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TRANSCRIPT
アジアにおけるデジタルトランスフォーメーションの経済効果調査Commissioned by Microsoft
IDC InfoBrief, “Unlocking the Economic Impact of Digital Transformation in Asia,” January 2018 (doc #AP15008X), commissioned by Microsoft
IDC InfoBrief
IDC Japanリサーチバイスプレジデント中村 智明
デジタルトランスフォーメーション(DX)とは企業が外部エコシステム(顧客、市場)の破壊的な変化に対応しつつ、内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革を牽引しながら、第3のプラットフォームを利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネスモデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること
リーダーシップ変革
オムニエクスペリエンス
変革
情報変革
運用モデル変革
ワークソース変革
デジタルネイティブ企業(DNE)とは「すべての企業幹部や従業員が考え行動する様式がデジタルトランスフォー
メーション(DX)を最優先にする(DXファーストになる)こと」を指す
DNEではイノベーションの拡大により、事業規模を従来型の企業と比べて
けた違いのペースで拡大する。企業文化は顧客中心で常にイノベーションを
追求するためのリスクを取ることを厭わない。IT技術とデータが成長の源
泉で運用効率の向上、新規事業の拡大、顧客からの信頼の獲得に投資する
DXに必要な5つの変革
Copyright IDC 2018
Source: Japan IT Market 2018 Top 10 Predictions:デジタルネイティブ企業への変革 - DXエコノミーにおいてイノベーションを飛躍的に拡大せよ (Presentation), Jan 2018, Doc #JPJ43163917 2
3
20
17
2021年までに、世界のGDPの50% 以上がデジタル化され、デジタルITで強化された製品/サービス、運用、顧客との関係に牽引されすべての産業で成長する
43%の売り上げ
ギャップ
S $ 13 億
(1080億円) の
利益ギャップ
$-
$2,000
$4,000
$6,000
$8,000
$10,000
$12,000
$14,000
2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016
DX Leader Bank
Financials Over 10-Year Period ($M)
Revenue Profit before tax
$-
$2,000
$4,000
$6,000
$8,000
$10,000
$12,000
$14,000
2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016
DX Laggard Bank
Financials Over 10-Year Period ($M)
Revenue Profit before tax
アジアの銀行調査
S $ S $
IT#1
JP
Source: IDC IT Industry FutureScape 2018, Nov 2017; Prediction #1; Digitization and Digitalization can be used interchangeably to refer to DX; Publicly available financial data from respective banks
Copyright IDC 2018
30%
14%
41%
22%
リーダー企業 フォロワー
% 生産性向上
33%
15%
46%
28%
リーダー企業 フォロワー
% 顧客からの評判やロイヤルティ、顧客維持率の向上
2.2 X
リーダー企業はデジタルトランスフォーメーションの恩恵を受けている• アジアのリーダー企業は、フォロワーの2倍のメリットを享受している。さらに2020年までメリットが拡大しながらもこの傾向が続く
33%
14%
45%
23%
リーダー企業 フォロワー
% コスト削減
33%
13%
45%
22%
リーダー企業 フォロワー
% 利益向上
27%
14%
39%
23%
リーダー企業 フォロワー
% 新しい製品やサービスによる売上
2017 2020
2.1 X 2.4 X2.5 X 1.9 X
Copyright IDC 2018
5
アジアリーダー
(n = 103)国内企業 (n = 150) ギャップ
人材とスキル DX ICT戦略とロードマップについてのリーダーシップの欠如
サイロ化されて保守的な文化
スキルとリソースの不足
プロセス 組織のゴールとして、データ戦略が立案されていない
実行可能なアクションに結びつく知見を開発するための先進的なアナリ
ティクスがない
DXプロセスをどうやって牽引するかについての知識不足
IT サイバーセキュリティの脅威の拡大
どのIT技術が適切かを見極められない
適切なITパートナーの選択
既存システムの保守サポート
ガバナンス DXプロジェクトに対する投資不足
幹部のサポートとリーダーシップが不足
リスク管理の課題
ガバナンスガイドラインがDXをサポートしていない
• 共通課題として、スキルとリソースの不足や、サーバーセキュリティの脅威の拡大がある
• 国内企業は、どのIT技術が適切かを見極められない、適切なITパートナーの選択、既存システムの保守サポート、DXプロジェクトに対する投資不足、幹部のサポートとリーダーシップが不足の項目でアジアリーダーよりも課題が深刻
Note: アジアリーダー (n = 103)、国内企業 (n = 150)
B1.組織が直面している、またはデジタル変換の旅に直面している上位3つの課題は何ですか。
1.6%
5.5%
2.9%
5.5%
6.5%
7.8%
5.8%
11.0%
8.1%
9.7%
8.4%
11.7%
8.7%
6.8%
1.1%
2.9%
4.7%
7.1%
8.2%
8.7%
8.0%
11.3%
8.7%
6.4%
8.2%
12.0%
8.0%
4.7%
-0.5%
-2.6%
1.8%
1.6%
1.7%
0.9%
2.2%
0.3%
0.6%
-3.3%
-0.2%
0.3%
-0.7%
-2.1%
Copyright IDC 2018
6
KPIアジアリーダー(n = 103)
国内企業 (n = 150) ギャップ
データ資本を用いた売り上げ、ビジネスモデルと生産性
プロセス・サービス効率
顧客の口コミ
従業員の口コミ
製品・サービスのイノベーション頻度
デジタルリーダーシップの市場認知
デジタルビジネスの売上比率
人材供給
市場シェア
標準的なkpi指標
参入済みのデジタル市場数
Note: アジアリーダー (n = 103)、国内企業 (n = 150)。
B11.全体的な DXジャーニーの成功を測定するために、次の主要なパフォーマンス指標/指標 (KPI) を使用していますか?該当するものをすべて選択してください。
• 国内企業は、データ資本を使った売り上げ、ビジネスモデルと生産性への関心が特に低い
• 国内企業は、プロセス・サービス効率、プロセス・サービスのイノベーション頻度、顧客の口コミ、デジタルビジネスの売上比率、市場シェアなどの新しいKPIへの取り組みが遅れている
19%
19%
24%
26%
29%
31%
32%
37%
38%
46%
51%
19%
15%
17%
31%
21%
29%
22%
37%
30%
35%
31%
-1%
-4%
-8%
5%
-8%
-2%
-10%
0%
-8%
-10%
-20%
Copyright IDC 2018
7
クラウドビッグデータアナリティク
ス
セキュリティ
モビリティソーシャルメディア
eコマースAI
コグニティブロボティクス
IoTMixed、VR/AR
ブロックチェイン
次世代インターフェース
アジアリーダー
国内企業
12.1%
18.6%
7.5%
12.6%
9.5%7.8%
11.7%
6.4%4.1% 3.6%
2.1%
14.8%
11.5% 11.5% 10.8%
7.8%
5.3%
14.8%
6.8% 6.2%
2.8%0.7%
Note: アジアリーダー (n = 103)、国内企業 (n = 150)。
B6. DXのイニシアチブのための技術の使用に関連して、次のデジタル技術のうち、御社が2018年に重点投資するものはどれですか?
コアIT技術 イノベーションを加速するIT技術
Copyright IDC 2018
8
25%
21%
29%
40%
アジアリーダー 国内企業
% 生産・運用時
間の短縮
2017 2020
▪ アジアリーダーは現在のDX効果を5項目すべてで国内企業より高くみているが、3年後をみると、国内企業ほど効果がでるとはみていない。国内企業は深刻な課題、従来のKPIを使いながらも、3年間のDX効果が最大でアジアの1.4倍あがると楽観的にみている
33%
27%
45%
56%
アジアリーダー 国内企業
% コスト削減
2017 2020
33%
22%
45% 46%
アジアリーダー 国内企業
% 利益率向上
2017 2020
30%
25%
41%
46%
アジアリーダー 国内企業
% 生産性向上
2017 2020
29%
23%
43%
47%
アジアリーダー 国内企業
% 顧客獲得時間
の短縮
2017 2020
1.02 x 1.2 x 1.1 x 1.4 x 1.1 x
Copyright IDC 2018
Note: アジアリーダー (n = 103)、国内企業 (n = 150)
文化と変化
“リスクに対する反対が少ない。変化に対応するために、一過性の組織を構成することを特徴とし、マネージャーの介入なしに、自発的に行動する文化を持っている”
“失敗を受け入れ、そこから素早く学ぶアジャイルアプローチを企業文化にしている”
組織の振る舞い
“変化に対して組織間で共創しアジャイルに動ける成熟度を持つ。個人の責任や、個人だけの努力とせずに、組織横断の共創グループが生まれる環境があり、組織全体の目標を達成しようとする"
デジタルトランスフォーメーション の
アプローチ
リーダーシップと構造
予算
“組織間でDXに関する利害の調整ができている”
“組織間の戦略と評価基準が連動し、デジタル製品、サービス、顧客エクスペリエンスを提供する"
“DXをリードするリーダーがアサインされており、スタンドアロンのデジタルビジネスユニット、または、各 LOB や機能グループに所属するデジタルリーダーを束ねてDX活動を牽引している“
“DXリーダーに恒久的なP&L予算の一部を割り当てることで、リソースの最適化、組織横断のアラインメント、ガバナンスの向上を図る"
アジアリーダー企業 フォロワー % は各グループで組織特性に合意した回答者の割合を示す国内企業
• 全ての組織特性で、国内企業のほうがアジアよりも遅れている。 特に、組織の振る舞い、DXのアプローチ、リーダーシップ、DX予算でリーダー企業とは15-30ポイントの差がみられ、アジアのフォロワー企業以下となっている
41% 31% 39% 78% 61% 59% 80% 65% 65% 84% 68% 68% 70% 50% 40%
Copyright IDC 2018
共創人材,ベストプラクティスの
具現化
差別化された方法論と技術
パートナーシップの多様化、べン
チャーやスタートアップとの共創
事業結果に結びつくサービス提供
受注に頼らない自己投資指向
パートナーとすべき
ITサプライヤー
企業でのDNEに
向けたアクション
ビジョン創生,独創性
顧客一人一人を知る
エコシステムを受け入れる
未来を顧客と作る
謙虚になる
Copyright IDC 2018 10
AI を活用して企業とエコシステムのデジタルトランスフォーメーションを加速
全社横断のDX組織とリーダー
• スキルの獲得戦略
失敗を受け入れ、素早く学ぶ
• アジャイルアプローチ
データによる判断を奨励
• パートナーとのデータ共有
共創グループの奨励
• フラットコミュニケーション
柔軟な働き方への移行
バランストKPI
• New KPI + Old KPI
• データ資本KPIは必須
データ技術に投資
• ビッグデータ
• アナリティクス
• AI
• データ共有・共創基盤
アジャイルソフトウェア開発
• DevOps
デジタル文化の創生 情報エコシステムの構築 マイクロ変革からの始動
スモールスタート
• アジャイル 共創 DevOps
• マインドチェンジ(変わる会社)
• 顧客エクスペリエンス
• 失敗から学ぶ
大規模なDX戦略の遂行
• ITパートナー
• データ資本型
• 外部発信
Future of Work
Future of Commerce
Copyright IDC 2018 11
追加資料
12
アジアにおけるデジタルトランスフォーメーションの経済効果調査Commissioned by Microsoft
IDC InfoBrief
2021年までに日本のGDPの約50%がデジタル製品やデジタルサービスが貢献する
2017 2019F 2021F
デジタルトランスフォーメーションが貢献 デジタルトランスフォーメーション以外
50%
24%
8%
日本
デジタルトランスフォーメーションの貢献には、ICT製品やサービスに加えて、eコマースやモビリティ、IoT、AIなどの技術を用いて直接的に創造された製品やサービスが含まれる
13
IMF世界銀行によるGDP成長予測に加え、デジタルトランスフォーメーションを推進する企業売上の成長予測を現在価値に換算して算出
実質GDP
デジタルトランスフォーメーションの国内GDPへのインパクト
凡例 DXインパクト
国内GDPへのデジタルトランスフォーメーションのインパクト(10億円)
2016
2021
1.0% CAGR
IMF 世界銀行による予測成長率
0.4% CAGRデジタルトランスフォーメーションにより増加されたGDP予測
521,487
521,487
26,601
10,513
14
調査方法
サンプル数
日本
150
産業別内訳
(回答者%)
製造業 (39%)
金融 (10%)
政府 (10%)
医療 (13%)
教育 (8%)
流通 (20%)
回答者属性
(75% C、 C-1 レベル;
25% C-2 レベル)
C-レベル
( CIO, COO, CEOなど)
C-1 レベル
(VP 、Director レベル 事業幹
部など)
C-2 レベル
(シニアIT管理者など)
企業規模
(45% 中堅, 55% 大企
業)
中堅企業
250 – 999 従業員数
大企業
>1,000 従業員数
▪ アジア15ヶ国 1560名の企業の経営幹部を対象として調査(調査期間 2017年10-12月)
15
デジタルトランスフォーメーションジャーニーで2つのグループを特定
リーダー
7%
フォロワー
93%
16
アジアリーダー企業には、
全社的、あるいは展開中のデジタルト
ランスフォーメーション戦略がある
収益の3分の1以上をデジタル製品と
デジタルサービスから得ている
リーダー企業は、エコシステムセントリックなアプローチから成熟度の高い総合的な戦略を推進している• 48%のアジアリーダー企業は成熟度の高い総合的な戦略を推進
• アジアリーダー企業は、エコシステムセントリックなアプローチで、顧客、従業員、パートナーにフォーカスしている
47.6%
17.3%
成熟度の高い総合的な戦略を推進している企業の割合(%)
リーダー フォロワー
• 総合的な戦略の推進とは、成熟度の高いデジタルプロセス、従業員のスキル、サポートシステムを有することを意味する
• これにより、顧客、従業員、パートナーへのタイムリーなエンゲージメントや、持続的な成長とイノベーション創出が可能となり、デジタルネイティブな組織の恩恵を享受することができるようになる
Note: リーダー(n=103), フォロワー (n=1457). A1. 御社のデジタルトランスフォーメーション戦略として以下のどれが最も当てはまりますか?
17
リーダー企業はデータ戦略を持っている▪ リーダー企業は、データの価値に重きを置き、事業場の意思決定や製品やサービスの改良、新しいビジネス
モデルの創出に活用している
Note: 全回答者(n=1560)B11. 全体的な DXジャーニーの成功を測定するために、次の主要なパフォーマンス指標/指標 (KPI) を使用していますか? 該当するものをすべて選択してください。B6. DXのイニシアチブのための技術の使用に関連して、次のデジタル技術のうち、御社が2018年に重点投資するものはどれですか?
ビジネス KPI
Data as a capital asset(データ資本)を売上向上、ビジネスモデル、生産性に活用
リーダー フォロワー
51% 43% 15.8%18.6%
IT投資
ビッグデータアナリティクスが、AI/コグニティブ/ロボティクス実装の基盤となる
9.9%11.7%
18
経営課題に対応するための優先順位の上位3項目
従業員の生産性と利益率の向上
イノベーション文化の創生と継続的な学習機会
市場トレンドや機会に素早く対応するためのアジリティの向上
19
アジアリーダー
国内企業
Note:アジアリーダー (n = 103)、国内企業 (n = 150)。回答者数はすべての項目で異なるため、すべての回答者がすべての効果を選択してはいない。
A3.これらの課題に対処するために、次のうちのどれが2018において、あなたの組織のトップ3の優先順位になりますか?
10.3%
12.4%
8.4%
12.9%
11.7%
18.1%
リーダー企業の事業課題の認識の違い
破壊的技術の出現
競合企業の市場への参入
アジアリーダー
国内企業
20
10.3%
10.8%
8.4%
13.6%
Note: アジアリーダー (n = 103)、国内企業(n = 150)。回答者数はすべての項目で異なるため、すべての回答者がすべての効果を選択してはいない。
A2. 財務目標を達成する以外に、CEO あるいは御社のトップ3のビジネス上の懸念事項は何ですか?
• よりスマートで安全な都市、よりよい医療、高付加価値の職業創出が利点の上位3項目としてみられている
• 国内市場では、さらに、AIやロボットが支援する活動による生活の質の向上が利点に挙げられている
Note: 国内企業(n=150)C2. 次のどの領域で、企業や政府によるデジタルトランスフォーメーションが市民にとっての利点になると思いますか?上位3項目を選んでください。
よりスマート、安全で効率的な都市
#1個人の健康状態の予測と管理の向上によるヘルス
ケアの強化
#2AIやロボットが支援する活動による生活の質
の向上
#4個人の将来のための、より高付加価値の職業
創出
#3
21
職業の変化、 失職ではない未来
外部委託、自動化、
業務の重複
29%
変化なし
25%
デジタルトランス
フォーメーションへ
の投資により新しい
役割が生まれる
20%
維持ないし、スキル
の向上
26%
Note: 国内企業(n=150)C3. 御社のスキル不足に対応するには、今後3年間で、どのくらいの割合の仕事が次のいずれかになると思いますか? 1)外部委託、自動化、業務の重複2)変化なし 3)デジタルトランスフォーメーションへの投資により新しい役割が生まれる 4)維持ないし、スキルの向上C3a:- 御社の25歳以下の若年層のプロフェッショナル従業員は、将来に対応できる十分なスキルを持っており、将来の新しい役割に適応できると思いますか?
75%
の仕事が今後3年間の間にトランスフォームされる
58% の回答者は、若年層は将来に対応できる十分なスキルを持っており、将来の新しい役割に適応できるとみている
22
Future of Work
リーダースキル
複雑な問題の解決
論理的、客観的、合理的な思
考, システムアナリティクス
創造性, アクティブ学習
人材管理、コミュニケーショ
ンスキル、多様な文化への順
応性
科学、工学、IT、数学
ソーシャルメディア, モバイル
アナリティクス, クラウド
コア人材
• 現在不足しているスキルと今後3-5年で必要
となるスキル
• データサイエンティスト、データアナリス
ト、データ/情報アーキテクト、IT戦略
• 人材の維持施策
将来への投資・教育
• 30歳台および若年層への投資
• 将来必要となるスキルの獲得
• アウトサイドインの視点教育
短期的プロフェッショナル
• リーダー自身がスキルベースの人材市場に
タップしフリーランスや派遣者を活用
Future of Work
組織力
Copyright IDC 2018 23