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幻の光悦作 赤筒茶碗 銘『有明』が京都に出現し 本物と鑑定される!

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幻の光悦作 赤筒茶碗

銘『有明』が京都に出現し

本物と鑑定される!

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京都・古田織部美術館が最近入手した赤筒茶碗『有明』が光悦作で

あると、光悦茶碗の研究では第一人者の林屋晴三氏によって先日鑑

定され、マスメディアでも報道されました。 『有明』は他に2碗あります。

とても残念なことに、林屋晴三氏は2017年4月1日に88歳でご逝去

されました。ここに謹んでご冥福をお祈りします。

林屋晴三氏がこの茶碗について述べておられることのごく一部を紹

介しますと: 『平成28年に初めて手にした筒形の名碗で、光悦が50代

後半から60ぐらいに焼いた初期の作と推察するおもしろいものである。

光悦茶碗のなかでも品格の高い作振りで、とりわけ作為の多い異色の

茶碗である。・・・・・』

この茶碗は、2017年9月23日から2018年1月14日まで、『光悦と織部展』において、古田織部美術館(京都市北区北山通植物園前西)

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で一般公開されていますので、ぜひご覧下さい。

なお、下記のように日経カルチャーの光悦ツアーでは、私が案内人

となって京都の光悦ゆかりの場所をいくつか訪れますが、2日目には

古田織部美術館へも行き、この茶碗の実物などを拝見しますので、参

加者の皆様はお楽しみに。このツアーは2017年11月25日(土)~26日

(日)に実施されます。

そのツアーの詳細は→ http://www.nikkeicl.co.jp/tour/?p=6201

『古田織部美術館』の写真を以下に示します。全て2017年10月1日に

撮影しました。

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『古田織部美術館』は北山通をはさんで『京都府立植物園』の向い側にある

京都府立植物園

古田織部美術館

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1階が受付と売店で展示室は地階にある

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地階の美術館入口付近の坪庭には『織部灯籠』がある

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美術館入口にある『古田織部美術館』の書は相国寺管長の有馬頼底氏筆

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次にその『有明』の写真を示します。

古田織部美術館のご厚意に感謝します。

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重要文化財クラスと思われる名品『有明』

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本阿弥光悦と関係者の生きた年代

1500 1600 1700 年

本阿弥光悦 (1558 – 1637)

千利休 (1522 – 1591)

楽家二代 常慶 (???? – 1635)

楽家三代 道入 (1599 – 1656)

古田織部 (1543 – 1615)

尾形光琳 (1658 – 1716)

俵屋宗達 (江戸初期)

【注】室町時代(1336-1573)・安土桃山時代(1573-1603)・江戸時代(1603–1868)

1550 1650

? ?

自害

自害

79歳

69

57

72

58

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利休七哲 (りきゅうしちてつ)

蒲生氏郷、筆頭

細川忠興(三斎)

古田重然(織部)

芝山宗綱(監物)

瀬田正忠(掃部)

高山長房(右近/南坊)

牧村利貞(兵部)

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★川喜田半泥子が講演で言ったこと:「下手で不器用で、上品で力強いものが上の上です。昔なら本阿弥光悦です。」

★聴衆からの質問:「いまならだれですか?」

★半泥子の答え:「いまなら・・・・・、少し待ってください。そのうちになりますから。」

みんなドッと笑ったそうです。

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近藤立身作

光悦茶碗

国宝不二山写

田口寛所蔵

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漫画

へうげもの

全二十三巻の初巻

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その内容の実例

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織部灯籠

(キリシタン灯籠)北野天満宮

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以下に織部焼の作品と織部関連の茶杓を示します

(全て手近にあった筆者の所蔵品の一部です)

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南蛮人燭台

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千利休は、秀吉に切腹を命じられて天正19年(1591)、2月28日に

果てました。切腹前に、利休は最後の茶会を催しています。その際、

自ら竹を削ってつくった茶杓が、現在、名古屋の徳川美術館が所蔵す

る「千利休の泪(なみだ)の茶杓」です。 同美術館では、毎年2月28日

の「利休忌」の前後10日間ほどだけ、常設展示の一角で特別展示さ

れますので、それを見に行ったことがあります。余談ですが、私の誕生

日は2月28日なので、利休の生まれ変わりなんて冗談を言っておりま

す。ただし、旧暦と新暦の違いがありますが。

利休は、最期の茶会でこれを用い、一番弟子の古田織部に与えた

のです。その後、織部はこの茶杓のために長方形の窓をあけた黒漆

の筒を作りました。この窓から、わずかに見える茶杓を千利休の位牌

として、拝んでいたと伝えられています。

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