貨幣の製造に係る事業の概要 -...

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通貨は経済活動・国民生活の基盤であり、「通貨に対する信頼の維持」は「財務省設置法」(平 11年法律第95号)に定められた財務省の任務の一つである。この任務を果たすため、財務省に おいては、貨幣の流通状況等を適切に把握し、貨幣を円滑に供給できるよう製造計画を策定する とともに、貨幣の偽造・変造の防止等を通じて通貨制度の適切な運用に万全を期すこととしている。 【参考】 ・貨幣の製造及び発行の権能は、政府に属する(通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律第4条第1項) ・財務大臣は、貨幣の製造に関する事務を、独立行政法人造幣局に行わせる(通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律第4条第2項) ・財務大臣は、偽造への対処等緊急時において、造幣局に貨幣の製造等の業務に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる(独立行政法 人造幣局法第18条) ・財務省は、通貨に対する信頼の維持を任務とする (財務省設置法第3条) 貨幣の製造に係る事業の概要 製造契約の締結 貨幣の納入等 製造代金の支払い 製造計画の指示 (独)造幣局は、「独立行政法人造幣局法」(平成14年法律第40号)において、通貨制度の安定 に寄与することを目的として、貨幣を、財務大臣が指示する製造計画に従って、製造することとさ れている。貨幣の製造枚数は市中の流通動向等他律的な要因により決定されるものであるが、 世界最高水準の偽造防止技術を活用し、高い品質が均一に保たれるよう徹底した品質・製造工 程管理の下で、貨幣を確実に製造している。 【参考】 ・財務大臣の定める製造計画に従い貨幣を製造する義務(独立行政法人造幣局法第12条) ◆流通用貨幣・記念貨幣の製造、回収貨幣の鋳つぶし、貨幣用貴金属地金の精製及び地金の保管を行う。その際、回収された貨幣を新貨幣の製造 のために再利用し、製造コストを削減。 500円貨幣の潜像や斜めギザ等高度な偽造防止技術を採用し、国民に対し安全・安心な貨幣を提供。 ◆財務大臣が定める製造計画を、毎年度確実に達成。 - 1 -

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Page 1: 貨幣の製造に係る事業の概要 - 財務省②造幣局が貨幣を製造し財務大臣に納品。 ③財務大臣が日本銀行に対し貨幣を発行。 ~貨幣が市中に流通~

○ 通貨は経済活動・国民生活の基盤であり、「通貨に対する信頼の維持」は「財務省設置法」(平成11年法律第95号)に定められた財務省の任務の一つである。この任務を果たすため、財務省においては、貨幣の流通状況等を適切に把握し、貨幣を円滑に供給できるよう製造計画を策定するとともに、貨幣の偽造・変造の防止等を通じて通貨制度の適切な運用に万全を期すこととしている。

【参考】・貨幣の製造及び発行の権能は、政府に属する(通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律第4条第1項)・財務大臣は、貨幣の製造に関する事務を、独立行政法人造幣局に行わせる(通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律第4条第2項)・財務大臣は、偽造への対処等緊急時において、造幣局に貨幣の製造等の業務に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる(独立行政法

人造幣局法第18条)・財務省は、通貨に対する信頼の維持を任務とする(財務省設置法第3条)

貨幣の製造に係る事業の概要

製造契約の締結 貨幣の納入等 製造代金の支払い製造計画の指示

〔政

〔(独)造幣局

○ (独)造幣局は、「独立行政法人造幣局法」(平成14年法律第40号)において、通貨制度の安定に寄与することを目的として、貨幣を、財務大臣が指示する製造計画に従って、製造することとされている。貨幣の製造枚数は市中の流通動向等他律的な要因により決定されるものであるが、世界 高水準の偽造防止技術を活用し、高い品質が均一に保たれるよう徹底した品質・製造工程管理の下で、貨幣を確実に製造している。

【参考】・財務大臣の定める製造計画に従い貨幣を製造する義務(独立行政法人造幣局法第12条)

◆流通用貨幣・記念貨幣の製造、回収貨幣の鋳つぶし、貨幣用貴金属地金の精製及び地金の保管を行う。その際、回収された貨幣を新貨幣の製造のために再利用し、製造コストを削減。

◆500円貨幣の潜像や斜めギザ等高度な偽造防止技術を採用し、国民に対し安全・安心な貨幣を提供。◆財務大臣が定める製造計画を、毎年度確実に達成。

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○ 貨幣製造枚数は、貨幣の円滑な供給を図る観点から、市中における貨幣の流通動向等を勘案し決定している。

○ 具体的な算出方法については、貨種ごとに、市中における貨幣の流通高増減及び磨耗等により交換が必要な貨幣の回収高等を勘案して通常貨幣の製造所要枚数を算出し、これに記念貨幣の製造所要枚数を加えた枚数としている。

貨幣製造所要枚数 : 通常貨幣製造所要枚数に記念貨幣製造所要枚数を加えた枚数

1.通常貨幣製造所要枚数貨幣の流通高増減(見込) + 回収高(見込) + 前年度末在庫量(見込)からの増減 = 当初予算における製造所要枚数

(過去の伸び率に基づき算定) (過去の伸び率に基づき算定)

※代替指標における流通実績等に基づく製造所要枚数貨幣の流通高増減(実績) + 回収高(実績) + 前年度末在庫量(実績)からの増減 = 流通実績等に基づく製造所要枚数

(当年度末流通高-前年末度流通高) (当年度における回収高)

2.記念貨幣製造所要枚数過去の発行実績等を勘案し、発行が見込まれる記念貨幣の製造枚数。

(参考)各貨種ごとの製造枚数の推移

貨幣製造枚数の積算方法について

単位:千枚

貨種 25年度 26年度 27年度 28年度

通常貨幣 967,050 1,108,000 993,510 991,000

500円貨 210,000 150,000 190,000 260,000

100円貨 610,000 528,000 410,000 450,000

50円貨 525 15,000 40,000 60,000

10円貨 120,000 150,000 200,000 190,000

5円貨 525 105,000 100,000 30,000

1円貨 26,000 160,000 53,510 1,000

記念貨幣 12,510 22,373 24,298 4,400

合計 979,560 1,130,373 1,017,808 995,400

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貨幣の製造・流通に係るフロー図① 貨幣の製造に必要な経費を一般会計から造幣局に支出(平成27年度:149億円)。② 造幣局が貨幣を製造し財務大臣に納品。③ 財務大臣が日本銀行に対し貨幣を発行。

~貨幣が市中に流通~④ 貨幣回収準備資金に関する法律に基づき、毎会計年度末における貨幣の流通額等から算出した金額を、貨幣回収準備資金から一般会計の歳入に繰り入れ(平成27年度:373億円)。(注) 貨幣回収準備資金は、貨幣に対する信頼の維持に資することを目的に一般会計の特別な資金として設置。

日 本 銀 行

一 般 会 計

貨幣回収準備資金

[一般会計に設置]

(独)造幣局

④年度末繰入

①貨幣の製造に必要な経費(製造委託)

②製造貨幣納品

③製造貨幣(発行)

貨幣発行高受入

貨幣回収高払出

引換・回収貨幣

現金の流れ

物の流れ

(1,018百万枚)

149億円

(1,079百万枚)

373億円

〔金額は27年度決算見込み〕

市 中

支払 2,194億円

受入 1,821億円

(流通高+373億円)

(1,018百万枚)

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貨幣の製造工程の概要

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上記のとおり、いずれの項目も十分なものとなっており、28年度においても、引き続き、以下の取組を通じて、事業の効率性の向上に努める。・財務大臣が主務大臣として毎事業年度、達成すべき業務運営に関する目標を定め、造幣局に指示。コスト削減に向けた取組を含めた業務の実績については造幣局から報告書の提出を受け、外部有識者の意見を聴取したうえで、厳格に評価を行う。また、評価の結果については、広く国民に公表。

・造幣局においては、財務大臣から指示された年度目標を達成するため、事業計画を定めて業務を実施。業務の実績については自己評価・公表のうえ財務大臣が評価。・造幣局の各費目の支出については、毎事業年度の評価等を通じて実態を把握し、必要に応じて改善。・造幣局における契約の適正性については、外部有識者等を委員とする契約監視委員会(造幣局に設置)にて審議。その結果については財務省においても点検を実施。※支出状況については、材料費、経費等の契約(競争入札、随意契約)に係る情報が造幣局HPに公表(少額随契は除く)。

偽造困難・純正画一な貨幣の製造により、国民が安心して貨幣を使用できる

状況を維持し、確実・安定的製造により必要十分な貨幣を円滑に供給することを目標としている。

平成25年度から平成27年度において、財務大臣の定める製造計画を100%

達成し、日本銀行が市中からの貨幣需要に応えられない状況及び大量の偽造貨幣の流通や自動販売機等で使用できないなど経済取引が阻害されたとの状況は生じていない。

レビューシートのポイント○予算額・執行額 ○定性的な成果目標と25~27年度の達成状況・実績

25年度 26年度 27年度 28年度当初予算 14,615 14,833 14,894 14,777補正予算 ▲ 260 - - -

計 14,355 14,833 14,894 14,777執行額 13,748 14,829 14,891

執行率(%) 96% 100% 100%

予算の状況

(単位:百万円)

・貨幣は、経済取引の基礎をなし、国民生活や経済活動に不可欠。貨幣の供給が停滞した場合、経済活動及び国民経済に著しい影響。・通貨に対する国民や社会の信頼を維持するため、世界 高水準の偽造防止技術を駆使し、高品質の貨幣を確実に製造する必要。・通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律第4条第1項により、貨幣の製造及び発行の権能は政府に帰属。・同条第2項に基づき、財務大臣は貨幣の製造に関する事務を造幣局に行わせることとされている。

◆単位当たりコスト

単位当たりコストは、貨幣製造計画に基づく貨幣製造事業全体を1単位(注)とし、これに必要な経費を、企業会計原則に則って算出した貨幣の製造原価(変動費及び固定費の合計)により把握している。(⇒P6)。(注)変動費は、原材料の市場価格の変動による影響を大きく受ける。また、固定費については、作業量等に応じて各貨種に配分し、製造単価を求めたとしても、年度ご

とに各貨種の製造数量が異なるため、各貨種1枚当たりの変動が大きい。このため、単位当たりコストは貨幣1枚当たりの製造単価ではなく、貨幣製造事業全体を1単位としている。

◆コスト削減・効率化の工夫・回収貨幣の有効活用(⇒P90) ・固定費の削減(⇒P91) ・契約の適正化 (⇒P92) ・選別再発行(⇒P93)

・造幣局においては、毎年度、財務大臣の定める製造計画を確実に達成(100%)。・製造した貨幣は、経済取引の基礎をなし、国民生活や経済活動に不可欠なものとして流通。

○事業の効率性

○国費投入の必要性

○事業の有効性

○点検:改善結果

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2,0004,0006,0008,000

10,00012,00014,00016,00018,00020,00022,00024,000

15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28

(百万円)

(年度)

変動費

固定費

貨幣の製造に必要な経費の構成と予算の推移

固定費(労務費、減価償却費など)

変動費(原材料費など)

○ 貨幣の製造に必要な経費は、貨幣の原材料費などの製造枚数に応じて変動する「変動費」と、労務費や減価償却費など製造枚数の増減にかかわらず固定的に発生する「固定費」から構成されている。

貨幣の製造に必要な経費の構成

貨幣の製造に必要な経費の予算の推移

貨幣の製造に必要な経費の当初予算の推移(内訳)

15年度 16年度 17年度 18年度  19年度 20年度 21年度  22年度  23年度  24年度 25年度 26年度  27年度  28年度5,962 5,021 4,412 4,586 4,279 4,158 3,561 2,601 3,196 3,507 3,530 3,118 3,150 3,128

原材料費 5,094 4,385 3,785 3,872 3,585 3,426 2,751 1,716 2,474 2,832 2,730 2,542 2,541 2,641その他 868 636 627 714 694 733 810 885 723 675 800 576 609 488

16,409 16,179 15,265 13,843 12,758 12,249 11,950 11,763 11,333 10,959 10,389 10,616 10,641 10,554労務費 7,628 7,426 7,477 7,299 7,009 6,792 6,655 6,575 6,408 6,159 5,634 5,740 5,740 5,635経費 8,021 7,958 7,340 6,069 5,241 4,985 4,839 4,704 4,438 4,302 4,233 4,347 4,359 4,398

その他 760 796 448 475 508 471 456 483 487 497 522 529 543 520

22,372 21,201 19,677 18,429 17,037 16,407 15,512 14,364 14,529 14,466 13,919 13,734 13,791 13,682

1,119 1,060 984 921 852 820 776 718 726 723 696 1,099 1,103 1,095

23,490 22,261 20,660 19,350 17,889 17,228 16,287 15,083 15,256 15,189 14,615 14,833 14,894 14,777

固定費

消費税

合計

(単位:百万円)区 分変動費

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平成23年9月

平成23年10月

平成23年11月

平成23年12月

平成24年1月

平成24年2月

平成24年3月

平成24年4月

平成24年5月

平成24年6月

平成24年7月

平成24年8月

平成24年9月

平成24年10月

平成24年11月

平成24年12月

平成25年1月

平成25年2月

平成25年3月

平成25年4月

平成25年5月

平成25年6月

平成25年7月

平成25年8月

平成25年9月

平成25年10月

平成25年11月

平成25年12月

平成26年1月

平成26年2月

平成26年3月

平成26年4月

平成26年5月

平成26年6月

平成26年7月

平成26年8月

平成26年9月

平成26年10月

平成26年11月

平成26年12月

平成27年1月

平成27年2月

平成27年3月

平成27年4月

平成27年5月

平成27年6月

平成27年7月

平成27年8月

平成27年9月

平成27年10月

貨種別の原材料費と地金価格(銅)の関係

○ 貨幣製造にかかる変動費の8割を占める原材料費は、地金の市場価格に連動

24年3月(地金価格)↓

25年度契約単価

25年3月(地金価格)↓

26年度契約単価

(27年度契約)

24年3月(地金価格)↓

24年度標準原価

25年3月(地金価格)↓

25年度標準原価

27年3月(地金価格)↓

27年度標準原価

26年3月(地金価格)↓

26年度標準原価

600円

700円

800円

900円

(24年3月)741円/kg

771円/kg

731円/kg

763円/kg459円/百枚

482円/百枚

328円/百枚

485円/百枚

330円/百枚344円/百枚

493円/百枚

473円/百枚

502円/百枚

341円/百枚

523円/百枚

(25年3月)

(26年3月)

(27年3月)

(26年度契約) (28年度契約)

(25年度契約)

(25年度契約)

(26年度契約)

(26年度契約)

(27年度契約)

(27年度契約)

(28年度契約)

(28年度契約)

516円/百枚

(25年度契約)

(注)実際の製造過程においては、財務大臣が市中から回収した貨幣を原材料として支給しており、貨幣製造契約上は、上記の標準原価から、支給材の活用により節約できる金額を控除して原材料単価を設定している。

銅の市場価格500円貨の原材料費

100円貨の原材料費

10円貨の原材料費

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50

55

60

65

70

75

80

85

90

95

100

22 23 24 25 26 27 28

(%)

(年度)

Ni黄銅(500円貨)青銅(10円貨)

白銅(100円貨)

回収貨幣の使用による原材料費の削減について○ 貨幣の製造に必要な原材料として、市中から回収した貨幣(回収貨幣)を使用しているが、品位調整のため、

一定程度、新規に外部から調達する原材料を投入する必要がある。

回収貨幣の使用率の

向上によるコスト削減

回収貨幣

新規の原材料

回収貨幣の使用率については、実際の製造工程において、品質に問題の無いことを確認しながら徐々に向上させ、コスト削減に努めている。

①70%→80%

②80%→85%

③60%→65%

④65%→70%

貨幣の製造材料の削減イメージ

回収貨幣の使用率の推移回収貨幣の使用による原材料費の削減額

回収貨幣

新規の原材料

回収貨幣の使用率の向上

貨種等使用率向上前

使用率向上後

削減額

①10円貨70%→80% 201 134 67

②10円貨80%→85% 111 84 28

③100円貨60%→65% 255 223 32

④100円貨65%→70% 672 576 96

(単位:百万円)

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9,000

10,000

11,000

12,000

13,000

14,000

15,000

16,000

17,000

15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28(見込)

(百万円)

(年度)

○ 貨幣の製造に必要な固定費については、法人設立(平成15年度)以来、固定費の約6割を占める人件費を中心に、平成27年度末までに約3割の削減を行っている。

固定費の推移

※ 平成24年度及び平成25年度の人件費は、国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律の改定に準じて、減額支給を実施したことにより、相対的に固定費及び人件費が低い水準となっている。

固定費(貨幣製造)の推移

削減率33%

人件費及び人員の推移

削減率23%

※※

※ 平成17年度の人件費の増加は、退職者のうち、再任用を希望する職員が多かったことによるもの(人員には再任用職員を含んでいない)。

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37

20

26

1615

1413

11

18

6 7 5

64

64 4

0

10

20

30

40

50

60

70

80

0

5

10

15

20

25

30

35

40

20 21 22 23 24 25 26 27

(単位:億円)(単位:件)

(年度)

No 契約件名 契約の相手方

1 水道 大阪市水道局

2 水道 東京都水道局

3 水道 広島市水道局

4 電話 西日本電信電話㈱

5 後納郵便料 日本郵便㈱

6 官報公告等の掲載 ㈱かんぽう

7「LBMA レスポンシブルゴールド ガイダンス」に基づく保証業務一式

KPMGあずさサステナビリティ(株)

8「LBMA レスポンシブルゴールド ガイダンス」に基づく保証業務一式

KPMGあずさサステナビリティ(株)

9 顧問弁護士中山俊治法律事務所

弁護士 中山俊治

10 圧穿機調査点検作業アイダエンジニアリング(株)中・四国営業所

11 独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律第5条第4号のトに該当するため不開示

調達にかかる契約について

貨幣セット用の外国貨幣の調達、偽造防止に関する秘密随意契約等の発生

○ 調達にかかる契約については、調達等合理化計画等に基づき、偽造防止の観点に配慮しつつ、原則として一般競争入札その他の競争性、透明性が確保される方法によるものとしており、実施状況及び契約実績を公表している。

東京支局移転先の土地購入

競争性のない随意契約の推移

契約金額契約件数

27年度競争性のない随意契約案件

(参考)契約件数合計

※10は貨幣製造に係る機械が故障したため、急遽、修理を行う必要があったもの(緊急随契)

(単位:件)

年度 20年度 21年度 22年度 23年度 24年度 25年度 26年度 27年度

件数全体 355 316 323 308 333 311 332 326

競争性のある

随意契約14 22 26 26 23 20 21 16

競争性のない

随意契約37 20 26 16 15 14 13 11

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○ 市中金融機関から日本銀行が受け入れた500円貨幣については、全て回収したうえで、造幣局において選別作業を実施している。このうち、摩耗・損傷の程度が低く再流通可能な貨幣は再発行することにより、新規の製造枚数を減少させ、貨幣製造コストを削減している。

500円貨幣の選別再発行

受入

支払

回収

発行

引渡

引渡

造幣局

選別作業

溶解

選別貨幣の再発行(27年度選別再発行 30,000千枚)

不合格

500円貨幣の選別再発行の流れ(イメージ図)

合格

新貨の原材料として有効

活用

新規製造貨幣の発行(27年度新規の製造枚数 160,000千枚)

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政策評価の「政策目標4-1:日本銀行券・貨幣の円滑な供給及び偽造・変造の防止」

○目標の概要財務省設置法第3条では「通貨に対する信頼の維持」が任務とされています。これは、通貨を通じた取引の安全の確保という国民

生活に直結する重要な責務です。通貨に対する信頼を維持することを目的として、日本銀行券・貨幣の円滑な供給及び偽造・変造の防止等通貨制度の適切な運用を行います。

(注)政策目標4-1の記述において、通貨とは、日本銀行券及び貨幣をいいます(通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律第2条第3 項)。

日本銀行券は、独立行政法人国立印刷局が製造し、日本銀行が発行します(日本銀行法第46条)。また、貨幣は、独立行政法人造幣局が製造し、政府(財務省)が日本銀行に交付することにより発行します(通貨の単位及び貨

幣の発行等に関する法律第4条)。

「貨幣の製造に必要な経費」の政策評価との関係

政策目標4-1: 日本銀行券・貨幣の円滑な供給及び偽造・変造の防止

平成27年度政策評価書(案)において、「貨幣の製造に必要な経費」が関係する政策目標は次のとおり。

「貨幣の製造に必要な経費」は、当該政策目標に係る予算額の一部であり、平成27年度政策評価事前分析表に記載している。

◆ 政策目標を達成するための施策 (4‐1‐1) 「日本銀行券及び貨幣の発行・製造計画の策定」(4‐1‐2) 「通貨の偽造・変造の防止」(4‐1‐3) 「国家的な記念事業としての記念貨幣の発行」(4‐1‐4) 「貨幣回収準備資金の適正な管理」(4‐1‐5) 「通貨への関心の向上のための取組」

【施策の評価】

「貨幣の製造に必要な経費」が関係する施策(4-1-1)(4-1-2)(4-1-3)(4-1-4)については、「目標達成」という評価見込みとしている。

⇐「貨幣の製造に必要な経費」が関係する施策

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