資生堂ならではの“強み”を徹底して伸ばし、磨き上...

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資生堂ならではの“強み”を徹底して伸ばし、磨き上げる 成長の行く手を阻む経営課題を一掃し、 2014年度からはじまる 「成長を実現する次期3カ年」に臨む。

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資生堂ならではの“強み”を徹底して伸ばし、磨き上げる成長の行く手を阻む経営課題を一掃し、 2014年度からはじまる 「成長を実現する次期3カ年」に臨む。

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目次

3 株主・投資家のみなさまへ

4 社長インタビュー

8 国内化粧品事業における取り組み 8 重ねたメークをお湯だけで落とせる

「世界初の化粧下地」誕生

11 紫外線による肌ダメージを防ぐ新製品情報

12 グローバル事業における取り組み 12 最先端技術がもたらした「革新のクリーム」

  13 欧米を中心に拡大する「デザイナーたちの香り」

   資生堂の技術がIFSCCで4大会連続「最優秀賞」を受賞

14 社会とともに 14 福島の子どもたちの夢をかたちに

15 「化粧のちから」で笑顔を届ける「ライフクオリティー事業」

「世界で最も倫理的な企業」に2年連続で選出

16 連結業績ハイライト

17 連結財務諸表(要約)

18 株式の状況

19 株主インフォメーション

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代表取締役会長 兼 執行役員社長 

みなさまには、日頃から格別のご支援ならびにご愛顧を賜り、厚く

お礼申し上げます。 4月1日より、代表取締役会長 兼 執行役員社長に就任した

前田新造でございます。 資生堂は現在、「日本をオリジンとし、アジアを代表するグロー

バルプレイヤー」をめざし、経営基盤の強化に向けた取り組みを進めています。

 しかしながら、昨年は中国で反日運動が起きるなど国内外で厳

しい経営環境が続きました。また、2010年に買収したベアエッセンシャル社では、当初計画通りの成長を果たせていないことから、マーケティング戦略を含む長期計画を改めて見直した結果、同社に関する無形固定資産の減損損失を計上することとなりました。「事業構造改革」の一つである生産・研究開発拠点の再編に伴い発生する特別損失と合わせ、2012年度は当期純損失となったことを

大変重く受け止めております。 本年は、再び成長軌道を取り戻す「基点」となる年であり、次期

3カ年計画で揺るぎのない成長を確保するための道筋をつける年と位置づけています。そのために「徹底した選択と集中」のもと、注力する領域を絞り込んで「強み」を磨くとともに、既に着手している「コスト構造改革」および「事業構造改革」の取り組みを加速していくことにより、筋肉質な収益基盤の早期確立に向けて全社を挙げて取り組んでまいります。 株主・投資家のみなさまにおかれましては、引き続き変わらぬ

ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

株主・投資家のみなさまへ

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Q1今回の社長就任の経緯について 教えてください。

A1 前任の末川久幸氏より、健康問題を理由に、3月

31日付で執行役員社長ならびに取締役を辞任する旨の申し出がありました。その際、業績低迷に対する責任は私にも等しくあると痛感していたため、社長復帰を一旦は強く固辞いたしましたが、役員指名諮問委員会からの「次期社長選任までの間、私が社長を兼務することで経営責任を果たすべき」との意見を受け、熟慮に熟慮を重ねた結果、その責務を全うする決意をいたしました。 私の最大の使命は、当社を再び成長軌道に乗せる道筋を短期間でつけることであり、そのために、「成長の行く手を阻む経営課題」を一掃し、過去に私自身が決めたことの否定もいとわず、厳しい改革を断行していく所存です。

Q2 2012年度の業績、 特にベアエッセンシャル社の 減損についてお聞かせください。

A2 連結売上高は、前期比 0.7%減の6,777億円とな

りました。国内売上は前期比1.8%減となり、海外売上は0.7%の微増にとどまりました。営業利益は、2012年9月に中国で発生した反日運動の影響で売上が想定を大きく

下回ったこと、米国ベアエッセンシャル社における積極的な費用投入などにより、前期比 33.4%減の260億円となりました。当期純損益は、ベアエッセンシャル社に係る無形固定資産の減損損失 286億円、生産・研究開発拠点の再編に伴う

構造改革費用57億円など、合計 363億円の特別損失を計上したことから、147億円の当期純損失となりました。

 ベアエッセンシャル社では、資生堂とのシナジー効果への取り組みや直営店を含む店舗販売事業の拡大を進めてきたものの、売上が計画を下回って推移したことから、マーケティング戦略を含む長期計画を改めて見直し、減損テスト(帳簿価額と回収可能価額の比較)を実施した結果、2012年度に減損損失が発生することとなりました。 なお、最終損益が赤字となったことから、2012年度の取締役の賞与はゼロとし、取締役を兼務しない執行役員の賞与も大幅に減額しました。さらに、2013年度の減配( Q5)や

3カ年計画目標の未達成を踏まえ、2013年度の役員報酬についても切り下げを予定しており、代表取締役は年次賞与およびストックオプション部分を各40%減、それ以外の執行役員は各 20%減、さらに社長は固定報酬の一部を返上する等、 厳しい対応を図ります。

Q3成長軌道を取り戻すための 戦略について教えてください。

A3 2013年度から取り組む経営改革では、「日本をオリジンとし、アジアを代表するグローバルプレイヤーに

なる」という中長期のゴールは変えませんが、成長への道筋を大きく見直します。 当社はこれまで、世界中のあらゆるステージのお客さまにさまざまなチャネルを通じて「全方位型」のマーケティングを展開してきた結果、経営資源が分散している状況にあります。成長軌道を取り戻すためには、徹底した「選択と集中」を行い、効率性や生産性を高めていかなければなりません。このため、事業・ビジネスモデル・ブランド・エリア、さらには店頭活動などのすべてにおいて、「強い領域をより強く」「大きな領域をより大きく」「収益性の高い領域でより利益を生み出す」ことに集中して取り組むと

社長インタビュー

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ともに、撤退する領域も明確にし、揺るぎない成長を実現します。 具体的には、「店頭売上が持ち直し基調にある日本」「厳しい状況から脱した中国」「長期計画を見直し、再成長に向けて投資を強化する米国ベアエッセンシャル社」の3つの

領域で、強みを徹底して伸ばし、競争力を高めます。

日本における取り組み成長期待のある日本のプレステージ領域では、デパート・専門店共通で「クレ・ド・ポー ボーテ」、デパートでグローバルブラン

ド「 」、専門店で「ベネフィーク」と、集中するブランドを絞ります。当社の強みであるビューティーコンサルタントの活動にも磨きをかけ、お客さまとの絆を徹底強化していきます。 また、高級品を中心とした消費のさらなる拡大が見込まれるシニア市場への対応についても、強化策を打ち出していきます。 一方、ドラッグストアなどの組織小売業では、中価格帯の

主力ブランド「エリクシール」「マキアージュ」や低価格帯の「フルメーク ウォッシャブル ベース( 8ページ)」などを

確実に育成し、顧客数と収益の拡大を図っていきます。

1

 2012年 4月に店舗とWebを連動させた「新ビジネスモデル」を導入したことにより、Webサイト「Beauty&Co. (ビュー

ティー・アンド・コー)」「watashi+ (ワタシプラス)」に資生堂ご愛用者を対象とした組織「花椿CLUB」を加えた延べ会員数は着実に増加し、2012年度末で合計 687万人となりま

した。今後は、組織小売業との協働取り組みなどを通じてこの人数を1,000万人規模にまで拡大するとともに、お客さまの

購買データや美容意識・肌データを、早期に商品開発・マーケティング・研究開発に反映していきます。

中期的な経営構想

日本をオリジンとし、アジアを代表するグローバルプレイヤー

利益体質の強化 マーケティング力の強化

組織能力の向上

収益性の向上

コスト構造改革

事業構造改革

徹底したコスト削減

成長の行く手を阻む経営課題の解決

成長戦略

強みを磨く

選択と集中の徹底再投資

国内プレステージ領域の強化に向けて、国内で初めてグローバルブランド「 」の テレビCMを放映

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中国における取り組み中国では、2012年 9月以降、反日運動の影響で厳しい状況が続いていましたが、2013年に入り本格的とはいかないまでも店頭売上は回復し始めています。中国の2020年の化粧人口は3.3億人まで増加すると見込んでおり、今後も世界の中で魅力的な市場であることに変わりはありません。 2013年度、ブランドでは、反日の影響を比較的受けにくい、中国生産の2つのブランドに集中します。具体的には、デパートでは「オプレ」、専門店では「ウララ」に絞ります。エリアでは、規模の大きい沿岸部の北と南の核となる省を一つずつ取り上げ、営業・マーケティングともに集中強化します。これにより2013年度は、市場や人件費の伸び率を上回る成長を実現するとともに、2桁の営業利益率を確保します。

2 米国ベアエッセンシャル社における取り組み2010年に買収したベアエッセンシャル社では、競争激化に対応するため、市場規模が大きい店舗販売事業での成長をねらい、2011年度よりテレビ宣伝等のマーケティング投資を積極的に行いました。しかし期待した成果に届かず、マーケティング戦略を含む長期計画を改めて見直した結果、2012

年度に減損損失を計上することとなりました。 2013年度はお客さまとのコミュニケーション強化を軸に、 北米では本来の強みであるテレビショッピングなどのダイレ

クト販売事業を再強化するとともに、サンプリングや店頭プロモーションなどに投資をシフトすることで、店舗販売事業との相乗効果を高めていきます。北米以外では、市場規模が大きい英国・日本を集中強化します。なお、2014年度以降の成長に向けた投資強化により、2013年度は減益となりますが、さらにグループ全体の成長と収益性の向上に貢献すべく、確実にマネジメントしてまいります。

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社長インタビュー

ベアエッセンシャル社「ベアミネラル」

中国の専門店で展開している「ウララ」

中国のデパートで展開している「オプレ」

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 これらの取り組みにより、2013年度の連結売上高は前年に対し、4.8%(国内 0.7%、海外 9.7%:現地通貨ベースで0.4%)増収の7,100億円、営業利益は、2014年度以降の成長に向けて必要な領域への投資はしっかり行うものの、売上増による差益増やコスト構造改革の効果などにより、45.9%

増益の380億円と見通しています。

Q4構造改革の進捗状況はいかがですか。

A4 現在、筋肉質な経営体質の実現に向けてコスト

構造改革と事業構造改革に取り組んでおり、コスト構造改革では、7つの分野*において2014年度までに合計200億円以上(2011年度比)のコスト削減を見込んでいます。 事業構造改革では、「生産・研究開発拠点の再編」「人材・人件費マネジメントの強化」「グローバル規模の機能統合」の3つに取り組んでいます。「生産拠点」については、 グローバルレベルでの競争力強化に向けて、国内生産体制を見直すとともに、今後のアジア市場の拡大を見据え、ベトナム工場の生産能力の増強を進めます。また、「研究開発拠点」については、皮膚科学などの基礎基盤研究から製品開発研究まで一貫した価値づくりを実現することを目的に、新横浜と

金沢八景の2拠点のリサーチセンターを2013年度上期中に新横浜に統合します。「人材・人件費マネジメントの強化」については、2013年4月より管理職の45歳以降自由定年制に

おける制度の一部を廃止するなど、厳しくもやりがいのある組織風土づくりを進めています。「グローバル規模の機能統合」については、米州エリアに続き、欧州エリアで情報システムや

物流インフラの統合などを進める予定です。

 さらに、2013年度は「店頭在庫」と「不採算・低収益事業」の改善にも取り組みます。国内の店頭在庫は金額ベースでは、ここ数年減少しているものの、店頭売上の水準に対し在庫金額が高い状況が続いているため、在庫を溜めない仕組みを構築していきます。不採算・低収益事業は、再生計画を進める一方、収益性や事業継続の観点から、売却・撤退も視野に入れて検討し、「強い領域」への集中を進めます。* 7つの分野:原材料、間接購買、ロジスティクス、IT、宣伝制作、国内化粧品事業、中国事業。

Q5最後に、株主還元についての お考えを教えてください。

A5 当社では、連結配当性向 40%を中期的な目安としつつ、安定性も重視した現金配当を配当ポリシーの

中心に据えています。2012年度の期末配当は当初予定通り1株当たり25円、年間配当は50円とさせていただきました。しかしながら、3年連続で当期純利益を上回る配当となり、その結果、成長投資や借入金の返済に回す資金が減ったほか、将来の配当原資となる利益剰余金も漸減しました。このような背景に加え、中国や新興国での事業強化、国内での構造改革など、今後の成長に向けた資金需要に備えて「経営基盤の強化」を優先するため、2013年度の配当は、中間・期末とも1株当たり10円に減配し、連結配当性向40%となる年間20円とさせていただく予定です。 なお、次期 3カ年計画がスタートする2014年度以降は、 再び成長軌道に乗り、早期に利益水準を上げていくことで、 高い株主還元を実現してまいります。

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重ねたメークをお湯だけで落とせる

世界初*1

の化粧下地 誕生資生堂は忙しい現代女性のニーズに 応えた、重ねたメークをお湯だけで落 とせる世界初 *1の化粧下地「フルメーク ウォッシャブル ベース(FWB)」を2012年12月より資生堂のWebサイト「watashi+」にて先行発売。その後2013年2月より店頭で発売し、発売1カ月で出荷数128万個を突破、年代を問わず多くの女性からご支持をいただいています。*1 株式会社 Mintel Japan データベース内、2012年8月、資生堂調べ

忙しい現代女性の願いをかなえる化粧品「家に帰ってきたら、とたんにメーク落としが面倒に感じる」「シャワーを浴びるのと同時にメークを一気に落とせないか」というFWB開発担当者の発想を原点に、重ねたメークをお湯だけで落とせる世界初*1の

化粧下地の開発が始まりました。この開発は、女性が面倒と感じるメーク落としのストレスを軽減し、またあらゆる生活シーンで活用できる、「新たな化粧習慣」の提案でもありました。

FWBができるま

早くお客さま

お届けした~い!

FWB(Fフルメークullmake W

ウォッシャブルashable B

ベースase)とは?

朝、いつものメーク前にFWBを塗り、夜は約40度のお湯となじませるだけで、クレンジング料を使わず簡単にメークが落とせる次世代の化粧下地。女性が面倒と感じるメーク落としのストレスから解放し、気軽にメークを楽しみ、気軽に素肌に戻れる「新たな化粧習慣」を実現します。

容量:35g資生堂Webサイト「watashi+」販売価格: 1,050円(税込)

F W Bをつけるときのポイント朝のスキンケア後、日やけ止めや日中用美容液などの後に、化粧下地として塗ります。

F W Bを落とすときのポイントお湯を両手に取り、肌をギュッとおさえるようにしてよくなじませて、メークのヴェールを 浮き上がらせます。これを何度か繰り返し、次第に「ぬるっ」としてきたら、メークがお湯となじんだ証拠。その後は、なでるようにして洗い流します。

1回の使用量(パール粒2個分が目安)を顔全体に少量ずつのせて、指の腹でまんべんなくなじませます。

1開発

開発

国内化粧品事業における取り組み

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追い求めた理想の素材をついに発見「水では落ちず、お湯で落ちる」という、製品の鍵となる素材を探索し、約2,000の試作を経て、FWBに最適な皮膜剤「ヴェールアクションポリマー」を開発。約40度のお湯に

なじませるだけで、重ねたメークをヴェールアクションポリ

マーの膜とともに、簡単にはがし落とすことに成功しました。

化粧下地としても高機能を実現FWBが息の長い定番商品として認めていただけるよう、化粧下地としての機能や使用感にもこだわりました。乾燥から肌を守るヒアルロン酸(保湿)を配合し、クリーム感覚で使用できる感触に仕上げ、化粧のくずれにくさも実現しました。また目のキワや口紅下地としても使える安全性を保持し、「ウォーターフットプリント*3」に基づく環境対応も特長です。

*3 ウォーターフットプリント: 原材料調達から生産、廃棄、リサイクルまでの商品のライフサイクル全体を通じた水の利用と、それに伴う環境・社会影響を定量的に評価する手法。

世にない製品の 開発を開始今までにない概念の製品のため、アンケートやモニター調査など多岐にわたる実地調査を行い、必要性を含めた検証を実施しました。成分配合の研究者、美容法のスペシャリストなど、資生堂の各研究の精鋭 20名以上が結集して開発が進められ、開発担当者自らも実験台となって何度も試作を繰り返しました。*2 資生堂調べ(2012年11月インターネット調査 20~60代女性)

新しい販売戦略世界初の製品だけに全く新しい販売戦略を構築する必要がありました。その結果、既存ブランドの中に配置するのではなく、重ねたメークをお湯で落とせるという独自の機能を際立たせた単品

アイテムとして展開することを決断し、すべての女性にFWBを体感していただくため価格設定を1,000円前後としました。また店頭発売前に資生堂のWebサイト「watashi+」で先行発売し、ソーシャルメディアや口コミ等によって市場の期待感を高めていくと

ともに、商品体感会やサンプリングを実施することを決定しました。さらに、ドラッグストアなどに加え情報発信力の高いバラエティショップでも大々的にお取扱いいただくことにより、資生堂全体のマーケティング活動においても新たな可能性が広がりました。

まだまだ続く!!

これでイケル!体感していただ

きたい!

まさに理想の素材!

2技術 3マーケティング

マーケティング女性が面倒だと感じている スキンケアランキング *2

メーク落とし53.6%

マッサージ

1位

34.2

31.7

30.4

16.9

洗顔 シートマスク

化粧水

メーク

[イメージ図]

FWB肌 肌

ヴェールアクションポリマー

がはがれるしくみ

技術お湯センサーが反応 !

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4発売 5宣伝

口コミから店頭へ開発開始から2年が経ち、2012年12月、ついにWeb

サイト「watashi+」での先行発売が始まりました。「新たな化粧習慣」を実現する世界初の製品が口コミ等で話題となり、1週間で予定数を完売しました。予想を上回る反響に、スケジュールを繰り上げ2月下旬から店頭販売も開始しました。「化粧をするすべての女性に使っていただく」ことを目標に、積極的な情報発信と店頭での売場づくりを行った結果、店頭発売から1カ月で出荷数128万個を突破、現在も好調な実績で推移しています。

「生活スタイルを変える化粧品」としての訴求単に機能性を訴えるだけでなく、「生活スタイルを変えるような化粧品」として訴えていくことが重要だと考えました。テレビCMなどの宣伝広告に蒼井優さんを起用して、「日本女性よ、メーク落としをスルーしよう。」というメッセージを発信しました。すべての女性に「新たな化粧習慣」を提案する次世代の化粧品として、今後さらに認知度を高め、新ブランドとして定着させていくことをめざしていきます。

子どもと一緒のお風呂ではメークをきちんと落とす余裕がなかったけれど、これならお湯だけで落とせるので助かる! (40代・主婦)

想像を超えた発想で驚きました!使ってみたらさらに驚きです!こんなに簡単に落ちるとは、衝撃でした。めんどくさがりなので毎日使いたいです。(30代・講師)

本当にお湯だけで落ちたよ。そのうえ、しっとりして乾燥も気にならずファンデーションもきれいに仕上がり、安いのに驚きです。 (50代・主婦)

日中汗ばんだ時はくずれなかったのに、お湯を顔になじませていると本当にスルッとアイラインまでキレイに落ちました。 (60代・自営業)

お湯だけでファンデーションやアイシャドーがこんなにキレイに落ちるなんて画期的! (30代・主婦)

FWBを使用した後、帰宅しバタバタと息子とお風呂に入りました。ササーッとシャワーで顔全体を温め、頬の丸に沿って顔をなでるとスルスルッと化粧が落ちました。とても便利だと思います。 (30代・事務)

訴求方法はどうする? すべての女性に届

けたい!

FWBを実際に使った

お客さまの声

発売

宣伝

子どもとお風呂に入る時、「自分のメークを落とす時間がないな」と悩むママの心の声が聞こえてくる。蒼井優さんが振り向き、「メーク落としをスルーしよう。」と投げかけます。

CMSTORY

国内化粧品事業における取り組み使用シーンを

提案する

テレビCM

お客さまへ

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資生堂では2002年に、日本人の肌に多く存在する傾向にあるプレ

メラニン*1が、紫外線A波*2を浴びると黒褐色のメラニンに変化することを発見し、その防御策の研究を重ねてきました。 その結果、12年連続売上シェア No.1*3の日やけ止めブランド

「アネッサ」の、紫外線A波の防御効果が「PA*4+++」から「PA++++」

に進化。また、「アネッサ パーフェクトエッセンスサンスクリーンA+」は、

防御効果の高い日やけ止めでありながら美容液のようにみずみずしい使い心地です。スキンケア処方にもこだわり、ヒアルロン酸(保湿)などを配合しているため、乾燥から肌を守り、うるおいが長時間持続します。*1 プレメラニン:肌表面(表皮)に存在する無色のメラニンの素。*2 紫外線A波(UV-A):雲や窓ガラスも通過して肌に影響を及ぼします。「生活紫外線」とも呼ばれ、すぐに肌を黒くし、しわやたるみの原因のひとつにもなります。

*3 出典:インテージ SRI 日やけ止め市場/データ期間 2000年11月~2012年10月アネッサブランド(金額シェア)*4 SPFは紫外線B波を、PAは紫外線A波を防ぐ効果の度合いを示しています。

「シミができる肌は特有の肌状態にある」という知見に基づいて資生堂は、2005年に薬用美白美容液*5「HAKU」を発売しました。以降幅

広い年代のお客さまからご愛用いただき、7年連続美白美容液売上第

1位*6を継続しています。 今回、資生堂は、「美白ケアをきちんとしても消えないシミがあるのは

なぜか」という女性たちの疑問に答えるべく、メラニンの生成機構の研究を重ね、新たに発見した肌の奥のメラニン生成ルート「アンダーメラニンルート」に着目した「HAKUメラノフォーカスCR」を発売しました。シミができる肌特有の状態をさまざまな方面から防ぎ、あらゆるルートでメラニンの過剰生成を効果的に抑止します。*5 美白化粧品はメラニンの生成を抑えて、シミ・ソバカスを防ぎます。*6 出典:インテージ SRI 美白美容液市場/データ期間 2005年5月~ 2012年4月 HAKU 美容液 販売金額

資生堂は、世の中に「紫外線=肌に悪い」という意識がまだ定着していなかった90年以上も前から、紫外線研究を行ってきました。その研究から誕生し、ご好評をいただいている

ブランド「アネッサ」と「HAKU」から新しい機能を加えた新製品を発売しました。

新たなメラニン生成ルートの発見により誕生した薬用美白美容液「HAKU メラノフォーカスCR(医薬部外品)」

45g:10,500円、45g(レフィル):10,185円、 20g:5,250円。(価格はすべて税込み)

うるおいを維持しながら紫外線から素肌を守り抜く「アネッサ パーフェクトエッセンスサンスクリーンA+」

60mL/ミニサイズ 25mL・ノープリントプライス (価格は取り扱い店にてご確認ください。)

紫外線による肌ダメージを防ぐ

新 製 品 情 報

資生堂のシミ予防研究の総力を結集した

新 「HAKU」

快適な使い心地と最高表示の

紫外線防御効果を両立した

「アネッサ」SPF*4 50+・PA++++

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1988年に資生堂の最先端バイオ技術を取り入れて誕生した「BOP

(BIO-PERFORMANCE)」シリーズは、世界 89の国と地域で展開して

いるグローバルブランド「 」のエイジングケア*の象徴的存在です。「BOP」シリーズのクリームは、クリーム文化が根づく欧州の女性たちにも支持され、「革新をもたらしたクリーム」として、世界各国で権威のあるコスメティック賞を受賞するなど高い評価を得ています。 新製品開発に向けた意識調査は、アメリカ・ドイツ・香港・日本の30~

50代女性を対象として行われ、「しわ・たるみ・はりのなさ」への悩みが

高まっていることが分かりました。資生堂はこのような女性の悩みに対応す

べく、最先端の幹細胞研究によって「BOP アドバンスト スーパー リストア

リング クリーム」を開発、使用するたびに、まるで押し上げられるかのような

“はり感”を提供し、乾燥による小じわが目立たない、なめらかな肌へと導く

新クリームが誕生しました。2012年9月に米州およびアジア各国で販売を開始し、10月には日本国内のデパートと資生堂のWebサイト「watashi+」

で、さらに2013年 2月からは欧州でも展開し、各地で好評を博しています。 このように、「BOP」シリーズは発売 26年目を迎えた現在も、世界的なロングセラーとなっています。

*年齢に応じたうるおいケア

最先端技術がもたらした 革新のクリーム

グローバル事業における取り組み

グローバルブランド

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1990年に設立したボーテ プレステージ インターナショナル(BPI社)は、フレグランス(香水)の企画・製造・販売などを行う資生堂の在仏100%子会社であり、ISSEY MIYAKE(イッセイ ミヤケ)、Jean Paul GAULTIER(ジャンポール

ゴルチエ)、 ELIE SAAB(エリー サーブ)など、有名デザイナー名を冠した

フレグランスを世界112カ国で展開しています。 この度BPI社は、リシュモン グループ(スイ

ス)が保有するフレンチクチュール界の巨匠Azzedine Alaïa(アズディン アライア)氏のブランドと13年間の独占契約を締結し、今後世界各国でフレグランスを発売していきます。また2013年4月には、BURBERRY(バーバリー)と

フレグランスや化粧品の一部地域における販売に関する業務提携を行い、さらなる事業拡大を進めています。

欧米を中心に拡大する

デザイナーたちの香り

世界で最も権威のある化粧品科学に関する研究発表会「国際化粧品技術者会連盟大会(IFSCC Congress)」の第27回大会が、2012年10月にヨハネスブルグ(南アフリカ)で開催されました。 世界 20カ国から221のテーマがエントリーされ、口頭発表基礎、口頭発表応用、ポスター発表の部門において、それぞれ1組

が最優秀賞に選ばれるなか、資生堂の「肌を傷つけることなく、肌内部のコラーゲンの状態や加齢変化を可視化する技術」が、 口頭発表基礎部門「最優秀賞」を受賞しました。今回の受賞は、

第 24~ 26回に続く4大会連続、「IFSCC Conference*2」を含めると通算16回目の最優秀賞受賞となります。これは、世界の化粧品メーカーのなかで最多の回数です。 *1 IFSCC:The International Federation of Societies of Cosmetic Chemists(国際化粧品技術者会連盟)

*2 IFSCC Conference:若手研究者の教育や発展途上の加盟国の啓発を目的に、奇数年に開催され、2003年から最も優れた研究発表1編を最優秀賞として表彰し、資生堂は通算2回の最優秀賞を受賞。

資生堂の技術がIFSCC*1で4大会連続「最優秀賞」を受賞

フレグランス事業

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社会とともに

資生堂はこれまで、「化粧を通して心を元気に」という想いのもと、ビューティーコンサルタントが被災地の避難所でスキンケアやお化粧を行う、「ビューティー支援活動」を展開してきました。 今回、福島の未来を応援することを目的に、資生堂と同じく2012年に創業 140周年を迎えた毎日新聞社とともに、各々の本業である「化粧」と「メディア(活字)」の力を合わせた支援企画「希望 イロイロ バルーン展」を、2012年 12月21日から

5日間、福島県のいわき産業創造館で開催しました。 福島の子どもたちの「希望」や「夢」が、風船(バルーン)のように大きくふくらんで、日本中の人々に届く展示をめざし、福島県在住の小学生を対象に2部門で作品募集を行いました。「絵」部門では「未来のワタシ・未来のボク」を、「作文」部門では「すてきになってほしいおとな」をテーマに設定しました。

 そして、合計305作品の中から選出された絵24作品、作文8作品をもとに、資生堂のヘア・メーキャップアーティストと宣伝制作部のクリエイターが制作に協力し、子どもたちがそれぞれの作品で思い描いた夢をオリジナルポスターにして展示しました。会場では子どもたちにヘアメークを行うなど、さまざまな催し物も楽しめる構成とし、1,600人以上の方にお越しいただきました。また、Webサイトでは応募作品すべてが掲載され、日本各地から福島へメッセージと寄付金が集まりました。さらに2013

年3月には、当社の子会社である資生堂カナダInc.の発案で、トロント市のカナダ日系文化会館に場所を移して開催し、会場内で集まった寄付金は文化会館の運営する財団を通じて、被災地に寄付されました。

福島の子どもたちの夢をかたちに 「希望 イロイロ バルーン展」

特設サイト  www.kibou-140th.com

「作文」部門の創作コラボからうまれた「すてきになってほしいおとな」応募時の作文と、すてきになったおばあちゃん

私の将来の夢

動物を

たくさんかって

仲良くしたい。

「おばあちゃんを、 かわいくして あげたいな」

「絵」部門の創作コラボからうまれた「未来のワタシ」創作ポスター

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2013年 7月から全国エリアで展開される「ライフクオリティー事業」は、2011年に首都圏(1都3県)で開始した「高齢者美容サービス(化粧療法プログラム)」事業と、全国の事業所主催の「美容セミナー」活動を統合・再編したものです。 「高齢者美容サービス」は、高齢者施設の要望に応じてビューティーセラピスト*が継続的にご高齢の方に化粧サービスをする有償事業で、資生堂リサーチセンターの調査では、「認知症の周辺症状の緩和」「要介護者のADL(日常生活動作)向上」といった科学的効果が期待でき、高齢者のQOL(生活の質)の向上に役立つことも分かってきました。2013年3月現在、首都圏(1都3県)で約130施設にご契約いただいています。

 一方、「美容セミナー」は、社会人の「身だしなみ」としての化粧法を伝えるため1949年に開始し、現在は

資生堂の社会貢献活動の柱の一つとして展開してい

ます。2012年度は、全国で延べ約3,000件、約80,000

名にご参加いただきました。 今後は、より多くの方々に継続的にご参加いただく

ため、これらのセミナーを「資生堂ライフクオリティー

ビューティーセミナー」に統合し、継続的かつ発展的な事業展開をめざす「ライフクオリティー事業」として、 新しいお客さまとの出会いの場を広げるとともに、超高齢社会の抱える課題解決にも努めていきます。* ビューティーセラピスト :全国のビューティーコンサルタントから選抜された、要介護や認知症など、ご高齢の方への専門応対教育を受けた担当者です。

資生堂は2013年3月、企業倫理や企業の社会的責任などを専門とする米国のシンクタンク「エシスフィア・インスティテュート」が発表した「World’s Most Ethical Companies 2013

(世界で最も倫理的な企業)」に、対象企業約1,000社の中から2年連続で選出されました。

今後もグローバル企業として、高い倫理観を持って透明性ある経営を行うとともに、1872年の創業時から変わらない「『美と健康』を通じてお客さまのお役に立つ」という精神のもと、「女性・化粧」「文化」「環境」の領域を中心にCSR活動を展開してまいります。

表彰式に出席した資生堂アメリカズ コーポレーションCEO(中央)他

「化粧のちから」で笑顔を届ける「ライフクオリティー事業」

「世界で最も倫理的な企業」に2年連続で選出

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10/3 11/3 12/3 13/3 14/3

6,442 6,707 6,824 6,777 7,100(見込)

504445

391

260

380

7.8 6.65.7

3.8

5.4

(見込)

(見込)

10/3 11/3 12/3 13/3 14/3

515445

394

284

380(見込)

10/3 11/3 12/3 13/3 14/3

9.8

3.9 4.9

–5.1

3,6523,201 3,037 3,037

10/3 11/3 12/3 13/3

337

128 145–147

200

84.6

32.1 36.5

–36.9

50.2(見込)

(見込)

10/3 11/3 12/3 13/3 14/3 10/3 11/3 12/3 13/3

1,975 1,852 1,847

38.237.0 37.9

2,144

37.8

16 17

連結業績ハイライト (注) 記載金額は、表示金額未満を四捨五入しています。 見込数値は、2013年4月現在の発表数値です。

売上高は0.7%の減収。うち国内は1.8%の減収、海外は中国での事業環境の悪化などにより0.7%の微増収。

営業利益は、国内における売上高の減少に伴う差益減や海外における費用の増加などにより33.4%の減益。

当期純損益は、ベアエッセンシャル社に係る無形固定資産の減損損失などを特別損失として計上したため、147億円の損失。

売上高

6,777億円(△0.7%)

有利子負債/有利子負債比率

1,847億円(△0.3%)/37.8%(△0.1ポイント)

2012年度 業績のポイント

営業利益/売上高営業利益率

260億円(△33.4%)/3.8%(△1.9ポイント)

当期純損益/1株当たり当期純損益

△147億円/△36.9円

経常利益

284億円(△28.0%)

当期純損益(億円)  1株当たり当期純損益(円)

純資産/自己資本当期純利益率(ROE)

3,037億円(+0.0%)/△5.1%(△10.0ポイント)

地域別売上高

11.7%

19.5%

13.7%

日本

3,733億円

米州

930億円

欧州

791億円

アジア・オセアニア

1,324億円(うち中国907億円)

純資産(億円)  ROE(%)

10/3は過年度遡及をしておりません。

有利子負債(億円)  有利子負債比率(%)

10/3は過年度遡及をしておりません。

55.1%

売上高(億円) 営業利益(億円)  売上高営業利益率(%) 経常利益(億円)

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連結財務諸表(要約) (注1) 記載金額は、表示金額未満を四捨五入しています。 見込数値は、2013年4月現在の発表数値です。(注2) 主要な勘定科目のみ表示

連結貸借対照表 (単位:億円)

2012年3月期 2013年3月期資産の部 現預金・有価証券 938 913 受取手形・売掛金 1,129 1,182 たな卸資産 719 846流動資産合計 3,152 3,327 1

 有形固定資産 1,298 1,278 無形固定資産 1,736 1,507 投資その他の資産 1,020 1,042固定資産合計 4,055 3,827 2

資産合計 7,207 7,154

負債の部 支払手形・買掛金 483 435 未払金 443 396 有利子負債 1,852 1,847 3

負債合計 4,170 4,116

純資産の部 株主資本 3,566 3,226 その他の包括利益累計額 △661 △350 新株予約権 7 8 少数株主持分 126 153純資産合計 3,037 3,037 4

負債純資産合計 7,207 7,154

連結損益計算書 (単位:億円)

  2012年3月期 2013年3月期売上高 6,824 6,777

 売上原価 1,630 1,668

売上総利益 5,194 5,109

 販売費及び一般管理費 4,803 4,849

営業利益 391 260

 営業外収益 41 51

 営業外費用 38 27

経常利益 394 284

 特別利益 14 15

 特別損失 19 363

税金等調整前当期純損益 389 △64

 法人税、住民税及び事業税 140 154

 法人税等調整額 79 △91

少数株主損益調整前当期純損益 171 △127

少数株主利益 25 20

当期純損益 145 △147

連結キャッシュ・フロー計算書 (単位:億円)

  2012年3月期 2013年3月期営業活動によるキャッシュ・フロー 526 420

投資活動によるキャッシュ・フロー △207 △255

財務活動によるキャッシュ・フロー △355 △247現金及び現金同等物の期末残高 830 803

1 流動資産

現預金・有価証券は減少したものの、海外子会社の在庫の増加や円安に伴う資産評価額の増加などにより、増加しました。

2 固定資産

投資有価証券における時価評価の増加などにより、「投資その他の資産」が増加したものの、ベアエッセンシャル社に係る無形固定資産「のれん」や生産・研究開発拠点の再編に伴う減損損失などにより、固定資産全体では減少しました。

3 有利子負債

ベアエッセンシャル社の買収時の借入金返済を進めたものの、中国やブラジルの運転資金の借り入れが生じたことから、微減となりました。

4 純資産

当期純損失の計上などにより利益剰余金が減少したことから株主資本は減少したものの、円安により その他の包括利益累計額のマイナスが減少したことなどにより、前年並みとなりました。

解説

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4,000

8,000

12,000

10/3 10/9 11/3 11/9 12/3 12/9 13/3

1,000

1,500

2,000

0

2,500

5,000

7,500

10,000

0

7,500

10,000

12,500

15,000

18 19

株式の状況(2013年3月31日現在)

発行済株式の総数

400,000,000株(うち自己株式1,960,234株)

株価・時価総額・売買高の推移(東京証券取引所)

株主数比率

株主数

89,700名

株式数比率

大株主一覧(上位10名)

株主名 持株数(千株)持株比率(%) 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 28,702 7.21 株式会社みずほ銀行 23,526 5.91 日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口) 15,973 4.01資生堂従業員自社株投資会 10,350 2.60日本興亜損害保険株式会社 8,477 2.12三井住友海上火災保険株式会社 8,000 2.00SSBT OD05 OMNIBUS ACCOUNT - TREATY CLIENTS

7,685

1.93

日本生命保険相互会社 7,019 1.76朝日生命保険相互会社 6,079 1.52ザ バンク オブ ニューヨーク メロン アズ デポジタリー バンク フォー デポジタリー レシート ホルダーズ

5,839

1.46

持株比率は自己株式を控除した発行済株式の総数で算出しています。ザ バンク オブ ニューヨーク メロン アズ デポジタリー バンク フォー デポジタリー レシート ホルダーズは、ADR(米国預託証券)の預託銀行であるバンク オブ ニューヨーク メロンの株式名義人です。

個人28.76%

個人98.26%

外国人21.62%

外国人0.60%

金融機関40.69%

金融機関0.18%

証券会社0.05%

証券会社3.18%

その他国内法人5.23%

その他国内法人0.88%

自己株式0.49%

自己株式0.00%

当社株価(円:左軸)  当社時価総額(億円:右軸) ■ 当社売買高(万株:左軸)  日経平均株価終値(円:右軸)(注)時価総額は、発行済株式の総数から自己株式を差し引いて算出しています。

(円) (億円)

(万株) (円)2010年 最安値1,661円

2010年 最高値2,100円

2011年 最高値1,795円 2011年 最安値

1,320円 2012年 最安値938円

2013年 年初来最安値1,130円

2012年 最高値1,482円

2013年 年初来最高値1,372円

資生堂の株主還元 社債の状況

銘柄発行年月日(償還期限)

発行額利率

株式会社資生堂第5回無担保社債

2009年12月9日(2014年12月9日)

500億円年0.648%

株式会社資生堂第6回無担保社債

2010年6月22日(2015年6月22日)

400億円年0.547%

当社の長期債格付(2013年6月25日現在)

ムーディーズ A2スタンダード&プアーズ A–

当社は、株主のみなさまへの直接的な利益還元と中長期的な株価上昇による「株式トータルリターンの実現」をめざしております。この考え方に基づき、成長のための戦略投資をドライバーとして利益の拡大と資本効率の向上を図り、それらを中長期的な配当の増加と株価上昇につなげていくことを基本方針としています。 当社は、利益還元の目標として、中期的に連結配当性向40%を目安としています。この目標をベースとしつつ、安定性も重視した現金配当を主体としながら、自己株式取得については機動的に行います。 なお、7ページでご説明させていただいたとおり、2012年度の1株当たり配当金は50円といたしました。しかしながら、2013年度につきましては、今後の成長に向けた資金需要に備えた経営基盤の強化を優先し、中間・期末とも1株当たり10円に減配、年間20円の配当とさせていただく予定です。

2012年度配当 1株当たり 50円 2013年度配当(予定) 1株当たり 20円

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新しい株主優待をお届けします。 3月31日現在、当社株式を1,000株以上かつ1年超保有の株主さま対象

資生堂では、本年から株主さまへの感謝品である株主優待を刷新いたしました。 新しい株主優待は、資生堂グループの世界観をご紹介する株主読本とそのテーマにまつわる付録のセットとさせていただきます。第1弾となる今回は、「銀座と資生堂」をテーマに、当社発祥の地「銀座」と資生堂のかかわりや、銀座で110年以上の歴史を刻んできた「資生堂パーラー」を取り上げ、付録としてご家庭でお楽しみいただける資生堂パーラーのカレーのコース仕立て特製セット(ビーフカレー・コーンポタージュ・プリン各2名様分、パーラーオリジナルブレンドコーヒー100g)をお届けします。 優待のご対象は、3月31日現在、当社株式を1,000株以上かつ1年超お持ちの株主さまとさせていただいております。2014年以降も資生堂グループのさまざまな事業や活動にスポットを当ててみなさまへご紹介してまいります。新しい株主優待を、ぜひご期待ください。

株主インフォメーション

株主優待全般に関するお問い合わせ

株式会社資生堂 IR部株式グループ 株主さま窓口TEL 03-6218-5418(平日9:00~17:15)

株主優待の配送に関するお問い合わせ

資生堂 株主優待事務局TEL 03-6667-6325(平日9:00~ 18:00)(2013年9月30日まで開設。10月以降は左記の当社 IR部株式グループへお問い合わせください。)

2013年優待付録「資生堂パーラーのカレーのコース仕立て特製セット」(イメージ)

資生堂の株主優待7月25日発送予定

資生堂 株主読本2013

「未来へつなぐもの 銀座と資生堂」1872年(明治5年)に創業して以来、銀座から美しく生活文化を彩る新しい価値を発信し続けてきた資生堂。 それは、銀座という街だからこそ育むことができたスピリットでした。 銀座と資生堂の140年の軌跡と未来へ発信する次世代の物語をお届けします。

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当社では、個人株主のみなさまとのより良いコミュニケーションの確立をめざした取り組みとして、株主のみなさまのご意見を伺う「株主さまミーティング」を開催しており、第3回を2013年2月8日(金)に福岡で開催しました。ミーティングの中で当社がご案内した情報やその後の質疑応答・意見交換の様子は、資生堂グループ企業情報サイトでご案内しています。次回の株主さまミーティングは右記のとおり開催を予定しています。参加を希望される株主さまは、ご応募条件をご確認のうえ、郵送またはeメールにてご応募ください。ご応募条件や詳しい応募方法等につきましては、資生堂グループ企業情報サイトの「株主さまミーティング」のコーナーをご覧ください。お問い合わせは、下記資生堂株主さま窓口までお願いいたします。

http://group.shiseido.co.jp/ir/issue/shareholder-info/meeting.html

このマークは株式会社ツバルの森が提供する太陽光発電によるグリーン電力証書の利用を証するものです。

今後の見通しに関する注意事項本誌の記載内容のうち、歴史的事実でないものは、資生堂の将来に関する見通し及び計画に基づいた将来予測です。これらの将来予測には、リスクや不確定な要素などの要因が含まれており、実際の成果や業績などは、記載の見通しとは大きく異なる可能性があります。

会社情報(2013年3月31日現在) 株主メモ商号 株式会社 資生堂

本店所在地 〒104-0061 東京都中央区銀座七丁目5番5号 TEL (03) 3572-5111(大代表)

創業 1872(明治5)年9月17日

設立 1927(昭和2)年6月24日

資本金 64,506,725,140円

発行済株式総数 400,000,000株

グループの従業員数 33,356名[13,889名]*

* 従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は[ ]内に年間平均人員数を外数で記載しています。

資生堂株主さま窓口 株式会社 資生堂 IR部 〒105-8310 東京都港区東新橋一丁目6番2号 (資生堂汐留オフィス) TEL(03)6218-5418 (平日9:00~17:15)

決算期 3月31日

定時株主総会 6月下旬

基準日(株主確定日) 期末配当、定時株主総会 3月31日 中間配当 9月30日 そのほか必要あるときには、あらかじめ公告して定めた日

単元株式数 100株

株主名簿管理人及び 三井住友信託銀行株式会社 特別口座の口座管理機関 〒100-8233 東京都千代田区丸の内一丁目4番1号

各種お問い合わせ先 三井住友信託銀行株式会社 証券代行部 郵便物送付先 〒168-0063 東京都杉並区和泉二丁目8番4号 0120-782-031 (平日9:00~17:00)

取次事務 三井住友信託銀行株式会社の本店及び全国各支店

銘柄コード 4911

電子公告掲載 資生堂グループ企業情報サイトに掲載 http://group.shiseido.co.jp/ir/account/legal/

2013年9月6日(金) 14時~16時頃   ANAクラウンプラザホテル神戸

10名さま程度

株主さまコミュニケーションや施策に関する ディスカッションミーティング

取締役執行役員 最高財務責任者 西村義典

検 索資生堂 株主さまミーティング

「株主さまミーティング」のご報告と参加募集のお知らせ

2013年3月31日現在100株以上保有の株主さまに限らせていただきます

次回株主さまミーティングのお知らせ

日時・ 場所

募集

開催内容

資生堂出席者

in 神戸9月6日