pblを用いたビジネス創成教育1. 千葉工大および自己紹介 2....

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PBLを用いたビジネス創成教育 Education of New Business Creation using PBL 千葉工業大学 久保裕史 [email protected] 千葉工大 東京スカイツリー タウンキャンパス PMI Japan Forum 2015

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Page 1: PBLを用いたビジネス創成教育1. 千葉工大および自己紹介 2. ビジネス創成教育の必要性と困難性 3. 大学における PBL 教育の活用状況 4. 千葉工大の

PBLを用いたビジネス創成教育 Education of New Business Creation using PBL

千葉工業大学 久保裕史 [email protected]

千葉工大 東京スカイツリー タウンキャンパス

PMI Japan Forum 2015

Page 2: PBLを用いたビジネス創成教育1. 千葉工大および自己紹介 2. ビジネス創成教育の必要性と困難性 3. 大学における PBL 教育の活用状況 4. 千葉工大の

PMI Japan Forum 2015

1. 千葉工大および自己紹介

2. ビジネス創成教育の必要性と困難性

3. 大学におけるPBL教育の活用状況

4. 千葉工大のPBLビジネス創成教育 ① 実ビジネスに対応した体系的ビジネス知識教育

② 知識創造型PBLプロセス

③ ビジネス・イノベーション創出の仕組み作り

5. まとめ

2

「PBLを用いたビジネス創成教育」

講演内容

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PMI Japan Forum 2015

キャンパス 津田沼(大学院, 学部3・4年生) 新習志野(1・2年生) 東京スカイツリータウンキャンパス

学生数 大学院・学部総数 約1万人

建学の精神 世界文化に技術で貢献する

研究センター 未来ロボットセンター (Furo) 惑星探査研究センター(PERC)

津田沼キャンパス

千葉工業大学の概要

歴史 私立工業大学の中で最も歴史あり

クインス (福島原発で活躍)

火星探査船操縦シミュレーター

大学院 工学研究科 情報科学研究科 社会システム科学研究科 学部 工学部(6学科) 情報科学部(2学科) 社会システム科学部(3学科)

新習志野キャンパス

3 1.千葉工大の紹介

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• 工学部にプロジェクトマネジメント(PM)学科を’97年設立。

• 「国際化に対応できる高度プロジェクトマネジャーの育成」。

• ’01年社会システム科学部設立に伴い、移行。文理融合。

• 「PMコース」は多いが、学科としてはおそらく世界唯一。

• ディプロマ・ポリシー(学位授与方針): 幅広いマネジメント能力を有するプロジェクトエンジニアやプロジェクトマネジャーを育成。

• カリキュラムポリシー:PMの基礎知識と実践的能力の養成。

• 学年定員:120名。(PMコース:80名、経営システムコース40名)

• 1年次のメンターチームでのTDL/TDS調査PBLを初めとして、2年のPM実験、3年のPM演習で、ソフトウエア開発管理とビジネス創成のPBLを実施。

• 本日は、ビジネス創成PBLの取り組みを主に紹介する。

4

千葉工大のPM学科の概要

1.千葉工大プロジェクトマネジメント学科の紹介

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• 久保裕史 略歴 ▫ 1979年 名古屋工業大学大学院工学研究科 修士 電気工学専攻修了後,

富士写真フイルム(株)入社.

磁気および光記録メディアの研究開発,研究部長.

太陽電池等,新規事業の開発に従事.技術部長.

▫ 2009年 名古屋工業大学大学院 博士(工学).

▫ 2010年 富士フイルム(株)を退社.

同年 千葉工業大学 社会システム科学部 プロジェクトマネジメント学科 教授

▫ 2011年 同大学大学院 マネジメント工学専攻 教授 兼任

• 研究領域 ▫ 研究開発プロジェクトマネジメント

▫ ビジネス創成

▫ 環境・エネルギー

▫ ものづくり国際経営論

5 1.自己紹介

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私が企業活動で 得たこと・学んだこと

① プロジェクトリーダーとしての研究開発マネージメント。

② メディア、システムメーカー間のコラボ、共同開発。

③ 新興国(台韓印中)との共存ビジネスモデル。

④ 材料とライセンスの併用ビジネスモデル。

⑤ 国際標準規格化戦略(コンセンサス標準)。

⑥ 原価・事業採算性試算とコスト戦略。

⑦ マーケティング、技術戦略。

⑧ 産官学連携による技術基盤づくり。

⑨ 知財戦略。

⑩ ベンチャー企業とのコラボレーション、ビジネス戦略。

研究開発だけでなく,

ビジネス全般を経験.

6 1.自己紹介

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大学での教育活動 大学 社会システム科学部 プロジェクトマネジメント学科

▫ ベンチャービジネス論(2s) ▫ ナレッジマネジメント(2s) ▫ スケジューリング技法(4s) ▫ 研究開発技法(5s) ▫ ものづくりマネジメント(5s) ▫ PM実験(4s), PM演習(5s), ▫ ゼミ1(5s), ゼミ2(6s) ▫ 課題研究(6s), 卒論(7,8s)

7

緑字がゼミ形式,青字が授業形式

1.自己紹介

大学院 社会システム科学研究科 マネジメント工学専攻

戦略的PM特論(M1s) 修論(M1s~4s), 博論(D1~D6s)

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ビジネス創成教育の必要性

8

① ビジネス創成が経済発展の原動力

② 雇用機会の創出

③ 成熟社会のニーズへのきめ細かい対応

④ 創造を通じた自己実現

2.ビジネス創成教育の必要性と困難性

ビジネス創成教育の困難性 ・ 必要なのは現実と対座できる力。

・ 「知識」(知った・理解した・わかった・知識がある)から、

「コンピテンシー」(成果や効果につながる 行動・伝達・

記述表現できる など)へ

・ これらは、座学ではなかなか身につかない。

・ 「意思ある学び」=PBLへ

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• 既に数多くの大学や大学院でPBL教育が実践されている。

• しかし、その多くはシステムやソフトウエア開発、あるいは様々な課題解決への適用である。

• 新規ビジネスの提案そのものにPBLを適用した事例は、報告者の知る限り、見当たらない。

• 但し、最近数多く催されている様々な「ビジネスコンテスト」は、教育的見地からは、PBLともいえる。

9

大学におけるPBL教育の活用状況

3.大学におけるPBL教育の活用状況

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ケーススタディとして千葉工業大学のビジネス創成教育を採り上げる。

教育機関 産業技術大学院大学 北九州市大学 千葉工業大学 千葉工業大学

名称 高度専門職人材育成を目的とした PBL

高校生用ICT利活用 アンケート作成PBL

ソフトウェア開発PBL

ビジネス創成PBL

対象者 大学院生,社会人 大学4年生 大学2,3年生 大学2,3年生

特徴

・2年間で、コンピテン シーを修得できる ようなカリキュラム編成 ・成果物を 有職者が評価付け

・成果物を実社会で 試している

・二回実施する ・ユーザ役(教員) がいる ・TAがいる

・二回実施する ・TAがいる

学生の自己 成長確認

実施されていない 実施されていない 実施されていない 実施されていない

先行研究 ~大学で行われているPBL教育~ (2014年版)

10

[Ⅰ]産業技術大学院大学,高度専門職人材の育成を目的としたPBL型教育.[Ⅱ]千葉工業大学,大学におけるソフトウェア開発PBL. [Ⅲ]北九州市大学,「PBLを実践しての気づき」.PM学会誌,第15巻 第2号, 一般社団法人プロジェクトマネジメント学会,2014.

3.大学におけるPBL教育の活用状況

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コンピテンシー獲得 願い

準備

ビジョン

計画

情報・

解決策

制作

プレゼン

再構築

成長確認

ゴール

PBLとは ~身につくコンピテンシー ~

• 以下の8つのプロセスを経てコンピテンシーを獲得する。

11

課題発見力 目標設定力 戦略的に

計画する力

情報を 見極める力

・発想力

わかりやすく 表現する力

コミュニ ケーション

論理的に 表現する力

次へのモチベーション

身につく力

鈴木敏恵「プロジェクト学習の基本と手法―課題解決力と論理的思考力が身につく」, 教育出版 ,2012.

4. 千葉工大のPBLビジネス創成教育

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PMI Japan Forum 2015

行動特性

倫理

自己管理

信頼感

分析的思考

創造的 思考

意思決定

学習

問題解決

システム 思考

コミュニ ケーション

口頭伝達

文章伝達

教える スキル

人間関係のスキル

ファシリ テーション

リーダーシップ

チーム ワーク

ビジネスの知識

ビジネスの原則

業界の 知識

組織の 知識

ソリューション

アプリ ケーション

汎用 アプリ

専用 アプリ

ビジネス創成教育で

これら6つのコンピテンシーを身に着ける。

ビジネスパーソンに必要な基礎コンピテンシー ~身につけるべきコンピテンシー ~

12

IIBA日本支部「ビジネスアナリシス知識体系ガイド」,㈱シナノパブリッシングプレス,2014

4.① 実ビジネスに対応した体系的ビジネス知識教育

• BABOK (A Guide to the Business Analysis Body of Knowledge)

では、以下の6つが定義されている。

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身につく能力

行動特性

人間関係の

スキル

分析的思考

コミュ

ニケー

ショ

ビジネス

の知識

アプリ

の活用

現状評価

実施週

① 準備 課題発見力 ○ ○

② ビジョン 目標設定力 ○ △ 1

③ 計画 戦略的に計画する力 ○ ○ 2

④ 情報,解決策 情報を見極める力・発想力 ○ ○ 2,3

⑤ 制作 わかりやすく表現する力 ○ ○3

9-

⑥ プレゼン コミュニケーション能力 ○ ○ 7,

⑦ 再構築 論理的に表現する力 ○ △ 8,

⑧ 成長確認 次へのモチベーション ○ ×

BABOK基礎コンピテンシー 本学PM演

PBLフェーズ

PBLと基礎コンピテンシーの対応関係

13

※ PBL+チームで行うビジネス創成は、基礎コンピテンシーを育む。

4.① 実ビジネスに対応した体系的ビジネス知識教育

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千葉工大PM学科のPBLビジネス創成教育

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名称 PM実験 PM演習

時期 期間

2年生後期、 7週間

3年生前期、 15週間

内容

ビジネス創成基礎を 学習する。

財務やリスク対策を含む総合的な ビジネス創成を学習する。

学生が、1チーム3、4人で、 アイデア出しから事業計画立案を行う。

一週間の時間枠は180分

4.① 実ビジネスに対応した体系的ビジネス知識教育

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PMI Japan Forum 2015

必要事項と専門講義科目の対応関係 (一部抜粋)

15

本教育に必要な知識をカバーし、体系的なビジネス知識教育を実践。

   ビジネス創成

の要素

主な講義科目

PEST分析

4C分析

5F分

SWOT分析

セグメン

ター

ゲテ

ィング

ポジシ

ョニング

4P分析

原価管理

会計

財務

生産計画

生産管理

組織

創造性

意思決定

人間関係スキル

リスクマネ

プロマネ

ベンチャービジネス論 2 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

企業と経営 2 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

コミュニケーションマネジメント

2 ○ ○ ○

ビジネスコミュニケーション 3 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

プロジェクトと企業行動 4 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

プロジェクト計画 4 ○ ○

プロジェクト・リスク管理 4 ○ ○

戦略・戦術セメスター

マーケティング会計・財務 管理

その他のマネジメント環境分析

4.① 実ビジネスに対応した体系的ビジネス知識教育

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PMI Japan Forum 2015

SECIモデルに基づいた、演習プロセス

16

①共同化~アイデア創造~

②表出化~ステートメント化~

④内面化~ プレゼンテーション~

③連結化~ビジネスモデル作成~

暗黙知

暗黙

形式

形式知

ガイダンス

チーム決め

アイデア出し

アイデア構造化

全体計画作成

成功事例分析

戦略決め

ビジネスモデル作成

自社分析

プレゼン

順位付け

レビュー受取

計画見直し リスク 調査・対策

顧客数・資源見積もり

リスクプラン作成

収支計画作成

資料まとめ

全体振り返り

1週目 8~9週目 2~3週目 10~11週目

4~6週目 12~13週目 7週目 15週目 7、14週目

計3回のスパイラルアップが可能

4.② 知識創造型PBLプロセス

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PBLと本教育の対応関係 17

※ PBL+チームで行う創成演習

ビジョン・再構築・成長確認の改善が必要

身につく能力

行動特性

人間関係の

スキル

分析的思考

コミュ

ニケー

ショ

ビジネス

の知識

アプリ

の活用

現状評価

実施週

① 準備 課題発見力 ○ ○ 1

② ビジョン 目標設定力 ○ △ 1,2

③ 計画 戦略的に計画する力 ○ ○ 2,8

④ 情報,解決策 情報を見極める力・発想力 ○ ○ 2,3,8,9

⑤ 制作 わかりやすく表現する力 ○ ○3-69-13

⑥ プレゼン コミュニケーション能力 ○ ○ 7,14

⑦ 再構築 論理的に表現する力 ○ △ 8,15

⑧ 成長確認 次へのモチベーション ○ × -

BABOK基礎コンピテンシー 本学PM演習

PBLフェーズ

4.② 知識創造型PBLプロセス

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本演習の改善

• 本学のPBL型演習には、 「ビジョン」、「再構築」、「成長確認」プロセスに課題がある。 →そこで、その改善策として、「議事録」と「作業日報」の改良、 及び「ルーブリック自己評価」を実施した。

【議事録・作業日報の改良】 • 毎週、TAや指導教員に提出。 • これまでの、欠点として、 ▫ 記入様式が不統一 ▫ 個人レベルの実施内容が分からない ▫ 反省点や今後の課題が記載されていない などの問題点があった。

18 4.② 知識創造型PBLプロセスの改善

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議事録の改善

19

PM 演習(ビジネス創成)

議 事 録

テーマ

チーム名

開催日

議 長

場 所

書 記

出席者

資 料

議 題

決定事項 見つけた問題点 重要な発言・キーワード 次回までの宿題

裏面使用可

•決定事項

•見つけた問題点

•重要な発言・キーワード

•次回までの宿題

改善(前)

改善(後)

記入項目が全くない

4.② 知識創造型PBLプロセスの改善

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PM 演習(ビジネス創成)

作業日報 2014 年 月 日(金) 授業時間内/時間外(どちらかに○をつける)

チーム名 検収印

メンバー (本人署名)

リーダー

個人での作業内容(成果物・会得したスキル・学習したコトなどを記入)

氏名: 今週の評価: /100 点 反省点: 次回の目標:

氏名: 今週の評価: /100 点 反省点: 次回の目標:

・ 氏名: 今週の評価: /100 点 反省点: 次回の目標:

氏名: 今週の評価: /100 点 反省点: 次回の目標:

チームでの作業内容 時間 作業内容

作業日報の改善

20

・個人作業の内容 ・自己採点 ・反省点 ・次回の目標

改善(前)

改善(後)

・チームでの作業の内容

書記一人が記入していたので、 他のメンバーの具体的

作業内容が分からない。

4.② 知識創造型PBLプロセスの改善

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PMI Japan Forum 2015

提案議事録・作業日報による改善期待効果

• PBLの ①準備、②ビジョン、③計画、⑤制作、⑦再構築 の各フェーズに対し、よい影響が期待できる。

【ルーブリックによる自己評価基準】

• ルーブリック評価とは、それぞれの評価項目をレベル毎に定義し、 評価対象者がどのレベルに達しているか評価する方法である。

• 評価の大項目には、基礎コンピテシーの6つを当てはめた。

また、大項目を分解して計21の小項目を作成し、 それぞれ4レベルでの定義付けをした。

21 4.② 知識創造型PBLプロセスの改善

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PMI Japan Forum 2015

行動特性

倫理

自己管理

信頼感

分析的思考

創造的 思考

意思決定

学習

問題解決

システム 思考

コミュニケーション

口頭伝達

文章伝達

教える スキル

人間関係のスキル

ファシリテーション

リーダーシップ

チーム ワーク

ビジネスの知識

ビジネスの原則

業界の 知識

組織の 知識

ソリューション

アプリ ケーション

汎用 アプリ

専用 アプリ

作成したルーブリックによる自己評価基準(一部抜粋)

22

学生は、 演習前:現状の能力確認、自己成長の目標立てが可能になる。 演習後:成長確認、次へのモチベーションを獲得できる。

4点 3点 2点 1点ビジネスの内容に、不道徳なことは一切なかった。

ビジネスの内容に、無理やりな箇所があった。(協力会社にメリット

ビジネスの内容に非合法なことが含まれていた。

ビジネスの内容に不道徳なことが含まれていた。

書類に不正なことは、一切なかった。

書類の一部が、インターネットもしくは過去の書類の不正コピーであ た

書類のほどんどが、インターネットからの不正コピーであった。

書類のほとんどが、過去の書類の不正コピーであった

<自己管理>複数のタスクの納期と作業内容を把握しているか?

<信頼感>顧客・ステークホルダ目線で、ビジネスを創れているか?

作業を理解しており、それを行えた。また、納期や重要度についても把握してい

作業を理解しており、それを行えた。

グループおよび個人で、顧客・ステークホルダ目線を意識していた。また、それが提案に結び いていた

顧客・ステークホルダーのことは、何も考えていなかった。

リーダーに頼まれた作業を、淡々とこなしていた。

何も把握していなかった。

グループおよび個人で、顧客・ステークホルダ目線を意識していた。しかし、それが提案に結び いていなか

個人レベルでは、顧客・ステークホルダ目線を意識していた。

評価項目説明

<倫理>不道徳・不正(※)なことを理解し、それらの行為を、個人やチームでおこなっていないか?※不道徳=非道・凶悪

4.② 知識創造型PBLプロセスの改善

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PMI Japan Forum 2015

• 学生は、本演習により基礎コンピテンシーの成長を確認できた。

PM実験・演習後での、ルーブリック自己評価の結果

23

0%

25%

50%

75%

100%行動特性

人間関係の

スキル

分析的思考

コミュニ

ケーション

ビジネス創成の

知識

アプリ

ケーション

PM実験後平均値

PM演習後平均値 N=8

4.② 知識創造型PBLプロセスの改善

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PMI Japan Forum 2015

提案議事録・作業日報・ルーブリック自己評価基準の検証

• 8人に従来の教育、別の8人には改善策を適用した教育を行い、全員にアンケートを実施。

• 本提案により、PBLの不十分なプロセスを改善できた。

24

現状 N=8 改善策適用後 N=8

十分行えていると感じている学生

十分行えていると感じている学生

①準備 8 8②ビジョン 3 8③計画 8 8④情報・解決策 8 8⑤制作 8 8⑥プレゼンテーション 6 6⑦再構築 2 7⑧成長確認 0 8

PBLのフェーズ

PM演習

4.② 知識創造型PBLプロセスの改善

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PMI Japan Forum 2015

既存の代表的な8つのビジネスモデル

学生の過去3年間に提案された、30件のビジネスは、 これらすべてを含んでいた。

25

•機能的に独立した組織に 分解し、専門的な高度で 新しい価値を提供する。

アンバンドリング

•ニッチな顧客に対し個別の価値命題を提供し、 全体として利益を出す。

ロングテール

•複数の価値命題を顧客に提供し、一部を無料化する。

フリー ミアム

•組織外から高度な知識などを取り入れ、優れた研究開発を活動を行う。

アウト サイド イン

•参加者同士の売買や コミュニケーションを 活性化させる

マルチサイドプラットフォーム

•所有と使用を切り分け、顧客の利便性をたかめる。

ユーティ リティ

•商品を他人と共有し、 コストを下げ、 新しい経験を提供する。

シェア

•個人物のモノや資産の貸し借りの仲介する。

P2P レンディン

野中郁次郎/徳岡晃一郎「ビジネスモデルイノベーション」,東洋経済新報社,2012.

4.③ ビジネス・イノベーション創出の仕組み作り

Page 26: PBLを用いたビジネス創成教育1. 千葉工大および自己紹介 2. ビジネス創成教育の必要性と困難性 3. 大学における PBL 教育の活用状況 4. 千葉工大の

PMI Japan Forum 2015

ベンチャー企業と学生が作り出したビジネスの比較

※コンセプトやストーリー、ユーザーの体験などの高い付加価値が込められた製品・サービス。

商品例:ボーカロイド、電子書籍、ipod、ロボット掃除機など

学生たちの提案するビジネスには、偏りがでていた。

・業種が小売業に偏っている・B2Bがない・コトづくりが少ない

26

2012年に注目された ベンチャー企業のビジネス(100社)

2010~2012年に学生が 作り出したビジネス(全30チーム)

取引先 B2B,B2C B2C

ビジネス モデルタイプ

•全体の1/3が、 マルチ・サイド・プラットフォーム •全体の1/5が、アウトサイドイン

•全体の1/10が マルチ・サイド・プラットフォーム

特徴

・新規性の高いものが多い ・多種多様(比較的モバイル関連、 最新技術を用いたものが多い)

•既存のサービスに,少しの新要素を 足したものが多い •モバイルアプリ・小売業が多い

コトづくり ※ 全体の1/8 全体の1/30

ベストベンチャー100,2012年度企業一覧,オンライン http://best100.v-tsushin.jp/history_2012.html,2012/08/12.

4.③ ビジネス・イノベーション創出の仕組み作り

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PMI Japan Forum 2015

• 各6名(3学科×各2名)の3チームが、

半年間、ロボット技術をコアにしたビジネス創成の学科間連携PBLにチャレンジ。

• 毎週1回、コアタイム。 • 各学科の教員、TAが連携。 • 介護現場を訪問。産学連携。 • 大学助成金の活用。 • 合宿、中間、最終発表。 • ビジネスコンテストでの他流試合。

プロジェクト マネジメント

学科

未来ロボティクス 学科

デザイン科学科

PBL型ビジネス創成教育の新しい試み ~ 学科間連携PBL~

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イノベーションが起きる?

4.③ ビジネス・イノベーション創出の仕組み作り

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PMI Japan Forum 2015 28

• 異なる教育・知識背景をもつ学生が協力し合うことで、新しいビジネスモデル、モノづくり、コトづくりの可能性を切り拓く。

• その一方で、様々な葛藤も... • 活用したツールの例 ブレーンストーミング、 マインドマップ KJ法 アクティングアウト α・βアプローチ フロントローディング 仮想カタログ プロトタイピング ストーリーテリング コーチング

手探りの中で進めた学科間連携PBL

デザイン(コンセプト)、ロボット(プロトタイプ)、PM(ビジネスモデル)の学生が、それぞれ得意な段階で活躍。

4.③ ビジネス・イノベーション創出の仕組み作り

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PMI Japan Forum 2015

• 「キャンパス・ベンチャー・グランプリ2015東京大会」に参加。285チーム中、3チームとも上位20以内、2チームが10以内に入賞。

• ビジネス創成のPM演習では少なかったB2Bビジネスが1件、 コトづくり2件が含まれる。

• 異なる知識背景をもつチームメンバーとの共同の大変さを痛感。

• その克服過程で成長を実感。 • 提案ビジネスが認められた ことによる達成感。同時に 「上には上がある」と認識。 • 企業等で応用の可能性も。

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ビジネス創成における学科間連携PBLの成果

4.③ ビジネス・イノベーション創出の仕組み作り

Page 30: PBLを用いたビジネス創成教育1. 千葉工大および自己紹介 2. ビジネス創成教育の必要性と困難性 3. 大学における PBL 教育の活用状況 4. 千葉工大の

PMI Japan Forum 2015

• ビジネス創成教育の必要生と困難性について述べた。

• 千葉工大のPBLを用いたビジネス創成教育の概要を紹介した。

• 講義とPBLの連携によるビジネス創成教育の体系を構築。

• BABOKとPBLの関係性を整理し、両者の欠点を補う仕組み。

• 知識創造プロセスのスパイラルアップによる成長。

• 学生提案ビジネスモデルの傾向分析 (B2C、少ないコトづくり)。

• ロボット技術の社会実装をテーマとする、3学科連携ビジネス創成PBLの試

行結果 (知識の融合と創造、異なる背景をもつ者との共同体験と気づきなど)。

• 今後、さらに工夫を積み重ね、全学横断カリキュラムへの発展を目指す。

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5.まとめ