engineering japan 06

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フライス工具開発による整 形外科置換術用部品加工の 品質と生産性の向上 14 バルーフ社のビジョンセ ンサBVS-E Uniersal 3 Eplan Engineering Center One(EEC One)に新バ ージョンが登場しました。 4 ノルグレンの国際チーム、 商用車セクターに向けた 新世代ソレノイドバルブ を開発 8 ENGINEERING JAPAN 2014年3月 06 | pdf-engineering-japan.com | 2014年3月

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ウェブサイトengineering-japanでは、情報誌をご用意しました。 ぜひ、ご自由にダウンロード、あるいはオンラインでご覧になってください。 よろしくお願い申し上げます。

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フライス工具開発による整形外科置換術用部品加工の品質と生産性の向上

14

バルーフ社のビジョンセンサBVS-E Uniersal

3

Eplan Engineering Center One(EEC One)に新バージョンが登場しました。

4

ノルグレンの国際チーム、商用車セクターに向けた新世代ソレノイドバルブ

を開発

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ENGINEERING JAPAN

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NORGREN

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バルーフ社のビジョンセンサBVS-E UNIERSAl

バルーフ社の新製品BVS-E Universalビジョンセンサは、信号処理回路と照明技術、2個のデジタル出力を内蔵する汎用のセンサです。実績のあるBVS-E AdvancedとBVS-E Identのビ

ジョンセンサを一つのデバイスに内蔵しています。一つの製品ですべての外観検査を行う業務に最適な初めての製品です。在庫管理をかなり簡単にします。 BVS Universalは、1回でかなりの数の特性を外観検査できるだけではなく、輝度の検査やコントラストの比較、エッジの計測、位置のチェック、パターン検出、コードの読み込みなどの様々な業務を同時に実行できます。360度の縁取りやバーコード、データマトリクスのチェックなどのツールも新規に追加できます。これらに加えて、縁取りの計測とチェックの技術オプションは、本質的に無限の応用の可能性があります。 チェックの結果は、デジタル出力あるいはRS232/Ethernetインターフェースを通して、GO/NOGO判定を行います。検出された部品の位置は、PlCや例えばロボット制御などに送られ、次の工程に向けて部品の向きを整えます。 この汎用デバイスは高速動作が可能で、1秒間に最大40個のバーコードやデータマトリックスコードの位置を

見つけ、読み込み、位置に関係なく確認検証します。このコードデータはインターフェースを通して、それ以降の工程に使われます。 加えて、光学的文字検証(OCV)機能がバッチ番号や保証寿命年月日などが印刷された文字や数字の列を確認します。 BVS-Universalビジョンセンサにはいろいろなレンズも揃えています。高出力の積分赤色光や赤外lED光が画像領域を完全に照射します。電源や周辺回路は業界実績のあるM12コネクタで接続できます。 この頑丈でハイエンドのセンサはクレジットカードのサイズなので、直感的なユーザインターフェースを通して提供されるConVISソフトウエアを簡単に使うことができます。ユーザーはセンサをパソコンにつなぎ、パラメータを構成し、無料のコンフィギュレーションソフトウエアを使ってセンサを動かせばよいのです。Windows XPとWindows 7上で走ります。しかも、最大1万枚の検査画像をコンピュータに保存できるオプションもあります。これは、例えばトラブルシューティングに使います。

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42014年3月 | pdf-engineering-japan.com | 06

EPlAN ENGINEERING CENtER ONE(EEC ONE)に新バージョンが登場しました。 包括的フレームワークによって煩瑣なエンジニアリングが減り、エンジニアリング時間を大幅に削減できます。現在、同ソフトウェアは17ヶ国語でご利用いただけます。さらに、グローバル市場で重要な国際規格や国際標準もサポートしています。

光ソリューション・プロバイダのイープランがご提供する自動化ソフトウェアEEC Oneは、2013年のハノーバー・トレード・フェア(Hanover trade Fair)で、その プラットフォー

ム言語として、英語・スペイン語・ロシア語・中国語からスタートしましたが、現在、これを拡大しています。今では、合わせて17ヶ国語のプラットフォーム言語をご利用いただけます。さらに、新たに組み込んだ辞書機能がEplan辞書への直接アクセスを保証しています。したがって、すべての利用可能な言語において、図表の全ドキュメンテーションの翻訳が確実になされます。同時に、統一された用語・フレーズ・特殊文字を用いることで、表記の一貫性も確かなものとしました。こうして、言語上の障害を取り払えば、ソフトウェアの利用における効率レベルは向上します。とりわけ、複数の国に拠点を構える国際的な企業の皆様には、この利点を高く評価いただけるものと思います。 効率的なエンジニアリングは、高能率な自動プロセスとして実現されているだけでは、ありません。ソフトウェアのユーザフレンドリ性にも反映されています。そのうえ、イープランでは、このEEC Oneでも、実証を重ねたExcel環境を採用し、直観的な使用を可能としました。また、新たなカラー表示は、エラー検索機能もサポートしています。加えて、この現行バージョン

では、先行バージョンのマクロに関し、そのマクロの位置を固定値によって指定できます。これにより、マクロの迅速かつ明確な配置をサポートしました。 さらにまた、Eplanプラットフォームとの緊密な接続関係は、統合された部品選択にも反映されています。EEC Oneでは、Eplanの部品データベースに直接アクセスし、部品やその参照データを受け渡します。この自動データ転送によって、転送エラーを防ぐと同時に、効率の向上を可能としているのです。そのうえ、EEC Oneの新バージョンは、現行のEplanプラットフォーム2.3およびその先行バージョン2.2との互換性を備えています。 今や、エンジニアリングの効率性を、付随的なメリットだとみなす企業はほとんどないでしょう。その効率性は、国内での、そして国際規模での成功を維持するうえで欠くことのできないものです。そこで、日常のルーティン業務からユーザを解放してくれるソフトウェア・ツールこそが、効率的なエンジニアリング・プロセスへ向けての重要な基本要素となります。こうしたツールにより、革新的な設計や問題解決へと、より多くの時間を割けるようになるのです。すでにEplanプラットフォーム内には、標準化のための機能を提供するマクロ技術があります。このマクロ技術に基づけば、電気エンジニアリングおよび流体パワー・エンジニアリングにおける図表作成が、EEC Oneを介して自動化できます。

EEC Oneは、その新たな多言語対応機能から、国際的な競争の場で、自動化による格段に優れた相乗効果を発揮します。

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52014年3月 | pdf-engineering-japan.com | 06

ノルグレンの国際チーム、商用車セクターに向けた新世代ソレノイドバルブを開発

ISISソレノイドバルブは、イギリス・ドイツ・中国・アメリカにまたがる国際チームによって開発され、デフ・ロックやエンジンブレーキ、クラクションなどの幅広い機能を制御するために設計されています。一般的なソレノイドバルブが20個の部品で構

成されているのに対しISISではわずか9個の部品で構成されています。そのため潜在的な漏洩経路が少く、高度な工程管理が可能なノーフォールト・フォーワード生産システムによって製造しています。さらに高レベルの耐振動性能を備え、過酷な環境にも対応します。 ISISはシャーシに配置する一般的なバルブシステムに比べて10%の軽量化と30%の小型化が実現されています。さらに必要な配管、コネクタ、キャブとの接続部を削減したことで、当社が提唱する “Engineering Advantage”を実現しています。小型軽量化のためのコストとレイアウトスペースの節約ができます。 「ノルグレンは、25年以上におよぶ商用車市場での経験をもとに新素材や最新生産技術を積極的に活用し常に最適な製品群をご提供しています。ISISは組立てが容易になるよう設計され、バルブの連結拡張が容易な当社の“ツイスト・アンド・ロック式保持機構”を採用したシャーシ搭載用の高性能ソレノイドバルブです。卓越したバルブの代表格といえるでしょう」と、ノルグレンのDavid Owenは説明しています。

「このバルブは、標準的な製品よりも構成部品が少ないことも特徴です。さらに、構成部品のすべてをシールされたひとつの耐食ユニットに収めました。リフトアクスルやエンジンブレーキなどの重要な機能制御にお使いいただければ、お客様にとって、極めて競争力の高い価格でご利用いただける必須製品になるでしょう。 ISISは、後付け部品としても、また純正部品としても適しており、12Vあるいは24V仕様のいずれかでご利用いただけます。 さらに詳しい情報につきましては、 www.norgren.com/uk/commercialvehicle をご覧ください。

ノルグレンは、空気圧モーション・コントロールや流体制御の国際市場におけるリーディング企業です。このたび当社では、商用車アプリケーションに向けて、革新的なソレノイドバルブISISを発売します。このソレノイドバルブは多くの競合システムに比べ、より低コストで高い信頼性を実現しました。

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606 | pdf-engineering-japan.com | 2014年3月

新製品

IXXAtは、新しいコンパクトなFRC-EP170によってFRC-EPシリーズを拡大しました。

IXXAtでは、FRC-EP170およびFRC-EP190からなるFRC-EPシリーズにより、テストベンチや車載アプリケーションに向けた汎用なハードウェア・プラットフォームを提供しています。このプラットフォームは、その高い性能、手ごろな価格、広い用途、

多彩なソフトウェア・ソリューションへのサポートが魅力です。 これらのデバイスは、FlexRay、CAN、CAN FD、lIN、K-line、USB、イーサネット、EtherCAt、Bluetooth、RS232インターフェイスに加え、アナログおよびデジタルI/Oを備えています。また、拡張スロットにより、WlANやGSM、GPSなどその他のインターフェイスの追加も容易です。このように、同デバイスでは拡張性を高め、特殊なアプリケーションへも適応可能とするとともに、将来にわたるご利用にも対応できるようにしています。 さらに、このたびIXXAtは新しいFRC-EP170を発売しました。これは、広く普及しているFRC-EP190の極めてコンパクトでコスト効果に優れた派生機種です。どちらのデバイスでも同じプロセッサ、同じオペレーティング・システムを装備していることから、この新機種も完全なソフトウェア互換性をもち、直ちに高い性能を発揮します。FRC-EP190は、多数の同一インターフェイスとそのガルバニック絶縁、向上した拡張性、

そして特にオプションであるEtherCAtスレーブとしての機能性から、車載通信分野におけるテストベンチとの統合が主要な対象アプリケーションとなっています。 一方、ハンディなFRC-EP170は、車両内での利用のために開発しました。その主なアプリケーション領域は、様々なECUインテグレーション・レベルへ接続するためのゲートウェイ・ソリューションやプロトタイプ・コントローラ、インターフェイス増設によるデータロガーの拡張、市販の携帯電話やタブレットPCを使ったワイヤレス信号の表示などです。 また、どちらのデバイスをベースとしても、IXXAt提供の対応ソフトウェア・パッケージを使えば、要求の厳しいレストバス・シミュレーションやゲートウェイ・ソリューションを素早く簡単に実現することができます。さらに、特殊なソリューションの開発には、拡張開発パッケージをご利用いただけます。したがって、カスタム機能やカスタム・アプリケーションも、linux OSを使った無料のソフトウェア開発キットが利用可能なため、お客様の社内で迅速かつ容易に整えることができます。 新しいFRC EPシリーズのより詳細な情報につきましては、www.ixxat.deをご覧ください。詳細

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72014年3月 | pdf-engineering-japan.com | 06

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IO-lINKによって、ミリメートル・オーダの測定データを出力します

標準的なタスクなのに、シングルビームによる複雑な評価をしているとか、煩瑣な設定を行っている、そんな時代は終わりました。ペッパール・

アンド・フックス(Pepperl+Fuchs)の自動ライトグリッドの製品グループには、最新機種として、新しい測定ライトグリッドlGMシリーズがあります。製品マネージャのCarsten Rothは次のように説明しています。「市場にある他の測定ライトグリッドで、この製品に比肩するものはありません。というのも、同ユニットには16もの組込み測定オプションが内蔵されているのです。ユーザの皆様は、この測定評価方法のなかから、ご自身の用途に合った最適なモードを選択できます。そして、対象物の高さや、下限もしくは上限にある対象物の位置、合計、平均などの直接的な測定値を、ミリメートル・オーダで受け取れます」。 その測定値は、たとえビーム・クロスオーバ機能が動作している状態でも、IO-linkを用いて、極めて高速なサイクルタイムでデジタル送信されます。また、このIO-linkにより、その制御層から簡便な試運転や保守もできるになっています。さらに、パラメータ表示や設定はPCを介して完全に行え、外付けのプログラム機器や余計なソフトウェアはいっさい必要ありません。

lGMライトグリッドは、外形が非常に小さく、狭いスペースにも納まります。そのうえ、工具不要の斬新な取付具により、設置・アライメント・交換も迅速かつ容易です。また、その保護等級IP67のアルミ製筐体は、冷凍保管庫といった低温下であっても、過酷な環境条件に耐えます。 このlGMシリーズでは、広範な測定レンジに対応できるよう、さまざまな分解能と、フィールド高さが最大3200mmにおよぶ製品をご用意しました。製品マネージャRothは次のように述べています。「それぞれのビームを評価するというシングルビーム出力の複雑な製品と違って、これらの測定ライトグリッドは時間のかかる計算なしに、ミリメートル・オーダの測定値を提供します。また、そのコンパクトな設計や機能性、追随をゆるさぬ費用対効果から、これらは新たな定番製品といえるでしょう」。

ライトグリッドの新lGMシリーズが、ミリメートル・オーダの測定値を直接ご提供します。

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806 | pdf-engineering-japan.com | 2014年3月

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道路旅客輸送用の車両で暖房・換気・空調(HVAC)システムに対する要求は多様かつ苛酷です。これは、どのような車外の天候・気候条件であっても、乗客に快適な車内環境を提供するよう求められるためです。

かつて、こうした車両ではHVACシステムが高級な機能だった時代や、温・冷風を単に送風するという程度のことしかなしえなかった時代もありました。しかし、それははるか以前の話です。

いまや、ますます頻繁に、HVACシステムの提供すべき性能が法規によって定められるようになっています。たとえば、フロントウインドスクリーンでは、氷や水滴を所定の時間内に取り除かなければなりません。同時に、ドライバーに対しては最適な運転環境を整えて、ドライバーへの良質な空気の供給を保証し、ドライバーが運転中に疲れや倦怠感を覚えないようにしなければなりません。 一方、乗客側からの要求も高まっています。近年では、極端な気温の中でも、あるいはバス停で乗客の乗降時に車両ドアを定期的に開閉する場合であっても、一定の温度と湿度レベルが維持されるべきだと考えられています。 そうした状況は、夜明けや日暮れの時間帯に車両を運行しなければならない場合、いっそう厳しいものとなります。このような状況下では、車両外装の片側が非常に暖かく、もう一方は冷たいということがあるかもしれません。しかし、それと同時に、システムには車

両内部を冷・暖房するよう求められるのです。これに加え、当然ながら、車両の重量低減や燃費を向上する必要など、もっと一般的な要請もあります。 これは、より高い圧力でシステムを作動させることで、バルブやパイプのサイズを最小限にとどめるよう連続的な運転を実現することでなされます。 こうしたあらゆる考慮すべき要件から、HVACシステムの制御に用いるバルブには、ますます大きな要求が課されます。温度の急激な変化に素早く応答できるだけではなく、大きな流量の温水にも対応できなければなりません。さらに、システム作動時の静粛性と動力消費の最小化をも両立させなければなりません。  バルブの耐久性と寿命も、実際上の大きな問題です。バルブには、少なくともモータなどのその他のシステム部品と同等に長期にわたって機能することが望まれます。というのも、車両設計レイアウト上、バルブは簡単にアクセスできない箇所に搭載されることが多いからです。 これは重要な検討項目だといえます。バルブの修理や保守のために、バス車両を運行から外すことで費やされる時間はいかなるものでも、その運行事業者にとって極めて大きなコストになり得るからです。

最高の快適さを実現する ― バス車両アプリケーションに向けたHVACバルブ技術の新機軸

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さらにまた、現代の車両の設計者は、車両移動に伴う副次的作用の一つである電磁放射を最小化するという要求も考慮しなければなりません。 電磁放射は、携帯電話やラジオの両者にとって、その受信に影響を及ぼす可能性があるからです。一方で、バルブが高ヒステリシス性を有する場合には、正確な温度制御に必要なバルブの精密位置決めが達成できません。 そのうえ、バルブに使う電気コネクタも性能に重大な影響を与えることがあります。電気コネクタ材料としてはスズが一般的ですが、工業製品保護等級IP 6K9Kレベルに応える電気伝導性を実現できるようにするには、金製の電気コネクタを用います。 では、設計仕様策定者にとって、どんなバルブの選択肢があるのでしょうか? ソレノイド/ピストン・バルブは幅広く使われてきましたが、絶えず電気エネルギーを供給する必要があります。さらに、開閉時の「ウォータ・ハンマー」に極めて敏感です。同様に、アングルシート・バルブにはエア源と電力源の両方が求められ、部品点数とエネルギー消費が多くなります。また、これらの製品は、そのほかの代替品に比べ重く、その開閉にはより大きなエ

ネルギーを必要とします。 ソレノイド・バルブは、取付けが簡単で、その駆動に電力供給しか必要としません。しかしながら、ノイズが大きく、精密なシステム制御というより回路の遮断に適したものといえます。一方、外部駆動式のバルブには、圧縮エアと電力の両方が求められます。さらに、パイロット・バルブも必要となり、これによって貴重なレイアウトスペースが取られることになります。このバルブについても、同じくノイズや精密な制御性が問題となる可能性があります。  こうした選択肢がもつ問題から、HVACアプリケーションに向けた電動バルブを開発するにいたりました。これらの電動バルブ製品では、多くの利点が実現されています。たとえば、構造がコンパクトであること、比例弁として精密な制御が可能であること、いったん動作点に達すると電力を消費しないこと、さらにまた、静かに動作し、ごみや沈着物から影響を受けず、たとえ冷却液中に夾雑物があっても対処できることなどです。 電動バルブについては、2ポートや3ポート用モータのバージョンを広くご利用いただけます。さらに、3ポート電動ボールバルブを冷水ユニットに利用することもできます。この3ポート電動ボールバルブは、ほかのタイプのバルブに比べ、大流量を可能にするよう設計された構造が特徴です。そのため、より寒冷な環境下で運用する車両への適用に理想的なものとなっています。 これらバルブ内部の制御機構は、通常、プラスチック製あるいはセラミック製のいずれかです。原則として、プラスチックはより低コストな選択ですが、材料としては温度変化に影響を受けやすく、ほこりや微粒子の進入による悪影響も受けやすくなります。 対して、セラミック製の機構は多くの利点を備えています。表面硬度が高いことから、ほこりや微粒子があっても損傷を引き起こしにくいのです。さらに、急激な温度変化による影響も小さく、これは低温の環境下で運用する車両にとって重要なポイントです。こうした低温環境下では、バルブは、漏れを発生することなく、極めて高温な水を高い圧力で急激に処理しなければならないケースがあり得るからです。 しかしながら、おそらく最も重要な点は、セラミック製の製品なら、非常に幅広く多彩な流動特性や流量を実現し、それぞれのお客様の要求仕様にお応えできることではないでしょうか。こうした順応性の幅から、さらにその物理的特性ともあいまって、この分野における洞察力のある設計仕様策定者は、ますます、セラミック製部品を装備したバルブを選択するようになりつつあります。 さらに詳しい情報につきましては、 www.norgren.com/uk/commercialvehicleをご覧ください。

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1006 | pdf-engineering-japan.com | 2014年3月

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より軽く・明るく・長寿命に:危険区域向けの堅牢な蛍光灯に新世代製品が登場

アール・シュタールの照明機器に、防爆構造を要する危険区域ゾーン1/21および2/22での利用に向けた新シリーズが加わりました。同等製品よりも高いエネルギー効率を達成するととも

に、光度が約10%向上しています。この新しい照明機器EXlUX 6001は、その先行製品であるEXlUX 6000に比べ、格段にコンパクトかつ強固で、ねじりにも耐えられる設計を特徴としています。この実績豊かな先行製品EXlUX 6000ライトは、これまで20年にわたり、世界中で100万台以上が実用に供されてきました。ただしその一方、これまでと同じく経済的ありながら、最先端技術を反映するよう改良した技術的機能によって、性能を強化した製品へのユーザニーズも高まっています。そこで、これからは、そのニーズに新世代製品でお応えします。性能クラスにもよりますが、新しい照明機器EXlUX 6001は、先行製品や多くの競合製品に比べ、1/4から1/3ほども軽量です。したがって、これらスリムで幅の狭いユニットなら、ユーザの皆様の利便性が増すことになるでしょう。また、大半のライトと異なり、この新しい照明機器は極めて低い(-30℃という)環境温度下でも動作可能です。そのため、多くのケースで、適用範囲が拡がり、余計な仕様が不要になってコストを削減できることになります。さらに、既設のEXlUX照明機器を段階的に置き換えるのを容易にするため、新ユニットの取付けは、先行製品シリー

ズと完全な互換性を保っています。そのうえ、素早く着脱可能な交換部品も、迅速で簡単な保守性を確かなものにします。また、これまでと同様に、この新ライトでも、ご依頼に応じてお客様の特殊仕様に合わせた製品もご提供します。加えて、アール・シュタールでは、即納可能な、特に費用効果の高い標準モデルとして、電力消費18W・36W・58Wの製品をご用意しました。これらのモデルでは、4mm2のケージクランプ付端子、5芯の貫通配線、フル・フェーズ安全停止機能を採用しており、あらゆる一般的アプリケーションの大半へも、十分に備え付けていただけます。また、この新シリーズは、現行の工業標準すべての要件に完全に則しています。とりわけ、新しいシリコーン・ベースの発泡材ガスケットは、IEC 60079が規定するように、最大限の耐久性をもつよう最適化しました。このシーリング・ソリューションは、さまざまな化学物質はもとより、紫外線への耐性も具えています。これが、固定具のヒンジや新設計の集中ロック機構とともに、多年にわたって保護等級IP67を信頼性高く保証します。

防爆照明機器EXlUX 6001は、先行製品や多くの競合製品に比べ、よりコンパクトで軽量かつ堅牢、さらに汎用性でも優れています。

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112014年3月 | pdf-engineering-japan.com | 06

ブレーカ形状により性能を最大化し、バリと剥離を最小化

ケナメタルは、3/16~5/8インチ(4.763~15.875mm)の穴径範囲で、CFRP/金属積層材の穴加工に対応する、全く新しいB55_DAlドリルを発売します。

このドリルは、あらゆる組み合わせの積層材に使用することができます。CFRP/チタン/アルミニウムの積層材だけでなく、CFRP/チタン、CFRP/アルミニウム、およびチタンまたはアルミニウムのみの積層材に対応可能です。これらのドリルは、標準のスルークーラント、MQlまたは乾式加工でも利用することができます。 新たな材料には、新しいソリューションが必要です。強度を最大限にしながら重量を最小限にするために、航空宇宙産業は、複合繊維強化ポリマー(CFRP)をチタンやその他の材料の間にはさんだ積層材を使用する研究を続けています。 これにより、翼、機体、コックピットおよびその他の部品を軽量化し、優れた性能を実現できます。炭素繊維と金属の機械的特性が大きく異なるため、留め具穴の穴加工には高い耐摩耗性と最適な工具形状が求められ、切削工具に課題を投げかけています。高品質でバリのない穴を維持することが重要です。 新しいB55_DAlドリルのダブルアングルポイント設計に

より、優れたセンタリング性を実現し、鋭利な切れ刃は積層材のトップレイヤーを滑らかに切削し、バリを発生させることなくチタンやアルミニウム面から滑らかに切れ刃を抜くことができます。 微細粒超硬Beyond™ KN15™材種は、MQlまたは乾式加工でも優れた切り屑排出を実現できるように高度に研磨加工されています。 径と長さの幅広いバリエーションを用意し、ロボットや自動穴あけ装置を使用しても、あらゆる穴加工作業に対応できます。さらに、新たなスタックドリルは、独自のプロセス仕様に対応できるよう再研磨が可能で、これらの新たな工具のコスト効率をさらに高いものにしています。 詳細は、www.kennametal.comをご覧ください。

CFRP/チタン積層材に対応するケナメタルの新たな超硬ソリッドドリル |

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1206 | pdf-engineering-japan.com | 2014年3月

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ANyBUS COMPACtCOM 40シリーズ製品なら、EtHERNEt POWERlINKへの産業機器の接続が可能になります。

Powerlinkは、もともとオーストリアのオートメーション企業B+R社が考案した産業用イーサネット・ネットワークです。ただし現在では、全世界のオートメーション製品やシステムのメーカの

多くから、認められるものとなっています。 Powerlinkは、4月に発売予定の新しいAnybus CompactCom 40シリーズが提供する最初の対象ネットワークの一つです。このCompactCom 40シリーズでは、ホストデバイスとPowerlink間で、非常に高速かつ高精度な通信が可能になります。 Powerlinkネットワークにとって通信の速度と信頼性は重要です。というのも、Powerlinkネットワークは、同期サーボドライブ・システムなど、要求水準の高い産業アプリケーションに使われることが多いからです。CompactCom 40シリーズのPowerlink製品は、チップ、ブリック、モジュールの異なる3つの組込み形態でご提供します。これら製品すべてが、ホストデバイスからみて、同じソフトウェア・インターフェイスを備えることになります。 したがって、お客様のオートメーション製品をCompactCom用に整えていただければ、完全なフ

レキシビリティが実現します。 HMSの製品ライン・マネージャleif Malmbergは次のように述べています。「当社は、Powerlinkを将来の重要なネットワークであると位置づけています。なかでも、高い信頼性と高速なデータ転送を兼ね備えた高性能ネットワーク技術を必要とする機器メーカや機械メーカの皆様にはとりわけ重要でしょう。 そのため当社には、とくに中央ヨーロッパ市場を始めとして、世界中からPowerlinkへの接続性を求める声が多く寄せられています。したがって、このたび、当社組込み製品の最新シリーズにおいて、Powerlinkへの接続性がご提供できることをうれしく思っております。この新しいAnybus CompactCom 40シリーズなら、機器メーカの皆様は、たった一つの開発プロジェクトにより、Powerlinkへ接続できると同時に、そのほか19種のネットワークへも接続可能になります」。 注目の技術 Anybus CompactCom 40シリーズは、ホストデバイスとPowerlink間の高速通信を可能にします。プロセスデータの待ち時間は15μs以下で、そのプロセスデータは各方向に最大1500バイトにも及びます。

新しいAnybus CompactCom 40シリーズは、Powerlinkへの接続性が

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また、チップ、ブリック、モジュールの組込み形態によるCompactCom 40シリーズは、Anybus NP40ネットワーク・プロセッサを実装した一体型のイーサネット・ハブを装備し、マルチプレキシングやPollResponseChainingもサポートしています。応答時間(PollRequestからPollResponseまでの時間)は1μs、同期ジッタも最大1μsです。 Anybusが備えたあらゆるネットワークへ接続性 Anybus CompactComは、産業用マルチネットワークへの接続性に関し、世界中でもっとも広範に利用できるよう構想されています。 機器メーカの皆様はAnybus CompactComを実装することで、Powerlinkを含む20種の産業用ネットワークへの接続性を直ちに達成できます。対応のAnybus製品をプラグインするだけです。これにより、機器メーカの皆様には、新たなビジネスチャンスが開けるとともに、その市場が大幅に拡大します。 Anybus CompactComとは? Anybus CompactComは、産業用ネットワークのインターフェース・シリーズです。これらを産業用デバイスに組み込めば、さまざまな産業用ネットワークへの接続性が実現します。

また、CompactComは、チップ、ブリック、モジュールの組込み形態でご提供しており、組込みレベルをお客様でお選びいただけます。すでにAnybus CompactCom 30シリーズは、数百万もの産業用オートメーション機器で利用されています。そして2014年4月には、新しいAnybus CompactCom 40シリーズが発売されます。

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1406 | pdf-engineering-japan.com | 2014年3月

新製品

フライス工具開発による整形外科置換術用部品加工の品質と生産性の向上

医療用加工部品の製造では、航空宇宙部品および原子力部品で要求される精 度、信頼性、品質、トレーサビリティと同等もしくはそれ以上の基準を満たす必要がありま

す。さらに、世界的な競争と医療費を抑える取り組みによって、生産性を最大化し製造コストを削減する必要に大いに迫られています。工具メーカーは、医療用部品メーカーがこのような課題を克服できるように、複雑な整形外科置換術用部品の加工用にカスタム設計された各種フライス工具を提供しています。 股関節置換および膝関節置換 人体用の置換部品および再製造部品の需要が急増しています。股関節置換および膝関節置換、外傷部品の再建、オーソバイオロジクス用部品を見てみると、これらの部品の販売額は全世界で 252 億ドルを超えてい ます。この合計額の 50 パーセント以上が股関節および膝関節用部品で、医療 OEM 大手 5 社が売り上げの ほぼ 90 パーセントを占めています。2 つの主な要因がこの成長に拍車をかけています。1 つ目は世界人口の寿命が伸びた結果、平均年齢が徐々に高くなっている点です。最も急増しているのは 65 歳以上で、年間 3.5 パーセント増加しています。偶然にも、膝関節手術を受ける患者の平

均年齢は 65 歳です。整形外科用インプラントの急増の一因となっているその他の主な傾向は、太り過ぎまたは肥満の人の数が増加していることです。世界人口 72 億人のうち、15 億 7 千万人が太り過ぎで、5 億 3 千万人が医学的に肥満(BMI > 30%)であるとみなされています。過度の体重により、関節置換手術の主な原因である変形性関節炎を引き起す可能性が高くなります。 膝関節置換用の部品 通常、完全な膝関節置換は 3 つのサブコンポーネントから構成されます。大腿骨の円形下部を置換する大腿骨コンポーネント、脛骨の上部を置換する脛骨トレイ、これら 2 つの部品間に挿入されクッションの役目をする脛骨インサートまたはベアリングインサートです。通常、ベアリングインサートは UHMWPE (超高分子量ポリエチレン、エンジニアリング樹脂の一種)から生産され、大腿骨コンポーネントと脛骨トレイはほとんどの場合、コバルトクロム(Co-Cr)合金で、チタン合金の場合もあります。これらの合金は、強度および硬度が高く、加工時の剛性(ヤング率)および摩損性が高い、生体適合性を有する材料です。 大腿骨コンポーネントの加工 大腿骨コンポーネントの加工技術には、研削加

フライス工具開発による整形外科置換術用部品加工の品質と生産性の向上

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工とフライス加工の両方が含まれます。加工の課題は、手作業による研磨を最小化した優れた仕上げ面を持つバリのない形状を達成し、同時に最大限に生産性を高め、工具寿命を延ばすことです。このような条件の厳しいフライス加工向けに、セコ・ツールズは専用に設計されたテーパ型ボールノーズカッタを開発し、不等間隔フルートで加工時の振動を最小限に抑える機能を備えた Jabro® JHP770 高性能カッタを改良しました。加工方法には、コーナのプランジング加工、外周の加工、ジョイント部の粗および仕上げ加工、カム仕上げ加工とジョイント部の複合加工が適用されます。 大腿骨コンポーネントには、大腿骨の末端にある顆部の構造を模した円形の輪郭があります。従来、この形状は研削によって生産されてきましたが、この加工では高熱が発生し、部品が変形する可能性があります。セコ・ツールズでは、研削加工をフライス加工に置き換えるため、工具を開発し、テストを実施しました。大手の医療 OEM がこの工具を試用し、特殊な超硬ソリッド Jabro® ボールエンドミルを採用した倣いフライス加工手法で Co-Cr 鋳鉄の大腿骨コンポーネントを仕上げました。その結果、部品当たりの加工時間が最大 11分短縮され、以前の研削手法と比較して 50 パーセントの時間が短縮されました。工具寿命は 12

時間を超え、1 個のカッタで 80 部品以上を加工できるようになりました。5 軸フライス加工機の径方向の切込み深さの優れた制御が、工具寿命が延長された一因となっています。このような制御に欠けた 4 軸のア プリケーションの工具寿命は 6 ~ 8 時間です。また、研削加工からフライス加工への変更により、変形によりスクラップ部品が発生する可能性も排除されました。このアプリケーションの詳細については、下の表 1 を参照してください。 脛骨トレイの加工 Co-Cr 脛骨トレイの加工においても、仕上げ面と生産性に関する課題があります。さらに、バリを残さずに直角の固定部品の細部を生産する必要があります。この部品の加工には、表 2 に概要を示すように、通常最大 7 つの異なる加工作業があります。 脛骨トレイ加工の最新の開発が、加工 3 と 6 に適用されています。脛骨インサートが配置される基礎部分の優れた仕上げを達成するため、特殊なワイパー形状を持つセコ・ツールズの新しいマルチフルートカッタが加工 3 で適用されています。この工具の Ra 値は 0.1µm 未満です。加工 6 では、セコ・ツールズは側面の仕上げ/面取りを組み合わせたカッタを導入しています。仕上げ工具と面取り工具の組み合わせにより、刃

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先形状(MEP)の優れた制御を実現し、2 次的なバリを防止し、手作業の再加工を排除し、工具コストを削減します。 ベアリングインサートの加工 膝関節置換用のベアリングインサートは、通常、一般的に超高分子量ポリエチレンとして知られているエンジニアリング樹脂(プラスチック)を使用して製造されます。この材料は比較的軟質な材料であるため低切削力ですが、表面粗さの要件が 0.10µm Ra であるため、鋭利で最高品質の仕上げ工具で加工する必要があり ます。セコ・ツールズは Jabro® ブランド内に、医療 OEM の世界的なリーダー企業の特定の要件を満たすために設計された「プレミア仕上げ」のソリッドエンドミルを開発しました。この部品を加工する 6 つのステップを表 3 に示します。ステップ 4 と 5 については以

降のセクションで詳細を説明します。 顆部のコンタリング加工における課題の克服 大腿骨コンポーネントとベアリングインサート両方の顆部の形状は、加工が困難となる場合があります。上の表の加工 4 と 5 は、ベアリングインサートの顆の輪郭加工を図示しています。プレミア特殊仕上げエンドミルが開発される前は、顆部の表面は、研磨された HSS 成形カッタまたは従来の超硬ソリッド工具を使用して加工されていました。しかし、どちらの方法にも欠点があります。 • 成形工具では、しばしば部品の表面に目視できるカスプが形成されます。これは特に加工機械の制御が遅く、スムーズな切削パスを生成するのに十分な速さがない場合に顕著です。• HSS カッタのゼロすくい角と低いねじれ角により、適切な面仕上げ結果を得ることが難しくなります。 • 従来の超硬工具を使用した場合、半径のある製品形状のみが許容されます。さらに、カッタ本体の設計上の制限により、すべての半径が生成できるわけではありません。これらの工具の欠点により、必要な表面粗さが達成できない場合、手作業による研磨や重曹ブラストなど、さらに信頼性の低い加工が必要でした。これらの加工は、時間、コスト、および品質の面で予測が困難でした。 これらの問題を克服するため、Jabro® Premier Finisher (ジャブロ・プレミア・フィニッシャー)(図 5)の設計は、接線または直線に接続する凹面および凸面断面に基づいています。金型工具と比較して、この工具の形状公差への対応はかなり優れています。しかし、これらのカッタの製造では、刃先形状、凹面および凸面間の重なり、輪郭半径が小さい輪郭の開始箇所と終了箇所などへの特別な注意が必要で、工具の最大径に関する考慮も必要です。製造では、工具の研削盤の圧力の突然の変化、または過度の発熱を回避する制御が必要です。この発熱は、必要な加工をするために十分に鋭利ではない刃先で発生し、その結果、切削ではなくせん断が発生します。超高分子量ポリエチレンのワークで良好な仕上げを達成するには、クリーンな切削が不可欠です。 セコ・ツールズは、プレミア特殊仕上げ工具の製造研削加工を改良し、あらゆる問題領域を排除して、切れ刃半径約 5μm の全刃長にわたって一定のすくい角を提供します。 プレミア特殊仕上げ工具は、CNC 制御の品質に応じて、100 ~ 200 m/分の範囲で適用できます。一般的に、制御システムが良好であるほど、より高い送りが可能となります。回転ごとのフルート当たりの送りは、通常、0.004 ~ 0.006 * カッタ径です。例: 20mm 径カッタでは、0,02 ~ 0.10mm/フルート。 カッタのケアプレミア仕上げ成形カッタの標準的な工具寿命は、1,000 ~ 2,000 部品です。通常、カッタは磨耗するまで加工機械内に収納したままにします。これは、カッタを取り出して保管する場合に損傷するリスクが高いためです。以下に詳述するこれらの工具のそ

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の他のケアやメンテナンス手順を実行することを推奨します。取り扱い: 工具は刃先が簡単に損傷してしまうため、細心の注意を払って取り扱うようにする必要があります。指の爪との接触でさえ、刃先に軽い損耗が発生することもあることに留意して、金属同士が接触しないようにご注意ください。物流管理: 配送や運搬時の保護は不可欠です。 工具には保護用ワックスを適用し、梱包チューブ内に密閉してください。「取扱注意」や「再梱包不可」などの特別の指示を示すシールを貼ってください。測定と検出: 医療産業では、密閉された(検証された)工程で品質を確保するために、トレーサビリティが非常に重要な要件です。そのため、すべての工具は独自のレーザマーキングで提供します。 信頼性と品質基準は、非接触型の測定法と密閉研削手順で設定します。結果のレポートを梱包チューブ内に同梱し、お客様に品質保証を証明します。工具の調整: オペレータはカッタから保護用ワックスを除去する方法についての指示を受け、提供されるレポートで適切な径を確認する必要があります。工具が著しく摩耗した場合は、品質再生を最大 5 回行うことができ、品質再生工程中の運搬では、制御できない損耗や損傷を防止するために安全な梱包が必要となります。 清浄度: 整形外科用インプラントで一般的な金属(チタン合金、コバルトクロム合金、ステンレス鋼)の切削にも使用される加工機械に工具を適用する場合は、機械の

徹底した清浄を行うようにご注意ください。 金属の切り屑が工具の刃先に直接接触すると破損します。このため切り屑のないクーラントを確保するために適切なクーラントフィルタリングシステムが、機械に装備されている必要があります。また、インプラントのサプライヤは超高分子量ポリエチレン材料の品質にも考慮する必要があります。材料の不良により、含有物のために工具が摩損することがあります(図 6)。カッタの早期摩耗は、加工されたポリエチレンがクリーンではない徴候を示すことがあります。この場合、調達手順の品質に注意を払う必要があります。

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ブレーカ形状により性能を最大化し、バリと剥離を最小化

ケナメタルは、3/16~5/8インチ(4.763~15.875mm)の穴径範囲で、CFRP/金属積層材の穴加工に対応する、全く新しいB55_DAlドリルを発売します。このドリルは、

あらゆる組み合わせの積層材に使用することができます。CFRP/チタン/アルミニウムの積層材だけでなく、CFRP/チタン、CFRP/アルミニウム、およびチタンまたはアルミニウムのみの積層材に対応可能です。これらのドリルは、標準のスルークーラント、MQlまたは乾式加工でも利用することができます。 新たな材料には、新しいソリューションが必要です。強度を最大限にしながら重量を最小限にするために、航空宇宙産業は、複合繊維強化ポリマー(CFRP)をチタンやその他の材料の間にはさんだ積層材を使用する研究を続けています。これにより、翼、機体、コックピットおよびその他の部品を軽量化し、優れた性能を実現できます。炭素繊維と金属の機械的特性が大きく異なるため、留め具穴の穴加工には高い耐摩耗性と最適な工具形状が求められ、切削工具に課題を投げかけています。高品質でバリのない穴を維持することが重要です。 新しいB55_DAlドリルのダブルアングルポイント設

計により、優れたセンタリング性を実現し、鋭利な切れ刃は積層材のトップレイヤーを滑らかに切削し、バリを発生させることなくチタンやアルミニウム面から滑らかに切れ刃を抜くことができます。微細粒超硬Beyond™ KN15™材種は、MQlまたは乾式加工でも優れた切り屑排出を実現できるように高度に研磨加工されています。

径と長さの幅広いバリエーションを用意し、ロボットや自動穴あけ装置を使用しても、あらゆる穴加工作業に対応できます。さらに、新たなスタックドリルは、独自のプロセス仕様に対応できるよう再研磨が可能で、これらの新たな工具のコスト効率をさらに高いものにしています。

詳細は、www.kennametal.comをご覧ください。

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HMSは、IXXAtブランドから、CAN FD用の新しいCAN PCインターフェイス・シリーズを市場に投入し、広範なドライバやツール群によってサポートします。

新たなCAN-IB 500およびCAN-IB 600が、HMSの提供する2つのインターフェイス・カード(パッシブ/アクティブ)です。このインターフェイス・カードは、CANのみならず、新しいCAN

FD規格をもサポートしています。また、どちらのカードもPCI Express規格に準拠しています。そして、最大2つのCANインターフェイスを備え、これらはCANあるいはCAN FDモードのいずれでも運用できます。チャンネルのガルバニック絶縁については、オプションとしてご利用いただけます。 さらに、アクティブ・タイプのCAN-IB 600では、マイクロ・コントローラが組込まれています。そのため、たとえば高精度なタイムスタンプや、カードが送受信するメッセージのアクティブ・フィルタリングといった、データ前処理への要求が高度なアプリケーションであっても利用できます。 これらのカードは、IXXAtのWindowsドライバ・パッケージ(VCI)と、リアルタイム・ドライバ・パッケージ(linux、RtX、IntimeおよびQNX用ECI)のいずれによってもサポートされています。 そのうえ、IXXAtのCANopen用とSAE J1939用APIも、この新インターフェイスをCANモードにおいてサポー

トしています。また、CANやCAN FDのネットワーク解析のために、HMSでは高機能なWindows ツールであるIXXAtのcanAnalyserを提供しています。 従来のCANは、ペイロードデータ8バイト、最大伝送速度1Mbit/sですが、とくに手ごろな価格や汎用性から、幅広く多彩なアプリケーションでその一端を担っています。とはいえ、これまでなら、大きなデータ伝送量が必要なアプリケーションでは、その他の技術に頼らざるをえませんでした。当然、それにはコスト増が伴います。 ところが現在、CAN FDは、最大64バイトのペイロードデータ量と、より高速なペイロード伝送ビットレートを備え、CANがもつ旧来の制約を取り払いつつあります。このことから、CAN FD は、CANでは実現できなかったようなアプリケーションにとっても、魅力的なものとなっています。 この新しいCAN FDカードのより詳細な情報につきましては、www.ixxat.deをご覧ください。

高速かつ高効率 ― HMSの新しいCAN FD用PCインターフェイス

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