耐性変異解析(BML)  (開始前に全例)

治療待機群  

治療検討群

自費:1.8万

判定 ○:陽性 △:弱陽性(1-­‐20%)  

 A群:変異無し  B群:耐性無関係の変異  (V36,T54,Q80,A156S)  

C群:NS3の耐性変異  (D168,R155,A156T/V)  

D群:NS5Aの耐性変異  (Y93,L31)  

E群:NS3+NS5Aいずれも耐性  (Y93+L31も含む)  

 大文字 A-­‐E  (INV法弱陽性をDS法に準じ陰性とする)  

小文字 a-­‐e  (INV法弱陽性を陽性とする)  

  A B C D E a 23  

b 4 4      

c 13 2 2     

d 5     8   

e 9     2 3 

Ad,Ae,Bd,Be  (=Y93弱陽性)

C,D,E  (NS3陽性,Y93陽性)

標準治療群  A,Ab,B

判定結果  治療効果予測 

41.3%(31/75)

20.0%(15/75)

18.7%(14/75)

20.0%(15/75)

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HCV薬剤耐性変異解析による治療効果予測

耐性無関係の変異  

標準治療群  0  

50  

100  

変異なし  

変異あり  

SVR率(%)

Y/H  治療検討群

H/Y  治療待機群

治療可能群  

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治療失敗により多剤耐性化し, 来年以降の新薬が効かなくなる

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ASV  (スンベプラ)

DCV  (ダクルインザ)

内服上の注意と副作用

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内服上の注意

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内服上の注意

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副作用について

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肝機能検査値異常

p 治療中にGrade  3/4のALT上昇が認められた16例(7.2%)  Ø  発現時期は、中央値で10週(範囲 4~23週)  

p ALT上昇により投与を中止した10例  Ø  投与中止後、全例が2.5週(中央値)で速やかにALT値の改善

が認められた。  Ø  2例でGrade  3/4の総ビリルビン上昇が認められたが、肝不全

に至る様な重篤化した症例はみられていない。  Ø  8例(80%)が、SVR24を達成している。  

Kumada H, et al. Hepatology. 2014; 59(6): 2083-2091

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投与期間700

600

500

400

300

200

100

0

(IU/L)

投与継続中

投与終了後

投与中止時点

(肝機能検査値異常による)

0 2 (14)

4 (28)

6 (42)

8 (56)

10 (70)

12 (84)

14 (98)

16 (112)

18 (126)

20 (140)

22 (154)

24 (168)

26 (182)

28 (196)

投与開始後日数

(週) (日)

*投与開始後、ALTが150 IU/L以上に増加した患者

ダクルインザ・スンベプラ併用療法 適正使用ハンドブック

肝機能検査値異常

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肝機能マネージメント p  国内臨床試験において、ALT増加の発現時期の分布範囲は広く、明らかな好発時期

は確認されていない。

p  国内臨床試験において、最も早く確認されたGrade 3又は4のALT増加は投与開始27日後であり、それ以前には発現していない。また、投与12週後までは2週間ごと、それ以降は4週間ごとに肝機能検査値を測定し、肝機能異常発見時にダクラタスビル及びアスナプレビルの投与を中止する等適切な対応を行った結果、肝機能異常に関連する死亡や生命を脅かす重大な有害事象は認められていない。

p  国内臨床試験において、Grade 3又は4のALT増加により投与を中止した症例において、中止後、慎重に経過観察をおこなった結果、全例が回復している。

p  肝機能障害によって投与を中止した場合は、再投与は推奨されない。国内第3相試験で3例が肝機能検査値異常による休薬後、投与を再開したが、いずれの患者においても投与再開後に肝機能検査値異常が再発している。

【肝機能値のモニタリング】    

投与開始12週目までは少なくとも2週ごと、それ以降は4週ごとに肝機能検査を行うこと。肝機能の悪化が認められた場合には、より頻回に検査を行い、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。ALT(GPT)が基準値上限10倍以上に上昇した場合には、直ちに投与を中止し、再投与しないこと。

ダクラタスビル塩酸塩・アスナプレビル 添付文書

ダクルインザ・スンベプラ併用療法 適正使用ハンドブックより抜粋

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ASV  (スンベプラ)

DCV  (ダクルインザ)

費用と助成金

1日分 計 15,757.4円 24週合計 2,645,563 円

薬価:1錠 9186.00円 (1日薬価:9186.00円)

薬価:1カプセル 3280.70円 (1日薬価:6561.40円)

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肝炎治療助成制度(2014.9.16)

1)  HCV-RNA陽性のC型慢性肝炎またはChild-Pugh Aの代償性肝硬変で肝がんのない者

2)「肝炎治療受給者証の交付申請に係る診断書」は原則として日本肝臓学会肝臓専門医が作成する。 ただし、自治体の実情に応じて、各都道府県が適当と定める医師が作成してもよいこととする。 3)治療期間は24週とし、延長は行わない 4)併用療法を受けた者については、以後のIFNを含む治療については、助成の対象としない

(アスナプレビル+ダクラタスビル)

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今回治療対象とならない方は? 1)ジェノタイプ2型 2)IFN治療後再燃 3)耐性ウイルスあり

治療対象でなかったら?

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HCV-2 型の治療

・第一選択は、IFN + (リバビリン) ・9月よりテラビック三者併用が適応

・来年には経口剤が適応?

・治せるものは早く治す方がよい

・思い込みは捨てましょう(副作用は軽い)

・主治医とよく相談してください

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耐性ウイルスありの場合は?

0%

20%

40%

60%

80%

100% 90-95% 80-90%

DCV+ASV (24Weeks)

SOF+LDV (12Weeks)

経口剤

IFNα-2b Mono-

Therapy

IFNα-2b +RBV

(24Weeks)

IFNα-2b+RBV+IFN (24Weeks)

PegIFNα +RBV

(48Weeks)

PegIFNα +RBV

(72Weeks)

PegIFNα-2b +RBV+TPV (24Weeks)

PegIFNα-2a+RBV+SMV (24Weeks)

2%

20-30%

30-40%

40-50% 50-60%

75-85% 80-86%

インターフェロン使用

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次世代治療(DAAs)IFNなし

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HCV-1b:「インターフェロンフリー」ビールのSVR率

ABT-450r- (NS3) ABT-267 (NS5A)

アスナプレビール ダクラタスビール

SVR率

(%

)

MK-5172 (NS3) MK-8742 (NS5A)

91

64

85 100 100 100 100

0

20

40

60

80

100

Null Ineligible Naïve Null Naïve Naïve Naive

レディパスビール ソフォスブビール

無効 初回 初回  (不適)

無効 初回 初回 初回

単独治療  耐性化

複数の「ビール」を飲み合わせる

ファダプレビール デレオブビール

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-  適応となる患者さん 現時点では保険適応は限られています

-  新薬の効能・効果 治療効果は85%程度で,ウイルスの変異の有無により効果が変わります.事前の検査を勧めます(保険外)

-  内服上の注意と副作用 肝障害の報告が比較的多いため,必ず2週に1回以上の採血が必要.また飲み忘れしないことが大事

-  費用と助成金 保険適応の患者さんは認められます

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Q:何歳までの患者さんが治療対象ですか?そもそも高齢とは?

よくある質問

A:個別に基準が変わりますが,現時点では80歳以上の方は安全性が確認されるまでしばらく控えています.

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Q:主治医の先生にずっと肝臓の数値は落ち着いていると言われていますが治療が必要ですか?

よくある質問

A:気づかないうちに進行あり.肝がんの可能性もわずかにあり.肝臓以外の病気を招く恐れあり.