農業農村振興のための生産基盤整備等の 新たな展開 …...17.6 20.1 74.2 10 30 50...

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資料3-2 農業農村振興のための生産基盤整備等の 新たな展開方向について (参考資料) 平成16年11月17日

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Page 1: 農業農村振興のための生産基盤整備等の 新たな展開 …...17.6 20.1 74.2 10 30 50 70 90 (%) 幹線・末端農道 畑地かんがい施設 平成 10年 平成14年

資料3-2

農業農村振興のための生産基盤整備等の

新たな展開方向について

(参考資料)

平成16年11月17日

農  林  水  産  省

Page 2: 農業農村振興のための生産基盤整備等の 新たな展開 …...17.6 20.1 74.2 10 30 50 70 90 (%) 幹線・末端農道 畑地かんがい施設 平成 10年 平成14年

農業農村振興のための生産基盤整備等の新たな展開方向について(参考資料)

目  次

1 食料・農業・農村基本法における農業生産基盤整備の位置付け

  ○地域の合意に基づく事業の実施  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  1P

2 現行基本計画のもとでの農業生産基盤整備についての施策の推進状況

  ○農業農村整備事業予算の動向  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  2P

3 政策課題に対応した新たな施策の方向

(1)農業の構造改革の加速化に対応する基盤整備の促進

  ○水田整備の状況  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  3P

  ○畑地整備の状況  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  4P

  ○ほ場整備による効果  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  5P

  ○ほ場整備を契機とした集落営農の組織化等の事例  ・・・・・・・・・・・・・・・  6P

  ○農地面積(耕地面積)の状況  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10P

  ○農地面積(耕地面積)と農用地区域内農地面積の推移、区域別の農地転用状況  ・・ 11P

(2)農地・農業用水等を適切に更新・保全管理するための施策の展開

  ○農業水利資産の現状  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12P

(3)環境保全等を重視した施策の展開

  ○環境との調和への配慮  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13P

  ○農村の地域資源を活かした整備  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14P

  ○自然再生推進法に基づく農地と湿原の共生・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15P

(4)効率性に配慮した事業の実施

  ○事業評価の充実  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16P

  ○総合的なコスト縮減対策  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17P

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事業実施

計画確定

異議申し立て

十五日間

計画の公告・縦覧(二十日以上)

計画決定

報告聴取

学識経験者

適当である旨の決定

予定管理者

協議

農林水産大臣

関係都道府県知事

申請

受益農家の同意(三分の二以上)

計画概要等公告(五日間)

関係市町村長

意見のある者

申請人(十五人以上)

○土地改良法に基づく国営事業の実施フローチャート

※1 事業の計画概要について、地域住民を含め広く意見を聴く手続き

※2 関係市町村と協議する手続き

※3 土地改良事業が有する高い公共性を踏まえ、事業の受益農家の3分の2以上の同意があれば、全員を事業に参加させて費用の徴収ができる仕組み

○農地、農業用水等の農業生産の基盤の整備は、土地改良法に基づく事業(土地改良事業)として、農家の申請と同意、並びに都道府県、市町村の意向を踏まえて実施。

○事業はその規模や性格に応じて、国、都道府県、市町村、土地改良区等が適切に役割分担しつつ重層的に実施。

○国・県・団体営事業の役割分担の模式図

1 食料・農業・農村基本法における農業生産基盤整備の位置付け

 ○地域の合意に基づく事業の実施 

参考1

ダム(国)

頭首工(国)

幹線用水路(国)

用水系

排水系

幹線施設(国営)

支線施設(県営)

支線施設(県営)

幹線施設(国営)

末端施設(団体営)

末端施設(団体営)

分水工(国) 用水機場(国)

幹線排水路(国)

排水機場(国)

500ha未満支線用水路(県)

ほ場

100ha未満末端用水路(団体営)

末端排水路(団体営)100ha未満

支線排水路(県)500ha未満

河川

受益面積(ha以上)

末端支配面積(haまで)

国営事業

都道府県営事業

基盤整備促進事業(参考)

3,000(1,000) 500(100)

200(100) 100(20)

5 -

標準的な要件(農林水産省)

( )は畑の場合、ただし国営事業の受益面積については、 現に農業用用排水施設の利益を受けていない畑に限る。

(説明資料1P関連)

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7% 7%

19% 16%

14%

10%

7%

8%

16%

13%

36%43%

2%

3%

H7 H16

○農業農村整備予算は、公共事業予算全体の抑制やコスト縮減の取組の中で、ピーク時(平成9年度)に比べ、約3割削減。

○限られた予算の中で、構造改革につながる農業生産基盤の整備、特に先送りの出来ない農業水利施設の整備・更新に重点化。

○農業農村整備事業予算の動向

11,68211,966

10,837 10,766

9,242

8,789

8,345

12,28212,279

10,90910,926

11,543

6,000

7,000

8,000

9,000

10,000

11,000

12,000

13,000

H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16

年 度

(億円)

0

農業農村整備事業予算の推移

約3割減

構成率の変化(重点化)

その他

農村の生活

環境の整備

農道の整備

水田の整備

畑の整備

農地等の

 防災対策

水利施設の

整備・更新    等

農業生産基   盤

61%

農業生産基   盤

67%

参考2

2 現行基本計画のもとでの農業生産基盤整備についての施策の推進状況 (説明資料2P関連)

Page 5: 農業農村振興のための生産基盤整備等の 新たな展開 …...17.6 20.1 74.2 10 30 50 70 90 (%) 幹線・末端農道 畑地かんがい施設 平成 10年 平成14年

47%

46%

43% 44%

45%

35%

40%

45%

50%

H10 H11 H12 H13 H14

汎用率

1815

1415 15

10.78.79.58.810.9

5.5 5.8 6.35.04.7

0

10

20

30

H10 H11 H12 H13 H14

量 0

2

4

6

8

整備面積 うち大区画面積 大区画化率(千ha) (%)

汎用化

○農地の利用集積 

大区画化

○水田の整備状況

0

20

40

60

80

100

新潟北海道

秋田福島宮城山形茨城栃木千葉岩手青森長野富山熊本福岡兵庫岡山滋賀埼玉三重愛知佐賀広島福井石川大分岐阜山口鹿児島

島根宮崎静岡群馬京都愛媛香川鳥取徳島長崎高知奈良和歌山

大阪山梨神奈川

沖縄東京

水田

整備

率 (%)

水田整備率

うち大区画率

水田整備率の全国平均 60.1%

大区画率の全国平均 6.3%

水稲収穫量 少ない多い(平成14年)

大区画とは、概ね1ha以上の区画のことをいう

汎用化とは、水田の水はけを良くして、畑作物の栽培ができるように排水路や暗渠排水を整備することをいう

参考3

○ 集積面積の年度別実績

0.8 0.81.3

43

18

22

0

1

2

3

4

5

6

H12年度 H13年度 H14年度

集積面積

0

10

20

30

40

50

うち基盤整備シ

ェア

(万ha) (%)

うち基盤整備分※は全体の4割に相当

※経営体育成基盤整備事業等のハード事業と経営体育  成促進事業(ソフト施策)の一体実施による効果

(右目盛)1年間の実集積増加面積(全国)

○水田の整備状況は、全国で6割に達し、優良農地が相当量蓄積されてきたものの、都道府県ごとにみると大きなバラツキ。

 特に大区画率は約6%、汎用化率は5割未満であり、意欲的な水田農業を展開するためには課題が残されている現状。

○基盤整備を契機とした担い手への農地利用集積の実績は着実に増加し、年々の実集積増加面積の4割強を占めるまでに。

3 政策課題に対応した新たな施策の方向

(1)農業の構造改革の加速化に対応する基盤整備の促進

  ○水田整備の状況

(説明資料4~5P関連)

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○畑地整備の状況

地域営農から見た畑の整備状況

高収益野菜への作物転換- 新たに導入されたミニトマト -

収量や品質の向上

おいしい農産物の安定供給

消費者ニーズに即応した畑作の振興

かん水区無かん水区

2LL

M

S

1,000 2,000 3,000 4,000 5,0000

(kg/10a)

資料)八富地区(北海道富良野市)実験ほ場

■ 野菜類  ■ 花き類 ■ 飼料作物 ■ その他

資料)森田原地区(宮崎県都城市)

0 20 40 60 80 100

整備後

整備前 17.3% 72.8% 9.9%

35.9% 56.2% 6.5%1.4%

○ かん水の有無による収量の

 比較(にんじん)

○ かんがい施設の整備による

 作付の転換(作付面積シェア)

(北海道) じゃがいも、ビートなど大規模な土地利用型農業 

(和歌山) みかん、梅などの樹園地農業

(愛知) 花きなどの施設園芸とキャベツなどの土地利用型を主とした農業 

(鹿児島) ピーマン、大根など野菜を中心とする土地利用型農業 

66.7

17.6 20.1

74.2

10

30

50

70

90

幹線・末端農道 畑地かんがい施設(%)

平成 10年

平成14年

○畑の整備状況

参考4

かんがい

14%

農道

28%

区画整理

4%

暗渠排水

30%

その他

24%

かんがい

67%

その他

7%区画整理

9%

農道

17%

かんがい

30%

その他

3%区画整理

5%

農道

62%

かんがい

45%

農道

32%

区画整理

10%

暗渠排水

5%

その他

8%

(説明資料4~5P関連)

○畑地の整備状況は、農道について約7割に達しているものの、畑地かんがい施設については2割にとどまるなど、工種ごとの整備率に大きな格差。

○畑地については、各地区の立地条件・気候のほか、作物や栽培方法など多種多様な畑作農業の態様に応じて、農道、畑地かんがい施設整備、排水改良、区画整理などを組み合わせた整備を実施。

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○ほ場整備と担い手対策を併せて行うことにより、担い手の経営規模は、事業の実施前後で2.2倍に増加。○担い手の経営規模の拡大等に伴い、事業実施前後で稲作労働時間が約6割短縮されるなど労働生産性が大幅に向上。○水田の汎用化整備により、多様な農業経営の展開が可能となり、麦・大豆等の作付率が向上。○ほ場整備完了地区においては、耕作放棄地の発生する割合がわずか0.2%であるなど、耕作放棄の発生を抑制。

○担い手の稲作労働時間の短縮

注:平成8~14年度に完了した都道府県営ほ場整備事業544地区の実績

参考5

○ほ場整備完了地区における耕作放棄地の状況

資料:平成5年に完了したすべてのほ場整備事業実施地区(146地区、受益面積の合計 23,953ha)の事業実施主体への聞き取り調査による。 注:1) ほ場整備事業は整備されるほ場のうち、原則としてその区画の面積が30a(過疎地域、離島地域、振興山村地域で行うものにあっては20a)以上であるものの合計が、事

業の受益面積の概ね 2/3以上であることを要件としている。つまり、整備を行ったからといって、地区内の全ての農地が30a等の標準区画に整形されるわけではない。   2) 本調査では、耕作放棄地を、「過去2~3年間農地として利用されていない 未利用農地」と定義している。

一方農業センサスのデータでは、耕作放棄地を、「過去1年以上作物を栽培せず、しかも、この数年間に再び耕作する意思がない土地」と定義している。   3) ※は、農業センサス(H12年)による水田の耕作放棄地率。

8.9 %

3.6 %

11.7 %

8.0 %

全国平均(H14)

11.5%

全国平均(H2)

12.2%

0

5

10

15

20

25

事業前 事業後

作付率

11.6 %

20.6 %

大豆麦

大豆

9ポイント増加

○水田の汎用化に伴う麦・大豆の作付率の向上

注:1)H10~14年度に完了した都道府県営ほ場整備事業858地区(受益面積97,376ha)の実績

    (平均着工年度:H3年度、平均完了年度:H12年度)

  2)麦・大豆の作付率=麦・大豆の作付面積÷ほ場整備事業の受益(農地)面積

○ほ場整備による効果

51時間

21時間0

20

40

60

事業前 事業後

労働

時間

時間/10a

約6割短縮

全国平均(H14)

32.4時間/10a

4.0ha

8.7ha

02468

10

事業前 事業後

経営規

ha

2.2倍に拡大全国平均(H12)

1.25ha/経営体

注:1)農村振興局資料(平成8~14年度に完了した都道府県営ほ場整備事業552地区の実績による  2)担い手の要件は以下のとおり(以下同じ)   ① 認定農業者   ② 経営耕地面積が3ha以上の農家又は常時従事者1人あたり3ha以上の農業生産法人   ③ オペレーター1人あたりの基幹3作業面積が3ha以上の生産組織   ④ 事業完了後3年以内に法人化することが確実と見込まれる集落営農組織

0.2

3.6

0

1

2

3

4

ほ場整備完了地区 水田全国平均

(

)

耕作放棄地  45ha

受益面積 23,953ha

○担い手の経営規模の拡大

耕作放棄地の発生要因(複数回答)

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45

その他

生産調整

不在地主

鳥獣害が多い

条件不利(立地条件・角地等)

高齢化・労働力不足等

回答数

44%

31%

18%

3%4%

地域の担い手不足

農地の条件不利

利用集積を検討中

農地を貸したくない

他の農家に農地を託せない理由               (補足アンケート)

対象:高齢化・労働力不足等と回答した   41地区の未利用農地所有者196人

その他

(説明資料4~5P関連)

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事業による効果

●事 業 名:ほ場整備事業(担い手育成型)

●受益面積:59.8ha

●工 期:平成9年度~13年度

●農業経営のタイプ:特定農業法人(一集落一農場型)

○ほ場整備を契機として特定農業法人「立花ファーム」に農地の利用集積を促進

  ・受益面積の約8割にあたる 45.5haを特定農業法人に利用集積(21%→76%)   (将来的には100%の農地集積を目指す。)

  ・集落内49戸のうち、42戸が法人に参加

大型機械の導入

○秋田県立花地区では、ほ場整備を契機として、集落の合意形成を図り、一集落一農場型の特定農業法人を設立し、地区の約8割を利用集積。

○ソフト事業も活用し、ほ場の大区画化に対応した大型機械の導入や特産品の秋冬ネギの栽培を本格的に開始し、生産性の高い農業を実現。

○将来の営農について集落内の話し合いにより集落の合意形成 ・大区画に対応した機械体系への変更、営農方向等

○立花地区の水田は、昭和20年代に10a区画に整備

○ほ場整備事業を実施

○特定農業法人を設立 ・大型機械の導入 ・特産品の秋冬ネギの本格導入

~ 特定農業法人の設立までの経緯 ~

○大型機械の導入による低コスト化と複合経営の実現

特産品である秋冬ネギの本格導入

農地集積の状況

事業実施前 事業実施後

立花ファームの計画集積範囲

H15現在の集積範囲

8割以上の集積を実現

約50年が経過

ほ場整備の気運の高まり

参考6

立花地区(秋田県大館市)

○ほ場整備を契機とした集落営農の組織化等の事例

 ア.ほ場整備を契機とした特定農業法人の設立(説明資料4~5P関連)

○基盤整備、高齢化、担い手不足、農業機械の老朽化等の課題が顕在化

Page 9: 農業農村振興のための生産基盤整備等の 新たな展開 …...17.6 20.1 74.2 10 30 50 70 90 (%) 幹線・末端農道 畑地かんがい施設 平成 10年 平成14年

○広島県田打地区では、ほ場整備を契機として、全戸参加の集落営農型の農業生産法人を設立。

○基幹作業だけでなく、育苗から防除、畦畔・水管理等の作業に全農家が参加する作業体制を確立。

○麦茶用大麦と大豆を中心に集団転作を行い、大豆を利用した味噌加工、自己消費用豆腐等の加工にも進出。

イ.ほ場整備を契機とした集落営農型の農業生産法人の設立

●事 業 名:県営ほ場整備事業(担い手育成型)

●受益面積:50ha

●工 期:平成10年度~16年度

●農業経営のタイプ:農業生産法人(集落営農型)

田打地区(広島県世羅町、久井町)

参考7

農地集積の状況

事業実施前(未整備・個別経営) 事業実施後(法人化で一括経営)

○ほ場整備を契機として法人経営を行うことで、農地の効率的集団化と作業効率の向上を実現。

 水 稲 28.3 ha

 大 豆  5.0 ha

 大 麦 12.0 ha

 トマト  0.1 ha

農地の集積状況(平成14年度末現在)            (単位:ha)

農業生産法人「さわやか田打」の設立 (経緯)

H 6. 7 田打振興会 地域づくり再スタート

H 7. 2 田打振興会内に環境整備委員会 設置

H 8. 8 営農組合・土地改良区設立準備委員会に改組

H10. 4 県営ほ場整備事業 採択

H11. 7 営農組合から法人への方向転換決定

H11.10 農事組合法人さわやか田打 設立発起人会

      ⇒ 設立総会 ⇒ 出資金払込

H11.11 法人設立登記 ⇒ 関係行政庁へ届出

○「明日の田打を考える会」を設立し、若者・女性の地域に対する考えを明らかにし、地域の現状と将来について話し合い

○田打地区では、全戸が2種兼業(80a/戸)

 各戸が農業機械を所有する非効率的な個別経営

○ほ場整備事業を実施

~ 集落営農型の農業生産法人の設立までの経緯 ~

ほ場整備の気運の高まり

○農業生産法人「さわやか田打」を設立 ・地区農家54戸中51戸の参加 ・育苗から防除、畦畔・水管理等の作業も含め

た作業体制を確立

せ ら ちょう  く い ちょう

とうち

とうち

出来る作業で全員参加

42.800.000.0042.80「さわやか田打」の農地集積面積

50.640.801.9447.90田打地区全体の農地面積

 計樹園地等畑田区 分  

農地集積率85%

(説明資料4~5P関連)

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○新潟県大面西部地区では、ほ場整備によりほ場の集団化と大区画化が図られ、事業を契機に設立された生産組織等の担い手に農地利用を集積。

○また、関係農家の大部分が参加した大豆のブロックローテーションを確立。

ウ.ほ場整備を契機とした生産組織の設立と大豆のブロックローテーションの確立

●事 業 名:県営ほ場整備事業(担い手育成型)

●受益面積:216ha

●工 期:平成8年度~15年度

●農業経営のタイプ:組織経営展開型

大面西部地区(新潟県栄町)

おおもせいぶ

おおもせいぶ

○ほ場の集団化と大区画化 等・農地集積率 21.4% → 54.2%・大区画化  50a以上が82.6%(1ha以上は40.8%)

○地区内の水田は、昭和20年代に10a区画に整備

○ほ場整備事業を実施

○関係農家の大部分が参加した大豆のブロックローテーションを確立

約50年が経過

○農業従事者の高齢化と後継者不足により、 基盤整備と担い手育成の課題が顕在化

○事業の実施により農地の集団化と大区画化が図られ、事業を契機に設立された生産組織等の担い手に農地利用を集積。

事業実施前 事業実施後

39

12

55

89

0

10

20

30

40

50

0

20

40

60

80

100

大豆の収穫作業

大豆のブロックローテーション

58

19

69

153

0

10

20

30

40

50

60

70

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

ほ場整備の気運の高まり

1年目

2年目

3年目

4年目

ブロックローテーション計画表

大区画化の実現

 1ha以上40.8%、 50a以上82.6%

農地集積率の増加

21.4%→54.2%

参考8

○区画規模別面積 ○水稲の生産性向上 ○大豆の生産性向上

区画規模別面積

30a未満7.0%30a以上50a未満10.4%

50a以上1ha未満41.8%

1ha以上40.8%

実施前 実施後 実施前 実施後

(hr/10a) (千円/10a)

(hr/10a) (千円/10a)

生産費

労働時間

生産費

労働時間

(説明資料4~5P関連)

Page 11: 農業農村振興のための生産基盤整備等の 新たな展開 …...17.6 20.1 74.2 10 30 50 70 90 (%) 幹線・末端農道 畑地かんがい施設 平成 10年 平成14年

事業実施に際して、小学生等の呼びかけによりメダカの救出作戦を実施

    事業実施地区の概要

●事 業 名:ほ場整備事業(担い手育成型)

●受益面積:207.5ha

●工 期:平成11年度~平成17年度

●農業経営のタイプ:個別経営展開型

保全整備の基本方針

 本地区は用排水路が管路化されるため保全池を核として接続する水路を生態系に合わせた構造としてゾーニングを行い整備する。

ゾーン1:幹線用水路の末端で数多くの魚類が確認されており落水時期に研修・学習の場と して利用ゾーン2、3:メダカを核とした整備を行い、人々との関わりを重視ゾーン4:水田地帯を主生息場とする魚類の流出防止と河川・幹線排水路からの遡上を想定し生産と生息場を意識した整備

●●地元集落の環境保全に対する意識の高まり地元集落の環境保全に対する意識の高まり ●●地元集落における連帯感の高まり地元集落における連帯感の高まり

生態系保全施設の管理等を行うNPO組織が集落に誕生

地域住民による直営施工で保全池を整備

○山形県家根合地区では、ほ場整備により、農地の利用集積を図るとともに、環境配慮への取り組みを契機として、地域集落における環境保全に対する意識が向上。

○事業の調査・計画、環境保全施設の施工等に地域住民が参加し、自然と共生した田園環境を創造。

○地区内水田は、昭和20年代に10a区画に整備      

  

○用排水路等施設の老朽化、担い手不足等将来農業への不安

約50年が経過

○担い手の育成、農地の集団化等の推進による                    農業経営の合理化・安定化      

○ほ場整備事業を実施

○ほ場の大区画化、用排水路のパイプライン化等

ほ場整備の気運の高まり

~地域農業経営の合理化・安定化を目指すほ場整備の流れ~    

    

○ほ場整備における環境保全への取組

参考9

家根合地区(山形県余目町、藤島町)

■家根合地区全景

ゾーン1

ゾーン2

ゾーン3

ゾーン4

エ.ほ場整備を契機とした環境保全の取組の推進かねあい

事業実施前 事業実施後

農地集積の状況

10a区画のほ場 200m×60m(120a)区画のほ場

・関係戸数:

 地区内農家142戸中、担い手は12戸

・担い手への農地の集積率:

  23.7%→39.6%(49ha→82ha)

かねあい

(説明資料4~5P関連)

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○現行基本計画における農地面積(耕地面積)の見込みの考え方 ○現行基本計画における農地面積(耕地面積)のすう勢と見込み

○耕地と耕作放棄地等の関係

耕作放棄

耕 地

うち不作付地

耕作放棄地

474万ha(H15)耕地及び作付面積統計

28万ha(H12)農業センサス

34万ha(H12)農業

センサス

○農地面積(耕地面積)の状況

○現行基本計画においては、農地面積(耕地面積)について、すう勢を踏まえ、耕作放棄の抑制等の施策の効果等を織り込んで、平成22年の面積を470万haと見込んでいるところ。

○現時点において、最近のすう勢を踏まえて平成22年の農地面積(耕地面積)を試算すれば、概ね450万ha~465万ha程度と見込まれる。

参考10

(説明資料4~5P関連)

食料・農業・農村基本計画における農地面積について

○これまでのすう勢を踏まえ、耕作放棄の抑制等の効果を織り込んで、農地面積の見

込みを推計

平成10年現在の農地面積 491万ha

これまでのすう勢が

今後も継続した場合の

平成22年時点の農地面積

442万ha(すう勢)

すう勢及び耕作放棄の抑制等の内容 平成22年までの間の農地の増減

耕作放棄の抑制

・耕作放棄の発生面積

・基盤整備の実施

・効率的・安定的な経営体への農地の利用集積

・生産条件の不利性を是正するための支援 等

△26万ha(すう勢)

+21万ha

農地面積の拡張等

・農地の造成

・耕作放棄地の再活用

+ 4万ha

+ 4万ha

農地の転用 △23万ha

平成22年時点で確保される農地面積 470万ha

資料:農林水産省「耕地及び作付面積統計」、第6回食料・農業・農村政策審議会企画部会提出資料注:1)拡張、かい廃については、当年7月15日から翌年7月14日までの期間に発生した面積

2)ケース1は、平成12~15年の3年間の減少面積の平均と同程度の面積が今後毎年減少するものと見込んだ場合。3)ケース2は、最近の農地面積の減少のペースの鈍化傾向を見込んで試算した場合。

農地面積(耕地面積)

425

450

475

500

525

550

7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22

-200

-180

-160

-140

-120

-100

-80

-60

-40

-20

0

20

実績値(~H15)

基本計画見込み(施策努力有)

基本計画策定時(すう勢値)

すう勢値(ケース1)

すう勢値(ケース2)

平成 7

(千ha/年)2千ha(拡張、H14)

2万8千ha(かい廃、H14)

(万ha)491万ha(H10)

474万ha(H15)

470万ha(基本計画見込み、施策努力有)

465万ha(すう勢値、ケース2)

452万ha(すう勢値、ケース1)

442万ha(基本計画策定時、すう勢値)

うち 転用 : 1万3千ha

耕作放棄 : 1万4千ha

自然災害等: 1千ha

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資料:農林水産省「耕地及び作付け面積統計」及び農村政策課資料 資料:農林水産省「農地の移動と転用」

 注:農用地区域内から除外して転用した面積は、組替集計である。

528 524 520 517 512 508 504 499 495 491 487 483 479 476 474

454 453 451 450 448 446 443 440 438 435 432 430 428 428 427

300

350

400

450

500

550

H1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15

耕地面積 農用地区域内農地面積

(万ha)

4,3424,542

4,9954,826

5,160

5,818

6,7496,5547,147

6,972

8,5188,0037,752

7,932

5,794

7,330 7,641 7,2356,408 5,981 5,398 5,043 4,670 4,614

3,928 3,8233,094 2,960

31,383

24,241

22,443

26,278

29,342

33,502

35,235 35,83034,622

28,99928,567

18,21619,758

21,685

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

H1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14

市街化区域内農地の転用面積

市街化区域外農地の転用面積

農用地区域内から除外して転用した面積

(ha)

○農地面積(耕地面積)と農用地区域内農地面積の推移、区域別の農地転用状況

○耕地面積は平成元年から平成15年までに54万ha減少したのに比べ、農用地区域内農地面積は27万haの減少(耕地面積の減少の1/2)となっている。

○農地転用の区域別の面積をみると、平成14年において、農地面積の約2%を占めるにすぎない市街化区域内農地での転用が全体転用面積の約24%を占めている。一方、農地面積の約9割を占める農用地区域内農地から除外して転用した面積は全体転用面積の約16%程度となっている。

○耕地面積と農用地区域内農地面積の推移 ○区域別の農地転用状況

参考11

(説明資料4~5P関連)

Page 14: 農業農村振興のための生産基盤整備等の 新たな展開 …...17.6 20.1 74.2 10 30 50 70 90 (%) 幹線・末端農道 畑地かんがい施設 平成 10年 平成14年

○全国の農業用水路の延長約40万km、基幹的水路約4万5千km、ダム等基幹的施設約7千カ所、これらの総資産額(再建設費)約25兆円にのぼる資産が形成。この他、ため池が全国21万カ所に存在。

○こうした、農業水利資産の形成とともに、更新時期を迎える施設数が増大。○農業水利施設の整備については新規の整備から更新整備に移行。

○基幹的水路の整備状況

○新規の整備から更新整備への移行用水路排水路

凡 例

○更新時期を迎える施設の増大

一般国道(直轄管理)

鉄道(JR)

21,828km

20,050km

施設数

0

100

200

300

400

500

600

S55 S60 H2 H7 H12 H17 H22 H27 年

施設数

5年間移動平均

資料:「基幹水利施設整備状況調査」及び補足調査による推計(平成14年3月時点) 注:1)基幹的農業水利施設とは、受益面積100ha以上のダム、頭首工、用排水機場、水路等の施設  :2)上表は、土地改良事業の経済効果算定に用いる標準耐用年数を用い、耐用年数に達したもの

は更新されるものとして作成

増加

参考12

区  分 延  長

基幹的農業水路 約45,000km

注:基幹的農業水路とは、末端支配面積が100ha以上の水路

資料:一般道は「道路ポケットブック2003」国土交通省(H15.11)

   鉄道は「数字で見る鉄道2003」国土交通省(H15.10)

(参考)

21%36%

72% 76%

79%64%

28% 24%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

昭和53年度 昭和63年度 平成13年度 平成16年度

更新整備 新規整備

・農業水利施設ストックの蓄積が進み、近年では農業水利施設の整備の多くが既存施設の更新へ移行

〔水田地域の国営事業の新規整備と更新整備の地区数割合〕

(2)農地・農業用水等を適切に更新・保全管理するための施策の展開  ○農業水利資産の現状

(説明資料6~7P関連)

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土地改良法の改正(H13)

田園環境整備マスタープランに基づく事業の実施

「環境との調和に配慮した事業実施のための調査計画・設計の手引き」の作成、普及(H13~H15年度に3編をとりまとめ)

環境相談員を登録、活用事業の実施に際し、環境配慮に関し事業主体へ助言、情報提供等(H16.4月時点:241名)

(目的及び原則)

第一条(略)

2 土地改良事業の施行に当たっては、その事業は、環境と

  の調和に配慮しつつ、国土資源の総合的な開発及び保全に

資するとともに国民経済の発展に適合するものでなければ

ならない。

■ 土地改良法(環境との調和への配慮関係部分)

参考13

(3)環境保全等を重視した施策の展開

   ○環境との調和への配慮

農道の法面緑化

事業の影響を回避し、湧水池を保全 棚田の保全

石積水路によるうるおいある居住環境の創出

水路・ため池の整備に際し、生態系に配慮

凡   例

環境創造区域

環境配慮区域

市町村界

※田園環境整備マスタープラン 農村地域の環境保全に関する基本計画として市町村が作成するもので、事業の実施に際して、現在の環境を維持・増進する「環境創造区域」と環境への影響の軽減を図る「環境配慮区域」に区域設定。

田園環境整備マスタープランの例

田園環境整備マスタープラン策定市町村数の推移

1343

2067

2456

192 351

2564(予定)

535(予定)

0

1000

2000

3000

H14.3 H15.3 H16.3 H17.3

市町

村数

策定市町村数 見直し市町村数

自然再生推進法(H14)

農林水産環境政策の基本方針(H15)

景観法(H16)

サロベツ地域における農地と湿原の共生に向けた整備を環境省と連携して推進

環境を重視する施策への移行と事業のグリーン化(環境に配慮した事業)を明確化

景観農業振興地域整備計画の策定地域において景観に配慮した事業を推進

水とみどりの「美の里」プラン21(H15)

事業における景観配慮の原則化などの取組の推進

○環境との調和に配慮した土地改良事業の推進の具体策として、市町村が「田園環境整備マスタープラン」を策定、これを事業採択の要件化。

○さらに「自然再生推進法」、「農林水産環境政策の基本方針」等にも対応した環境保全の取組を展開。

(説明資料10P関連)

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○農村の地域資源を活かした整備

農村の地域資源を活用した整備のイメージ

棚  田

豊かな農業生産

個性ある農村風景

伝統的な家屋

自然学習会

農村地域に残る伝統文化

農業用の温水路

石積み水路

参考14

多様な機能を持つ農業用水路

副水路草生水路化(ホタル、シジミなど)

緑化の護岸石積み水路

鎮守の森

○ゆとりや、やすらぎを求める国民ニーズが高まるなかで、農業・農村の営みを通じて育まれてきた豊かな自然、美しい

景観、伝統・文化等といった農村固有の魅力や個性を活かした農村づくりを促進するため、農業生産基盤の整備におい

ても、これらの農村の地域資源を活用した取組を促進。

(説明資料10P関連)

散策村展望台

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農業と共存した自然環境の保全と再生(自然再生推進法に基づき、環境省と連携)

○農地の機能低下・泥炭土に起因する地盤沈下と湛水被害による生産性の低下

○国立公園に指定されているサロベツ湿原では、周辺の開発により地下水位が低下し、湿原の面積が減少する一方で、湿原に隣接する農地では泥炭土に起因する不等沈下や排水不良等が生じていることから、農地の保全整備に併せて湿原の保全と再生を環境省と連携して検討。

○自然再生推進法に基づく農地と湿原の共生

ササの侵入による湿原の減少

低下した地下水位による湿原の乾燥化

高井地下水位による湿害等

ササの後退による湿原の再生

湿原に必要な地下水位(高くする)

農地に必要な地下水位(低くする)

事例:サロベツ地域(北海道宗谷支庁豊富町)における取組

・我が国最大の高層湿原

・湿原特有の生態系

・道内有数の大規模酪農地域

○高層湿原の減少 13,249ha→2,773ha   (T12年→ H7年)

・地下水位が低下し、湿原にササが侵入

参考15

○農地○サロベツ湿原

○緩衝帯の設置による地下水位の相互影響の緩和○排水調整池と幅広水路の設置による土砂流入の軽減

○堰等の設置による地下水位維持      等

特徴

課題

対策

(説明資料10P関連)

 畜 舎

湿原エリア

農地エリア

緩衝帯の設置により 相互影響の緩和

幅広水路により土砂の流入を軽減

排水調整池により土砂の流入を軽減

幅広水路

排水調整池

緩 衝 帯

 サ ロ ベ ツ 再 生 構 想 ( イメージ )

湿原の乾燥化対策・泥炭採取跡地の復元等

注:高層湿原とは、天水によってかん養されるミズゴケ類を主体とする湿原

Page 18: 農業農村振興のための生産基盤整備等の 新たな展開 …...17.6 20.1 74.2 10 30 50 70 90 (%) 幹線・末端農道 畑地かんがい施設 平成 10年 平成14年

[検討内容]

・効果体系を基本法の4つの基本理念に則して整理

・既存の効果算定手法の検証

・新たな効果算定手法の検討

○事業評価の充実

○効率的かつ効果的な事業の実施や、事業の透明性・客観性を一層向上させるため、事前評価における多段階評価方式の導入や費用対効果分析手法の改善などの事業評価手法の充実、評価結果の施策への反映、「事業評価マップ」による評価結果の蓄積・公表の充実など、より適切な事業評価を推進。

評価項目の体系化

評価指標の設定

評価点の設定

チェックリストによる事前評価

「○」の有無による評価

評価項目の設定 移行

・必須事項・優先配慮事項

多段階評価による事前評価

評価項目をA,B,Cなどの多段階で評価する方法を導入することにより、事業効果の高い地区を採択

現行

改善後現行の

費用対効果分析体系

・農業生産性向上効果

・農村定住条件整備効果

・農村環境保全効果

新たな費用対効果分析体系

・食料の安定供給の確保に関する効果

・多面的機能の発揮に関する効果

・農業の持続的な発展に関する効果

・農村の振興に関する効果

見 直 し の 視 点

・食料・農業・農村基本法の基本理念に則した効果体系の構築

・事後評価結果の効果算定手法への反映

事前評価

再評価

事後評価

事業採択・着工

事業を継続

事業の完了

計画変更

事業の中止等

事業を実施しない

事業制度・事業評価手法の改良のため、フィードバック

事業に着手する妥当性がない

事業の見直しが必要

計画に沿って継続する妥当性がある

直轄(国営、機構(公団)営)事業について、

 ○ 事前評価、再評価、事後評価の結果を、地区毎に判りやすく一括整理。評価の経緯を蓄積。 ○ 地図上で検索できるよう、基幹的な用排水路や農地等を描いた日本水土図を活用。

事 業 評 価 マ ッ プ の 概 要 (イメージ)

地区毎に、評価結果書を蓄積日本水土図上で、地区を選択

事前評価

国営かんがい排水事業

小田川二期地区

事業の概要

事業の目的・必要性

事業の効率性

事業の有効性

日程・手続

事業に対する決議

評価担当部局

概要図

評価結果書へ

クリック!国営かんがい排水事業

 小田川二期地区(青森)

 斐伊川沿岸地区(島根)

  ・・・

国営総合農地防災事業

 富士見地区(北海道)

  ・・・

事業に着手する妥当性がある

(4)効率性に配慮した事業の実施

参考16

(説明資料P12関連)

① 多段階評価方式の導入 ② 費用対効果分析手法の改善

○評価結果の施策への反映 ○ 評価結果の蓄積・公表の充実(事業評価マップ)

○事業評価手法の充実

Page 19: 農業農村振興のための生産基盤整備等の 新たな展開 …...17.6 20.1 74.2 10 30 50 70 90 (%) 幹線・末端農道 畑地かんがい施設 平成 10年 平成14年

設計段階から民間技術力を活用するVE方式、           設計施工一括発注方式等の推進

農家や地域住民の参加で身近な施設等の整備を行う直営施工の推進

 農家、地域住民の労力提供を引き出すことにより従来の請負工事方式に比べ、コストを縮減

(耕作道の舗装、水路蓋の設置作業など) 

コスト構造改革プログラム 農業農村整備事業の直轄事業において、調査・設計段階から管理に至る全てのプロセスにおける幅広い施策について検討、実施

*補助事業については事業主体が直轄事業の取り組みを参考として総合的なコスト縮減対策に取り組むよう要請

VE方式 設計、工事入札、施工の各段階において、民間の技術提案 (新技術、新工法、工期短縮等)を活用

設計施工一括発注方式 設計と施工を一括して発注し、設計段階から民間の技術提案 (新技術、新工法、工期短縮等)を活用

総合評価落札方式 民間の技術提案を活かした価格以外の性能等(ランニングコスト低減、工期短縮等)の要素と価格を総合的に評価

  

調査計画

設 計 積算 入 札 契約 施 工

入札時VE

契約後VE

設計VE

設 計 施 工

設計に施工の技術を含めた民間ノウハウの活用

+契約

調達の最適化 地域特性の重視

視点

・合意形成・協議・手続きの改善・事業の重点化・集中化・資源循環の促進

効率性の向上

・計画・設計等の見直し・新技術の活用

設計等の最適化

・入札、契約の見直し・積算の見直し

調達の最適化取り組み施策

・オーダーメイド原則の導入・地域の発想の重視

地域特性の重視

・事業プロセスの徹底した公開

透明性の向上

民間技術力の活用推進及び  性能に着目した設計手法の導入促進

民間技術力の活用 民間技術を活用し開発した新技術、新工法の採用によりコストを縮減 (事例)パイプライン浅埋設工法

性能に着目した設計手法 構造物の材料や工法、寸法を「仕様」として規定する方法から、構造物に要求される「性能」を規定する方法に移行 新技術、新工法の導入が促進されコスト縮減

設計等の最適化

○総合的なコスト縮減対策

○調査・計画段階から管理に至る全てのプロセスをコストの観点から見直す総合的なコスト縮減対策の一層の推進。

改良土や砕石と補強シートの併用で一体化を図る。

・通常、パイプ口径の1.1倍 程度の埋戻し深さが必要。・土の崩落を防ぐ鋼矢板の 使用が必要。

・浮上防止策を講じることで, 従来工法より浅く埋設が可能。・鋼矢板が不要。

新工法従来工法

参考17

(説明資料12P関連)