食後高血糖、高中性脂肪血症と 糖尿病性合併症 ·...
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食後高血糖、高中性脂肪血症と
糖尿病性合併症
糖尿病治療のポイント
血糖コントロールだけでは
糖尿病性合併症は防ぐことはできません。
2型糖尿病治療のABC
A 血糖コントロール
B 高血圧のコントロール
C 高脂血症のコントロール
2型糖尿病治療のABC
A HbA1cを6.5%以下にコントロール.
B 食後2時間血糖値 < 140mg/dl
D LDL-C (悪玉コレステロール) < 120mg/dl TG (中性脂肪) < 150mg/dl HDL-C (善玉コレステロール) > 40mg/dl
C BP(血圧) < 130/80 mmHg
2007年Asahi.comより
糖尿病患者には、認知症、ガンの発症率が高い。
ヘモグロビンA1c (HbA1c)とは?
過去の1-2 ヶ月の血糖値の平均値がわかる。
食事をした後でも変わらない。
正常値は、5.8%未満。
HbA1cの正常値は、体温を思い浮かべてください。
正常値は、5.8%未満。
食事をした後でも変わらない。
糖尿病性合併症の発症・進展を防止するためには、HbA1cを6.5%未満にすることが必要
HbA1cを1%下げると
(UKPDS)
-10
関連死
-25
3大合併症
-16
心筋梗塞
11
脳卒中
血糖管理(7.0% vs.7.9%) -50
-40
-30
-20
-10
0
10
20
(%)
食後の高い血糖 (食後血糖) を
よくして、正常な状態に近づけよう!
糖尿病では、食後に必要な
インスリンが不足しています
インスリン基礎分泌:血糖値を正常に保つために出ている一定のインスリン
インスリン初期分泌:食事によって血糖値が急上昇しないようにするインスリン
10
20
30
40
50 (μU/mL)
インスリン値 糖尿病
の人
基礎分泌
糖尿病の患者さんにおける1日のインスリン分泌(模式図)
初期
分泌
朝食 昼食 夕食
健康な人
糖尿病 の人
インスリン初期分泌が不足すると
急激に食後の血糖が上昇します
110
(mg/dL)
血糖値
126
200
健康な人
健康な人と糖尿病の人の1日の血糖値(模式図)
朝食 昼食 夕食
空腹時血糖値が正常でも食後血糖値が
上昇しているタイプが多いんです
(DECODA研究より)
OGTT2時間値
(200mg/dL以上) のみで糖尿病型と
診断される人
(OGTT:ブドウ糖負荷試験)
空腹時
血糖値
(126mg/dL
以上) のみで
糖尿病型と
診断される人
2.5倍
どちらでも
糖尿病型と
診断される人
37% 449名
18% 220名
45% 546名
空腹時血糖値が正常でも、
食後血糖が高いと、死亡する確率は2倍に!
0
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
総死亡に対する相対危険率
空腹時血糖値
110mg/dL未満 (DECODE研究より)
140未満 140~200未満 200以上
2倍
OGTT
2時間値のみ
高い糖尿病型 境界型
正常型
OGTT2時間値 (mg/dL)
食後血糖が高いと、網膜症・腎症が進行しやすい。
合併症にならないために、血糖コントロール
(HBA1c と共に 食後血糖)を改善しましょう
220以上 180~220未満 140~180
未満
80~140
未満
食後2時間血糖値
(mg/dL)
160以上 130~160未満 110~130
未満
80~110
未満 空腹時血糖値 (mg/dL)
6.5~8.0未満
8.0以上
7.0~8.0
未満
6.5~7.0
未満 5.8~6.5
未満 5.8未満 HbA1c(%)
不良 不十分 不可
可 良 優
コントロールの評価とその範囲
指 標
(日本糖尿病学会編集:科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン,2004 )
・血糖コントロールの指標と評価
心筋梗塞・脳血管疾患発症の危険性
2-3 倍
2-3 倍
6-7 倍
合併症にならないために、
血圧も管理しましょう
正常な場合
肝臓 (工場) 小腸 (産地)
組織 (駅)
カイロミクロン号
VLDL号
IDL号
HDL号
LDL号
動脈硬化巣 (不法投棄)
血管
流れが悪くなってくると・・・
肝臓 (工場) 小腸 (産地)
組織 (駅)
カイロミクロン号
VLDL号
IDL号
HDL号
LDL号
動脈硬化巣 (不法投棄)
血管
中性脂肪が多くなると・・・
肝臓 (工場) 小腸 (産地)
組織 (駅)
カイロミクロン号
VLDL号
IDL号
HDL号
LDL号
動脈硬化巣 (不法投棄)
血管
中性脂肪が多くなってくると
中性脂肪が多い
大きなVLDLが肝臓から出てくる
中性脂肪が大量
コレステロール少ない
動脈硬化が進行する
LDLが小さくなる
サイズが小さい
血管へ入りやすい small dense LDL
小さくて密度の高いLDL
中性脂肪が高いと血清はにごってしまいます
※血清:採血した血液を静置しておいた時にできる上ずみ液で,血液の液体成分です。
中性脂肪150mg/dL以下 中性脂肪300mg/dL以下
中性脂肪500mg/dL以下 中性脂肪1000mg/dL以下
中性脂肪 (トリグリセライド) が高いと、
脳卒中になりやすい。
中性脂肪 (トリグリセライド) が高いと、
心筋梗塞になりやすい。
中性脂肪 (トリグリセライド) を改善すると、
心筋梗塞の危険性が少なくなる。
中性脂肪 (トリグリセライド) を改善すると、
網膜症が進行しにくくなる。
Barter P et al: N Engl J Med 357: 1301-10, 2007
0
10 (%)
5年間の主要心血管イベントリスク
Q1 (<37)
Q2 (37~<42)
Q3 (42~<47)
Q4 (47~<55)
Q5 (≧55)
(mg/dL)
HDL-C値
9
8
7
6
5
4
3
2
1
57 473
50 525
34 550
34 569
35 544
イベント発生数 患者数
LDL-C(<70 mg/dL)下げても、HDL-C低値(<42mg/dL)患者の心血管イベントリスクが増加しています。
Soyama Y et al: Stroke 34: 863-868, 2003より作図
<30
30~
40~
50~
(mg/dL)
相対危険度 (95%信頼区間)
60~
0 1 2 3 4 5 6 7
HDL-C値
HDL-C高値群(≧60mg/dL)に対する低値群(<30mg/dL)の脳卒中発症の相対危険度はおよそ3倍です。
2型糖尿病治療のABC
A HbA1cを6.5%以下にコントロール.
B 食後2時間血糖値 < 140mg/dl
D LDL-C (悪玉コレステロール) < 120mg/dl TG (中性脂肪) < 150mg/dl HDL-C (善玉コレステロール) > 40mg/dl
C BP(血圧) < 130/80 mmHg
糖尿病の治療は、食事療法・運動療法・薬物療法の三つ巴の治療が重要
糖尿病の治療は?
毎日の運動でHDL(善玉コレステロール)をUP!
•(中村 治雄:臨床成人病,19:1247,1989より作図)
運動と血清脂質の関係
お酒は適度な量を守りましょう
アルコールによって著名な高中性脂肪血症を起こした例
(石川 俊次:現代医療, 25:815, 1993より作図)