我図の漁業労働紹介制度 - huscap我図の漁業労働紹介制度 必、 寸 田 行!?...
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Title 我國の漁業勞働紹介制度
Author(s) 今田, 清二
Citation 北海道帝國大學法經會法經會論叢, 1, 107-122
Issue Date 1931-04
Doc URL http://hdl.handle.net/2115/10597
Type bulletin (article)
File Information 1_p107-122.pdf
Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP
我図の漁業労働紹介制度
必、寸
田
行!?
千九百十九ハ太正八〉年十月二十九日アメリカ合衆国攻府に依りワシンドンに招集せられ大第一回闘際持働棉
舎は失業に関する勧告並に失業に闘する傑約案ぞ探揮し、千九百二十(大正九年)六月十五日国際労働事務局の理
事舎に依りゼノアに招集された第二四国際持働組合は海員に封する職業紹介所設置に闘する傑約案ぞ探揮した。
第一回国際畑町働棉舎の探揮した失業に閲する勧告は国際努働機関の各締盟国が手数料沿徴牧し叉は管利を目的と
する職業紹介所の設立を禁止する措置を執るべきこと及斯る職業紹介所が現に存夜する揚合には能ふ限り速に之
を底止する錦賀行し得べき一切の措置を執るべきことを以って内容の第一とし、失業に闘する傑約案は各締開闘
が中央官聴の管理の下に在る公の無料職業紹介所の制度を設くべきことを規定してゐる訴また第二回国際持働綿
舎の探探した海員に劃する職業紹介所設置に闘する傑約案は綿て海員に劃する職業紹介は管利ぞ目的とする業務
として経営することを得す叉直接に若は間接に何等の手数料を課することそ得ざる旨規定してゐる円我園の漁業
持働紹介制度は右の諸傑約案並に勧告の至大なる影響を受けた。而して職業無料紹介の原則は既に或る形態と範
囲とに於て宮現された。然し此の種努働保護に閲する職業紹介上の原則は更に終来の賓現に侠つべきものが比一一く
ない。木簡は主として職業無料紹介の原則が我闘の掠業労働紹介に貰現され又は買現せらるべき形態と範固とを
問明するを以て目的とする。
107
我凶の漁業枇労働紹介制度
一O七
我同の漁業傍働紹介制度
一Oん
108
て海事協同曾の紹介事業
我国は大正十一年十一月二十三日栴員に射する職業紹介所設置に闘する傑約案治批准して此の候約に加盟し、
且同年船員職業紹介法並に其の関係法規を制定施行した。蛸員職業紹介法(献正十一語…一J
時唯時一戸什臥繍)は海員
に封する職業紹介所設置に闘する傑約の規定する原則に従ひ、船員職業紹介事業在行ふ者は何等の名義を以てす
るを問はやノ其の報酬として手数料其の他の財産上の利盆を受くることを得?と規定し、有料の若くは営利右目的
とする紹介事業を禁止してゐる。
本法施行の哲初遁信大臣は日本海員披摺舎に針し補助金を交付して細目紹介事業を行はしめ、海員協舎、日本
海員組合等に針しても船員紹介事業ぞ許可し、また多数の営利職業紹介業者に針しでも暫時舶員紹介事業そ許可
してゐた。然し船員職業の管利紹介業者に封しては其の許可期間満了に際し期間更新を許可せ歩、大正十三年十
一月末日より昭和二年三月末日に至る聞に於て全園を遁じ三十九名の艦員職業紹介者の管業は自然底止されて仕
舞った。
他方に於て無料の職業紹介所は中央官聴の監督の下に協同する舶舶所有普及海員の代表固体に依り又は右の協
同行矯なきときは園自身に依り組織し且維持されなければならぬ。それはリ尚昆に封する職業紹介所設置に闘する
傑約に規定されたところであった。従て班員職業紹介法に政府は公盆を目的とする法人其他の固体をして職業紹
介業を行はしむることを得と規定されては居るが、日本海員披穂舎、指員協命日及日本海員組合等個々の国体の職
業紹介事業は半晩底止せらるべき性質のものであった。斯くて大正十五年十二月船主協舎、指員協舎及日本海員
組合の三闇体に依り泌事協同舎が結成されるに至り.日本泊員披端容口、約員協舎及日本栴員組合の加員職業紹介
事業は指事協同舎のみに統一された。小川事協同舎は帝間前蓮の健全なる護蓮に資するぞ目的とし船員の職業紹介、
船員の待遇に闘する事項の協議決定其の他同舎の目的を達成する矯必要なる事業会行ふ。同舎はその職業紹介事
業のため全国に十個所の舶員職業無料紹介所を設け遁信大臣濫督の下に昭和二年四月一日一費に其の業務を開始
した。小山事協同船員職業日唯一料紹介所々在地は左の如くである。
紳戸‘大阪、慌演、東京‘小樺、函館.戸畑、門司、下閥、長崎。
而して例へば海事協同舎下関船員職業無料紹介所は昭和二年四月より七月に至る満四笛月間に合計三百三十九
人のトロール挽業汽畑乗組員を紹介就職せしめ、又同舎函館舶員職業無料紹介所は昭和三年に蟹工艦乗組加貝ハ漁
雑夫必合ま十)百三十人、昭和四年ハ十一月二十五日迄)に同じく百二十六人な紹介就職せしめ大。向蟹工船乗
組蛸員(論夫雑夫を含ま今)は一隻に付加長の外三十六名乃至四十名、漁期終了と共に其の大部分を解雇し翌年
改めて雇傭するもので、昭和三年総湖終了後鹿島賠因島、神戸方面で繋加した蟹工加乗組員は概ね神戸.大阪等
の海事協同合紹介所に於て紹介した。
=、公設職業紹介所の事業
大正十一年十一月二十三日我園は第一回園際持働綿舎の採揮した失業に闘する保約案を批准し、且之と前後し
て職業紹介法及び其の関係法令を制定施行したo
職業紹介法(一註↓昨咽リ腕僻事畑一話連日一服寸時叶に誠一両州併)
は内務大臣の管轄の下に市町村の設置する職業紹介所の制度を設け、且本法に依る職業紹介所の職業紹介は之を
無料とし何等の名義を以てするに拘はら今、報償として手数料其他の財物そ受くることを得?と規定し、職業無
料紹介の原則を明定してゐる。但し本法の規定に依る職業紹介所の教は全園を通じ大正十年末に百二十八箇所、
大正十一年末に百十一筒所、大正十二年末に百四十一笛所であり、其の紹介に依り就職した水産業努働者は摘拐、
養殖、製盟其他。ゼ合せ大正十二年に百二人の少数であったq
水産業付労働紹介に付ては職業無料紹介の原則は殆ど
109
我図の漁業崎労働紹介制度
一O九
110
名のみであったのである。
我闘の漁業努働総介制皮
一一
O
大正十二月四月職業紹介事務局官制の施行に依り中央及地方職業紹介事務局が開設されて後、漁業労働紹介事
業は無料紹介の原則に従ひ改革を見るに至つれん。就巾其の封象止なったのは北海遺鯨挽業並に露領漁業其他の持
働紹介卒業である。回疋等の掠業持働者は主として北栴遁及青森秋田雨鯨から出稼してゐ大ぱ
工船蟹漁業(昭和四年)
北
九
一
七
背
一
、
五
三
六
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一
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山
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四
七
二
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一
、
四
七
五
計
問
、
五
O二
而も北栴遁.青森牒、秋田照等には職業紹介法に依る職業紹介所の設立が普及せ歩、之をして右の季節的漁業努
働紹介を有効に行はしめることは殆ど不可能であった。即大正十二年末に於ける市町村設立の職業紹介所は北海
道に五倍所のみで青森及秋田雨鯨には了bM唯一く、翌十三年末に至つでも北指道に七筒所、秋田麟に一筒所存布す
るに止った。是に於
τ大正十三年十一月祉合局長官は北海道並に青森、秋田、岩手、宮城、新潟.富山、石川の
各鯨に通牒を護し‘暫定方針として出稼漁夫供給組合の設立を勤奨し公設職業紹介所に代へ紹介事業を行はしめ
ることLなった。
手 111森海
北海道鰍漁業(大正十二年)
一三、六六八
一五、八三五
五、六九二
一、四九八
一七阿
三六、八六七
露領漁業(昭和四年)
八、七四四
問、一一二
三、五一
o
一、一ニ五八
二、O三五
一九、七五九
他!民主 l孫豚;立
大正十三年十一月の祉合局長官の通牒は左の如くであった。
北海道鯨漁業持働者紹介要領
叶北海道鯨漁業努働者/一雇一入ニ閥ジデ戸従来漁業絞替者ニ一於テ各別ユ募集ジ来リタ耐宅諸稀ノ旅寄アかチ以テ左記嬰側
二基ツキ東京地方験禁紹介事務付之力需給調節チ悶V闘係道府間肺臨及市町村長ユ於テ協カ事務一一従プモノトスO
一
般
方
針
一、鯨漁業柑労働者ノ紹介子玉トジテ市町村長之=合引供給地市町村=於テ戸必要ユ臆
γ出稼漁夫供給組合チ設ケ共組合長
戸可成岱該市町村長チ以テ之エ充ツWN
コト
二、市町村長又山間稼漁夫供給組合長戸出稼漁夫ザ取締脚メ圏体紹介チ銭スヨト
一ニ、市町村長叉戸出稼漁夫供給組合長エ於テ出稼漁夫チ取締腕メ漁業経答者叉hp
共ノ代理者ト一雇傭契約千怨ス場合丹市町村
長又戸職業紹介所/談ア恥戸市町村エ一於テ戸職業紹介所長立合ス
W
ヨト
問、鯨漁業努働者所要員数=過不足ア断トキハ東京地方職業紹介事務局=於テ需給調節チ闘かヨト
五.原則ト
γテ前年漁期ノ一層傭関係チ踏襲ス断コト位地理的関係等ヨリ右雇傭関係チ踏襲セジメサ
W
チ便宜ト総ム断者
-一就テ川此/限=花ラス
布紹介要領は軍に北尚道鯨挽業努働者のみ在日的としてゐるが大正十四年十一月以来工船蟹挽業、露領挽業等
に付ても適用されることLなった。例へば北海道聴内務部長より各市長並支鹿長宛十一月二十八日の通牒に日く
『今般別紙木選出稼漁業努働者紹介要領ユ慕ツキ組問リ選内出稼鯨漁業努働者ノミナラス樺太沿海州共他ノ方珂エ於ケか鯨
以外ノ間体的出稼漁業執労働者エ付之カ需給ノ翻節チ固ルコトト致
γ候脇陣:::念法-一出稼漁夫百人以上一一一連スル町村及百人
以下ト錐必要ト認ム炉町村チヲテ別紙出稼漁夫供給組合チ組織セジメ之カ事務チ施行セジメヲV皮
』
)
斯くて設立された出稼漁夫供給組合数を設立年度別に示せば究の如く昭和三年末には二百十六に達したD
(
秋背北計
EQ 森 i毎
大正十三年
大正十五年
一一二一一一四
川ヒ
大正十周年
九九
五五
一五五
勝!院選
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昭
和
二
年,、,,d 一一一一一
一一一一
昭
和
三
年
昭和三年末現有
一一一一一一
一一二
七二
二一七
我閣の漁業仕切働紹介制度
出稼漁夫供給組合は出稼する純夫を組合員とし組合員の出稼に付固体紹介を錦し雇傭契約の藷弊を改著し以て
我凶の漁業崎労働紹介制度
112
共同利盆並に踊祉の増進を困ること栓目的とする.大正十四年末東京地方職業紹介事務局の定めたる出稼泌夫供
給組合規約準則案の大要は左の如くであったも
出稼漁夫供給組合規約準則
第一線木組合川何燃何郡何町(村)出漁者供給組合ト稀ジ事務所チ
第二線本組合ノ区域川町(村〉内トス
第三僚本組合子本組合磁域内ヨリ賂外エ出稼ス防漁夫及本組合/賛助者チ以テ組級ス但γ賛助者戸本組合/趣旨チ資助λ
か者ニ
γテ木組合ニ於テ推薦又
ρ承認γタWF
者=限か
第
四
保
水
組
合
ρ木組合HH/
出稼ニ付随体紹介チ怨γ一雇傭契約/在日弊チ改善ジ以テ共悶ノ利益並ニ一一附枇ノ噌注チ岡ルチ日的
トλ
第五位陣木組合戸前依/目的チ諮ス市怨左ノ事業チ行7
一、一雇傭契約斡旋ユ閥ス断事項
一、賃銀受妙ユ閥ス常事項
一、出稼者出後又戸崎忍ニ閥ス常事攻
一、出稼巾ニ一於ケル出稼者並共ノ家族ノ保護ニ蹄スル事項
一、出稼者風紀ノ矯正=閥ス炉事項
一、優良出稼者表彰ユ閥スル事項
一、出稼地ノ調査ニ闘ス断専攻
一、共他本組合ノ目的チ法ス市矯ニ必要ナ恥何事項
第六僚本組合戸出稼者}一過不足チ生ジタ耐場合ρ法三品川ノ同日間附係地方・磁及東京地方職業紹介事務川-一通報V共ノ招待-一一依
リ出稼者ノ川田チ随bN
唱ノトス
第七僚本組合ユ左ノ役只ナ置グ
一
、
組
合
長
一
名
町(村)役場エ置グ
一、制組合長
名
一、幹
事
若干名
一、方面委員
若干名
第八依組合長山町(村〉長/職-二北山w者チ推ス、副組合長戸総合ニ於テ組合員中ヨ
F之チ互選λ
、幹事巾一名川町(村)
佼場史HHZ
付組合長之チ燭託ジ他戸一総合=一於テ組合員中ヨリ互選ス、方面委員ハ組合長ノ指名チ以テ任命ス
第十五線本組合ノ経費ρ左ノ牧入ニ向山W
一
、
組
合
員
出
稼
契
約
斡
旋
料
一
一、組合員負捻金及雑枚入
第十八俊本組合員ハ本組合ノ紹介ニ一篠山w
ノ外漁業経替者又丹其ノ代理人ト一層傭契約チ傍スコトチ符ス
右準則案に基づき北海道鹿に於ても秋田臓に於ても出稼泊夫供給組合規約準則を制定したが、原案と・一人帝京は無
い。只北海道廓の定めた規約準則に出稼挽夫供給組合は組合員の雇傭契約一義務不履行に凶て生歩る責任に針し連
帯保誰や矯すべ合旨規定されてゐるのは特色である。
出稼漁夫供給組合の組合員に針する雇傭紹介は無料である。一座主からは組合員(漁夫)
銭の手数料を徴牧し.之ぞ組合経費に充てるのであるが、組合員からは員提金を徴牧するに止まる。組合員負搭
金は性質上組合費で雇傭紹介の手数料でない、而も大多数の組合は其の牧入務穿に組合員負搭金な計上してゐな
い。例へば大正十五年青森麟下の組合六十三、秋田廊下の組合四十五、合計百八組合中務算に員推合牧入を計上
したものは青森脇の十八、秋田慌の十六、合計三十四組合で全体の三剖一分に過ぎなかった。而して出稼挽夫供
給組合の組合員雇傭描介成績は紹介ぞ賓施しなかった組合を除外し失の如くである。
大正十五年には北海道の七組合に於て一一千百六十三人、青森騒の百八組合に於て一万三千四十三人、秋田聴の
六十五組合に於て六千七百九十九人、合計二万二千三百七十五人.一組合棉卒均百二十四人強に相官する。叉昭
和二年には北両道二十七組合の六千六百八十九人、青森照百七組合の一万四千九百三十三人、秋川鯨六十七組合
の六千二百十人、合計二万七千八百三十二人一組合組卒均百三十八人強に古る。(
一人に什遁常一回五十
113
職業紹介法に依る全図の職業紹介所は昭和四年十二月末に於て公立二百十七筒所私立三十九箇所合計二百五十
我凶の漁業州労働総介制度
}
一一一
我闘の漁業崎町働紹介制度
一一四
114
六倍所であり、之に劃する水産業求人数は千二百六十人、求職者登録数千百十六人、就職者数八百十六人であるOL
之をふ人正十二年即職業紹介事務局開設の年と比較せば職業紹介所教に於て百十五筒所、水産業就職者数に於て七
百十四人の増加である。而も昭和五年五月青森地方職業紹介事務局の新設に伴ひ漁業持働の紹介は主として公設
無料職業紹介所をして之に慣らしめんとする方策が愈々貰覗の域に蓮せんとして居る。無料職業制介所の設立が
持及し、一苅・米特定方針に基づいて設立された出稼挽夫供給組合に代らうとしてゐるのである。無料職業紹介所の
械業労働紹介数は賂来念激に増加するに至るであらう。
=一、醤利職業紹介事業所の事業
職業紹介・法が公設職業紹介所の制度を設け且職業無料紹介の原則を明定した事は既に見た如くである。然し職
業紹介法は船員職業紹介法と異なり有料の又は管利を目的とする職業紹介事業冶禁止せ歩.布料叉は管利そ目的
l
j
ヘ大正十
とする職業紹介事業に闘しては別に命令そ以て之や定むべき日規定してゐる。管和職業紹介事業取締規則(四年十
EJ側諸問寸略行一蹴倒)は之が鴻存花してゐる。管利職業紹介事業取締規則は第一に職業紹介業者の取締,として
職業紹介事業を管まむとする者は手数料額及其の領牧方法其他の事項ぞ具し地方長官の許可を受くべきこと.並
に紹介業者及其の同居の戸主家族は聾妓娼妓酌婦叉は之に類するものの周旋業.宿屋、料理屋、飲食民、貸座敷
待合.聾妓屋、遮戯揚、質屋‘古物商、金銭貸付業其の他之に類する管業そ矯し叉は其の管業者の従業者たるこ
とぞ得ホと規定した。叉第二に職業紹介行掲の取締として、紹介業者は詐可を受けたる手数料の外何等の名義を
以てするを問は十報酬として財物其他の利盆を受くることそ禁止し且濫りに事業所以外の揚所に於て被傭者たる
ことか}勧誘すること其他の禁止事項を列象した。
営利職業紹介事業取締規則に依る全圏の管利職業紹介事業所教は昭和二年末三千三百八十五筒所.同三年末三
千四百十四箇所、同四年末三千三百五十七筒所であり、其の紹介に依る水産業就職者数は昭和二年に一万一千百
四十五人、同三年に七千八百九十四人、同四年に九千百五十七人であった。(日疋等管利職業紹介事業所の紹介に
依る水産業就職者中大部分は北出道及其の近賑に於ける就職者と推定される。昭和五年北保道に於ける管利職業
紹介事業所水産業紹介成績は左の如く、北海道の水産業就職者のみで五千百十七人に達してゐる。
十十十 九 ぺ 七 六 五 間 三 ニ - fI{~ 計'fn
五
月 ;1ミ
北海遁皆利職業紹介事業所水産業紹介成績
月
向山介業者数
一一一一一
一一一一一
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三一一二七
一一六
二、三四二
求職者盗録数
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五八三
一、ムハムハ一一一
七三五
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七五
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六阿八
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五、七七七
(北海道府協調査)
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ノ 、グ「ー 二三六七七七六四~ f'1'
二九二六九 三 間 四 一 同 八 九 o" 五 一 O 三阿 O 三七五阿 [LJ rq 0 攻
主主
ヨl つ職一 二二四五三六六同 "M'.
一八九同 二 二 九 九 九 九 五 八 O 引
七 九五八 五 七 八 六 九 八 三 九 O 数
115
管利職業紹介事業取締規則は管利職業紹介業者が受くべき子数料額及其の領牧方法に付ては地方長官の許可を
要する旨規定してゐる。右規定施行の鵠各地方長官は道府牒令並に訓令を以て紹介手数料の標準及其の傾牧・…刀法
JJ JJ )J )j 月JJ 月JJ 月月
我闘の漁業努働紹介制度
一一五
決闘の漁業努働紹介制度
一一六
116
を定めてゐる。例へば北海道及青森、秋
m雨服地方の賢例を見るに其の標準及領牧方法に闘する規定の内容は大
同小異である。口ハ北栴遁及秋間賠に於ては管利職業紹介業者の受くべき手数料領牧方法は求職者、求人者雌見方よ
り各学額宛を受取ることLし、青森鯨に於ては求職者より四割、求人者より六割宇佐受けるぞ原則とした事、放に
各地方に於て夫々手数料標準額に若干の相異がある。左に之に闘する規定の大要φ
伊示す。
~t
海
遁O皆利職業紹介事業取締規則施行細則
ヘ昭和元年十二月肱令第四競J
f
昭和二年一月一日ヨ
V施行、
手数料ρ求職者、求人者鎚方ヨリ各市γ額千受グ防コト、似
γ求職者ヨリ字額以下チ受ケ
R
V場合ニ限リ求人者=到
γテ具、
ノ不足額チ請求スルコトチ妨ケス
ヘ昭和一光年十二月訓令第十銃J
/昭和二年一月一日ヨリ施行¥
知山介手数料額hp
左記標準ニ依か〈ジ、但
γ日給制ニ
γテ一個月以上ニ一旦断宅/戸月給制=依リ、月給制ニジテ六筒月以上
ニ百一か王/戸年期制ニ依か屯ノト九年期制、月給制ノ給額拾凶ニ満タサV
トキ戸拾闘ト肴倣ス
て
年
期
制
給金七拾凶迄戸一白分ノ十以内、七拾出品同以上丹東ニ拾闘チ婚ス毎ニ参拾銭チ加A
武百笠岡以上hp
拾閥チ噌スム均一ごお銭チ加
7J
二
、
月
給
制
月給五十回迄hp
給料一筒月分ノ百分ノ十五以内、五拾士宮阿間以上戸更ユ拾同チ噌ス符ニ参拾銭チ加7
一
ニ
、
日
給
制
日給二日分以内
四、給金ノ定ナキ唱ノ
安閑以内
O皆利職業紹介事業取締規則並同施行細則取扱手縞
青
森
懸
ヘ昭和二年五月三日鯨令第六十競J
F
公
布
ノ
日
ヨ
F
胞
行
」
手数料戸許可チ符#耐久料額/百分ノ何十戸求職者ヨザ、百分/六十戸求人者ヨ
V受グwy
ヨト、但
γ求職者ヨwv百分ノ同十
以下チ受ケ罫耐場合=限引求人者ニ針V共ノ不足額チ請求スルW
《妨ケス
O醤利職業紹介事業取締規則施行細則
O皆利職業詔介事業取締規則並同施行細則取扱手績
ヘ昭和二年五月三日青森脇訓令市/
/第三十五貌公布ノ日ヨリ施行」
紹介手数料二血/標準ユ依耐毛ノトス、但書省略(北海道ト同ジ〕
一
、
年
期
制
契約期間ノ給料額一筒年五拾闘迄ハ百分ノ八以内、五捻廷闘以上戸拾附チ槍ス毎ニ
JA拾銭チ加7
-
一
、
月
給
制
契約期間ノ給料額一筒月五拾同迄戸一自分ノ十以内、五拾査閲以上山拾阿チ槍ス毎二金五拾銭チ加7
一
ニ
、
日
給
制
契約期間十五日以上ノモノ=花予テ戸給料総額ノ百分ノ十二以内、但
γムハ阿チ超エルコトチ符ス、契約期間十五日未満ノ
モノニアリテ《給料総額/百分ノ十五以内、但参同チ超L
U
コトチ得ス
問、給料額及契約期間/定メナキモj
h
一口参同以内
秋
田
鰐O醤利職業紹介事業取締規則施行細則
ヘ昭和二年六月十七日牒令第五十披J
Y
公
布
ノ
日
ヨ
リ
施
行
、
、
117
紹介手数料ρ左ノ制限チ超
Z
Fヨトチ得ス
一、給料ノ定ア
W
モノ山給料月額/百分ノ十以内ト
γ共ノ最高額チ大関トス、但V参闘ニ泌タサルトキ戸参同迄受領スルコ
トチ符我
閣の漁業努働紹介制度
一一七
決凶の漁業労働紹介制度
一一八
118
二、給料ノ・父ナ寺宅/及求職者十六歳未泌ナルトキ
ρ参同以内
前項ノ金額九円一極怖契約成立後各営事者ヨ習字額兆受領
γ:::::・白チ=領牧殺チ交付ス
Aγ
回
、
漁
業
勢
働
募
集
持働者募集は一一穂の職業紹介である。職業紹介所又は紹介管業所の持働紹介は求職者が其等事業所に到るぞ倹
って行はれ濫りに事業所以外に於て被傭者たることそ勧誘し得ないに反し、労働者募集は準んで求職者を探し之
を勧誘して一一辰傭契約を結ばせるの差あるに過、ぎぬ。
峨工、鏑夫又は土工夫其の他の人夫の募集には原則として労働者募集取締令(炊荘一一位一一一一時諸誠一ぷ慨)
が適用される
J
本取締令は三個の特色を有してゐる。第一は募集者及募集行詩を取締0特に膳非肴又は臆募者そ
保護する者より手数料、報酬等何等の名義hq問は歩金銭其他の財物を受くることそ禁止したこと.第二に就業時
問、賃銀其他詳細に雇傭傑件を明示すべき旨定めたこと、第三は一定の理由ある揚合鷹募者の要求あるときは募
集主又は募集従事者は鹿募者の師榔のため必要な措置ぞ潟すべき旨規定したこと之である。右の特色ある持働者
募集取締令は之を摘業持働に適用するのは安官であらう。何故ならば検業努働には募集に依って雇傭され且遠隔
地に出稼する者が少くない,からである。大正十二年度の調査に依れば府嬬より北海道腕漁業に出稼した挽夫二万
三千二百九十二人の十七Mm即三千九百九十二人は加頭に一-切ゆ信託して雇入れた者、換言すれば船頭が募集した姉
夫であったot
北海道鯨漁業の外各種の事業を合せ、大正十四年の全園水産業出稼者合計は八万五千十二人に達し
工業及錨業出稼者合計三十七万四千九百三十五に究ぐ多数であったot
大正十四年末以来青森‘秋旧其他の諸照
及北海道に出稼漁夫供給組合が設立され且組合員六る挽夫の雇怖は組合の紹介に依るべきことL
なったが、組合
の紹介は只形式で従来週り船頭が村々を巡って募集する泌夫は少くなかった。昭和二年十一月札幌市に開催の北
泊謹聴主催出稼漁夫供給事務協議舎に於て尻岸内村出稼漁犬供給組合の提出した充の議案は此の消息を示してゐ
る。
O尻岸内村出稼漁夫供給組合提出議案大要
終答者中ニ戸地方船頭若ρ知己チ
γテ漁夫チ物色雇傭契約チ怨
γ賃銀前渡後組合ニ
-mmツ耐毛ノアかモ如斯戸地方船頭年二
絶大ナル樫成チ持タシム耐屯ノエγテ組合ノ治勤機揺チ阻害ス
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而ab右の提案は即決否決された。出稼摘夫供給組合の紹介は軍なる形式で買際は募集に依り論夫雇入ぞ潟す考
が多かった謹様である。漁業停働者は遠隔の地に出稼すること甚百多く.而も募集に伎の雇傭される揚合が少く
ない限り弊働者募集取締令を漁業務働者募集に適用することは意義深いものと云はねばならぬ。
然るにふ人正十四年四月七日付祉舎局長官は地方長官に封し畑町働者採集取締令は挽夫募集に趨用せまることを遁
牒した。充の如し。O
勢働者募集取締令適用範国Z閲スル件
努働者募集取締令戸漁夫茂夫海艮等/募集=三迎用無之候係右御承知相成度
近テ之住町ノ者ノ募集取締ニ付テ《資際ノ必要ニ熔
γ隣府燃令チ以テ通貨取締ルコト
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斯くの如、ぎ通牒は北栴遁鯨挽業経管者にとって意外であっ大に蓮ない。何故ならば従来彼等が青森際で挽夫そ
募集する受口には北塩迫臨んH努務者募集取締規則(献令紅一七日…八桝)に依る遁腐の詩明があれば足るのであったo
騒が大正十二年一月青森脇令労務者募集取締規則(駄~第JL↑桝)の施行に依り右中迫臓の詮明以外募集地警察官
署の許可ぞ要するに至った。斯くて北海遁腕挽業者は此の重複せる手績の省略に付同年の三月北栴道水産舎の決
119
我同の漁業努働紹介制度
一一九
我闘の漁業柑労働組介制皮
一二
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121)
議hq以って遺廊に建議する等、統一的取締法規ぞ要望してゐたもの記からである。叉右枇合局長官の通牒は閥係
地方言何じとっても諜想通のものであったとは云ひ難いo
何故ならば北海道腐は努働者募集取締令施行細則(政
見争一むに於て臆令努務者募集取締規則ぶむ弘むを廃止し、青森鯨に於ても労働者募集取締令施行
規則(粧弘司一一一一糊)ぞ制定施行すると共に挽夫妻取締に必要な議事務者募集取締規則(倣許一花む
を腔止してゐるからである。
遮英、検夫募集に労働者募集取締令(似航紅一舛一一戸一~ハ一則)の遁周年山川きことが明となったので、青森聴では大正
十四年十月新に漁夫募集取締規則(駄一詳一一万一制)を制定し、其の中に努働傑件の明示。必要求し、叉原蹴回復義
務そ規定する等略々前記内務省令に準がる規定ぞ設けた。然し北海道では新に何等の取締規則を制定せ?漁夫募
集に付牒募者身保護すべき規定や欠いてゐる。叉秋田螺では護者募集取締規則(時堂内J認)に於て知事
の許可や受けた手数料は之冷募集者又は膝募者より牧受することを容認してゐる。械業労働者募集取締に闘する
地方聴AHは右の如く其の内容応々に万一り、地方に依つては有料の又は管利ぞ目的として械業労働者募集ぞ嬬すこ
とが自由に放任されてゐる。
企士i川口
冨
挽業持働紹介は制度上二積に分れる。第一は漁船乗組舶員の職業紹介で遁信大臣の監督に属する。論船々員職
業紹介の樫利は一一般船員紹介の其れと同じく海事協同舎のみに許興せられ、務自利ぞ目的とする業務として又は料
金ぞ徴牧して之hq行ふことは許されない。挽船乗組船員の無料職業紹介は其の組織に於て既に完成した。遠洋漁
業の護謹に伶ひ摘舶々員職業紹介の必要が培すとき海事協同舎船員職業無料紹介所網が更に完備して其の必要を
満足するならば、職業無料紹介の原則は挽船乗組船員に封し完全に賓現されるであらう。
漁業努働紹介の第二種は船員以外の栴業第働者の紹介で内務大臣の管轄に屈するo
船員に非ざる挽業持働紹介
の機利は職業紹介法に依る無料職業紹介所に許輿されてゐる外管利職業紹介事業も亦許可せられ、叉地方に依り
有料又は管利的なる檎業労働募集を行ふことも自由である。斯〈の如く事情混沌の揚合、先づ能ふ限り蓮に管利
職業紹介事業所を底止するため一切の措置ぞ執るべきことは既に第一回岡際労働組合が各国に勧告した昆である
特に挽業労働に於ては遠隔地への出稼甚
f多く警察樺の事質上行届き難い揚合も少くない。漁業努働紹介に限り
特に蓮に管利職業紹介事業ぞ禁止すべき一大理由があると云ひ得る。
-択に漁業労働者の募集は必すしも之を禁止する要はない。然し叉持働者募集取締令の適用範固から特に挽夫募
集そ除外すべき理由も無い。否娘夫募集は遠隔地出稼労働者の募集として特に労働者募集取締令遁用の必要が大
であらう。而して若し之を適用することとせば国々に亙る地方的取締は統一され、鹿募挽夫から料金ぞ徴牧する
ことが出来なくなるo
挽業労働に於ける職業無料紹介の原則は一方に於ては海事協同舎に依り、他方に於ては主として市町村立の職
業紹介所に依って賢現され、無料の挽夫募集行鵠が其の補助手段となるべきものと信ぜられる。
6
-ロ戸。『Hdp円山口口p-
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遺伝省管船向調査
海事協同合刊海事協同合に就て、日本海員組合機関雑誌、海員昭和二年四月競附録
海事協同AMM
下関船員職業無料印刷介所帯一問的館船員職業無料紹介所剥査
第四十四回帝閥統計年鍛同一九百、四二一一具、本年鍛に初めて職業紹介の項設定
北海道鯨漁業柑労働者出身地別調は北海道路大正十二年十二月刊季節的移動枇労働者に闘する調査七頁、其他は昭和同年
度に開削する函館水上警察署の調査
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我凶の漁業材労働紹介制度
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決附の漁業労働紹介制度
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東京地方職業紹介事務問、昭和二年十一月際匁刷、管内職業紹介所納計設概姿
中央職業紹介事務川、昭和四年三月刊出稼漁夫供給組合調査一一一一万
同上附表
北海道水産合に依る、仰秋開削脚及北潟道臨刷所定の準・則に就ては前掲出稼漁夫供給組合調奈七八折、
北海之水産第七銃六七瓦
東京地方職業紹介事務局、昭和三年十一月刊北海道鯨漁業柑労働事情一三五頁一問一頁
中央職業料介事務局、昭和五年十二月刊職業紹介年報五頁九九瓦
官同統計年館、第四七回乃至四九回、但昭和二年末管利職業紹介事業所設は臓業紹介年報(昭和二年)八八瓦に依り
修
正
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北海道隊、大正十二年十二月刊季節的移動努働者に闘する調査二七頁
巾央職業給介事務川、昭和二年八月刊大正十四年出稼者調資五一頁
1] 10 !J
及北海道水産AMM
刊
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