silent minority(サイレント・マイノリティ)

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MINORITY サイレント・マイノリティ SILENT KAZUMICHI SAKATA UX Japan Forum 2015 | November 22nd 2015 @mariosakata Recruit Technologies / UX Tokyo

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MINORITYサイレント・マイノリティ

SILENT

KAZUMICHI SAKATA

UX Japan Forum 2015 | November 22nd 2015

@mariosakata

Recruit Technologies / UX Tokyo

Recruit Technologies Member’s Bloghttp://blog.recruit-tech.co.jp/2015/08/28/recruit_two_cx/

— Tim Brown CEO, IDEO

人々の生活や目に見えないニーズに応えるための 学びの体験を増やすためには、創造性を追求する以外に どのような方法があるだろう?

根拠となる要素を抽出し後付けとして利用する。

ユーザーの 「声」を利用する

ユーザーの 「声」を参考にする

お客様の声として以降の施策検討の材料とする。

ユーザーの 「声」を取り入れる

消費者からの意見を可能な限り聞いて反映する。

ユーザーの「声」を聞くを取り巻く様々な目的と思惑

声を実現しても改善に直結せず利用に至らないことも結果として少なくはない。

image courtesy shutterstock

ユーザーの声に応えればユーザーは満足するという前提が間違っている。

傾けるべきはユーザーの「声」ではなくユーザーの体験、ユーザーの声なき「声」である。

問題定義 > 問題解決 問題解決の「質」は問題定義の「質」に比例する。

問題解決よりも問題の再発防止を。

image courtesy shutterstock

ICE BREAK QUICK WORKSHOPアイスブレイクを兼ねたミニワークショップ

出題者は次のスライドから出題する問いを1つ選び、声を発さずに表現してください。回答者は観察し、質問を当ててください。

出題者を1人決めてください。ほかの人は回答者となります。

3人1組のペアをつくってください。* 4人1組でも可

このシャツの大きめのサイズはどこに置いていますか?

赤いネクタイと白いネクタイ、どちらが似合っていますか?

あなたが着ているその服は、どこで探せますか?

この服、もう少し安くならないですか?

image courtesy organic consumers

— Shannon Galpin, Adventurer

声なき声に耳を傾けることが無関心への最大の武器。

SILENT NEEDSサイレント・ニーズを探る5つのステップ

Observing Analyzing Interviewing ImmersingEmpathy

SharingInsights

1. 観察をする 2. 初期仮説分析3. インタビュー

4. 共感に浸る

5. 洞察の共有

柔軟に分析せよ

深く探究せよ

五感を解放せよ

5 STEPS TO GATHER INSIGHTS FROM SILENT NEEDSサイレント・ニーズを探る5つのステップ

モチベーションを与えよ

好奇心旺盛になれ

Observing

1. 行動に影響を与える因子はなにか? 2. 周囲の環境への適応方法はなにか? 3. 一番気にしていることはなにか? 4. 目立ったボディランゲージやジェスチャーはなにか?

5. 行動パターン(癖)は見られるか?

STEP 1

image courtesy Clint Koehler via Compfight cc

好奇心旺盛になれ

観察をする

STEP 2

image courtesy IDEO

Analyzing

1. 基本デモグラフィックは?(年齢、性別、家族構成など)

2. 行動特性は?(熟練者 対 初心者)

3. モチベーションはどこから生まれるのか?(行動に移す要因)

初期化説分析

柔軟に分析せよ

STEP 3 Interviewing

1. オープン質問を聞く 2. 「実際に見せてもらえますか?」 3. 広く浅く、から深く狭く 4. 信頼関係を構築する 5. ギャップに注意する

インタビュー

image courtesy shutterstock

深く探究せよ

STEP 4 Immersing Empathy

1. 視点を変える 2. 自身にハンディキャップを与える 3. DIY 4. アナログな体験をする

共感に浸る

image courtesy shutterstock

五感を解放せよ

STEP 5 Sharing Insights

1. 個別のデータ(個票)を収集する 2. 統合と分散を繰り返し意味を見出す 3. 洞察を加える 4. 視点を展開する(ストーリーテリング)

洞察の共有

モチベーションを与えよ

image courtesy shutterstock

料理されている様子をずっと見ていると、その料理を食べたらどんな味だろうか?と思うがあまり食べたい気持ちになるように、プロセスを見せることがやがて共感を生む。

最後にユーザーに会ったのはいつですか?

image courtesy shutterstock

月に1回、ユーザーと会話する機会を半強制的に設け、アジェンダを募集するオペレーションを設計。

カスタマージャーニーマップを基軸とした定期モニタリングを開始。30customers

利用ステージ

プロセス

解決方針

タッチポイント

思考(発話)

感情曲線

計画をする メニューを決める 注文をする 商品を受け取る 座る 食べる

知る / 思い出す /気づく 探す / 選ぶ 並ぶ / 注文する 並ぶ / 受け取る 探す / 座る 食べる / 片付ける

CMを見てお腹が空く

ハンバーガーが食べたい欲求にかられる

友人に新しいメニューを紹介される

時間があまりないためファーストフードに決める

ファーストフードの看板を探す

お店を見つける

お店まで歩く

看板メニューを見る

お財布を見る

列に並ぶ

レジ前のメニューを見る

店内で食べることを決める

注文をする

料金を支払う

列に並ぶ

レシートの番号を確認する

商品を受け取る

ケチャップを注文する

店内の空席を見る

二階まで階段で歩く

左右に人がない一人用カウンターに座る

トレイを席に置く

ハンバーガーの封を開ける

ナプキンを探す

商品を食べる

トレイを持ち上げる

荷物を隣の席に置く 返却トレイに戻しゴミを捨てる

荷物を取り退店する

• そういえばもうお昼か

• マクドナルド、メニューが変わったんだ

• バベポが美味しいとか聞いたな

• お昼行ってみようかな

• この通りになにかあったはず

• あ、あそこかな

• ここだ、このハンバーガーかな

• そういえばお金足りるかな…

• お昼時だから混んでるな

• あ、そういえば昔よく食べていたビッグマックあるのかな?

• 一応あるんだ

• 懐かしいな、やっぱりこれ食べよう

• みんなやっぱり新メニュー食べるんだな

• 新メニューいつまでだろう?

• 次来るときに食べよう

• 一階はやっぱり空いてないか…

• 二階は空いているだろう

• あった、ここでいいや

• ビッグマック、美味しいんだけどソースで口の周りが汚れるんだよな

• あれ、ナプキンがない

• 一緒に着いてきたクーポン、新メニューは対象外なのか…

課題まとめ • メニュー改定に伴う従来のメニューの取り扱いが不明。

• 来店時に空席状況がわからないため店内で食べるか、テイクアウトか判断できない。

• トレイを両手で持つ際に荷物が邪魔になる。

• ナプキンやケチャップなどの品の置き場所がわからない。

主要解決策1. 来店時にメニュー一覧をプッシュで通知し、選択肢を限定しないようにする。 2. 空席状況を店員より商品受け取り時にお知らせする(事前に空席状況を可視化する)。 3. ナプキンやケチャップなどの備品はカウンター横に設置するなど場所を統一する。

ブランドに紐づく商品イメージの拡張

固定商品と非固定商品の棲み分け

空席または混雑状況の可視化

商品周辺の備品の取り扱いと配置の見直し

空席または混雑状況の可視化

商品周辺の備品の取り扱いと配置の見直し

ユーザーをわかったつもり症候群からの脱却初期化説の進化を促す視点を変える洞察 × n の学びの蓄積

行動の背景にある影響因子の抽出表面的な解決を未然に防ぐ

ユーザーへの共感が組織的に強化される各セグメントへ人格を割り当て理解を促進する

目的 結果

image courtesy shutterstock

WRAP UP Silent Minority Matters声なき声をマイノリティにしてはならない

ユーザーの「声」を聞くそれはサービス改善に必要なエッセンスであることに変わりはない。

声のみに耳を傾けていては本質的なニーズの抽出が困難根本の解決には至らず、問題の再発が繰り返される。

ユーザーの「声」なき「声」にこそ価値があるユーザーの「声」なき「声」を大切にしない組織やサービスに未来はない。

サイレント・マイノリティ

UXにおける競合優位性は、 同じ業界の誰よりもユーザーのことを理解できているかで決まる。

image courtesy shutterstock

ありがとうございました

http://www.slideshare.net/kazumichisakata

KAZUMICHI SAKATA UX Japan Forum 2015 | November 22nd 2015