人を対象とする研究倫理研修会 - titech.ac.jp · 2020. 7. 9. ·...

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人を対象とする研究倫理研修会 資料1 1

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  • 人を対象とする研究倫理研修会

    資料1

    1

  • 全学委員会事務担当:研究企画課総務・管理グループ

    ヒトゲノム・遺伝子解析研究倫理審査委員会(生命理工学院)

    ヒトES細胞研究

    ヒトゲノム・遺伝子解析研究

    人を対象とする研究

    動物実験遺伝子組換え

    実験

    遺伝子実験等安全委員会

    動物実験委員会ヒトES細胞倫理審査委員会

    ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針

    東京工業大学におけるヒトゲノム・遺伝子解析研究の実施に関する規則

    東京工業大学大学院生命理工学研究科における遺伝子解析を伴わないヒト試料を用いる研究の実施に関する申合わせ

    人を対象とする医学系研究に関する倫理指針

    東京工業大学人を対象とする研究の実施に関する規則

    本学では,指針の対象とする研究に加え,アンケート調査など「対象となる研究対象者又は人類社会の福利厚生に有効に用いられることを前提に実施される人を対象とした実験調査研究」も審査対象としております。

    ヒトES細胞の分配及び使用に関する指針

    東京工業大学ヒトES細胞利用に関する規則

    東京工業大学大学院生命理工学研究科におけるヒトES細胞を使用する研究の実施に関する内規

    遺伝子組換え生物などの取扱いの規制による生物の多様性の確保に関する法律

    国立大学法人東京工業大学遺伝子組換え実験等安全管理規則

    動物の愛護及び管理に関する法律

    研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針

    国立大学法人東京工業大学動物実験等管理規則

    人を対象とする研究倫理審査委員会

    ライフサイエンス関係委員会組織図

    文部科学省

    1

  • 2

    新たな指針

    当然の観点

    「侵襲」の定義

    「介入」の定義

  • 3

    研究者担当者(学生も)にも研修の義務

    研究成果公表の義務を明確化

    学長の責務

    倫理審査委員会

    研究者等の責務

  • 4

    利益相反の管理

    「介入研究」は公開データベースに登録する義務

  • 5

    「侵襲」を伴う研究はモニタリングと監査の義務

  • 人を対象とする研究倫理審査委員会審査体制

    申請書作成研 究 者

    倫理研修会受講

    (修了証)

    学長 ~ 答申

    人を対象とする研究倫理審査委員会

    ・ 研究対象者の人権擁護の観点から

    ヘルシンキ宣言の趣旨に則り、審議する。・ 実験計画の審査・ 個人情報の保護・ その他研究倫理

    承認 不承認

    利益相反委員会(有の場合は産学連携課)

    保険への加入準備 加入手続き事務:

    研究企画課保険への

    加入

    結果通知書交付

    再審議

    承認 不承認

    承認通知書交付(所属長経由で本人へ)

    研究開始

    保険契約完了

    取下げ

    事務: 研究企画課

    研究企画課へ提出

    6

  • 1

    人を対象とする研究における倫理規範

    日本国内における倫理指針とその意味

    弁護士法人 内田・鮫島法律事務所弁護士 宅間 仁志

    資料2東京工業大学 人を対象とする研究倫理研修会

  • 本日のアジェンダ

    生命倫理の定義

    規範の種類

    生命倫理の進歩の歴史

    我が国における学問の自由と個人の権利

    結論

    個人情報保護法改正の要点(補足)

    2

  • 1 生命倫理の定義

    3

  • 1 生命倫理の定義

    4

    「生命倫理(bioethics)とは、「生命科学・医学が社会の理解を得て適切に発展していくための社会規範」(位田隆一 法学業論162巻 1~6号19頁「国際生命倫理規範の法的性格」)

    社会規範とは、人間の社会生活を規律している各種の規範(きまり、秩序)

    法規範、道徳規範、宗教規範、倫理規範など多様なものが含まれる。

  • 5

    2 規範の種類

  • 2 規範の種類

    6

    法規

    法律に基づき国の作る指針

    法律に基づかず作る国の作る指針

    専門家集団による自主規制

    ハードロー

    ソフトロー

    拘束力

    日本の場合

  • ハードロー 拘束力が強く、国家による

    強制が可能。

    罰則を定める事ができる。

    制定、改正等に時間がかかり、迅速、柔軟な対応ができない

    ソフトロー 拘束力は弱く、国家による

    強制は不可能。

    罰則を定める事ができない。

    制定、改正等に迅速、柔軟な対応が可能

    7

    今日においては、ソフトローも極めて重要であり、広い意味での「法」にソフトローも含めて考えるべきであり、実際に考えられ、遵守されている。

    2 規範の種類

  • 8

    3 生命倫理の進歩の歴史

  • 9

    第2次世界大戦の反省

    1945年 国連憲章「基本的人権と人間の尊厳」を確認

    1947年 世界保健機関憲章「すべての人民の健康を増進し保護」する。

    1948年 世界人権宣言

    3 生命倫理の進歩の歴史

  • 被験者の自発的同意

    実験の非代替性、社会の善となるものであること

    実験の入念な事前準備(実験動物を用いる等)

    不必要な肉体的、精神的な苦痛及び障害の回避

    死亡や回復不能な障害が起こる実験の回避(但し、実験者が被験者となる場合は除外)

    等の全10項目10

    1947年 ニュールンベルグ国際軍事裁判所ナチスによる人体実験を裁くに際して、医学実験における

    遵守されるべき原則を示す。

    ニュールンベルグ綱領

    3 生命倫理の進歩の歴史

  • 1959年 感染性肝炎の感染力を研究するために知的障害児に人為的に肝炎を感染させた(親の同意は得ていた。)。

    1964年 がんに対する免疫システムの研究のために生きたがん細胞が22人の被験者に注射された(注射される「細胞」が「がん細胞」とは知らされていない。)。

    1965年 ある母親に娘の皮膚がん(メラノーマ)が移植された。母親は説明を受けたが、腫瘍に対する抗体が産出されればがん患者の治療に役立つかもしれないことを期待してのことだった(娘は移植した次の日に死亡、母親は移植後451日目にメラノーマで死亡。)。

    1932~1972年 40年間梅毒患者399人と非梅毒患者201人を対照実験(治療薬が流通(43年)後も治療せず。)。

    11

    実際には、第2次世界大戦後も人体実験の事例は続く

    3 生命倫理の進歩の歴史

  • 12

    3 生命倫理の進歩の歴史国際人権法の発達

    1950年 国際医学団体評議会(CIOMS)設置「人を対象とする生物医学研究の国際倫理指針」(最新2002年版)「疫学研究の倫理審査のための国際的指針」(最新:2009年版)

    1964年 世界医師会(WMA)「人を対象とする医学研究の倫理原則」(最新:2013年版)

    ヘルシンキ宣言当初は科学者としての医師の責任を強調していた(個人の倫理観)。

    米国での人体実験の問題を踏まえて、大幅に修正1975年に大幅な改正が行われる。

    インフォームドコンセント・「独立した委員会」による事前審査が導入される。これに伴い、副題が、「人体実験法に関する世界医師会倫理綱領」から「人を対象とした生物医学研究に携わる医師のための勧告」に変更される。

  • 13

    3 生命倫理の進歩の歴史国際人権法の発達

    1966年 国連人権規約 B規約(自由権)第7条「・・・何人も、その自由な同意なしに

    医学的又は科学的実験を受けない。」

    1974年 (米国)国家研究法被験者保護全米委員会の設置「ベルモントレポート」を報告①人格の尊重 ②恩恵 ③正義を人体実験が従うべき一般的倫理原則として挙げる。

    1997年 欧州生物医学条約欧州各国で採用が分かれる。

    現在においても人体実験に係る規制は発達を続けている(未完成)

  • 14

    3 生命倫理の進歩の歴史国際人権法の発達

    国連システム内における生命倫理に関する主幹機関UNESCO

    1997年ヒトゲノムと人権に関する世界宣言2003年ヒト遺伝情報に関する国際宣言2005年生命倫理と人権に関する世界宣言

    国連2005年ヒトクローン禁止宣言

  • 15

    4 我が国における学問の自由と個人の権利

  • 16

    法規

    法律に基づき国の作る指針

    法律に基づかず作る国の作る指針

    専門家集団による自主規制

    ハードロー

    ソフトロー

    拘束力

    4 我が国における学問の自由と個人の権利

    憲法

  • 17

    4 我が国における学問の自由と個人の権利

    第13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

    第19条 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。

    第21条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

    2 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

    第23条 学問の自由は、これを保障する。

    日本国憲法の定め

  • 18

    検閲と倫理審査の関係検閲とは「行政権が主体となって、思想内容等の表現物を対象とし、その全部又は一部の発表の禁止を目的として、対象とされる一定の表現物につき網羅的一般的に、発表前にその内容を審査した上、不適当と認めるものの発表を禁止することを、その特質として備えるもの」とされている。(税関検査事件判決(最高裁大法廷判決1984(昭和59)・12・12民集38巻12号1308頁)

    大学における倫理審査は、主体は行政権ではなく、表現物を禁止するものではないため、検閲には該当しない。

    4 我が国における学問の自由と個人の権利

  • 19

    4 我が国における学問の自由と個人の権利 学問の自由

    ① 学問研究の自由憲法第19条「思想の自由」を根拠とする。調査研究活動について、第23条が根拠となるとの考え方もある。

    ② 学問研究結果の発表の自由憲法第21条の「表現の自由」が根拠となる。 プライバシー

    ③ 大学における教授の自由

    ④ 大学の自治⑴教員の人事、⑵施設の管理、⑶学生の管理

    (ポポロ事件(最高裁大法廷判決昭和38年5月22日刑集17巻4号370頁)

    学説では⑷研究教育の内容及び方法、⑸予算について自治が認められるとされる。

  • 20

    4 我が国における学問の自由と個人の権利 学問の自由の制約

    ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律・・・ヒトクローン技術によるヒト個体等の産生を禁止し、ヒトクローン技術による胚の取り扱いを規制して、違反者に罰則を設けた法律

    学問の自由に対する制約が許されるのか。

    学問の自由も無制限のものではなく、公共の福祉(憲法第13条)、つまり他の権利との関係上、制約を受けるものである。

    許される

  • 21

    • 特定胚の取り扱いに関する指針• 医薬品臨床試験の実施の基準に関する省令• 医療機器の臨床試験の実施に関する省令 等

    法律の具体的な委任に基づくもの

    • ヒトES細胞の樹立に関する指針• ヒトES細胞の分配及び使用に関する指針• 遺伝子治療臨床研究に関する指針 等

    法律の委任には基づかないが国家が関与

    するもの

    • 人を対象とする医学系研究に関する倫理指針• ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針 等

    法律に基づかず国家が関与しないもの(制

    定は国家)

    • ヘルシンキ宣言• 各種学会の倫理指針 等

    法律に基づかず国家が関与しないもの(制定は国家でない)

    4 我が国における学問の自由と個人の権利 日本の各種指針

  • 22

    4 我が国における学問の自由と個人の権利 日本の各種指針

    の特徴我が国においては、ほとんどの指針が、法律の根拠に基づかない専門家の自主性を尊重した形で定められている。(括弧内は改定された最新版)

    ヒトES細胞の樹立に関する指針(2014年)ヒトES細胞の分配及び使用に関する指針(2014年)遺伝子治療等臨床研究に関する指針(2017年)人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(2017年)ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針(2017年)

    専門家への高い信頼Ex日本産科婦人科学会の「会告」

  • 23

    5 結論

  • 24

    5 結論

    日本の社会の理解 専門家への高い信頼

    専門家集団への高い信頼を裏切らない、高い自己規範(integrity)が必要

  • 25

    6 個人情報保護法改正の要点(補足)

  • 個人識別符合(法2条1・2項)

    26内閣官房IT総合戦略室作成

  • 個人識別符合(法2条1・2項 政令第1号)

    27

    イ 細胞から採取されたデオキシリボ核酸(別名 DNA)を構成する塩基の配列ゲノムデータ(細胞から採取されたデオキシリボ核酸(別名 DNA)を構成する塩基の配列を文字列で表記したもの)のうち、全核ゲノムシークエンスデータ、全エクソームシークエンスデータ、全ゲノム一塩基多型(single nucleotide polymorphism:SNP)データ、互いに独立な 40 箇所以上の SNP から構成されるシークエンスデータ、9 座位以上の 4 塩基単位の繰り返し配列(short tandem repeat:STR)等の遺伝型情報により本人を認証することができるようにしたもの

    ロ 顔の骨格及び皮膚の色並びに目、鼻、口その他の顔の部位の位置及び形状によって定まる容貌ハ 虹彩の表面の起伏により形成される線状の模様ニ 発声の際の声帯の振動、声門の開閉並びに声道の形状及びその変化によって定まる声の質ホ 歩行の際の姿勢及び両腕の動作、歩幅その他の歩行の態様ヘ 手のひら又は手の甲若しくは指の皮下の静脈の分岐及び端点によって定まるその静脈の形状ト 指紋又は掌紋

    個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン

  • 要配慮個人情報(法2条3項)

    28

    第1 個人情報保護法の改正概要

    内閣官房IT総合戦略室作成

  • 29

    法第 2 条(第 3 項)3 この法律において「要配慮個人情報」とは、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして政令で定める記述等が含まれる個人情報をいう。

    政令第 2 条法第 2 条第 3 項の政令で定める記述等は、次に掲げる事項のいずれかを内容とする記述等(本人の病歴又は犯罪の経歴に該当するものを除く。)とする。(1) 身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の個人情報保護委員会規則で定める心身の機能の障害があること。(2) 本人に対して医師その他医療に関連する職務に従事する者(次号において「医師等」という。)により行われた疾病の予防及び早期発見のための健康診断その他の検査(同号において「健康診断等」という。)の結果(3) 健康診断等の結果に基づき、又は疾病、負傷その他の心身の変化を理由として、本人に対して医師等により心身の状態の改善のための指導又は診療若しくは調剤が行われたこと。

    要配慮個人情報(法2条3項)

  • Copyright© 2016 TAKUMA Hitoshi 30

    (8)本人に対して医師その他医療に関連する職務に従事する者(次号において「医師等」という。)により行われた疾病の予防及び早期発見のための健康診断その他の検査(同号において「健康診断等」という。)の結果(政令第 2 条第 2 号関係)(※)疾病の予防や早期発見を目的として行われた健康診査、健康診断、特定健康診査、健康測

    定、ストレスチェック、遺伝子検査(診療の過程で行われたものを除く。)等、受診者本人の健康状態が判明する検査の結果が該当する。具体的な事例としては、労働安全衛生法(昭和 47 年法律第 57 号)に基づいて行われた

    健康診断の結果、同法に基づいて行われたストレスチェックの結果、高齢者の医療の確保に関する法律(昭和 57 年法律第 80 号)に基づいて行われた特定健康診査の結果などが該当する。また、法律に定められた健康診査の結果等に限定されるものではなく、人間ドックなど保険者や事業主が任意で実施又は助成する検査の結果も該当する。さらに、医療機関を介さないで行われた遺伝子検査により得られた本人の遺伝型とその遺伝型の疾患へのかかりやすさに該当する結果等も含まれる。なお、健康診断等を受診したという事実は該当しない。なお、身長、体重、血圧、脈拍、体温等の個人の健康に関する情報を、健康診断、診療等の

    事業及びそれに関する業務とは関係ない方法により知り得た場合は該当しない。

    個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)

    要配慮個人情報(法2条3項)

  • 31

    第76条 個人情報取扱事業者等のうち次の各号に掲げる者については、その個人情報等を取り扱う目的の全部又は一部がそれぞれ当該各号に規定する目的であるときは、第4章の規定は、適用しない。(中略)三 大学その他の学術研究を目的とする機関若しくは団体又はそれらに属する者 学術研究の用に供する目的

    人を対象とする医学系研究に関する倫理指針

    東京工業大学は、個人情報保護法ではなく、独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律により規律される。(同法第2条1項、別表)

  • 32

    人を対象とする医学系研究に関する倫理指針

    文部科学省 作成

  • 33

    人を対象とする医学系研究に関する倫理指針

    文部科学省 作成

  • 34

    人を対象とする医学系研究に関する倫理指針

    文部科学省 作成

  • 35

    (適正な取得)第17条 個人情報取扱事業者は、偽りその他不正の手段により個人情報を取得してはならない。2 個人情報取扱事業者は、次に掲げる場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで、要配慮個人情報を取得してはならない。一 法令に基づく場合二 人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。三 公衆衛生の向上又は児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。四 国の機関若しくは地方公共団体又はその委託を受けた者が法令の定める事

    務を遂行することに対して協力する必要がある場合であって、本人の同意を得ることにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき。五 当該要配慮個人情報が、本人、国の機関、地方公共団体、第76条第1項各号に掲げる者その他個人情報保護委員会規則で定める者により公開されている場合六 その他前各号に掲げる場合に準ずるものとして政令で定める場合

    人を対象とする医学系研究に関する倫理指針

  • 36

    人を対象とする医学系研究に関する倫理指針

    文部科学省 作成

  • 人を対象とする研究における研究倫理と安全管理

    RIKEN (The Institute of Physical and Chemical Research)

    理化学研究所 吉識 肇

    資料3

    1

  • 1.人を対象とする研究で求められること

    2.研究計画策定時に考慮すること

    3.インフォームド・コンセントについて

    4.研究実施時の注意点

    本日お話しする内容

    2

  • 人を対象とする研究で求められること

    3

  • 研究活動

    物理系・化学系実験

    研究対象者情報

    (ヒト由来)

    情報(ヒト由来):研究に用いられるヒトに由来する情報

    試料(ヒト由来):血液、組織、細胞、体液、排泄物及びこれらから抽出した核酸など

    人を対象とする研究とは?

    4

    試料(ヒト由来)

  • ○倫理審査委員会での審査研究に係わる全ての機関において、研究計画に対し、倫理的観点及び科学的観点からの審査が求められている。

    ○インフォームド・コンセントヒトに由来する情報や試料を研究に用いることについて、研究対象者からインフォームドコンセントを受けることが原則とされている。

    ○個人情報の保護取り扱う個人情報の漏洩、滅失及びき損の防止その他個人情報の安全管理のため、必要な措置を講じることが求められている。

    人を対象とする研究に係る諸指針の主な内容

    5

  • 研究計画策定時に考慮すること

    ~倫理審査を受けるにあたって~

    6

  • “Bad science is bad ethics.”研究計画が科学的であってこそ倫理面について吟味可能

    → これを吟味するのが「倫理審査委員会」

    研究内容の科学面・倫理面の吟味は十分?

    ①研究計画の背景、目的、必要性、意義

    ②研究の特色・独創性

    ③国内外の関連研究における本研究の位置付け

    研究計画策定時に科学面で考慮すべきこと

    研究計画の事前審査・承認

    7

  • ①人間の尊厳・人権を尊重

    ②科学的・社会的利益 < 個人の人権の保障

    ③研究は、社会的に有益なものであること

    ④被験者、提供者の選択は、平等・公平

    ⑤被験者の数、試料・情報の数量は必要最小限に

    ⑥被験者、提供者への危険性・不利益をできる限り排除

    ⑦排除し得ない危険性・不利益から、被験者を保護

    ⑧事前に十分な説明&自由意思に基づく同意

    ⑨個人情報の保護の徹底

    ⑩研究結果の開示・公表

    研究計画策定時に倫理面で考慮すること

    8

  • 介護ロボットRIBAの開発

    研究計画策定時に安全面で考慮すること

    旧理研-東海ゴム人間共存ロボット連携センター HPより

    倫理審査委員会での質問

    ・人形での実験は十分されたか?

    ・「くの字」での落下の恐れはない

    のか?(人形での事故は?)

    ・異常動作をしたときの対処は?

    ・なぜ人型ロボットとするのか?

    ・理学療法士の助言は?

    ・人形での実験は十分に行っており、過去に落

    下事故もない。また、介護者が必ず付き添い、

    非常停止機構も用意している。

    ・関節を持たせることで多様な動作が指定でき

    ることから人型としている。

    ・理学療法士からは適宜助言を得ている。 9

  • インフォームド・コンセントについて

    10

  • ★募集にあたっての注意点

    ○研究概要を平易かつ簡潔に記載のこと

    ○以下を明記のこと

    ・研究対象者 ・研究場所 ・研究期間 ・参加日時

    ・謝礼 ・個人情報の取扱い ・資料の開示

    ・研究中断の場合の扱い ・利益と不利益

    ・研究成果の公表 ・研究終了時の扱い

    ★被験者・提供者の募集

    HP上に掲載、ポスター掲示、チラシ配布等

    申請書に記載した方法で行ってください!

    11

    研究対象者の募集

  • 説明すべきこと・研究の目的、方法・個人情報の保護・試料・情報の管理・予測される不利益・同意撤回の自由

    配慮すべきこと・正しく理解して頂くために、平易な言葉で・質問や同意猶予の時間を十分に取る

    ご協力頂く方には、ご本人の

    自由意思に基づく同意が大前提

    (文書を用いた十分な説明を原則とする)

    インフォームド・コンセント

    12

  • 本人からの意志確認(インフォームド・アセント)※16歳以上は本人からの同意

    親権者等からの同意が原則

    本人が拒否の意思を示したら、その意思を尊重

    代諾者等からのインフォームド・コンセント

    ○未成年者等の場合

    代諾の条件…

    ・認知症等により有効なインフォームド・コンセントを与えることができないと客観的に判断される場合。

    ・特に必要な研究で、当該者の協力がなければ成り立たない。

    13

  • ●研究の意義、目的、方法が平易な言葉で記載されていること。

    ●測定条件、拘束時間等の具体的な内容が記載されていること。

    ●試料・情報の保管及び廃棄方法が記載されていること。

    ●測定結果等を当該研究以外にも使用(二次利用)する可能性がある場合は、その旨が記載されていること。

    ●測定結果等が共同研究機関等の他機関でも使用される場合は、その旨が記載されていること。

    ●個人情報の保護(匿名化のあり方)が記載されていること。

    ●同意撤回の可否が記載されていること。

    (論文等での発表後は同意の撤回ができないことも記載。)

    ●補償のことが記載されていること。

    被験者への説明文書作成時の注意事項

    14

  • インフォームド・コンセントに係る注意点

    ●説明文書、同意書等の内容・研究目的、方法・個人情報の管理方法・共同研究内容 等

    ②共同研究機関等の情報等(測定結果等)を使用する場合

    必ず入手前に先方機関でのインフォームド・コンセントの内容や匿名化の状況を確認!

    ①写真・映像の撮影、音声の録音をする場合

    ・個人が特定できる形で研究に用いる(公表する)のか否かを説明文書で明確にする。

    ・撮影、録音は、同意した事項に基づき行う。

    15

  • インフォームド・コンセントに係る注意点

    ④偶発的所見(incidental findings)への対処

    ③既存試料・情報を利用又は提供する場合

    ・試料・情報がどのようなものであるかによって手続きが異なるので、事務局に確認をする。

    16

    例)fMRI測定において脳腫瘍,動脈瘤を見つけた場合は?

    ・問題点:偽陽性/陰性のリスクにどう対処するか

    ⇒ あらかじめ対処方針を決める。⇒ 決定した方針を研究対象者に説明する。⇒ メンバーに方針を徹底させる。

    ※将来の研究に利用する際には留意が必要

  • 研究実施時の注意点

    17

  • ○個人情報とは?

    ①生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるものをいい、他の情報と照合することで特定の個人を識別することができることとなるものを含む。

    ②個人識別符号が含まれるもの

    <人を対象とする医学系研究に関する倫理指針>

    研究実施時の注意点:個人情報の保護(匿名化)

    原則として匿名化されたヒト由来試料、情報(測定結果等を含む。)を同意の範囲内で研究に使用する。

    ※被験者、提供者又は代諾者が匿名化を行わないことに同意している場合は除く。

    18

  • ①特定の個人を識別できるもの

    個人を識別できるように、被験者と新たに付された符号又は番号の対応表を残す

    氏 名 ID No.

    わこう たろう R001

    りけん のりこ R002

    げのむ よむぞう R003

    研究実施時の注意点:取得試料・情報の匿名化

    ②特定の個人を識別できないもの

    個人を識別できないように、対応表を残さない (※例外あり)

    ・追加測定が可能・同意撤回への対応が可能・情報の厳格な管理が必要

    19

    ※顔画像や個人識別符号等は対応表の有無に関わらず個人情報となる

  • ①大学が対応表を保有する場合

    研究実施時の注意点:提供試料・情報の取扱い

    ②大学が対応表を保有しない場合

    20

    氏 名 ID No.

    おおおか たろう T001

    とうこう りんこ T002

    げのむ よむぞう T003

    個人情報として適切に取り扱う必要がある。

    ○○大学A研究室 ○○大学B研究室

    提供ヒト由来情報T001

    ・・・・・

    ヒト由来情報T001

    ・・・・・

    □□研究所C研究室氏 名 ID No.

    よこはま じろう R001

    りけん のりこ R002

    いでんし しるぞう R003

    ヒト由来情報R001

    ・・・・・

    提供

    ○○大学B研究室

    ヒト由来情報R001

    ・・・・・

    特定の個人を識別できる情報と照合できる状態にはない。

  • ・原則匿名化されたヒト由来試料・情報を使用。・匿名化されたものは、理由なく特定の個人の識別を試みない。

    ・アクセス権の制限や他の漏えい防止がされた形での取扱い。・保管庫又は部屋の施錠等(入室制限)による保管。

    ・研究対象者の参加状況を記録。・ヒト由来試料・情報の入手、廃棄、提供等を記録。

    ・個人情報・試料・情報 → 申請書(同意)に基づき保管・廃棄。・これらを提供する場合 → 申請書(同意)に基づき実施。

    研究実施時の注意点:試料・情報の管理

    ①個人情報の保護

    ②試料・情報(測定結果等を含む)の管理

    ③記録の作成

    ④研究終了時の措置

    21

  • 研究責任者は、年1回、研究の進捗状況、有害事象及び不具合等の発生状況等についての報告を行うこと。

    研究責任者は、有害事象及び不具合等が発生した場合は、直ちに状況や措置等についての報告を行うこと。

    研究責任者は、期待される利益より予測されるリスクが高いと判断される場合又は十分な成果が得られた/十分な成果が得られないと判断される場合、もしくは研究が終了したときには、当該研究を中止、又は終了し、報告を行うこと。

    研究実施時の注意点:各種報告

    ①定期報告

    ②有害事象発生時

    ③研究中止又は終了する場合

    22

  • 4つのマナー

    • 謙虚さと感謝の心を常に持ち続けること

    • 研究対象者の意志を尊重すること

    • 情報を漏出させないこと

    • 科学的妥当性が認められること

    おわりに

    金澤一郎 Biophillia Vol4 No4 200823

  • 東京医科歯科大学 生命倫理研究センター

    江花 有亮

    東京工業大学 人を対象とする研究倫理研修会

    医学系研究を倫理的にする7つのこと

    資料4

  • 医学系研究の科学性・倫理性Research integrity(科学的合理性)科学・研究活動への誠実さと真実公正な良き科学活動scientific misconduct(データ捏造)conflict of interest(利益相反)

    Research ethics(倫理的妥当性)被験者・参加者の保護倫理ガイドラインヘルシンキ宣言

  • なぜ倫理的な研究が必要なのか?

    研究者の利益(研究促進・研究成果)

    被験者の利益(疾患機序解明・新規治療開発)

    両者の対立のバランスではなく、双方の利益がともに増大する仕組みの追究

    良質な医学系研究とは科学的に優れかつ倫理的な研究

  • What Makes Clinical Research Ethical?Ezekiel J. Emanuel, MD, PhD et alJAMA. 2000;283(20):2701-2711

    1. 社会的・科学的価値 Social or scientific value2. 科学的妥当性 Scientific validity3. 適正な被験者選択 Fair subject selection4. 適切なリスク・ベネフィット バランス Favorable risk-benefit ratio5. 第三者による独立した審査 Independent review6. インフォームド・コンセント Informed consent7. 候補者及び被験者の尊重 Respect for potential and enrolled

    subjects

  • 倫理審査申請の書類

    •同意書・同意撤回書

    1.研究の目的や新しさ2.研究の種別・デザイン・方法3.被験者や個人情報について4.問題が起こった時の対処法

    •研究計画書

    研究計画書の内容をわかりやすく書く

    •説明書

    •試料の同意書・撤回書•他施設の承認書

    同意を得た内容を1枚にまとめて記載し、保管

    科学的合理性

    倫理的妥当性

  • 研究計画書:1.研究の目的や新しさ

    • タイトル研究の目的が端的に示されている

    • 研究の背景・目的科学的にわかっていないこと従来の方法では解決できない点など着想に至った経緯、論文など

    • 新規性この研究で明らかにすること被験者にメリットはあるかコスト(科研費)を使う価値はあるか

    1. 社会的・科学的価値 Social or scientific value

    2. 科学的妥当性 Scientific validity3. 適性な被験者選択 Fair subject selection

    4. 適切なリスク・ベネフィット バランス Favorable risk-benefit ratio

    5. 第三者による独立した審査 Independent review6. インフォームド・コンセント Informed consent

    7. 候補者及び被験者の尊重 Respect for potential and enrolled subjects

  • 研究を実施するために必要な事柄

    (科学的合理性に基づく)

    •研究種別(観察、介入、侵襲…)→異なる手続き•デザイン(PICO, PECO)•手法・機器・試料・情報•統計学的解析•研究体制•研究資金

    1. 社会的・科学的価値 Social or scientific value

    2. 科学的妥当性 Scientific validity

    3. 適性な被験者選択 Fair subject selection

    4. 適切なリスク・ベネフィット バランス Favorable risk-benefit ratio

    5. 第三者による独立した審査Independent review

    6. インフォームド・コンセントInformed consent

    7. 候補者及び被験者の尊重Respect for potential and enrolled subjects

    研究計画書:2.研究の種別・デザイン・具体的な方法

  • 研究計画書:2.研究の種別・デザイン・具体的な方法

    •種類(1)観察研究か介入研究か(2)侵襲、軽微な侵襲を伴うか

    介入→研究目的で、①被験者の健康・生活に影響を与えるような制限すること②通常の診療を超える医療行為

    1. 社会的・科学的価値 Social or scientific value

    2. 科学的妥当性 Scientific validity

    3. 適性な被験者選択 Fair subject selection

    4. 適切なリスク・ベネフィットバランス Favorable risk-benefit ratio

    5. 第三者による独立した審査Independent review

    6. インフォームド・コンセントInformed consent

    7. 候補者及び被験者の尊重Respect for potential and enrolled subjects

    6か月間サプリを服用する

    6か月間抗がん薬を使う 1か月間運動を続ける

    1か月間無人島で生活する

    ダ・ヴィンチ(手術補助ロボット)で手術をする

    人工知能を使って心理カウンセリングを実施する

  • •種類(1)観察研究か介入研究か(2)侵襲、軽微な侵襲を伴うか

    侵襲→研究目的で、被験者の身体・精神に傷害や負担が生じるもの

    ①穿刺、②切開、③薬物投与、④放射線照射、⑤心的外傷に触れる質問等

    1. 社会的・科学的価値 Social or scientific value

    2. 科学的妥当性 Scientific validity3. 適性な被験者選択 Fair subject selection

    4. 適切なリスク・ベネフィット バランス Favorable risk-benefit ratio

    5. 第三者による独立した審査 Independent review6. インフォームド・コンセント Informed consent

    7. 候補者及び被験者の尊重 Respect for potential and enrolled subjects

    研究計画書:2.研究の種別・デザイン・具体的な方法

    東日本大震災が起こったとき、何をされていましたか?

    ダウン症の赤ちゃんを出産されて、大変なことは何ですか

    ノーベル賞に選ばれなかったとき、どういう気持ちでしたか?

  • •種類(1)観察研究か介入研究か(2)侵襲、軽微な侵襲を伴うか

    軽微な侵襲→「最小限の危険」日常生活、日常的な医学検査で受けるもの1. 健康診断の採血、単純X線2. 通常診療の上乗せ採血3. 単純MRI(長い拘束時間で被験者に負担がなけれ

    ば)4. 質問紙の場合、精神的苦痛を含む内容であること

    を予め明示してあるもの

    1. 社会的・科学的価値 Social or scientific value

    2. 科学的妥当性 Scientific validity3. 適性な被験者選択 Fair subject selection

    4. 適切なリスク・ベネフィット バランス Favorable risk-benefit ratio

    5. 第三者による独立した審査 Independent review6. インフォームド・コンセント Informed consent

    7. 候補者及び被験者の尊重 Respect for potential and enrolled subjects

    研究計画書:2.研究の種別・デザイン・具体的な方法

    1. 食品・栄養食品などで負担を生じないとわかっているもの

    2. 自然排泄される尿・便・喀痰・唾液・汗等、抜け落ちた毛髪・体毛

    3. 表面筋電図・心電図・脳波・超音波4. 運動負荷のうち、軽い運動(ちょっとの

    休憩で元に戻るもの)、体力テスト

    「侵襲なし」

  • •種類(3)情報・試料を使う研究(4)他施設との情報・試料のやり取り

    •情報・試料: 既存、新規で採取?•他施設とのやり取りは?

    インフォームド・コンセントのプロセスや手続きが異なる

    1. 社会的・科学的価値 Social or scientific value

    2. 科学的妥当性 Scientific validity3. 適性な被験者選択 Fair subject selection

    4. 適切なリスク・ベネフィット バランス Favorable risk-benefit ratio

    5. 第三者による独立した審査 Independent review6. インフォームド・コンセント Informed consent

    7. 候補者及び被験者の尊重 Respect for potential and enrolled subjects

    研究計画書:2.研究の種別・デザイン・具体的な方法

  • •デザイン:PICOとPECOP:Patients (被験者)I: Intervention (介入)、E: Exposure (曝露)C: Comparison (比較)O: Outcome (アウトカム、評価項目)

    •データ解析:統計学的手法は妥当か解析担当者は妥当か

    → 利益相反状態の確認•データ管理:公正な手法でクリーニング

    研究終了後のデータ処理

    1. 社会的・科学的価値 Social or scientific value

    2. 科学的妥当性 Scientific validity

    3. 適性な被験者選択 Fair subject selection

    4. 適切なリスク・ベネフィット バランス Favorable risk-benefit ratio

    5. 第三者による独立した審査Independent review

    6. インフォームド・コンセントInformed consent

    7. 候補者及び被験者の尊重Respect for potential and enrolled subjects

    研究計画書:2.研究の種別・デザイン・具体的な方法

  • 研究体制・研究資金有資格者

    • ヘルシンキ宣言「研究は資格があるものだけが行うべきである」

    • 資格とは研究の経験などが含まれる研究における役割

    • 研究者の役割:総括、リクルート、解析、論文執筆者• これまでに研究者が行ってきた研究(論文・学会発表)など研究資金

    • 研究資金の獲得方法など• 利益相反

    研究計画書:2.研究の種別・デザイン・具体的な方法

    公開データベース• ヘルシンキ宣言「人を対象とするすべての研究は、最初の被験者を募集する前に一般的にアクセス可能なデータベースに登録されなければならない」

    • 日本の指針では、介入研究については公開データベースへ登録することが課せられている

    UMIN大学病院医療情報ネットワークwww.umin.ac.jp

  • •被験者について対象→選別された人は妥当か?

    研究の目的が達成できるか?

    立場の弱い人が不当に巻き込まれないことを確認

    例:大学院生・学部生など

    例:経済的に困窮している人

    例:自己決定の困難な人(認知症、昏睡状態)

    インフォームド・コンセントの方法

    →研究の種別によって異なる

    研究計画書:3.被験者と個人情報

    1. 社会的・科学的価値 Social or scientific value

    2. 科学的妥当性 Scientific validity3. 適性な被験者選択 Fair subject

    selection

    4. 適切なリスク・ベネフィット バランスFavorable risk-benefit ratio

    5. 第三者による独立した審査Independent review

    6. インフォームド・コンセントInformed consent

    7. 候補者及び被験者の尊重 Respect for potential and enrolled subjects

  • インフォームド・コンセント (IC)

    研究内容を相手に十分理解できるように説明し、そのうえで得る同意を指す

    → 研究の種類によって、文書IC, 口頭IC, 適切な同意,オプトアウト

    1.侵襲を伴う研究→必ず文書IC

    2.介入を伴う研究→口頭IC+記載でもOK

    3.生体試料を使う観察研究→口頭IC+記載でOK

    4.新たに被験者から情報を得る研究→適切な同意

    5.既存情報(診療録)から情報を得る研究→オプトアウト

    6.既存試料を使う研究→原則IC(文書or口頭IC)1. 社会的・科学的価値 Social or scientific value

    2. 科学的妥当性 Scientific validity

    3. 適性な被験者選択 Fair subject selection

    4. 適切なリスク・ベネフィット バランス Favorable risk-benefit ratio

    5. 第三者による独立した審査 Independent review

    6. インフォームド・コンセント Informed consent

    7. 候補者及び被験者の尊重 Respect for potential and enrolled subjects

    研究計画書:3.被験者と個人情報

  • オプト・アウト

    • 先行研究でリクルートされた被験者の臨床情報などの二次利用をする際に、ポスター公示やウェブによる掲示を行い、拒否の機会を担保するという考え方

    情報・試料を他施設と共有する場合

    • 共同機関名や研究責任者、試料・情報の項目について記録を残す

    • 誰の試料・情報が提供されたのかが分かるように記録

    研究計画書:3.被験者と個人情報

    1. 社会的・科学的価値 Social or scientific value

    2. 科学的妥当性 Scientific validity

    3. 適性な被験者選択 Fair subject selection

    4. 適切なリスク・ベネフィットバランス Favorable risk-benefit ratio

    5. 第三者による独立した審査 Independent review

    6. インフォームド・コンセント Informed consent

    7. 候補者及び被験者の尊重 Respect for potential and enrolled subjects

  • 個人情報の管理

    • 個人情報とは?被験者の名前や顔、生年月日、住所、電話番号

    ゲノム情報、静脈・指紋・声紋のパターンなど個人識別符号

    • 個人情報の管理→ 匿名化の方法(対応表の有無)※連結可能・不可能という用語の廃止

    管理責任者(=通常は研究責任者、あるいは研究代表者)

    管理方法(パスワード、鍵付きロッカー、スタンドアローンのPC)

    研究計画書:3.被験者と個人情報

    1. 社会的・科学的価値 Social or scientific value

    2. 科学的妥当性 Scientific validity3. 適性な被験者選択 Fair subject selection

    4. 適切なリスク・ベネフィット バランス Favorable risk-benefit ratio

    5. 第三者による独立した審査 Independent review6. インフォームド・コンセント Informed consent

    7. 候補者及び被験者の尊重 Respect for potential and enrolled subjects

  • 研究計画書:4.問題が起こった時の対処法

    • 被験者への不利益(起こりうる有害事象)

    • 有害事象が起こった時の対処法重篤な有害事象、

    予期しない重篤な有害事象

    • 補償保険侵襲を伴う医学系研究では必要

    (「保険の加入そのほかの必要な措置を適切に講じなければならない」)

    1. 社会的・科学的価値 Social or scientific value

    2. 科学的妥当性 Scientific validity

    3. 適性な被験者選択 Fair subject selection

    4. 適切なリスク・ベネフィット バランス Favorable risk-benefit ratio

    5. 第三者による独立した審査 Independent review

    6. インフォームド・コンセント Informed consent

    7. 候補者及び被験者の尊重 Respect for potential and enrolled subjects

  • モニタリングって何?

    • 目的:被験者保護、安全と福祉を確保する➡ 医学系研究の科学的な質とデータの信頼性を担保

    • 医学系指針:侵襲介入研究で必須

    • その研究に直接関与しない者が第三者として実施し研究責任者に報告➡ モニター(モニタリング担当者)

    (研究責任者の指名、カルテを読める、研究者・監査兼ねない)

    https://www1.tmd.ac.jp/artis-cms/cms-files/monitoring_201604.pdf

    研究開始

    論文発表

    研究終了

    初期モニタリング 定期モニタリング(1年ごと)

    科学的合理性

    https://www1.tmd.ac.jp/artis-cms/cms-files/monitoring_201604.pdf

  • What Makes Clinical Research Ethical?Ezekiel J. Emanuel, MD, PhD et alJAMA. 2000;283(20):2701-2711

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    subjects

    研究計画書作成の心得

  • 倫理審査について

    人を対象とした研究に関する倫理審査の目的

    研究開始前研究計画の「科学的妥当性」「倫理的妥当性」の評価

    被験者の保護: 不要なリスクを避ける研究者の保護: 不当な批判を避ける

    1. 社会的・科学的価値 Social or scientific value

    2. 科学的妥当性 Scientific validity

    3. 適性な被験者選択 Fair subject selection

    4. 適切なリスク・ベネフィット バランス Favorable risk-benefit ratio

    5. 第三者による独立した審査 Independent review

    6. インフォームド・コンセント Informed consent

    7. 候補者及び被験者の尊重 Respect for potential and enrolled subjects

  • 倫理審査による研究者の保護

    臨床研究の意義とその代償について、当事者以外の第三者が妥当かどうか判断することにより、

    ①無意味な研究による時間と費用の無駄を省く

    ②問題のある研究を行って被験者による訴訟や社会からの批判を受けることを防ぐ

    1. 社会的・科学的価値 Social or scientific value

    2. 科学的妥当性 Scientific validity

    3. 適性な被験者選択 Fair subject selection

    4. 適切なリスク・ベネフィット バランス Favorable risk-benefit ratio

    5. 第三者による独立した審査 Independent review

    6. インフォームド・コンセント Informed consent

    7. 候補者及び被験者の尊重 Respect for potential and enrolled subjects

  • 倫理審査が必要な研究

    基本的にすべての人を対象とする研究

    ただし、症例報告(1例報告)は不要(被験者からの同意は得ておく)

    よくあるまちがいインフォームドコンセントが不要な臨床研究は、倫理審査も不要か? ×必要

    1. 社会的・科学的価値 Social or scientific value

    2. 科学的妥当性 Scientific validity

    3. 適性な被験者選択 Fair subject selection

    4. 適切なリスク・ベネフィット バランス Favorable risk-benefit ratio

    5. 第三者による独立した審査 Independent review

    6. インフォームド・コンセント Informed consent

    7. 候補者及び被験者の尊重 Respect for potential and enrolled subjects

  • 人を対象とする研究の倫理審査<最重要事項>

    研究計画の倫理審査は、必ず研究開始前に行う

    研究が終わってからの倫理審査は不可能

    多くの学術誌は、倫理審査委員会の承認がないヒト対象研究の論文は受付けない

    日本国内の多くの大学では倫理審査委員会の承認がないヒト対象研究の論文は、学位として認めないことになっている

    >>>つまり、倫理審査委員会の承認がないヒト対象研究は、結果が出ても投稿もできず学位にもならない

  • What Makes Clinical Research Ethical?Ezekiel J. Emanuel, MD, PhD et alJAMA. 2000;283(20):2701-2711

    1. 社会的・科学的価値 Social or scientific value2. 科学的妥当性 Scientific validity3. 適正な被験者選択 Fair subject selection4. 適切なリスク・ベネフィット バランス Favorable risk-benefit

    ratio5. 第三者による独立した審査 Independent review6. インフォームド・コンセント Informed consent7. 候補者及び被験者の尊重 Respect for potential and enrolled

    subjects

    Take home message研究計画書作成の心得

  • 人を対象とする研究申請書の作成について

    資料5

    1

  • 情報・書式などは,公式WEB:http://www.rpd.titech.ac.jp/rpdiv/somu/cat97/detail_772.html

    から入手できます.

    2

  • 詳細は申請要領で

    3

  • 申請の要点:(1)人を対象とする研究倫理研修会受講 研修会修了証No.が必要(2)リスクの高低に応じて人を対象とする研究倫理審査申請書を作成

    ・リスクが軽微な研究計画:申請書(A) 基本的に書面審査

    ・リスクが高い研究計画(研究対象者の精神的・肉体的負担が大きい計画)申請書(A)+申請書(B) 対面審査,ヒアリングを実施

    (3)必要書類を準備・人を対象とする研究倫理審査申請書(*データで提出。)・研究対象者に対する基本的な説明書・募集要項・同意書式(*提出時は署名記入なし)・同意撤回書式(*提出時は署名記入なし)・ガイドラインチェックシート・関連資料

    ・他機関との共同研究の依頼書,申請書,承諾書・アンケート調査票やインタビューガイド・実験使用機器の説明書 など

    (4)申請・提出期限: HPにてご確認下さい。

    (5)新規・変更・再審査について申請が必要(審査終了までに1~2ヶ月かかります。早めの申請をお願いします。)

    ※平成29年度より、申請内容に応じて、一部迅速審査を実施しております。 4

  • 審査委員会における審査のポイント:

    (1)自発的意思による研究参加・研究対象者の自発的意思に基づく参加=公募が原則・インフォームドコンセント・万一の健康被害の説明と補償の説明

    (2)安全性の確保・機器の安全性・患者を対象とした場合は医師の管理

    (3)個人情報の保護・情報の漏洩防止・匿名化,特定の個人を識別できるか否か

    (4)研究計画の妥当性・ヒトを用いることの必然性、研究対象者数設定の妥当性・想定される成果(研究成果が社会的利益にどのように反映されるか。)

    5

  • 申請書・資料のポイント(申請(A)を例に):

    修了必須

    申請区分を記入

    簡潔に

    教員に限る

    期間を明確に

    侵襲/介入の定義をよく理解して

    6

  • 実験の部分だけではなく研究全体の概要を記入(研究の意義がわかるように)

    7

    研究の意義を示すところ

    公募の方法を明示し,必要最小数および最大人数を示す

  • 匿名化・

    特定の個人を識別できるか否かが重要

    情報の漏洩防止を明記研究終了後の廃棄についても明確に

    8

  • 9

  • 研究対象者募集の案内文(参考例を活用してください)

    審査申請書の記載内容と一致すること

    責任者と説明者を明示する

    10

  • 11

  • 同意と撤回を明確に

    傷害保険の説明

    問い合わせ先を明記する

    個人情報の保護を明示

    とにかく平易な言葉で

    実験場所は図示したい拘束される時間を明確に

    データを他の研究に使う可能性があれば明記

    研究対象者の利益・不利益は明確に

    研究対象者への説明書(参考例を活用してください)

    12

  • 研究対象者の同意書,同意撤回書(参考例を活用してください)

    13

  • 共同研究を行う場合は,承諾書,依頼書などを添付

    14

  • 人を対象とする研究実験を対象とする傷害保険

    人を対象とする研究倫理審査を受け許可

    された実験の研究対象者に対しては大学が加入する傷害保険でカバーされます。

    資料6

  • (研究責任者用)

    東京工業大学における人を対象とする研究実験*を対象とする傷害保険について

    (*人を対象とする研究倫理審査委員会で審査後、学長が承認したものに限ります。)

    保険期間:令和2年1月26日から令和3年1月26日午後4時まで1年間

    保険種類 普通傷害保険 契約方式:その他団体

    被保険者:契約者備え付け名簿による 被保険者数:25名

    ・被保険者数は全学での人を対象とする研究実施に伴う研究担当者1日の最大数です。

    ・管理下中(東京工業大学における実験参加中・参加途上・帰宅途上)に限ります。

    ・被保険者の職務・職業が職種級別の農林業作業者、漁業作業者、採鉱・採石作業者、自動車運転者

    (助手を含む。)、木・竹・草・つる製品製造作業者、建設作業者に該当する場合は、あらためて保険契約が

    必要となりますので、研究企画課総務・管理グループ(内線:3808)までご連絡下さい。

    補償項目 保険金額

    死亡1)・後遺障害保険金2) 10,000千円

    入院保険金3) 日額7,500円

    通院保険金4) 日額5,000円

    1)事故によるケガのため事故の発生の日からその日を含めて180日以内に死亡された場合。

    2)事故によるケガのため事故の発生の日からその日を含めて180日以内に後遺障害が生じた場合。

    3)事故によるケガのため入院(入院に準じる状態を含む。)され、平常の生活または仕事ができない場合。

    注意:事故の発生の日からその日を含めて180日以内の入院がお支払いの限度となります。

    4)事故によるケガのため、平常の生活または仕事が生じ、通院された場合。

    注意:事故の発生の日からその日を含めて180日以内の通院で、90日がお支払いの限度となります。

    【保険の内容】

    1

  • (研究対象者として研究に参加される方へ)

    東京工業大学における人を対象とする研究実験*を対象とする傷害保険について

    (*人を対象とする研究倫理審査委員会で審査後、学長が承認したものに限ります。)

    保険種類:普通傷害保険

    ・管理下中(東京工業大学における実験参加中・参加途上・帰宅途上)に限ります。

    ・被保険者の職務・職業が職種級別の農林業作業者、漁業作業者、採鉱・採石作業者、自動車運転者

    (助手を含む。)、木・竹・草・つる製品製造作業者、建設作業者に該当する場合は、あらためて保険契約が

    必要となりますので、実験研究責任者へご連絡下さい。

    補償項目 保険金額

    死亡1)・後遺障害保険金2) 10,000千円

    入院保険金3) 日額7,500円

    通院保険金4) 日額5,000円

    1)事故によるケガのため事故の発生の日からその日を含めて180日以内に死亡された場合。

    2)事故によるケガのため事故の発生の日からその日を含めて180日以内に後遺障害が生じた場合。

    3)事故によるケガのため入院(入院に準じる状態を含む。)され、平常の生活または仕事ができない場合。

    注意:事故の発生の日からその日を含めて180日以内の入院がお支払いの限度となります。

    4)事故によるケガのため、平常の生活または仕事が生じ、通院された場合。

    注意:事故の発生の日からその日を含めて180日以内の通院で、90日がお支払いの限度となります。

    【保険の内容】

    2

  • 承認番号: *研究責任者は、実験実施の際、必ず備え付けておくこと。

    研究課題名: 記入日: 年 月 日(更新毎に別シートで作成・保管してください。)

    研究責任者:所属・氏名 内線℡( ) 研究期間: 年 月 日 ~ 年 月 日

    No. 参加者氏名 職業・職務 No. 参加者氏名 職業・職務 No. 参加者氏名 職業・職務

    1 16 31

    2 17 32

    3 18 33

    4 19 34

    5 20 35

    6 21 36

    7 22 37

    8 23 38

    9 24 39

    10 25 40

    11 26 41

    12 27 42

    13 28 43

    14 29 44

    15 30 45

    *注意:全学での人を対象とする研究実施に伴う研究対象者数は1日最大25人です。特定日に実験が集中する場合は、研究企画課へご連絡下さい。

    :研究課題一件で、1日に研究対象者数25人を超えて取り組む実験は、別途新規で保険へ加入が必要となります。

    :研究対象者の職業・職務は必ず確認してください。職業・職務によって、別途新規で保険へ加入が必要となります。

    この名簿は、万が一の事故発生時に備えるものです。ご理解のうえご承知くださいますよう、研究対象者の方へ周知をお願いいたします。

    問合せ先:研究推進部研究企画課 総務・管理グループ 内線℡3808(平日8:30~17:30)

    東京工業大学における人を対象とする研究実験参加者名簿

    3

  • 4

    名 名

    1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 小計

    予定 0

    実績 0

    1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 小計

    予定 0

    実績 0

    1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 小計

    予定 0

    実績 0

    1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 小計

    予定 0

    実績 0

    1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 小計

    予定 0

    実績 0

    1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 小計

    予定 0

    実績 0

    1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 小計

    予定 0

    実績 0

    1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 小計

    予定 0

    実績 0

    1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 小計

    予定 0

    実績 0

    1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 小計

    予定 0

    実績 0

    1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 小計

    予定 0

    実績 0

    1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 小計

    予定 0

    実績 0

    累計研究対象者数 0

    平成31年度 人を対象とする研究 実験予定・実績表

    研究課題名受付番号 承認番号

    研究期間 年 月 日 ~ 年 月 日

    研究責任者所属・職名・氏名 最大研究対象者者数

    4月

    5月

    6月

    8月

    7月

    9月

    10月

    3月

    11月

    12月

    1月

    2月

    ○研究責任者は,『人を対象とする研究 実験予定・実績表』にて,実施の前月に予定人数を,実施後

    に実績人数をお知らせ下さい。 (普通傷害保険の書類となります。)

    ○この表は,総務・管理グループより研究責任者の方に毎月お送りいたします。

    ※注意1:全学での人を対象とする研究実施に伴う研究対象者数は1日最大25人です。

    特定の日に人数が集中する場合は,日程・人数調整にご協力をお願いいたします。

    ※注意2:研究課題一件につき,1日に研究対象者数25人を超えて取り組む実験は,別途新規で保険へ

    加入が必要となります。

    【本件問い合わせ先】

    研究推進部研究企画課総務・管理グループ 内線:3808 (平日:8:30~17:15)

  • (4.0版)

    東京工業大学人を対象とする研究倫理審査委員会

    申 請 要 領

    平成 23年 12月 1日施行(第 1.0版)

    平成 24年 5月 8日改訂(第 2.0版)

    平成 27年 6月 30日改訂(第 3.0版)

    平成 29年 5月 30日改訂(第 4.0版)

    参考資料

  • 目 次 1.人を対象とする研究倫理審査委員会 ------------- 1~3

    (1)審査事項

    (2)倫理審査委員会の構成

    (3)審査項目

    (4)注意点

    2.倫理審査委員会の開催日程及び申請書の提出期限 --------------- 3

    3.倫理研修の受講について --------------- 3

    4.申請書受付から審査結果までの流れ ------------ 4~5

    (1)リスク別による審査

    (2)提出書類

    (3)審査の流れ

    (4)フローチャート

    5.研究を開始してから研究を終了するまでの流れ -------------- 6

    (1)人を対象とする研究の実施中に計画の変更等が生じた場合

    (2)有害事象が生じた場合

    (3)研究を中止又は終了する場合

    (4)定期報告・自己点検

    (5)健康被害の保障について

    6.その他 --------------- 7

    付録1 「東京工業大学人を対象とする研究倫理審査委員会」審査ガイドライン

    ------------ 8~9

    付録2 倫理審査申請書類の作成上の注意 -------------- 10

  • 1

    1.人を対象とする研究倫理審査委員会

    (1)審査事項

    東京工業大学「人を対象とする倫理審査委員会」(以下、「倫理審査委員会」という。)では、本

    学で行われる人を対象とする研究が、医の倫理に関するヘルシンキ宣言(1964 年 WMA 総会で採択、2013 年フォルタレザ総会等で改訂)並びに人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(平成 26 年文部科学省・厚生労働省告示第 3 号)の趣旨に沿って行われるかどうかについて、倫理的観点(肉体的精神的苦痛の有無、個人情報保護の対策等)及び科学的観点から審査します。

    なお、本学では、指針に定める「人を対象とする医学系研究」の範疇に含まれない人を対象と

    する研究の倫理審査についても、本委員会で検討し、内容によっては審査の対象とします。

    ※ 「人を対象とする医学系研究」とは:

    人(試料・情報を含む。)を対象として、傷病の成因(健康に関する様々な事象の頻度及び分布並

    びにそれらに影響を与える要因を含む。)及び病態の理解並びに傷病の予防方法並びに医療における

    診断方法及び治療方法の改善又は有効性の検証を通じて、国民の健康の保持増進又は患者の傷病から

    の回復若しくは生活の質の向上に資する知識を得ることを目的として実施される活動をいう。

    (2)倫理審査委員会の構成

    倫理審査委員会は、研究内容のリスクレベルに応じて、対面審議または書面審議により開催し

    ます。申請にあたり、まず研究責任者にリスクレベルを判断していただきます。原則、研究対象

    者の精神的・肉体的負担が大きい侵襲(軽微な侵襲を除く。)や介入を伴う研究計画はB申請(対

    面審議)、それ以外の研究計画はA申請(書面審議)となっています。委員会では、対面審議と

    書面審議と年間各6回ずつ、計12回(毎月1回)開催しています。対面審議ではB申請とA申

    請の両方を審査しますが、書面審議ではA申請のみを審査します。B申請の審査は2ヶ月に一度

    しか行われませんのでご注意ください。

    対面審議 書面審議

    【原則以下の研究】

    ・侵襲 1を伴う研究計画(軽微な侵襲を除

    く。)

    ・介入 2を伴う研究

    倫理審査申請書(A)(B)による申請

    (P.3の「4.申請書受付から審査結果までの流れ」を

    参照して下さい。)

    【原則左記以外の研究】

    ・ 軽微な侵襲 3を伴う研究計画

    ・ リスクが比較的軽微な研究計画

    ・ 過去に承認された研究計画の軽微な変更

    (実施期間の延長、共同研究者の変更、検

    査項目の追加等)

    ・ 再審査となったもの

    ・ 緊急を要するもの

    倫理審査申請書(A)による申請

    (P.3の「4.申請書受付から審査結果までの流れ」を

    参照して下さい。

    1 侵襲:研究目的で行われる、穿刺、切開、薬物投与、放射線照射、心的外傷に触れる質問等によって、研究対象者の身体又は精神に傷害又は負担が生じることをいう2 介入:研究目的で、人の健康に関する様々な事象に影響を与える要因(健康の保持増進につながる行動及び医療における傷病の予防、診断又は治療のための投薬、検査等を含む。)の有無又は程度を制御する行為(通常の診療を超える医療行

    為であって、研究目的で実施するものを含む。)をいう。3 軽微な侵襲:日常生活や日常的な医学検査で被る身体的、心理的、社会的危害の可能性の限度を超えない危険であって、社会的に許容される最低限の危険であって、社会的に許容される種類のものをいう。(実際に生じるか否かが不確定な

    危害の可能性は含めず、確定的に研究対象者の身体又は精神に生じる障害又は負担のうち、その程度が小さいものとして

    規定している。

  • 2

    (3)審査項目

    審査は、主として以下の項目について行われます。

    ①自発的意思による研究参加

    a) 研究対象者の自発的意思に基づく参加か否か。(研究対象者の選択は公募を原則とし、利益相反を排除する。)

    b) インフォームドコンセント:研究対象者に対して、当該研究による利益・不利益が十分に説明されるかどうかで、以下の c)~e)を含む。(説明書の添付)

    c) 研究対象者に万一健康被害が発生した場合の補償内容について、十分な説明がなされたか否か。(注1)

    d) 本人署名のある同意書の取得(記入が強要されないこと。)e) 参加中止の任意性が保障されているか否か。

    ②安全性の確保

    a) 安全性の確保に十分な配慮がなされているか。(注2)b) 患者を研究対象者とする場合には、医師の管理下で研究を実施する。c) 薬事法の未承認機器を使用する場合は厚生労働省の定めるガイドラインに則って作業

    を行う。

    ③個人情報の保護

    a) 研究の過程で入手した個人情報の漏洩防止が十分になされているか。b) 匿名化されているか否か、特定の個人を識別できるか否か。(出来る限り、データは特

    定の個人を識別できないよう匿名化する。)

    ④研究計画の妥当性

    a) 人を対象とすることの必然性、研究対象者数設定の妥当性b) 想定される成果(研究成果が社会的利益にどのように反映されるか。)

    (注1):研究対象者への「補償」を行う傷害保険について、全学の包括契約を利用する場

    合は、日程枠の確保等、研究推進部研究企画課総務・管理グループと事前調整を

    行うこと。

    (注2):安全性の検討が必要とされる事案については、別途安全を審査する専門委員会を

    設け、専門家による検討を行うものとする。

    (4)注意点

    a) 倫理審査委員会の承認を得ようとする研究責任者及び研究担当者は、本学が実施する研修会を申請前に受講しなければならない。受講証の有効期間は、修了証発行日より 3 年間(2020年 1 月以前の受講者は2年間)とする。

    b) 倫理審査委員会の承認を得ようとする場合、承認を得る前に、当該研究を開始してはならない。(事後承認は不可)

    c) 学生が主体となって進める研究にあっても、責任者は指導教員とし、研究対象者を要する作業については、指導教員の指導下で実施しなければならない。(本学の特任教員、ポスドク

    については、本学の教員と同等の扱いとする。)

    d) 研究責任者が本学との雇用関係のない者であっても、本学の施設を使用して研究対象者を要する研究を実施する場合には、ガイドラインに従い、倫理審査委員会の承認を得てから研

    究を実施しなければならない。

    e) 臓器移植等、高度な医療行為についての審査は倫理審査委員会では行わない。f) 研究を実施する場合、各研究科に既存する実験に関するガイドライン等の内規等も併せて遵

    守すること。

  • 3

    2.倫理審査委員会の開催日程及び申請書の提出期限

    委員会の開催日程と研究計画の提出は以下のHPをご覧下さい。審査には通常1ヶ月半から2

    ヶ月程度かかるため、実験を開始したい月の2ヶ月前の審議に間に合うよう申請して下さい。

    日程は、ウェブサイトでご確認下さい。

    http://www.rpd.titech.ac.jp/rpdiv/somu/cat97/detail_772.html

    3.倫理研修の受講について

    人を対象とする研究を行うにあたり、事前に人を対象とする研究の倫理に関する研修その他

    人を対象とする研究の実施に必要な知識について、教育を受ける必要があります。

    研究計画の申請前(概ね1~3ヵ月前)に、研究責任者及び研究担当者は本委員会主催の倫理

    研修会を受講して下さい。

    申請には、研修会修了証番号が必要となります。(有効期限:受講日より 3 年間(2020 年 1 月以前の受講者は2年間)) ※ 研究計画書に設けた研修会修了証№記載欄への記入の有無により、受講確認を行います。

    申請時に受講確認ができないものは受理いたしませんので、ご注意下さい。

    【倫理研修会】

    日程は、ウェブサイトでご確認下さい。

    http://www.rpd.titech.ac.jp/rpdiv/somu/cat97/detail_772.html

    4.申請書受付から審査結果までの流れ

    (1)リスク別による審査

    リスクが比較的軽微な研究計画については申請書(A)を、研究対象者の精神的・肉体的負担が大

    きいと判断される研究計画については、申請書(A)に加え、申請書(B)をもとに審査を行います。

    申請者はご自身の研究のリスクを考えて、どちらで申請するかを決めて申請書類を作成して下さ

    い。(申請書(A)で申請後、倫理審査委員会の判断で申請書(B)の提出を求められる場合があります。)

    (2)提出書類

    1)新規の申請

    申請者は、次の書類(基本提出書類)を作成し、研究推進部研究企画課 総務・管理グループへ電子メールにて提出して下さい。なお、利益相反に該当する研究については、研究推進部

    産学連携課にお問い合せ下さい。

    ※ 「東京工業大学利益相反規則」HP 規則参照http://www.somuka.titech.ac.jp/Kisoku/kisokutop.html

    [基本提出書類]

    ① 人を対象とする研究倫理審査(実施・変更)申請書(A)又は同申請書(B)

    人を対象とする医学系研究に関する倫理指針の施行に伴い、研究責任者のみならず、

    研究担当者にも研修の受講義務が課せられました。

    http://www.rpd.titech.ac.jp/rpdiv/somu/cat97/detail_772.htmlhttp://www.rpd.titech.ac.jp/rpdiv/somu/cat97/detail_772.htmlhttp://www.somuka.titech.ac.jp/Kisoku/kisokutop.html

  • 4

    ② 被験者に対する基本的な説明書(募集要項と被験者への説明書) ③ 同意書式・同意撤回書式 ④ ガイドラインチェックシート

    上記のほか、審査に必要と思われる書類を適宜添付することができます。

    さらに、 [共同研究の場合]

    ⑤ 共同研究先での倫理審査申請書と審査結果の写し

    (本学のみで申請している場合は、その旨と理由を申請書に記述)

    ⑥ 共同研究契約書・受託研究契約書の写し

    (提出できない場合は、本学の様式「共同研究等承諾書」)

    2)申請内容の変更

    過去に承認された研究計画について、実施方法や期間、共同研究者等を変更する場合には、

    次の書類を作成し、研究推進部研究企画課 総務・管理グループへ電子メールにて提出して下さい。

    ① 人を対象とする研究倫理審査実施計画変更届 ② 前回承認時の提出書類一式(前回からの変更点が分かるよう朱書きして下さい。)

    (3)審査の流れ

    1) 申請書の提出

    申請書の提出期限までに提出された申請書を、翌月の倫理審査委員会で審査します。締切

    日を過ぎた場合は、翌々月に審査します。

    2) 予備審査

    倫理審査委員会では、審査を円滑に進めるために、まず予備審査を行います。予備審査に

    より、修正・追記が必要な点についてコメントを返しますので、申請書を修正し、事務局に

    電子メールにて提出してください。

    3) 委員会での審議及び審査結果の通知

    予備審査により修正等を行った申請書に基づき、倫理審査委員会で審議を行い、審査結果

    を決定します。

    「承認」となった場合は、学長承認手続きを行い、審査結果通知書を発行して研究責任者

    に通知します。

    「条件付き承認」や「継続審議」となった場合は、倫理審査委員会からコメントを返しま

    すので、再度申請書を修正し、事務局に電子メールにて提出してください。倫理審査委員会

    で申請書が適切に修正されていることを確認した後、学長承認手続きを行い、審査結果通知

    書を発行して研究責任者に通知します。審査結果通知書に記載の承認日以降に研究を開始し

    てください。

  • 5

    (4)フローチャート

    申請から通知まで 早くて1ヶ月半~

    2ヶ月かかります

    人を対象とする研究倫理審査委員会

    [対面審議] [書面審議]

    人を対象とする研究倫理研修会を受講(受講日より3年間有効)

    申請者

    事務による書類確認

    申請書提出 ※ fMRI 機器使用の場合は社会理工学研究科へ

    実験開始 2 ヶ月半前に提出→実験計画に指導等あり

    ※ 利益相反に該当する申請者は、同時に

    利益相反マネジメント委員会へ

    予備審査

    (要修正)

    (要修正)

    倫理審査委員会承認

    学長承認

    結果通知(部局長へ答申、申請者へ通知)

    実験開始

    必要に応じ申請者に出席依頼を

    行う

    本委員会当日

    ※ 申請者は必要に応じ委員会

    に出席し、申請内容について

    説明・委員からの質疑に応答

    する。

  • 6

    5.研究を開始してから研究を終了するまでの流れ

    (1)人を対象とする研究の実施中に計画の変更等が生じた場合 P.4「2)申請内容の変更」をご覧下さい。

    (2)有害事象が生じた場合

    研究責任者は、「有害事象及び不具合等報告書」を作成し、研究推進部研究企画課 総務・管理グループへ提出して下さい。

    (3)研究を中止又は終了する場合

    研究責任者は、人を対象とする研究により起こり得る危険が高いと判断される場合又は人を

    対象とする研究により十分な成果が得られた場合には、当該研究を中止、又は終了して下さい。

    中止する場合は「人を対象とする研究中止報告書」を、終了する場合には「人を対象とする研

    究終了報告書」を作成し、研究推進部研究企画課 総務・管理グループへ提出して下さい。

    (4)定期報告・自己点検

    研究責任者は、毎年1回(8月)、人を対象とする研究の進捗状況、有害事象及び不具合等の

    発生状況等について、「人を対象とする研究実施状況報告書」及び「人を対象とする研究自己点

    検チェックシート」を作成し、研究推進部研究企画課 総務・管理グループへ提出して下さい。

    (5)健康被害の保障について

    人を対象とする研究の実施に伴い、研究対象者に生じた健康被害の補償については、必ず募集

    要項及び説明書に次の内容を記載し、研究対象者に対して説明の上、同意を得て下さい。

    この研究では、安全には万全の対策をとっていますが、万一、測定によって健康被

    害が発生した場合には、適切な医療機関等の手配を行います。また、万一に備えての

    「補償」が可能な、傷害保険に加入しています。 人を対象とする研究倫理審査を受け、学長に許可された実験の被験者に対しては大

    学が加入する傷害保険でカバーされます。

  • 7

    6.その他

    (1)他機関と共同で研究を行う場合、本学の倫理審査委員会について登録する必要がある場合は、

    次のとおり登録して下さい。

    組織名:東京工業大学人を対象とする研究倫理審査委員会 住 所:〒152-8550 東京都目黒区大岡山 2 丁目 12 番 1 号 電 話:03-5734-3808(内線:3808) E-mail:[email protected]

    (2)倫理審査委員会で承認された研究の英文表記については、次の記載を参考にして下さい。

    英文名

    The study was approved by the Ethical Committee of Tokyo Institute of Technology. Written informed consent was obtained from each study participant.

    【連絡先�