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Page 1: 「やさしく学べる材料力学i 第3版によせて 機械工学科で4力(よんりき)といえば,材料力学・流体力学・熱力学・機械力学で あるが,これからも材料力学は重要な科目であることがわかる.どのような科目でも,学ぶことは簡単ではなく,少なくない努力が必要となる.教科書が厚く,しかも
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「やさしく学べる材料力学

(第 3 版)」

サンプルページ

この本の定価・判型などは,以下の URL からご覧いただけます.

http://www.morikita.co.jp/books/mid/066193

※このサンプルページの内容は,第 3版 1刷発行時のものです.

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第3版によせて

機械工学科で 4力 (よんりき)といえば,材料力学・流体力学・熱力学・機械力学であるが,これからも材料力学は重要な科目であることがわかる.どのような科目でも,学ぶことは簡単ではなく,少なくない努力が必要となる.教科書が厚く,しかも難しく書かれていれば,学生にとっては,そのような教科書を手に持っただけで萎縮してしまう可能性がある.本書の初版を執筆した動機は,ページ数が手頃で図も多く用いられてわかりやすく執筆されている教科書が必要と思えたからである.初版を執筆したときは,工学単位から絶対単位への移行期で,完全な絶対単位を用いていなかった.このため,第 2版の改訂では,単位を絶対単位に替える必要があった.しかし,著者は工学単位で学んだせいか,密度を用いて説明すべきところを比重量を用いて説明していた箇所があったため,これらの箇所を書き変えたいと思っていた.第 3版では,まず,このような部分を直した.問題を解くとき,一つの方法だけを知っていれば十分と著者は考えているので,カステリアーノの定理は不要と判断していた.そもそも,カステリアーノの定理では,外力や外モーメントの働く位置の移動量や回転量しか与えられないので,たとえば,はりのたわみの最大値を求めるためには改めて解き直さなければならないので,あまり役に立たない.しかし,大学院の入試問題には,カステリアーノの定理を用いて解かせる問題が多数出題されている.そこで,今回の改訂では章を起こして,カステリアーノの定理を説明した.初版と第 2版では,モールの応力円を説明するとき,せん断力 τxy の矢印を通常とは異なるように描いていたが,第 3版では通常の矢印の向きに戻した.応力集中については専門書があるので応力集中の章を削除した.学生が自習するときに便利であるように,章の問題には詳細な解答を与えた.本書の特色は次のようになる.(ⅰ) 図を多く用いてわかりやすく説明している.(ⅱ) 応力を求めるとき,部材を空中に切り出して力の釣り合い式を与えるようにしている.

(ⅲ) モールの応力円を描くときは,せん断応力 τ の矢印の向きを決める必要がある.(x,y)を採用したときの τxy と τyx の矢印とモールの応力円で表されるせん断応力 τ の矢印の向きの違いを明確に説明している.この点について説明している教科書はほかには見受けられない.

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ii 第 3版によせて

(ⅳ) 熱応力の複雑な問題でも簡単に解ける手法を提示している.(ⅴ) 多くの教科書では,たわみの基礎式を導くとき,d2y/dx2 = Mx/(EI)と導いてから,後で理屈をつけて,d2y/dx2 = −Mx/(EI)としているが,本書では,このような手法はとっていない.本書のように,はりのたわみ曲線上の接近している 2点の曲率半径が挟む角を明確に (−di)とした教科書はほかに見受けられない [i:たわみ角].

(ⅵ) 各章を学ぶときの指針になるように,重要項目を試験前チェックリストとして巻末にまとめておいた.

材料力学・流体力学・熱力学・機械力学の科目をマスターしていれば,機械技術者として仕事をしていくことができる.本書で材料力学を確実に学んで,企業の設計部で活躍していただければ幸いです.第 3版の出版にあたっては,大橋貞夫氏,塚田真弓さんにはお世話になりました.編集部の皆様の温かいご助力にもお礼申し上げます.

  2014年 10月 著  者 

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iii

目 次

第 1章 応力,ひずみおよび単位 1

1.1 応力および単位 1

1.2 ひずみ 8

練習問題 1 12

第 2章 フックの法則 13

2.1 フックの法則と弾性係数 13

練習問題 2 20

第 3章 材料の引張試験と許容応力 21

3.1 応力 ひずみ図 21

3.2 許容応力と安全率 22

練習問題 3 28

第 4章 組合せ構造物 30

4.1 簡単な不静定問題 30

4.2 簡単なトラス 37

練習問題 4 41

第 5章 熱応力 43

5.1 熱応力 43

練習問題 5 48

第 6章 棒材の少し複雑な問題 49

6.1 棒の自重による伸び 49

6.2 一様変化断面棒の伸び 50

練習問題 6 56

第 7章 平面応力とモールの応力円 57

7.1 傾斜面の応力(一軸引張) 57

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iv 目 次

7.2 せん断応力の符号と σ,τ の矢印の向きについて 58

7.3 斜面の指定 60

7.4 共役せん断応力 61

7.5 平面応力状態 63

7.6 モールの応力円 64

練習問題 7 73

第 8章 薄肉かく 74

8.1 薄肉円筒 74

8.2 薄肉球かく 76

練習問題 8 77

第 9章 はりの断面に働く力とモーメント 79

9.1 はりとはりに働く外荷重 79

9.2 はりの横断面に働くせん断力 79

9.3 はりの横断面に働く曲げモーメント 83

9.4 等分布荷重を受けるはり 85

9.5 三角形状分布荷重を受けるはり 90

練習問題 9 98

第 10章 断面二次モーメント 99

10.1 断面一次モーメントと図心 99

10.2 断面二次モーメント 102

練習問題 10 109

第 11章 はりの曲げ応力 110

11.1 中立面,中立軸,曲げ応力 110

練習問題 11 117

第 12章 はりのたわみ 119

12.1 たわみの基礎式 119

12.2 片持はりのたわみとたわみ角 123

12.3 両端支持はりのたわみとたわみ角 129

練習問題 12 135

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目 次 v

第 13章 不静定はり 136

13.1 一端固定,他端支持はり 136

13.2 両端固定はり 139

練習問題 13 146

第 14章 平等強さのはり 147

14.1 平等強さのはり 147

練習問題 14 152

第 15章 軸のねじり 153

15.1 丸棒のねじり 153

練習問題 15 162

第 16章 コイルばね 163

16.1 円筒形コイルばね 163

練習問題 16 166

第 17章 衝撃応カ 167

17.1 弾性エネルギー 167

17.2 衝撃応力 171

練習問題 17 176

第 18章 長柱の座屈 177

18.1 座屈荷重 177

練習問題 18 181

第 19章 カステリアーノの定理 183

19.1 マックスウェルの相反定理 183

19.2 カステリアーノの定理 185

19.3 はりに蓄えられる弾性ひずみエネルギー 186

19.4 軸に蓄えられる弾性ひずみエネルギー 187

練習問題 19 192

試験直前対策用まとめ 193

練習問題の解答 199

索  引 239

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本書の記号について

(1) 力のつり合いとモーメントのつり合いを導くとき,以下のような記号を用いる.

→© : 右に向かう力

↑© : 上に向かう力

� � : 反時計方向のモーメント

� : 時計方向のモーメント

F上下 : 上下方向の力

F→⊕水平 : 水平方向の力で右に向かう力を正とする

F ↑⊕上下 : 上下方向の力で上に向かう力を正とする

F�⊕B : 点 Bまわりのモーメントで反時計方向を正とする

(2) 文章に+と-を書くときは,それぞれ(+),(-)のようにする.

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第1章 応力,ひずみおよび単位

1

1.1 応力および単位

( 1 ) 垂直応力

図 1.1に示す断面積 Aの丸棒の両端に,

図 1.1

図 1.2

図のように荷重 P が働くとき,この丸棒の断面はどのような力を受けるかを考えてみる.図 1.2(a)に示すように,丸棒内に任意の断面(仮想面)のX面を考え,さらに図(b)のように,X面でこの丸棒を切断し,Ⅰ部分(左側),Ⅱ部分(右側)に分離する.もし,図 1.2(b)のように切断面に荷重が働いていないならば,図(b)の左部分は荷重 P によって左側に移動し,右側部分は同じく荷重 P によって右側に移動することになる.図 1.2(b)は,図 1.1の丸棒を仮に 2部分に分けたものであるから,移動してはならない.すなわち,図 1.2(b)の仮想面には,図1.3に示すような力 P が働いていなければいけない.仮想面 X面(単に面または,断面という)に働く荷重 P は図 1.3に示すように集中して働いているわけではなく,図 1.4のようにX面において均一に分布している.すなわち,この X面の荷重 P は一様に分布し,端面に働く外荷重 P とつり合いを保っ

ているわけである.この分布の度合を示す量は おうりょく

応力 とよばれ,次式で計算される.

応力 =荷重断面積

記号で表せば,次式となる.

σ =P

A(1.1)

ここで,σはギリシア文字のシグマであり,この文字は通常,垂直応力を示す記号に

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2 第 1章 応力,ひずみおよび単位

図 1.3 図 1.4

用いられる.

参考:3年生になって居酒屋でコンパを楽しんだとき,請求額を参加者数で割って払う.請求額を「荷重」,人数を「断面積」と考えれば,「応力」は一人当たりの支払額に相当する.請求額が大きく,人数が少ないときは,割り勘の額が多く,辛くなる.これと同じで,応力は材料の辛さを示す量である.

図 1.1の X面は荷重の作用線に垂直である.または,逆に荷重は仮想面 Xに垂直に働くといってもよい.このように荷重が考察面に対して垂直に働いているとき,式(1.1)で定義される応力を垂直応力という.図 1.1のように部材を引っ張るように働く

荷重を ひっぱり

引張 荷重といい,このときの σを引張応力という.図 1.5のように外力が部材を押さえつけるように働くとき,この荷重を圧縮荷重といい,式(1.1)で計算される応力を圧縮応力という.棒の断面は円形としたが,他の形状の場合であっても式(1.1)で応力を計算できる.

( 2 ) 垂直応力の符号について

部材に働く荷重や仮想面に生じる応力をいちいち引張か圧縮かを区別して計算を進めることは不便な場合もある.そこで,圧縮荷重,圧縮応力の値に(-)をつけて表すことにすれば,荷重はすべて引張荷重になり,垂直応力はすべて引張応力になる.すなわち,たとえば図 1.6のように,断面積 A = 0.0005 m2の丸棒に図に示すように荷重が働くものとすれば,外荷重は P = −15000 Nの引張荷重であり,断面には

σ =−15000

0.0005= −3.0× 107 N/m2

の引張応力が働くことを意味する.ただし,圧縮を負の引張として取り扱う旨のただし書きを書かないで,問題を解く場合がほとんどであるので注意が必要である.

図 1.5 図 1.6

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1.1 応力および単位 3

( 3 ) せん(剪)断応力

断面積 Aの丸棒が図 1.7のように荷重 Qを受けるとき,荷重で挟まれる部分(図の 部分)は,荷重方向にずらされるような力の作用下にある.このような作用を起こさせるような荷重Qをせん断荷重という.垂直応力の場合と同様に 部分を仮想断面で切断すれば,この断面には Qの力が働いていなければならないことがわかる.このとき,この部分がずらされる作用の度合を表す量をせん断応力といい,

せん断応力 =せん断荷重断面

と表し,記号では,

τ =Q

A(1.2)

で計算される.ここで,τ(タウ)は,通常せん断応力を示す記号として用いられる.図 1.8は,図 1.7の 部分を仮想面で切断して部材の右側部分を考えた場合である.せん断応力 τ は,図 1.8に示すように断面に均一に分布している 1)ものとみなして取り扱っているわけである.

図 1.7 図 1.8

( 4 ) せん断応力の符号

せん断応力は,材料のせん断の(ずり切る)度合を示すものであり,引張や圧縮などの物理的意味合いをもたせて符号を決めることはできない.このため,すべて正として取り扱ってもよい.ただし,モールの応力円を用いるときはどちらの方向にずらされるかをもとに正・負を無理につける.この符号については後述する(7.2節参照).

( 5 ) 力の単位について

ある量(お金,長さ,りんご,船,うさぎ,水,速さなどさまざまなもの)の大きさ

や多さを表すとき,各自勝手な「ものさし」を用いていたのでは意志の そつう

疎通 がはかれ

1) 実際には,かなり複雑に分布している.

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4 第 1章 応力,ひずみおよび単位

ない.そこで,あらかじめこのようなものを「1とするぞ!!」と決めておけば都合がよい.たとえば,お金の単位は 1円である.単位とは「1」のことを意味しているので,いちいち「1円」とはいわずに,「円」というのが普通である.われわれ技術者が扱う量の多くは,力,長さ,時間およびこれらの三つのものから構成されている量である.時間の単位としては,s(秒),長さの単位としてはmを用いる.次に力の単位について説明するが,このためには質量の単位を知っておく必要があるので,まず,質量について説明する.手押し車に友人を一人だけ載せて動かす場合と,二人載せて動かす場合を考えればどちらの方が動きにくいであろうか.一人よりも二人のほうが動きにくい.これは,一人よりも二人のほうが質量が大きいからである.質量とは,物体の動きにくさの程度を示す量である.それでは,単位の質量とはどの程度の量なのであろうか.少し厳密さから外れるが,水 1リットルの動きにくさの程度が質量の単位であり,これを 1 kgとしている(正確には,フランスの郊外に保存されている金属の塊が 1 kgである).次に力の単位について説明する.図 1.9に示すように,質量 1 kgの物体(水 1リットル)を重さのない車に乗せて力を加えたら,この車には 1 m/s2 の加速度が発生したとする.このときに加えた力が単位の力であり,これを 1 N(ニュートン)という.1 Nとは図 1.10に示すように,水 0.102リットルを重さの無視できるビーカーに入れて手で持ったときに手が受ける力のことで,感覚的には,こちらの方がわかりやすい.

注意:ニュートンの第二法則から,力=質量×加速度になる.この関係式に,単位の力,質量,加速度を代入すると 1 N = 1 kg × 1 m/s2 が得られる.実は,1 Nは 1 kgm/s2 と同じである

今では学術的に用いられなくなった重力単位系(工学単位系)の力の単位がある.ただ,実際には日常的に使われているので,あえて説明する.図 1.11に示すように重さの無視できるビーカーに1リットルの水を入れて手で持ったとき,手が受ける力が重力単位系の力の単位である 1 kgf(1キログラムエフ)である.たとえば,新幹線の座席の前の物置の棚には「○○ kg以上の重さの荷物を置かないでください」と書かれている.fさえ付いていないが,この kgは重力単位系の力の単位である.また,「私の体重は 65.5 kgです」の kgも fさえも付いていないが重力単位系の力の単位である.仮に,重力単位系の力の単位である kgf(fが付かない場合が多い)を絶対単位系(SI)の力の単位である Nに直す必要がある場合は,1 kgfを 9.8 Nとすればよいことを知っていて欲しい.前述のように,SIでは長さの単位としてはmを用いることになっている.この場合,応力の単位がN/m2(Pa,パスカル)で表される.「1 m2 当たり何 Nの力が働いている」と表示されることになる.

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1.1 応力および単位 5

図 1.9 図 1.10 図 1.11

長さの単位として cmや mmが用いられる場合もある.このとき,応力の単位はN/cm2やN/mm2で表される.多くの場合,困ることはないが,問題などに質量 [kg]

が出てくる場合は注意しなければならない.たとえば,遠心力=質量×半径×(角速度)2 であるが,このとき,半径の単位に cmを用いれば,計算された力の単位は N

[ニュートン:kgm/s2]にはならない.混乱を防ぐためには,問題などに質量 [kg]が出てきた場合は,長さの単位は,必ずmで表すことにすればよい.表 1.1に力の換算表を,表 1.2に応力の換算表を示しておく.なお,106 をM(メガ),109 をG(ギガ)といっている.

表 1.1 力の換算表N kgf

(ニュートン) (工学単位)1 0.102

9.80 1

表 1.2 応力の換算表N/m2

[Pa]N/cm2 MPa kgf/cm2

(工学単位)1 10−4 10−6 1.02× 10−5

104 1 10−2 1.02× 10−1

106 102 1 10.2

9.8× 104 9.8 0.098 1

例題 1.1 図 1.12に示すように外径 45 cm,内径 35 cm

図 1.12

の管(パイプ)に 0.52 MN の圧縮荷重を加えるとき,管に生じる応力を求めよ.

解答 管の横断面積(単に面積といってもよい)Aは,45 cm を 0.45 m,35 cmを 0.35 mと直して,以下となる.

A =π

4(0.452 − 0.352) = 0.0628318 m2

荷重 P は,以下となる.P = −0.52 MN = −0.52× 106 N

よって式(1.1)より,

σ =P

A=

−0.52× 106

0.0628318= −8.276 × 106 N/m2 = −8.276 MPa

となる.すなわち,管には 8.276 MPaの圧縮応力が生じる.

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6 第 1章 応力,ひずみおよび単位

注意:数値計算の際,単位は必ずそろえること.力:N,長さ:mを用いることを習慣づけておくとよい.また,最終結果の有効数字は 4桁程度でよい.

例題 1.2 図 1.13に示すように,厚さ t = 2 mmの鉄

図 1.13

板にポンチを用いて,直径 d = 8 mmの円孔をあけたい.ポンチに加えるべき荷重 P はいくらか.ただし,鉄板に 392.0 MPaのせん断応力が生じたとき,鉄板は破断するものとする.また,ポンチに生じる垂直応力はいくらになるか.

解答 ポンチで打ち抜かれるとき,鉄板がせん断

図 1.14

の作用を受けるのは,図 1.14に示す 部分である.この部分の面積は,

As =(円周の長さ)×(板厚)= πdt

となる.この部分に荷重 P が働くので,生じるせん断応力 τ は,

τ =P

πdt

となる.この値が,392.0× 106 N/m2 になれば,板は破壊する.すなわち,

P

πdt= 392.0× 106, ∴ P = πdt× 392.0 × 106

を得る.長さの単位をmにして,数値を代入すれば,

P = 3.141592 × 0.008× 0.002 × 392.0× 106 = 1.970× 104 N

を得る.ポンチに働く荷重は圧縮荷重であるので引張荷重とすれば,(-)をつけて,−1.970×

104 Nとなる.断面積は,

An = πd2

4= π

(0.008)2

4= 5.02655 × 10−5

となる.よって,ポンチに生じる垂直応力

σ =−1.970 × 104

5.02655× 10−5= −3.919× 108 N/m2 = −391.9 MPa

を得る.

注意:数値計算をするとき,π = 3.14としないこと.π = 3.141592を用いるか電卓に入っている値を用いること.

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1.1 応力および単位 7

例題 1.3 図 1.15(a)に示すように,直径 d1,長さ l1 の丸棒①が左側の剛性壁(変形できない壁)に接着されていて,さらに右側に直径 d2,長さ l2 の丸棒②が接着されている.丸棒②の右側に引張力 P が働くとき,丸棒①に働く応力 σ1 と丸棒②に働く応力σ2 を求めよ.

解答 丸棒①を切断して,その右側の部分を図 1.15(b)に示す.切断面には σ1(応力)× A1(面積)で与えられる力 σ1A1 が働くので,切り出し部分に働く力のつり合いを考えれば次式を得る(右に向かう力を(+)とする).

− σ1A1 + P = 0, − π

4d1

2 × σ1 + P = 0

∴ σ1 =P

(π/4)d12=

4P

πd12

同様に,丸棒②を切断して,その右側部分を示せば,切断面には図 1.15(c)に示すように σ2A2 の引張力が働くので,力のつり合いより次式を得る.

− σ2A2 + P = 0, − π

4d2

2 × σ2 + P = 0

∴ σ2 =P

(π/4)d22=

4P

πd22

図 1.15

注意:式(1.1)より,切断面には垂直応力×面積で与えられる力が働く,棒には引張応力が働くと仮定したので,図(b)と(c)のように,面を引く方向に力の矢印が描かれている.この問題では丸棒の長さが与えられているが,解答には無関係であった.

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8 第 1章 応力,ひずみおよび単位

図 1.16 図 1.17

1.2 ひずみ

( 1 ) 縦ひずみと横ひずみ

部材に荷重が働けば,伸びたり縮んだりする.すなわち,変形する.この変形の度合を示す量がひずみである.ひずみは,つねに,

ひずみ =変形後の長さ −元の長さ

元の長さ=伸びた量元の長さ

で定義される.図 1.16に示すように長さ l,横幅 dの断面一様な棒を引っ張った場合,棒は荷重方向に λ(ラムダ)だけ伸び l + λになる.このとき,単に荷重方向に伸びるのみではなく,荷重方向と直角方向に縮む.この縮みの長さを λ′とすれば横幅は d− λ′ になる.すなわち,ひずみは荷重方向のひずみだけでなく,直角方向にも生じることになる.荷重方向の変形の度合を示す量である縦ひずみ ε(イプシロン)は次式で定義される.

ε =伸びた量元の長さ

=(l + λ)− l

l=λ

l(1.3)

同様に荷重と横方向の変形の度合を示す横ひずみ ε′ は,

ε′ =(d− λ′)− d

d=

−λ′d

(1.4)

で定義される.εと ε′ はつねに符号を逆にする.すなわち,

ε× ε′ < 0 (1.5)

が成立する.圧縮荷重が部材に働くときは,図 1.17のように荷重方向に λc だけ縮み,横方向には λ′cだけふくらむ.この場合,縦ひずみ εと横ひずみ ε′ はそれぞれ,

ε =(l − λc)− l

l=

−λcl

(1.6)

ε′ =(d+ λ′c)− d

d=λ′cd

(1.7)

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1.2 ひずみ 9

で計算される.圧縮荷重が働くとき,荷重方向に λ = −λcだけ伸び,また,横方向に λ′ = −λcだけ縮むと考えれば,圧縮荷重の場合であっても式(1.3),(1.4)で ε,ε′ を表現できる.式(1.3)~(1.7)は長さが増えるとき,ε,ε′は(+),長さが減少するとき,ε,ε′は(-)で表されることになっている.ただし,長さが減少するときも ε,ε′ を(+)として処理することもある.たとえば,図 1.17において,λc だけ縮むとき,縦ひずみ εを式(1.6)の代わりに,

ε =λcl

(1.8)

で定義する場合もあるということである.式(1.8)で求められるひずみを圧縮ひずみという.

( 2 ) せん断ひずみ

部材がせん断力を受ければ,部材にはせん断

図 1.18

応力が生じる.また,このとき,図 1.18に示すように変形する.いま,C,Dがそれぞれ λs だけ変位しC′,D′ に移動したものとする.このとき,荷重間距離を lとして,せん断ひずみ γ(ガンマ)は次式で定義される.

γ =λsl

(1.9)

さて,∠D′AD = ∠C′BC = φ(ファイ)(単位はラジアン)とすれば,

λsl

= tanφ, ∴ λs = l tanφ (1.10)

となる.式(1.10)を式(1.9)に代入して,

γ = tanφ (1.11)

となる.一般に,変形は微小であるので φも微小量である.したがって,

tanφ � φ, ∴ γ � φ (1.12)

と表すこともできる.せん断ひずみの符号は,材料力学においては明確にする必要が少ないので省略する.すなわち,すべて正として処理してよい.

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10 第 1章 応力,ひずみおよび単位

( 3 ) 体積ひずみ

図 1.19のように,物体内に体積 V の直方体を

図 1.19

仮想する.この物体に荷重が働き変形し,仮想した直方体の体積が ΔV だけ増えた(体積が減少するときはΔV < 0)とする.このとき,次式で定義される εv を体積ひずみという.

εv =ΔV

V(1.13)

例題 1.4 長さ l = 60.0 cm,幅 h = 4.9 cm,厚さ t = 0.66 cm の鉄板の左端を万力で固定した.この板の中央部分に,図 1.20に示すように油性ペンで直線 AB

(AB = 50.0 mm)を引いた.この板の右端に引張力とせん断力を加えたら,図のように,ABがA′B′に移動し A′C = 50.022 mm,CB′ = 0.0051 mmとなった.ただし,AB//A′C,∠A′CB′ = 90

◦である.縦ひずみ εとせん断ひずみ γ を求めよ.

図 1.20

解答 ひずみは長さを長さで割って求められるので無次元となる.このため,ことさら長さの単位を mに直さなくてもよいが,直して計算する.縦ひずみ εは式(1.3)を用いて,

ε =0.050022 − 0.05

0.05= 4.400× 10−4

となり,せん断ひずみ γ は式(1.9)を用いて,

γ =0.0000051

0.05= 1.020 × 10−4

となる.

参考:長さ l = 60.0 cm,幅 h = 4.9 cm,厚さ t = 0.66 cm は問題には無関係であった.

例題 1.5 弾性体に x,y,z座標をとるとき,ある部分の x方向,y方向,z方向の縦ひずみがそれぞれ εx,εy,εz である.この部分の体積ひずみ εv を εx,εy,εz で表せ.

参考:材料に荷重を加えれば変形する.荷重を取り去ったとき,形が元に戻るとき,この材料を弾性体という.

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1.2 ひずみ 11

解答 図 1.21に示すように弾性体内に x,y,z方向の長さが,それぞれ dx,dy,dzの微小直方体を仮想する.変形して εx,εy,εz の縦ひずみが生じるとすれば,直方体は破線のようになる.たとえば,dxの長さが dλx だけ伸びたとすれば,式(1.3)より,

εx =dλx

dx, ∴ dλx = εx dx

となる.すなわち,dxの長さは変形後,dx+ dλx = dx+ εxdxになる.同様に dy,dz の長さも変形後それぞれ dy + εydy,dz + εzdz になる.変形前の体積 V は,V = dxdydz で計算される.変形後の体積 V ′ は,V ′ =

dx(1 + εx)dy(1 + εy)dz(1 + εz) で計算される.よって,

εv =ΔV

V=

V ′ − V

V=

dxdydz(1 + εx)(1 + εy)(1 + εz)− dxdydz

dxdydz= εx + εy + εz + εxεy + εyεz + εzεx + εxεyεz

となる.高次の微小量 εxεy,εyεz,εzεx,εxεyεz を省略すれば,

εv � εx + εy + εz

を得る.

図 1.21

例題 1.6 次の値を( )内の単位で表せ.(1) 30 tf(N) (2) 40 kgf/mm2(Pa)(3) 1.58× 105 MN/m2(kgf/mm2)

解答 工学単位の 1kgf が,SIでは 9.8 N(kgm/s2)であり,SIの 1 Nが,工学単位の0.102 kgfとなることに着目して,変換していく.(1) 30tf = 30000 kgf = 30000× 9.8N = 294000N = 2.94× 105 N.

106 をM(メガ)で書き直せば,以下となる.2.94× 105 N = 0.294× 106 N = 0.294 MN

(2) 40 kgf/mm2 = 40× 9.8 N/(0.001m)2 = 3.92× 108 N/m2

N/m2 を Pa(パスカル)というので,3.92× 108 N/m2 = 3.92× 108 Pa.109 をG(ギガ)というので,これで表せば,以下となる.

3.92× 108 Pa = 0.392 × 109 Pa = 0.392 GPa

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12 第 1章 応力,ひずみおよび単位

(3) 1.58 × 105 MN/m2 = 1.58× 105 × 106 × 0.102 kgf/(1000 mm)2

= 1.61× 104 kgf/mm2

練習問題 1

1.1 短い丸棒に 72000 Nの圧縮荷重が軸方向に作用し,−60.0 MPaの応力が生じた.この丸棒の直径はいくらか.

1.2 長さ 65 cmの棒が引張荷重を受けて 0.1 cm伸びた.このときのひずみはいくらか.

1.3 ひずみが 0.00015であるとき,伸びが 0.9 mmであった.もとの長さはいくらか.

1.4 径 25 mm,長さ 3 mの丸棒が引張荷重のために 0.000105のひずみを生じている.伸びはいくらか(直径を径ともいう).

1.5 図 1.22のように 2枚の板を,1本のリベット(直径 d=0.02 m)で結合し,P =8000 N

の荷重を加えるとき,生じるせん断応力はいくらか.また,このリベットが 120.0 MPa

までのせん断応力に耐えられるとすると,荷重をいくらまで加えることができるか.

図 1.22

1.6 図 1.23に示すように,水平と 30◦ なす斜面上に質量m=56.8 kgの物体が置かれてい

て,右端には直径 d=2.6 mmのワイヤーが図に示すように取り付けられている.ワイヤーに発生する応力 σを求めよ.ただし,物体と斜面の間には摩擦はないものとし,重力加速度 g=9.8 m/s2 とする.

図 1.23

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64 第 7章 平面応力とモールの応力円

図 7.13

σ sinϕ− τ cosϕ− τxy cosϕ− σy sinϕ = 0 (7.10)

この式を解いて,

σ = σx cos2 ϕ+ σy sin

2 ϕ+ 2τxy cosϕ sinϕ

=1

2(σx + σy) +

1

2(σx − σy) cos(2ϕ) + τxy sin(2ϕ) (7.11a)

τ =1

2(σx − σy) sin(2ϕ)− τxy cos(2ϕ) (7.11b)

を得る.合応力 pは,

p2 = σ2 + τ2

= σ2x cos

2 ϕ+ σ2y sin

2 ϕ+ (σx + σy)τxy sin(2ϕ) + τ2xy (7.12)

となる.

7.6 モールの応力円

材料の破壊や破損に関しては,垂直応力,せん断応力の絶対値の最大値が支配的となることがある.前述のように材料表面にストレインゲージを貼ることにより σx,σy,τxy を簡単に求めることができる.これらの値を,式(7.11)に代入し,数学的に極大,極小値を求めれば σmax,τmax がわかる.しかし,ある場所の(σx,σy,τxy)の値が得られたとき,任意の傾斜面の(σ,τ)の値を円周上の 1点に対応させて図式的に容易に求めることができる.この円をモールの応力円(モール円ともいう)という.以下,この円について説明する.

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7.6 モールの応力円 65

( 1 ) モールの応力円の作図

ステップ 1 図 7.14のように σx,σy,τxy(0 < σy < σx,0 < τxy と仮定する)が与えられたとき,ϕ = 0の面である CD面,ϕ = π/2の面である DA面における(σ,τ)を求める.式(7.11)を用いるまでもなく,CD面で以下となる.

σ = σx, τ = −τxy (7.13a)

DA面で以下となる.

σ = σy, τ = τxy (7.13b)

注意:7.4節で述べたように,CD面と AB面では τ = −τxy となる.

ステップ 2 図 7.15のように,横軸に σ 座標,縦軸に τ 座標をとり,式(7.13a)の(σ,τ),式(7.13b)の(σ,τ)の値を σ,τ 座標上にとり,それぞれ P,Qとする.σ = (σx + σy)/2,τ = 0を中心とし,PQを直径にして円を描けば,この円がモールの応力円となる.点 Pが CD面の(σ,τ)を与え,点QがDA 面の(σ,τ)を与えていることは,このように作図したのであるから当然である.

図 7.14 図 7.15

( 2 ) モールの応力円の見方

図 7.15のモールの応力円上の 1点が,図 7.14の ϕ = ϕの斜面上の(σ,τ)の値を与える.図 7.16の点 Pは CD面の応力,すなわち ϕ = 0の斜面の応力(σ,τ)を与え,点Qは DA面の応力,すなわち ϕ = π/2の斜面上の応力(σ,τ)を与えている.すなわち,(x,y)座標上で π/2だけ ϕの値が増えている面の応力(σ,τ)は,モールの応力円上では 2× π/2 = πだけ増している点の(σ,τ)の座標値として与えられている.図 7.14の EF面の(σ,τ)は,図 7.16のモール円では OPより 2× ϕだけ角度を増した点 Rの(σ,τ)の座標値で与えられる.

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66 第 7章 平面応力とモールの応力円

図 7.16

点 Sは(σ = σ1,τ = 0)で最大の垂直応力を与え,このとき,せん断応力が τ = 0

であることがわかる.点 Tでは τ = 0,σ = σ2 となっている.最大のせん断応力は点 Uでの値である.∠POS= ψ(プサイ)とすれば σ1の働く面は図 7.14では ϕ = ψ/2の面となり,CD

面より反時計方向まわりに ψ/2傾いた面となることがわかる.モールの応力円よりわかることを以下にまとめる.1. σが最大,最小の値をとるとき,せん断応力は働かない.このような垂直応力を主応力といい,σ1,σ2 で表す(σ1 > σ2).

2. 主応力 σ1,σ2 の働く傾斜面は図 7.14では互いに直交している.3. τmax,τmin の働く面は,図 7.14では主応力の働く面と π/4だけ傾いた面である.

4. 図 7.16の点 Pは,図 7.14のDA面の応力を与える点 Qよりさらに角度が πだけ増している.すなわち,点 Pは図 7.14の AB面の応力値をも与える.同様に,点Qは BC面の応力値をも与える.点Rの(σ,τ)はモールの応力円で 2π進めれば同じ点 Rに戻るので,図 7.14の ϕ = ϕ + πの面(図 7.14の EF面を πだけ回転させた面)の応力をも与える.

( 3 ) モールの応力円より得られる関係式

図 7.16の点Wの座標は (σx, 0)となる.モールの応力円より,

OP =

√OW

2+WP

2=

√{σx − 1

2(σx + σy)

}2

+ (−τxy)2 (7.14)

であるので次式となる.

τmax = OU = OP =

√{σx − 1

2(σx + σy)

}2

+ τxy2

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7.6 モールの応力円 67

σ1 = O′O+OS = O′O+OP

=1

2(σx + σy) +

√{σx − 1

2(σx + σy)

}2

+ τxy2

σ2 = O′O−OT = O′O−OP

=1

2(σx + σy)−

√{σx − 1

2(σx + σy)

}2

+ τxy2 (7.15)

( 4 ) モールの応力円の証明

σx,σy,τxy が与えられたとき,図 7.14の EF面に働く σ,τ が図 7.17の点 Rの座標で与えられることを示すためには,図 7.17で点 Rの座標(σ,τ)を幾何学的に求めたとき,式(7.11)に一致することを示せば十分である.図 7.17の点 Rから σ軸,τ 軸に垂線をおろし,その交点をそれぞれ X,Yとする.図 7.17より次式を得る.

OX = ORcos(2ϕ− ψ) = OR{cos(2ϕ) cosψ + sin(2ϕ) sinψ}RX = OR sin(2ϕ− ψ) = OR{sin(2ϕ) cosψ − cos(2ϕ) sinψ} (7.16)

図 7.17

また,

cosψ =OW

OP=

OW

OR=

1

OR×{σx − 1

2(σx + σy)

}=

1

OR× 1

2(σx − σy)

sinψ =PW

OP=

PW

OR=

1

OR× | − τxy| = 1

OR× τxy (7.17)

である.図 7.17の点 Xの垂直応力 σを計算してみる.

σ = O′X = O′O+OX

=1

2(σx + σy) + OR{cos(2ϕ) cosψ + sin(2ϕ) sinψ}

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68 第 7章 平面応力とモールの応力円

=1

2(σx + σy) + cos(2ϕ)× 1

2(σx − σy) + sin(2ϕ)× τxy (7.18)

図 7.17の点 Yのせん断応力 τ を計算してみる.

τ = RX = OR{sin(2ϕ) cosψ − cos(2ϕ) sinψ}

= sin(2ϕ)× 1

2(σx − σy)− cos(2ϕ)× τxy (7.19)

式(7.18)の垂直応力 σと式(7.19)のせん断応力 τ は,それぞれ,式(7.11a)と式(7.11b)と一致するので,図 7.17の点 Rは法線方向が x軸と ϕなす面の垂直応力 σとせん断応力 τ を与えることが証明された.

例題 7.4 ある場所の応力状態が,図 7.18のように求

図 7.18

められた.このとき,主応力 σ1,σ2,最大せん断応力τmaxおよびこれらの働く面をモールの応力円を用いて求めよ.

注意:実際には σx,σy,τxy の値が与えられるが,ここでは,σ,τ,σx,σy,τxy を正しく理解してほしいため図 7.18のように与えた.

解答 図 7.19のように x,y座標を採用すれば

図 7.19

σx = 20.0 MPa

σy = −30.0 MPa

τxy = −15.0 MPa

となる.図 7.10に示すように,モールの応力円で用いるせん断応力 τ はBC面と DA 面では τ = τxy となり,CD面とAB面では,τ = −τxy

となる.したがって,CD面で,σ = σx = 20.0 MPa,

τ = −τxy = 15.0 MPa

DA面で,σ = σy = −30.0 MPa,τ = τxy = −15.0 MPa

を得る.モールの応力円を描けば,図 7.20のようになる.図より,

σ1 = 24.0 MPa

σ2 = −34.0 MPa

τmax = 29.0 MPa

を得る.これらの働く面は図 7.21において,

σ1 · · · · · ·(a)面,(a)′面σ2 · · · · · ·(c)面,(c)′面

τmax · · · · · ·(b)面,(b)′面

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7.6 モールの応力円 69

となる.

図 7.20

図 7.21

注意:モールの応力円は,コンパスと定規を用いて,大きめにていねいに作図されなければならない.σ軸,τ 軸の目盛りは,モール円が大きめに描かれるように,与えられた応力の値を見て決めること.角度を測るときは,分度器を用いる.

例題 7.5 ある場所の応力状態が,図 7.22のように与えられた.このとき,モールの応力円を用いて,主応力 σ1,σ2,最大せん断応力 τmaxおよびこれらの働く面を求めよ.

解答 図 7.23のように x,y座標を採用すれば,

σx = −80.0 MPa, σy = −130.0 MPa, τxy = 50.0 MPa

となる.したがって,

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183

第19章 カステリアーノの定理

183

19.1 マックスウェルの相反定理

図 19.1に示すように両端支持はり ABの点 C1と点 C2にそれぞれ荷重 P1と P2が働いて,点 C1 が荷重方向に x1 移動し,点 C2 が荷重方向に x2 移動した場合を考える.いま,最初,P1のみが働いたとすれば図 19.2に示すように荷重点C1 は x11 だけ下側に移動するが,このとき,荷重の働いていない点 C2 も x21 だけ下側に移動する.はりは弾性体であるので,x11も x21も荷重 P1 に比例するので次式を得る.

x11 = α11P1, x21 = α21P1 (19.1)

ここで,α11,α21は,ばね定数の逆数で影響係数といわれている.はりABに蓄えられたエネルギー U1は加えた仕事に等しいので,式(17.4)′ を用いれば次式を得る.

U1 =1

2P1x11 (19.2)

図 19.1 図 19.2

次に,P2のみが働いたとすれば,図 19.3に示すように荷重点C2 は x22 だけ下側に移動するが荷重の働いていない点C1 も x12だけ下側に移動する.P1のみが働いた場合と同様に,x12 と x22 は荷重 P2 に比例するので次式を得る.

x12 = α12P2, x22 = α22P2 (19.3)

ここで,影響係数 α12,α22は一定値である.このとき,はりに蓄えられるエネルギーU2 は式(17.4)′ で計算できるので次式で与えられる.

U2 =1

2P2x22 (19.4)

図 19.1に示すように,P1と P2が働く場合の移動量は,式(19.1)と式(19.3)を足せ

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184 第 19章 カステリアーノの定理

図 19.3

ば(重ねれば)求められるので次式で与えられる.

x1 = x11 + x12 = α11P1 + α12P2, x2 = x21 + x22 = α21P1 + α22P2 (19.5)

荷重 P1 と P2 の両方の荷重が働く場合のエネルギー U は式(19.2)と式(19.4)を加えて,

U = U1 + U2 =1

2P1x11 +

1

2P2x22

とした場合はまちがいである.なぜなら,P1 と P2 が働くときの点 C1 と点 C2 の移動量は x11と x22 で与えられないからである.この場合は,以下のように二段階で考えなければならない.最初,荷重 P1 が働いたときにはりに蓄えられるエネルギーを次式で計算する.

1

2P1x11 (19.6)

次に荷重 P2が働く場合を考えれば,はりには P2によって,1

2P2x22 (19.7)

のエネルギーが蓄えられる.しかし,このとき,点 C1は,一定の荷重 P1が働いている状態で x12 だけ P1 方向に移動するので,P1 は P1 × x12 の仕事をするため,荷重P1と P2が働く場合のエネルギー U は次式で計算される.

U =1

2P1x11 +

1

2P2x22 + P1x12 (19.8)

式(19.8)に式(19.1),(19.3)を代入して次式を得る.

U =1

2P1x11 +

1

2P2x22 + P1x12 =

1

2P1α11P1 +

1

2P2α22P2 + P1α12P2

=1

2

(α11P

21 + 2α12P1P2 + α22P

22

)(19.9)

式(19.9)は最初に荷重 P1を働かせてから,その後 P2を加えて求めているが,逆に,最初に P2 を加えてエネルギー P2x22/2を求めてから,次に P1を加えて P1x11/2を求め,さらに,自動的に点 C2が一定の P2を加えられている状態で x21移動させられることを考えて次式を得る.

U =1

2P2x22 +

1

2P1x11 + P2x21 (19.10)

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19.2 カステリアーノの定理 185

式(19.10)に式(19.1),(19.3)を代入して次式を得る.

U =1

2P2α22P2 +

1

2P1α11P1 + P2α21P1 =

1

2

(α11P

21 + 2α21P1P2 + α22P

22

)(19.11)

はりに荷重を加える場合,荷重 P1を働かせてから,その後で P2を加えても,逆に最初に P2を加えてから,次に P1を加えても,あるいは同時に P1と P2を加えても,はりに蓄えられるエネルギーは変わらない.そこで,式(19.9)と式(19.11)は一致しなければならないので,以下のマックスウェルの相反定理

α12 = α21 (19.12)

を得る.

19.2 カステリアーノの定理

はりに蓄えられたエネルギーU は式(19.9)あるいは式(19.11)で与えられる.いま,式(19.9)を P1,P2で偏微分すると次式を得る.

∂U

∂P1= α11P1 + α12P2,

∂U

∂P2= α22P2 + α12P1 (19.13)

式(19.13)の最初の式に,式(19.5)の最初の式を適用すれば次式を得る.∂U

∂P1= x1 (19.14)

式(19.13)の第二の式にマックスウェルの相反定理 α12 = α21 を適用して,式(19.5)の第二の式を適用すれば次式を得る.

∂U

∂P2= α22P2 + α12P1 = α22P2 + α21P1 = x2 (19.15)

すなわち,はりに 2個の荷重 P1 と P2 が働く場合,はりに蓄えられたエネルギー U

を P1で偏微分すれば P1方向の移動量 x1が与えられ,P2で偏微分した場合は P2方向の移動量 x2が与えられる.19.1節と本節では,2個の荷重が働く場合のみについて考えたが,同様の計算を行えば,任意形状の材料(弾性体)に任意の個数の荷重 Pi,トルク Ti,曲げモーメントMiが働いているとき,次式で与えられるカステリアーノの定理を導くことができる.

λi =∂U

∂Pi, ϕi =

∂U

∂Ti, θi =

∂U

∂Mi(19.16)

ここで,U:材料に蓄えられたエネルギー,λi:Pi方向の移動量,ϕi:Tiまわりの回転角,θi:Mi まわりの回転角である.

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239

索 引

英数字

BMD 84

SFD 82

sin関数状の分布荷重 135

あ 行

圧縮応力 2

圧縮ひずみ 9

安全率 22

一端固定, 他端支持はり 136

上降状点 21

薄肉円筒 74

薄肉球かく 76

永久ひずみ 22

影響係数 183

円周応力 75

円すい棒 56

円筒形コイルばね 163

オイラーの座屈荷重 178

応力 1

応力の換算表 5

応力 ひずみ図 21

応力 ひずみ線図 21

か 行

回転軸と動力 156

カステリアーノの定理 185

片持はり 79, 82

片持はりのたわみとたわみ角 123

滑節 37

ギガ 5

基準応力 22

共役せん断応力 61

極限強さ 21

曲率半径 110

曲率中心 120

曲率半径 120

許容応力 22

組合せ棒 30

径 12

傾斜面に働く垂直応力,せん断応力 58

傾斜面の応力 57

工学単位系 4

剛性率 14

工率 156

固定端 82

さ 行

最大応力 21

裁頭円錐 56

座屈 177

座屈応力 177

座屈荷重 177

三角形状分布荷重を受けるはり 90

残留ひずみ 22

軸応力 74

軸に蓄えられる弾性ひずみエネルギー 187

軸のねじり 153

仕事率 156

仕事をした 156, 167

下降伏点 21

質量 4

自由圧縮 43

自由端 82

自由膨張 43

重力単位系 4

主応力 66

使用応力 22

衝撃応力 171

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240 索 引

垂直応力 1, 2

垂直応力の符号について 2

図心 100

ストレインゲージ 64

静定問題 30

絶対単位系 4

節点 37

せん断応力 3

せん断応力の符号 3, 58

せん断弾性係数 14

せん断強さ 22

せん断ひずみ 9

せん断力図 82

線膨張係数 43

素線 163

素線に働く最大せん断応力 163

た 行

台形板 50

体積ひずみ 10

耐力 22

縦弾性係数 14

縦弾性定数 14

縦ひずみ 8

たわみ角 120

たわみ曲線 110

たわみの基礎式 119, 122

単純せん断 71

単純はり 79

弾性エネルギー 167

弾性限度 21

弾性体 22

弾性ひずみ 22

弾性ひずみエネルギー 168

弾性変形 22

断面一次モーメント 99

断面係数 114

断面二次極モーメント 155

断面二次モーメント 102

断面に働くせん断力 80

断面に働く曲げモーメント 83

力の換算表 5

力の単位 4

中立軸 110

中立面 110

突き出しはり 97, 192

テトマイヤーの式 180

等分布荷重 79

等分布荷重の集中力への置き換え 88

等分布荷重を受けるはり 85

動力 156

トラス 37

トルク T とせん断応力 τ 155

な 行

ニュートン 4

ねじり角 154

ねじれ角 154

熱応力 43

は 行

パスカル 4

破断強さ 21

馬力 157

はりに蓄えられる弾性ひずみエネルギー 186

はりの横断面に働くせん断力 79

はりの横断面に働く曲げモーメント 83

はりの引張応力 113

ひずみ 8

引張応力 2

引張強さ 21

比ねじり角 154

比ねじれ角 154

平等強さのはり 147

平等強さの棒 53

比例限度 21

ピン結合 37

不静定はり 136

不静定問題 30

フックの法則 13

フープ応力 75

分布荷重 79

平行軸の定理 104

平面応力状態 63

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索 引 241

ポアソン比 15

ボイラ 77

棒の自重による伸び 49

細長比 178

骨組構造 37

ボルトによる締め付け 31

ポンチ 6

ま 行

曲がりはり 190

曲げ応力 110

曲げモーメント図 84

マックスウェルの相反定理 185

メガ 5

モール円 64

モールの応力円 64

や 行

ヤング率 14

横弾性係数 14

横ひずみ 8

ら 行

ランキンの式 180

両端固定はり 139

両端支持はり 79

両端支持はりのたわみとたわみ角 129

わ 行

ワット 157

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やさしく学べる材料力学(第3 版) © 伊藤勝悦 2014

1987 年 8 月 13 日 第 1 版第 1 刷発行 【本書の無断転載を禁ず】1999 年 3 月 5 日 第 1 版第 11 刷発行1999 年 7 月 2 日 第 2 版第 1 刷発行2012 年 3 月 15 日 第 2 版第 13 刷発行2014 年 11月 28 日 第 3 版第 1 刷発行

著  者 伊藤勝悦発 行 者 森北博巳発 行 所 森北出版株式会社

東京都千代田区富士見 1-4-11(〒 102-0071)電話 03-3265-8341 / FAX 03-3264-8709http://www.morikita.co.jp/日本書籍出版協会・自然科学書協会 会員 <(社)出版者著作権管理機構 委託出版物>

落丁・乱丁本はお取替えいたします.

Printed in Japan/ ISBN978-4-627-66193-6

   著 者 略 歴伊藤 勝悦(いとう・しょうえつ)1968 年 秋田大学鉱山学部機械工学科卒業1973 年 八戸工業大学工学部機械工学科助教授1980 年 工学博士(東北大学)  1981 年 日本機械学会賞論文賞受賞現 在 神奈川大学工学部教授著 書 「弾性力学入門」(森北出版,2006 年) 「基礎から学べる材料力学」(森北出版,2011 年) 「工業力学入門(第 3 版)」(森北出版,2014 年)

編集担当 塚田真弓(森北出版)編集責任 富井 晃(森北出版)組  版 アベリー印  刷 エーヴィスシステムズ製  本 協栄製本