倫理審査の現状と問題 −東京大学の例−€¢ independent ethics committee (iec)...

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倫理審査の現状と問題 ~東大病院の例~ (荒川 義弘) 第15回CSPOR・CRCセミナ―(2007/9/23~24) 使用目的を研究者の自己学習用に限り,その他への転用を禁じる 1 1 倫理審査の現状と問題 −東京大学の例− 東京大学医学部附属病院 臨床試験部 荒川義弘 CSPOR 15回がん臨床試験のCRCセミナー 2007924 (東京) 2 IRBIEC (ICH-GCPにおける用語) Institutional Review Board (IRB) 施設審査委員会 (日本では主に治験審査委員会をさすが、 米国では倫理委員会全体をさす。) Independent Ethics Committee (IEC) 独立倫理委員会 (施設、地域、国等が設置する倫理委員会) 3 臨床試験の新しい枠組 企業主導の治験 医師主導の治験 (新設) 自主臨床試験 承認申請 EBM GCP遵守) (「臨床研究に関する倫理指針」 遵守、東大病院ではGCP準用) 大規模治験ネットワーク (厚労省・医師会推進) GCP遵守) 4 企業主導の治験 医師主導の治験 (新設) 自主臨床試験 承認申請 EBM GCP遵守) (「臨床研究に関する倫理指針」 遵守、東大病院ではGCP準用) GCP遵守) 研究開発 最適な医療の供給 個別医療 東大病院 常時約60-80試験 実施中 3試験終了、 5試験実施中 85試験 実施中 臨床試験の新しい枠組 エビデンス形成への貢献 5 東大病院の臨床開発パイプライン(抜粋) 2007.3.7YA 非臨床 Phase I Phase II Phase III 申請中 神経内科 ゾニサミド パーキンソン 病/Wearing off 自主臨床 試験 治験 申請中 大日本住友製 Vitamin K2 肝がん/再発 PIVKA-II 自主臨床 試験 治験 エーザイ TSU-68 肝がん/進行 治験準備 大鵬薬品 EPO C型肝炎/IFN+ Ribavirin副作用 自主臨床 試験 治験準備 血液腫瘍 内科/無菌 治療部 Campath- 1H (CD52 抗体) HLA不適合血 縁者からの造 血幹細胞移植 /拒絶とGVHD 自主臨床 試験 医師主導 の治験 虎ノ門、がんセ ンター、J- CRSU (NPO) 整形外科 人工股関 摩耗・骨吸収 共同研究 開発 治験 東大工・石原 研、JMM カスタムメ イド人工骨 骨欠損等 共同研究 開発 自主臨床 試験 治験準備 理研、東大家 畜病院、(株)ネ クスト、口外、 トレハロー 癒着防止 共同研究 開発 東大家畜病 院、(株)ネクス ト、産婦人科 関連機関 消化器内 科/臨床薬 効評価学 治験 ティッシュ・ エンジニア リング部 自主臨床試験予定 実施主体 試験薬/ 機器 対象疾患 開発段階 自主臨床試験を介して治験に進んだものも少なくない。 6 日常診療と臨床研究の分類と審査申請の 目安 臨床試験 臨床研究 A+C: (通常診療) B+D: 未承認薬等の臨床使用(緊急避難的治療) リスクを伴う未承認の治療法 C:(通常診療) 症例報告/市販後調査 D: 症例報告 C+D+E:調査研究/観察研究 (有病率、病因・病態解析等) F: 試験研究/介入研究 A B C D 診療 E F 未承認薬等 (原則として)倫理委員会等での検討およびイン フォームド・コンセントが必要。 C についてもインフォームドコンセントを取得する ことが望ましい。 治験 (目安)

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倫理審査の現状と問題 ~東大病院の例~ (荒川 義弘) 第15回CSPOR・CRCセミナ―(2007/9/23~24)

使用目的を研究者の自己学習用に限り,その他への転用を禁じる1

1

倫理審査の現状と問題−東京大学の例−

東京大学医学部附属病院

臨床試験部

荒川義弘

CSPOR 第15回がん臨床試験のCRCセミナー2007.9.24 (東京)

2

IRB/IEC(ICH-GCPにおける用語)

• Institutional Review Board (IRB)施設審査委員会

(日本では主に治験審査委員会をさすが、

米国では倫理委員会全体をさす。)

• Independent Ethics Committee (IEC)独立倫理委員会

(施設、地域、国等が設置する倫理委員会)

3

臨床試験の新しい枠組

企業主導の治験 医師主導の治験(新設)

自主臨床試験

承認申請 EBM

(GCP遵守) (「臨床研究に関する倫理指針」遵守、東大病院ではGCP準用)

大規模治験ネットワーク(厚労省・医師会推進)

(GCP遵守)

4

企業主導の治験 医師主導の治験(新設)

自主臨床試験

承認申請 EBM

(GCP遵守) (「臨床研究に関する倫理指針」遵守、東大病院ではGCP準用)

(GCP遵守)

研究開発 最適な医療の供給

個別医療

東大病院

常時約60-80試験

実施中

3試験終了、5試験実施中

約85試験

実施中

臨床試験の新しい枠組エビデンス形成への貢献

5

東大病院の臨床開発パイプライン(抜粋)2007.3.7YA

非臨床 Phase I Phase II Phase III 申請中

神経内科 ゾニサミドパーキンソン病/Wearing off

自主臨床試験

治験 申請中大日本住友製薬

Vitamin K2 肝がん/再発 PIVKA-II自主臨床

試験治験 エーザイ

TSU-68 肝がん/進行治験準備

中大鵬薬品

EPOC型肝炎/IFN+Ribavirin副作用

自主臨床試験

治験準備中

血液腫瘍内科/無菌治療部

Campath-1H (CD52抗体)

HLA不適合血縁者からの造血幹細胞移植/拒絶とGVHD

自主臨床試験

医師主導の治験

虎ノ門、がんセンター、J-CRSU (NPO)

整形外科人工股関節

摩耗・骨吸収共同研究

開発治験

東大工・石原研、JMM

カスタムメイド人工骨

骨欠損等共同研究

開発自主臨床

試験治験準備

理研、東大家畜病院、(株)ネクスト、口外、

トレハロース

癒着防止共同研究

開発

東大家畜病院、(株)ネクスト、産婦人科

関連機関

消化器内科/臨床薬効評価学

治験

ティッシュ・エンジニアリング部

自主臨床試験予定

実施主体試験薬/

機器 対象疾患

開発段階

自主臨床試験を介して治験に進んだものも少なくない。 6

日常診療と臨床研究の分類と審査申請の目安

臨床試験

臨床研究

A+C: (通常診療)B+D: 未承認薬等の臨床使用(緊急避難的治療)

リスクを伴う未承認の治療法

C: (通常診療) 症例報告/市販後調査D: 症例報告

C+D+E:調査研究/観察研究

(有病率、病因・病態解析等)

F: 試験研究/介入研究

A B

CD

診療

E

F

未承認薬等

(原則として)倫理委員会等での検討およびインフォームド・コンセントが必要。C についてもインフォームドコンセントを取得することが望ましい。

治験(目安)

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倫理審査の現状と問題 ~東大病院の例~ (荒川 義弘) 第15回CSPOR・CRCセミナ―(2007/9/23~24)

使用目的を研究者の自己学習用に限り,その他への転用を禁じる2

7

1.臨床試験に関する倫理指針・規制

8

臨床試験

臨床研究

A B

CD

診療

E

F

未承認薬等

治験

日常診療と臨床研究

個人の利益

社会の利益

倫理/法、

ガイドライン

標準治療

研究的治療

臨床試験(実験)

患者

医療サービス受給者

挑戦者

ボランティア

プラセボ対照(治療の機会の喪失)スケジュール治療

多様性/科学の進歩

IC=contract

9

ニュルンベルグ綱領(Nuremberg Code, 1947年)

「許容できる医学実験」の倫理基準( 10項目から抜粋)

・自由意思に基づくインフォームド・コンセントが不可欠であること

・被験者は、いつでも自由に参加を取りやめることができること

・他の方法では得られない社会的利益をもたらすものであること

・動物実験の結果や疾病の知識に基づき計画されていること

・危険性が得られる人道的利益を越えてはならないこと

10

ベルモント・レポートの倫理原則(The Belmont Report, 被験者保護のための

国家委員会, 米国, 1978年)

● 人格の尊重 (Respect of Persons)

・自由意思による同意(強制力の排除)、インフォームド・コンセント、自己決定権

・未成熟者または同意能力を欠く者の保護

● 善行 (Beneficence)

・研究がリスクを最小にするようにデザインされていること

・研究のリスクが、個人または社会に対する潜在的利益によって正当化されること

● 正義(公平・公正) (Justice)

・弱者を便宜的な理由で研究対象として設定しないこと

・研究参加により利益を得る可能性のある者を系統的に排除していないこと

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ヘルシンキ宣言の骨子(世界医師会、1964年、2000年改訂、2002年・2004年補足)

ヒトを対象とする医学研究のより具体的な倫理的原則(32項目)

● 倫理的正当性、科学的妥当性の確保

● 医師の要件と責務:安全性の確保、人権の保護、インフォームドコンセント、弱者の保護、利益相反

● 倫理委員会による審査:審査、委員会による調査、重篤有害事象の報告

● ネガティブな結果もポジティブな結果と同様に公表する。

(http://www.med.or.jp/wma/helsinki02_j.html)

12

<治験>

• 薬事法、省令GCP、薬事法施行規則、各種通知

「GCP運用マニュアル」(「医薬品の臨床試験の実施の基準の運用について」

平成16年7月薬食審査発0722014号、16年9月薬食審査発0916004号にて訂正)

• 答申GCP(1997年)、「ヘルシンキ宣言」(世界医師会、2000年修正)

<自主臨床試験>欧米では実質的にGCPが適用

• 「ヘルシンキ宣言」(世界医師会、2000年修正)

• 「臨床研究に関する倫理指針」(厚労省、2003年)

• 「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」(文科省・厚労省・経産省、2001年)

• 「遺伝子治療臨床研究に関する指針」(文科省・厚労省、2002年)

• 「疫学研究に関する倫理指針」(文科省・厚労省、2002年)

• 「ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針」(厚労省、2007年)

日本における臨床研究に関する規制・指針

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倫理審査の現状と問題 ~東大病院の例~ (荒川 義弘) 第15回CSPOR・CRCセミナ―(2007/9/23~24)

使用目的を研究者の自己学習用に限り,その他への転用を禁じる3

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臨床試験に関する規制

臨床研究に関する倫理指針**

GCP (EU Clinical Trials Directive)

事実上GCP

研究者主導の自主臨床試験

GCPGCP (EU Clinical Trials Directive)

GCP*治験(承認申請のために行う試験)

日本EU米国

**臨床研究に関する倫理指針=ヘルシンキ宣言+個人情報保護法(2003.7)

*GCP: Good Clinical Practice、医薬品等の臨床試験の実施の基準

14

新GCPの骨子

● 倫理性、科学性および信頼性の確保のための具体

的基準

● 臨床試験の準備、管理および実施に関する具体的

内容と手順を標準化

● 依頼者(製薬会社等)、治験審査委員会、医療機関、

治験責任医師の要件と責務を明確化

15

答申GCPの構成

1. 目的

2. 用語の定義

3. 治験の原則

4. 治験審査委員会

5. 医療機関

5-2 医療機関の長の責務

6. 治験責任医師

7. 被験者の選定とインフォームドコンセント

8. 治験依頼者

9. 治験の契約

10. 治験実施契約書

11. 治験薬概要書

(付録)必須文書一覧

「医薬品の臨床試験の実施の基準(GCP)の内容」(平成9年3月13日、中央薬事審議会答申)の目次を示す。答申GCPは、日米EUで合意したICH-GCPをもとに日本の医療環境に合せて作成された。

16

同意説明文書への記載事項同意文書及び説明文書には、少なくとも以下の事項が含まれていなければならない*。

1. 治験が研究を伴うこと。

2. 治験の目的

3. 治験の方法(治験の試験的側面、被験者の選択基準、及び無作為割付が行われる場合

は各処置に割り付けられる確率を含む)

4. 被験者の治験への参加予定期間

5. 治験に参加する予定の被験者数

6. 予期される臨床上の利益及び危険性又は不便。(被験者にとって予期される利益がない

場合には、被験者にその旨を知らせなければならない。)

7. 患者を被験者にする場合には、当該患者に対する他の治療方法の有無及びその治療方

法に関して予測される重要な利益及び危険性

8. 治験に関連する健康被害が発生した場合に被験者が受けることのできる補償及び治療

9. 治験への参加は被験者の自由意思によるものであり、被験者又はその代諾者は、被験

者の治験への参加を随時拒否又は撤回することができること。また拒否・撤回によって

被験者が不利な扱いを受けたり、治験に参加しない場合に受けるべき利益を失うことは

ないこと。

(答申GCP 7-3)

17

同意説明文書への記載事項

10. 治験への参加の継続について被験者又はその代諾者の意思に影響を与える可能性の

ある情報が得られた場合には速やかに被験者又はその代諾者に伝えられること。

11. 治験への参加を中止させる場合の条件又は理由

12. モニター、監査担当者、治験審査委員会及び規制当局が原医療記録を閲覧できること。

その際、被験者の秘密は保全されること。また、同意文書に被験者又はその代諾者が

記名捺印又は署名することによって閲覧を認めたことになること。

13. 治験の結果が公表される場合であっても、被験者の秘密は保全されること。

14. 被験者が費用負担をする必要がある場合にはその内容

15. 被験者に金銭等が支払われる場合にはその内容(支払額算定の取決め等)

16. 治験責任医師又は治験分担医師の氏名、職名及び連絡先

17. 被験者が治験及び被験者の権利に関してさらに情報が欲しい場合又は治験に関連する

健康被害が生じた場合に照会すべき又は連絡をとるべき医療機関の相談窓口

18. 被験者が守るべき事項

*平成18年4月の省令GCPの改正により、治験の適否について審査する治験審査委員会の

種類、設置者の名称・所在地等を記載することとなった。

(答申GCP 7-3)(続)

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2.IRBに関する規制・教育

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倫理審査の現状と問題 ~東大病院の例~ (荒川 義弘) 第15回CSPOR・CRCセミナ―(2007/9/23~24)

使用目的を研究者の自己学習用に限り,その他への転用を禁じる4

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臨床研究に関するIRBへの監視・教育

・臨床研究に関する倫理指針

・ (GCP)

・法律はない・ IND必要・EU Clinical Trials Directive, 2004年5月

・国家研究法(1974年)

・ 45CFR 46/ ・ (21CFR 56,

A part of GCP)

関連規則等

自主運用ありあり研究者やIRB委

員の教育・研修

なし

(GCP調査)あり(Local & Multi-centre RECに対し)

ありIRB活動の監視

なし(審査センター)

COREC (Central Office for Research Ethics Committee)

OHRP (Office of Human Research

Protections) /FDA

監督官庁

日本英国米国

荒川作成

20

3.IRBメンバーの構成とIRBの責務

21

IRBメンバーの構成(治験審査委員会の場合の例)

●構成

• 5名以上の委員

• 医学薬学等専門的知識を有する者以外の者(専門外委員)

• 実施医療機関またはIRBの設置者と利害関係を有しない者(部外者委員)

• (倫理指針:人文・社会科学の有識者、一般の立場を代表する者)

• (倫理指針:男女両性で構成)

●会議の成立要件

• 審議および採決には過半数かつ5名以上の出席

• 専門外委員および部外者委員の出席

●審議および採決に加われない者

• 治験依頼者、自ら治験を実施する者、治験薬提供者と密接な関係を有する者

• 実施医療機関の長、当該治験責任医師・分担医師、当該治験協力者

22

IRBの責務

[真の責務] 被験者(参加者)の権利、安全性と福利を

保護すること

「ヘルシンキ宣言」、「GCP」

●医学の進歩は、ヒトを対象とする試験に一部依存せざるを得ない● 被験者の福利は、科学的・社会的利益よりも優先する

1)倫理的正当性2)科学的妥当性3)信頼性

+4)実施可能性

23

患者(被験者体験者)の意見(2003.12、臨床薬理学会ランチョンセミナーにて)

• 医師との信頼関係に基づき参加

• あくまでもボランティア

• 同意説明文書が極めて難解

• 時間的拘束が大変(サラリーマンにとっては)

• モチベーションを維持するサポートが欲しい

• 情報を提供して欲しい(結果を知りたい。薬の名前も知らない)

• 謝金等は二重登録につながる。

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4.IRBの審議内容(治験審査委員会の例)

新規申請の審査

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倫理審査の現状と問題 ~東大病院の例~ (荒川 義弘) 第15回CSPOR・CRCセミナ―(2007/9/23~24)

使用目的を研究者の自己学習用に限り,その他への転用を禁じる5

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新規申請時の事前提出書類1)治験実施計画書

2)治験薬概要書

3)症例報告書の見本

4)説明文書

5 ) 治験責任医師及び治験分担医師となるべき者の氏名を記載した文書 ( 履 歴書)

6)治験の費用の負担について説明した文書

(被験者への支払いに関する資料を含む)

7)被験者の健康被害の補償について説明した文書

8)その他必要な資料

(医師主導の治験ではさらに次の資料)

9)モニタリングに関する手順書

10)監査に関する計画書及び業務に関する手順書

11)治験薬の管理に関する事項を記載した文書

12)GCPに則り通知を行う旨の文書(施設のSOP)

13)実施医療機関が直接閲覧に応じる旨の文書

14)GCP又は実施計画書に違反した場合は試験を中止できる旨の文書

26

治験薬概要書のチェックポイント

• 治験薬の治療上の期待される位置づけの確認:新規機序か? 期待される効果と安全性は?

• 非臨床試験から懸念される問題点は?:十分な項目が検討されているか? プロトコールに反映されているか?

• 海外での開発状況は? 臨床上の問題点は?:プロトコールや同意説明文書に反映されているか?

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実施計画書のチェックポイント

• ヒトでの有効性・安全性についてどの程度の情報が得られているか?:開発の相は適切か?

• 目的、デザイン、評価項目に整合性があるか?

• リスクを最小にするようにデザインされているか?

1)被験者選択・除外基準は適切か?:基準値の妥当性、入院の

必要性、合併症の有無等

2)休薬期間、対照群における安全性は確保されているか?:

救済処置の有無は? 併用可能薬は?

3)観察・検査頻度は適切か?

• 未成年、同意能力のない患者さんを対象とする場合の妥当性は?

28

実施計画書はどこまで変更可能か

• 検査・観察項目の追加、頻度増加は一般的に可能

• 入院への変更は、有効性等の評価に影響しないかぎり可能

• 除外基準の追加等は、場合により可能(施設バイアスを生じないと判断される範囲内で)

29

同意説明文書のチェックポイント(1)

● インフォームド・コンセントのための十分な情報が与えられているか。

1)従来の治療薬(法)と問題点

2)治験薬の期待される位置づけ。開発段階。

3)方法の説明:プラセボ使用の理由、割付の確率、プラセボ使用でも(極端な)不利とはならないこと、スケジュール、具体的検査項目等

4)治験薬の期待される効果と起こるかも知れない副作用・不快な状態:できるだけ表形式で記載

5)選択肢として十分な「他の治療法」の情報:治験参加に誘導する文章になっていないか

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同意説明文書のチェックポイント(2)

● プライバシーの保護は十分か

● 費用負担や補償の内容に関する記載は適切か:権

利を放棄させるような表現になっていないか

● 対象とする患者にとって理解可能な平易な表現や

文字の大きさか:専門用語を使用する場合は適宜説明を加える

● 代諾者の欄の有無は適当か

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倫理審査の現状と問題 ~東大病院の例~ (荒川 義弘) 第15回CSPOR・CRCセミナ―(2007/9/23~24)

使用目的を研究者の自己学習用に限り,その他への転用を禁じる6

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4.IRBの審議内容

安全性報告の審査

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治験の安全性報告制度

33

ソリブジン事件93. 9. 3 発売開始後わずか1ヶ月で15人の死亡例

93.11.2 製品回収を開始

・フルオロウラシル系抗がん剤との併用により抗がん剤の

作用が増強される

・動物実験でも相互作用が裏付けられていた

・臨床試験で、抗がん剤との併用患者が3例死亡

メーカーは死亡との因果関係を「不明」としていた

・添付文書には、相互作用の欄にのみ「併用により、それらの血中濃度を高め作用を増強するおそれがあるので、併用を避けること」と記載していた

34

CD28抗体(TGN1412)第I相試験事故

• TGN1412, superagonistic CD28 antibody developed by TeGenero Immuno Therapeutics and BoehringerIngelheim in Germany.

• Ph I study, conducted by Parexel at Northwick Hosp, London, on March 13 2006. Resulted in hospitalization of all six healthy volunteers into Critical Care, at least four of whom suffered from major organ failure.

• Discharged from Critical Care early April. Five patients went home within a month and one patients is making a steady recovery (May 25).

• Final report from MHRA (May 25) said that an unexpected biological effects is the most likely cause of the severe reactions.

35

安全性情報の流れ

重篤な有害事象(SAE)

因果関係を問わない

7日/15日(治験)15日/30日(製造販売後)

厚生労働省

因果関係を否定できない

一例報告(直ちに)

依頼者(企業)

治験実施医療機関

責任医師医療機関の長

集積報告(定期)

一例報告

医療機関

医薬品医療機器総合機構病院長

直ちに

直ちに

36

治験における安全性報告に関わる規制<厚生労働省への報告>

● 薬事法第80条の2第6項

治験の依頼をしたものは、当該治験の対象とされる薬物について、当該薬物の副作用によるものと疑われる疾病、障害又は死亡の発生、当該薬物の使用によるもの等が疑われる感染症の発生その他治験の対象とされる薬物の有効性及び安全性に関する事項で厚生症例で定めるものを知ったときは、厚生省令で定めるところにより厚生大臣に報告しなければならない。

注)副作用:因果関係が否定できない有害事象

関連法規:

ICH-E02A(薬審第227号、平成7年3月)

省令GCP第20条、薬事法施行規則第273条(平成9年3月)

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倫理審査の現状と問題 ~東大病院の例~ (荒川 義弘) 第15回CSPOR・CRCセミナ―(2007/9/23~24)

使用目的を研究者の自己学習用に限り,その他への転用を禁じる7

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治験における安全性報告

<重篤な有害事象 (SAE) の定義>

薬事法施行規則(省令29号 平成9年3月27日)第273条

1)死亡/死亡のおそれ

2)入院/入院期間の延長

3)障害/障害につながるおそれ

4)1)〜3)に準じて重篤

5)後世代における先天異常

38

<厚生労働大臣への報告の対象と期間>

薬事法施行規則(省令29号 平成9年3月27日)第273条

●症例報告(副作用・感染症)*未知** 既知**

死亡/死亡のおそれ*** 7日 15日

その他の重篤な副作用*** 15日 1例報告不要

注)*対象:(国内)治験、(海外)治験+製造販売後調査

(医師主導治験で既承認薬の場合は海外症例は不要)

**未知/既知の判断は治験薬概要書記載の有無による。

***関連性が否定できるものは報告不要

●研究報告等

研究報告(有効性、安全性) 15日

措置報告(販売中止等) (海外)15日

治験における安全性報告

39

市販薬および製造販売後臨床試験における安全性報告

<厚生労働大臣への報告の対象と期間>

薬事法施行規則(省令29号 平成9年3月27日)第253条

●症例報告 国内 海外

未知* 既知* 未知* 既知*死亡** 15日 30日 15日 一

死亡の恐れ+重篤な副作用** 15日 30日 15日 一

中等度の副作用*** 30日 一 一 一

重篤な感染症 15日 15日 15日 15日

中等度の感染症*** 30日 一 一 一

注)*未知/既知の判断は添付文書記載の有無による。

**関連性が否定できるものは報告不要

***中等度:重篤でも軽微でもないもの

●措置報告(販売中止等) (海外)15日

研究報告(有効性、安全性) 30日

40

治験における安全性報告に関わる規制<医療機関への報告>

●省令GCP第20条

治験依頼者は、被験薬の品質、有効性及び安全性に関する事項その他治験を適正に行うために必要な情報を収集し、及び検討すると共に、実施医療機関の長に対し、これを提供しなければならない。

2 治験依頼者は、被験薬について法第80条の2第6項に規定する事項を知ったときは、直ちにその旨を治験責任医師及び実施医療機関の長に通知しなければならない。(製造販売後臨床試験では、その試験で発生したもののみ;H17.4施行)

3 治験依頼者は、被験薬の品質、有効性及び安全性に関する事項その他の治験を適正に行うために重要な情報を知ったときは、必要に応じ、治験実施計画書及び治験薬概要書を改訂しなければならない。この場合において、治験実施計画書の改訂について治験責任医師の同意を得なければならない。

41

国内症例外国症例

治験薬市販薬 治験薬

*1):その他の国内・外国の措置/研究報告は、内容に応じて伝達方法を決定する。*2):一変治験時の国内市販品からの症例については、各企業の判断のもと、必要に応じて報告する。

未知・死亡/LT未知・重篤既知・死亡/LT

国内外共に未承認品目

一例報告:直ちに報告する(内容に応じてFax等で第1報を入れ、その後詳細を報告する)

一例報告:情報入手後1ヶ月以内に速やかに報告する

集積報告:3ヶ月に一度集積して報告する

国内治験の継続に影響を及ぼす国内・外国の措置、研究報告*1)

国内又は国外で既承認品目

市販薬*2)

医療機関への安全性情報伝達ルールの案治験の場合(適応拡大を含む)

42

安全性報告の審査のポイント

• 依頼者および治験責任医師の見解が妥当であるかを症例報告をもとに確認する

• 依頼者のサマリーは参考とするが、見解はうのみにしない:利益の衝突の可能性

• 必要ならば、追加情報を求める、施設での実施に対し注意勧告を行う、あるいは中止・中断の措置を講ずる

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倫理審査の現状と問題 ~東大病院の例~ (荒川 義弘) 第15回CSPOR・CRCセミナ―(2007/9/23~24)

使用目的を研究者の自己学習用に限り,その他への転用を禁じる8

43

その他の審議

• 一部変更申請

• 一部変更申請(軽微な変更:迅速審査)

• 実施状況報告(年1回以上、継続審査)

• モニタリング報告・監査報告(医師主導の治験no場合の

み)

• 逸脱報告

• 終了報告

• その他

44

5.IRBの効率的運営

45

• IRB委員は事前に資料を吟味し、疑問点を明らか

にする。可能であれば、回答や情報を入手する(事務局の協力)

→IRBは、判断する場所であって、情報収集の場で

はない。

• 主任審査委員 (primary reviewer) 制度を採用して

いる場合は主任審査委員をプロトコールごとに割当て、IRBでプレゼンテーションする。

IRBの効率的運営(IRBハンドブック、R. J. アムダー編著、2002年より抜粋)

46

6.東大病院の場合

47

医学部倫理委員会と治験審査委員会の機能分担(平成14年4月より実施)

G 治験(GCP適応)

A 薬物治療法

B-1 医療機器

B-2 新規術式

B-3 その他の治療法

C 診断法 (遺伝子変異・多型を除く、遺伝子発現は含む)

D 病態解析 (遺伝子変異・多型を除く、遺伝子発現は含む)

E ヒト遺伝子解析

T 倫理的検討を要する治療

X その他(調査、模擬臨床試験、ヒト組織の研究使用等)

市販後 既に国内で市販されているもの

a 海外で市販されているもの:安全性データあり

b 国内・海外で治験中のもの:安全性データあり

c 過去より、院内製剤等として使用されてきたもの

d 文献等で臨床使用の報告のあるもの

e ヒトへの適応のデータのないもの

安全性のレベル テーマ分類

G A T (薬) T(機器) B-1 B-2 B-3 C D X E安全性の 治験 薬物治療 臨床使用 臨床使用 機器 新規術式 その他の 診断法 病態解析 その他 ヒトゲノム

レベル (GCP) 治療法

市販後 ●EBM

aヒト

ゲノム

倫理

委員会

d

e ●トランスレーショナルリサーチ

治験審査委員会c

倫理委員会

倫理委員会

b ↓治験審査委員会

注:複数の委員会に該当する場合は、原則それぞれの委員会で審査します。

48

6-1.倫理委員会の審査

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倫理審査の現状と問題 ~東大病院の例~ (荒川 義弘) 第15回CSPOR・CRCセミナ―(2007/9/23~24)

使用目的を研究者の自己学習用に限り,その他への転用を禁じる9

49

倫理委員会の審査方法

• 年間約250件を審査

• 2チーム、各毎月1回(8月を除く)

• Primary reviewer制度

主査、副査にて個別審査(ヒアリング)

修正、確認、再提出

委員会にて主査(または副査)が報告、質疑

50

倫理委員会申請に関する審査方法申請

研究協力係

委員長 副委員長

倫理委員会にかける

従来通りの審査

個別審査

合議

委員長が審査委員を2人選任、主査・副査の決定

個別に審査(合同/別個にヒアリング)

両者とも承認

委員長が確認

倫理委員会で報告

承認

両者もしくは1人が再審査を要求

改訂の要求

再審査

両者もしくは1人が承認せず

結論

フォーマットチェック

不承認

内容の一次チェック

再審議

51

附属病院における診療の倫理審査目的:危険度が高いケースにおける診療(検査、手術など)

に際し、その必要性、informed consentの取得など、

その倫理性について第三者が確認することにより診療の密室性を排除し、適切な診療が行われるように支援すること

対象:・既に保険等で一般的に認められている診療(治療)・危険度の高いと考えられるケースにおける待機的診療・患者および家族に必要な事柄(必要性、危険性、代わ

りうる治療法など)が説明され、その内容が文書化されていること

・ Informed consentが文書で得られていること

*東大病院で初めて行われる診療、一般的となっていない診療については倫理委員会で審査

*緊急手術等は主治医の判断で行う 52

附属病院における診療の倫理審査の手順

1. 「附属病院における診療の倫理審査にかかる調書」に必要事項を記入(様式は医学部研究協力係) +説明書+同意書

2. 科長の署名(自筆に限る)

3. 病院長の公印(病院研究協力係)

4. 倫理委員長(または代理)に提出し確認の署名

5. コピーを2部作成

6. 正文を医学部研究協力係に提出

7. コピー1部を倫理委員長、他の1部を病院リスクマネージメント委員会に提出

8. 転帰に関する報告書の提出(フォーマット無し)

53

附属病院における診療の倫理審査にかかる調書

平成 年 月 日

東京大学大学院医学系研究科・医学部

倫 理 委 員 会 委 員 長 殿

申請代表者 印

職・診療科名

連絡先内線 PHS番号

下記の研究(治療)について審議願います。

54

6-2.治験審査委員会の審査

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倫理審査の現状と問題 ~東大病院の例~ (荒川 義弘) 第15回CSPOR・CRCセミナ―(2007/9/23~24)

使用目的を研究者の自己学習用に限り,その他への転用を禁じる10

55

治験審査委員会(Institutional Review Board , IRB)

毎月開催(8月を除く)

56

東大病院での治験の実績

66%168症例51件平成13年度

75%165症例33件平成18年度

75%113症例30件平成17年度

78%289症例39件平成16年度

70%196症例38件平成15年度

66%158症例36件平成14年度

実施率実施症例数各年度終了件数

年度

各年度に終了した治験の実施数

57

抗がん剤の治験の実績

(63%) (20/32)2中途開発中止となった治験

>64% (32/50)5エントリー中の治験

99% (96/97)10エントリー終了した治験

実施率受託件数

平成15年度〜18年度に受託した治験の実績(2007.7.19現在)

主な疾患:肝癌、腎癌、膀胱癌、前立腺癌、骨髄腫58

抗癌剤に関する自主臨床試験の実績

自主臨床試験申請支援件数

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

1 2 3 4 5

件数 系列2

系列1

平成15年度平成14年度 平成16年度 平成17年度 平成18年度

その他の申請

抗癌剤の試験

胃癌、消化管間質腫瘍、卵巣癌・卵管癌

胃癌、大腸癌、

肝癌、尿路上皮腫瘍、精巣腫瘍、白血病

大腸癌2件、肝癌2件、濾胞性リンパ腫、星細胞腫

大腸癌3件、膵癌3件、胆道癌、子宮頸癌、

白血病2件

胃癌2件、肝癌、膵癌2件、胆道癌3件、

卵巣癌・卵管癌、前立腺癌、デスモイド腫瘍、白血病4件

59

自主臨床試験56件の内訳(平成14年4月〜16年7月)

2831

35

17

3

10

17

3

15

3

22

22

1

17

0

10

20

30

40

50

60

試験デザイン 施設数 薬物のタイプ 症例数

分類

試験

RCT

クロスオーバー

用量反応

単群

単施設

(東大のみ)

多施設

(東大主導)

多施設

(他学主導)

適応内

適応外

未承認

≧100

≧40

<40

診断薬

60

6-3.臨床試験部によるIRBへの申請・審査支援

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倫理審査の現状と問題 ~東大病院の例~ (荒川 義弘) 第15回CSPOR・CRCセミナ―(2007/9/23~24)

使用目的を研究者の自己学習用に限り,その他への転用を禁じる11

61

6-3-1.治験の場合

62

治験審査委員会 (IRB

事務部門

事務職員3人

治験薬・情報管理部門

薬剤師3人

コーディネーター部門

看護師5人、薬剤師4人

臨床心理士(パート)1人

コンサルテーション部門

助手(医師)1人

臨床試験部副部長

臨床試験部長(併任)

病院長

審査支援業務

(2007.6.26)

東大病院臨床試験部

IRB事務局、治験事務局

63

各部門の業務

治験薬・情報管理部門(内線35314)

治験薬(試験薬)の管理・調剤併用薬の確認・服薬指導

治験薬(試験薬)処方せんの発行安全性情報の一次評価・管理

ホームページ・データベースの管理実施率等進捗管理など

事務部門(内線35313)

治験審査委員会開催準備各種申請の案内・受付/通知文書の作成・発送

必須文書の保管被験者負担軽減費の取りまとめ

モニタリング・監査の日程調整と準備その他連絡調整等の事務業務

コンサルテーション部門(内線35317,35318)

自主臨床試験のプロトコール等の作成支援未承認薬等の臨床使用における申請支援

試験薬のコード化セミナー・講習会の企画

その他コンサルテーション業務

コーディネータ部門(内線35315)

被験者ケア・治験相談窓口対応スタートアップミーティングの開催

他部門との調整同意説明補助

被験者スケジュール管理症例報告書作成支援

モニタリング・監査対応など

(審査支援業務は全体で実施)

64

東大病院におけるコンサルテーション/審査支援体制

申請

・治験審査委員

(非専門・部外者委員を含む)

・試験責任医師

(2日前に指摘事項フィードバック)

・依頼者(待機)

ピアレビュー報告書+ Q&A

・専門領域の登録医師、登録薬剤師等

・臨床試験部担当者(教官、薬剤師、CRC)

・依頼者

・臨床試験部コンサルテーション部門担当者

・外部専門家(紹介)

・申請者

治験の申請者

・治験責任医師

・依頼者(製薬会社等)

自主臨床試験の申請者

・試験責任医師

ガイダンス指針・手引き申請書類提出

臨床評価 30 (2,3), 303-309 (2003)

2週前

治験審査委員会(毎月開催)↑

事前書類審査

ピアレビュー会議(随時開催)

コンサルテーション(随時)

品質の向上審査申請支援

実施計画書等の作成支援

65

薬剤部 1名看護部 1名

開発担当者 2〜3名

臨床試験部スタッフ部長、副部長プロトコール説明会担当者担当CRC

プロトコール説明会(随時開催)

治験におけるプロトコール説明会

1)専門領域からの問題点→Q&AとしてIRBへ報告2)実施上の問題点

責任(分担)医師

66

ピアレビュー会議

抗がん剤に関する治験の場合Cancer Boardへの申請(H18.8)

ピアレビュー申請書類提出

本申請書類提出

参加者:治験依頼者、ピアレビュー登録医師、CB代表者、

臨床試験部

約10日

Q&A + 報告書作成

治験審査委員会

当該領域CB

15日

約9日

• ピアレビューの主目的は、専門領域の問題点と実施上の問題点を検討し、依頼者に必用なアドバイスをすること、および円滑で充実したな審査を支援するために治験審査委員会に情報提供することである。

• 治験の場合は、すでに治験依頼者および医薬品医療機器総合機構で検討を重ねてきていることから、実施計画書の大幅な修正は事実上困難であることが多い。

• 抗がん剤の治験の場合は、専門領域のピアレビュー登録医師に加えて、当該領域CBから代表1ないし2名の参加を臨床試験部から依頼する。

(2006.6.26)

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倫理審査の現状と問題 ~東大病院の例~ (荒川 義弘) 第15回CSPOR・CRCセミナ―(2007/9/23~24)

使用目的を研究者の自己学習用に限り,その他への転用を禁じる12

67

治験の申請資料 <企業主導の治験の場合>

(1) 治験受委託申請書および治験の概要を記した文書

(2) 治験分担医師・治験協力者リスト

(3) 治験責任医師および治験分担医師の履歴書

および責任医師および分担医師全員の利益相反自己申告書

(4) 治験実施計画書

(5) 症例報告書の見本

(6) 最新の治験薬概要書

(7) 説明文書および同意文書

(8) 被験者の健康被害に対する補償の内容

(9) 被験者への支払いに関する資料(支払いがある場合)

(10)被験者の募集手順(広告等)に関する資料(募集する場合)

(11)予定される治験費用に関する資料(受託研究申込書および経費算定に関

する資料)

68

IRB委員等へのハンドアウト

• プロトコール説明会報告書+Q&A

• 申請書(治験の相、予定症例数、分担医師等)

• 治験の概要を記した書類(治験薬の概要、実施計画の概要)

• 同意説明文書案

69

新規IRB委員へのガイダンス

• 規則集、「医師のための治験ハンドブック」配布

• 事務局によるガイダンス

1)治験、自主臨床試験、GCPについて

2)審議内容について

3)書類審査の要領

70

6-3-2.自主臨床試験の場合

71

質の高い臨床試験の支援方針

開発のStage

コンサルテーション(自助努力)

実施支援

エビデンスの形成

→ICH-GCP(世界標準のガイドライン)の準用東大病院

品質

のレ

ベル

説明

同意

デー

タマネ

ジメ

ント

品質

保証

基礎研究 非臨床試験 探索的

臨床試験

検証的

臨床試験

申請・

承認

JCOG

EBM EBM

EBMTR

製造販売後臨床試験

適応拡大(治験)

TRTR

高上班

治験(ICH=GCP) 製造販売後臨床試験適応拡大 (ICH-GCP)

製造販売後調査

72

自主臨床試験等の指針、手順書、手引き

1.自主臨床試験および未承認薬等の臨床使用の指針

2.同 手順書

3.同 様式

4.自主臨床試験の実施計画書作成の手引き

5.自主臨床試験等の同意説明文書作成の手引き

6.医師主導の治験ならびに自主臨床試験等における患者の費用負担の取扱い要領

Fileは臨床試験部ホームページからダウンロードできます。http://www.crc.h.u-tokyo.ac.jp/index.html

東大病院

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倫理審査の現状と問題 ~東大病院の例~ (荒川 義弘) 第15回CSPOR・CRCセミナ―(2007/9/23~24)

使用目的を研究者の自己学習用に限り,その他への転用を禁じる13

73

自主臨床試験の実施計画書作成の手引き

Ver.1.4.2 平成14年12月19日東京大学医学部附属病院 治験審査委員会・臨床試験部

<表紙><表紙裏等><目次><概要>

<本文>

標題: 自主臨床試験:「○○○の△△△に対する□□□試験」試験実施計画書

1.試験の背景

2.試験の目的と必要性

3.試験薬の概要

4.対象患者(1)選択基準(2)除外基準

5.被験者に説明し同意を得る方法74

6.試験の方法(1)試験の種類・デザイン(2)試験のアウトライン(試験のフローチャート参照)(3)被験者の試験参加予定期間(4)試験薬の用法・用量、投与期間(5)試験薬の剤形・含有量、性状、包装、表示、貯法(6)併用薬(療法)に関する規定(7)休薬の方法(8)試験薬の管理・交付手順(9)服薬指導情報(10)症例登録、割付方法

7.評価項目

8.観察および検査項目

9.中止基準

10.有害事象発生時の取扱(1)有害事象発生時の被験者への対応(2)重篤な有害事象の報告(3)重要な有害事象の報告(4)その他の有害事象

11.実施計画書からの逸脱の報告

12.試験の終了、中止、中断

75

13.試験実施期間

14.データの集計および統計解析方法

15.目標症例数および設定根拠

16.被験者の人権および安全性・不利益に対する配慮(1)人権への配慮(プライバシーの保護)(2)安全性・不利益への配慮

17.患者の費用負担

18.健康被害の補償および保険への加入(1)健康被害の補償(2)賠償保険への加入

19.GCP及びヘルシンキ宣言への対応

20.記録の保存

21.研究結果の公表

22.研究組織

23.研究資金および利益の衝突

24.実施計画書等の変更

25.参考資料・文献リスト 76

自主臨床試験等の同意説明文書作成の手引き

・GCPに準じて17項目を記載、テンプレートとして使用可能

1)はじめに:自主臨床試験について、研究の資金源等について2)この試験の目的3)この試験の方法4)この試験の予定参加期間5)この試験への予定参加人数6)この試験薬の予想される効果と起こるかもしれない副作用7)この薬を使用しない場合の、他の治療方法8)この試験中に、あなたの健康に被害が生じた場合について9)この試験への参加は、患者さんの自由意思によるものです10)この薬に関する情報は、随時ご連絡します11)この薬の使用を中止させていただく場合があります12)この試験に参加された場合、あなたのカルテなどが調査されることがあります13)この試験結果が公表される場合でも、あなたの身元が明らかになることはありません14)この試験への参加に同意された場合に守っていただくこと15)あなたの費用負担について16)担当医師について17)相談窓口について

77

自主臨床試験の申請資料

(1) 自主臨床試験および未承認薬等の臨床使用申請書(様式第2号)

(2) 自主臨床試験分担医師・分担研究者・協力者リスト(様式第3号)

分担医師に大学院生または医員を加える場合:診療科(部)長の推薦書(様式第3号添付資料)

(3) 試験の実施に係る医師の履歴書(様式第4号)

および責任医師の利益相反自己申告書

(受託・共同研究契約を結ぶ場合は分担医師も提出)

(4) 自主臨床試験実施計画書(未承認薬等の臨床使用では不要)

「自主臨床試験の実施計画書作成の手引き」を基に作成する。

(5) 症例報告書の見本(必須ではない。未承認薬等の臨床使用では不要)

(6) 説明文書および同意文書「自主臨床試験等の同意説明文書作成の手引き」を基に作成する。

(7) 添付文書(市販薬の場合)

(8) キーとなる文献1ないし2

78

ガイダンス(臨床試験部にて実施)

コンサルテーション(臨床試験部にて実施)

**コンサルテーションは数回実施することがある。また、必要であれば再度CBで議論して頂く。

治験審査委員会

申請書類提出

15日

(1w以上)**

1w以上

・指針・手引き・申請書類に関するガイダンス・試験デザインに関する簡単なコンサルテーション

(実施計画書等申請書類作成→CB開催申請)*

(書類修正→コンサルテーション申込)

試験実施の妥当性、患者選択や治療計画の概略の妥当性を検討する。

当該領域CB

(2006.6.26)

・領域CBでは、実施計画書*を基に、試験の概略について検討する(試験実施の妥当性、対象患者および治療計画の概略の妥当性等)。*実施計画書が未完成で、急を要する場合はNCIのLetter of Intent (http://ctep.cancer.gov/forms/Appendices.pdf, Appendix VI) 程度の情報があれば可とする。

・臨床試験部では申請書、実施計画書、同意説明文書およびその他の書類について、実施上のアドバイスを含めた総合的なコンサルテーションを実施し、試験の品質の向上を図る。

抗がん剤に関する自主臨床試験の場合Cancer Boardへの申請(H18.8)

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倫理審査の現状と問題 ~東大病院の例~ (荒川 義弘) 第15回CSPOR・CRCセミナ―(2007/9/23~24)

使用目的を研究者の自己学習用に限り,その他への転用を禁じる14

79

● 実施支援 (自主臨床試験では部分対応)

・被験者対応:同意説明補助、スケジュール管理・治験薬(試験薬)管理・調剤・服薬指導・被験者、担当医師、依頼者、薬剤部、検査部、

医事課等院内関連部署との調整・症例報告書記入・モニタリング・監査・GCP調査対応

・患者負担軽減費支払い手続● 実施状況管理

・同意書回収・重篤な有害事象報告、新たな安全性報告・逸脱報告・一部変更報告・実施状況報告・終了・中止報告

● 記録の保管

専任スタッフによる臨床試験の実施の支援

実施時

臨床試験部

各診療科

放射線部

薬剤部

検査部

看護部

医療情報部

事務部

患者様依頼者

(製薬企業)

80

臨床試験開始後のIRB への報告(治験、自主臨床試験共通)

1. 重篤な有害事象の報告書

2. 新たな安全性情報の報告書(有効性・安全性に関する重要な情報が得られた

場合)

3. 実施計画書からの逸脱に関する報告書

4. 一部変更申請書

5. 実施状況報告書(原則年1回、1月)

6. 終了(中止・中断)報告書

7. モニタリング・監査報告書(医師主導の治験の場合のみ)

81

7.セミナーの開催

82

• 公開講座「臨床研究方法論」・東大病院臨床試験データ管理学講座主催

・対象:学内外の臨床研究者・学生

• 公開セミナー「東大病院臨床試験セミナー」・臨床試験部主催(年1回)

・対象:学内外の治験・臨床試験関係者

・内容:臨床試験に関連するトピックス

• 講習会「東大研究倫理セミナー」・倫理関連3委員会共催(年3〜4回、必修:2年に1回)

・対象:東大医学部・附属病院内の全臨床研究者

・内容:生命倫理、規則・指針、手続き、個人情報管理、事例

公開講座・セミナーの開催

83

8.臨床試験の登録と公開

84

臨床試験の登録と公開

<医学雑誌編集者国際委員会(ICMJE)の声明>(H16.9)• H17年7月以降に開始する臨床試験は予め公的サイトに登録・公開しないと投稿

を受け付けない。

• すでに開始した臨床試験はH17年9月13日までに登録する。

<国際製薬団体連合会(IFPMA)の声明>(H17.1)• 探索的試験を除くすべての臨床試験の結果・重要な知見の公開

• 公開時期は、少なくとも1国で承認され、販売された場合に原則1年以内

• 登録開始時期はICMJEに同じ

臨床試験の実施と報告の透明性の確保.Accessの改善

大手製薬会社によるネガティブな治験結果の隠蔽が契機

登録サイト候補1)NIH: Clinicaltrials.com:ID番号の発行2)UMIN: UMIN-CTR:H17.6登録開始3)JAPIC: 治験のみ、H17.7登録開始

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使用目的を研究者の自己学習用に限り,その他への転用を禁じる15

85

出版バイアス

・ネガティブな結果が公表されない。

→ポジティブなデータばかり発表される。

無駄な臨床試験が繰り返される。不利なデータが隠ぺいされる。

事例:パロキセチン/小児うつ病患者の自殺企図増加グラクソ・スミスクライン社がデータを隠匿

臨床試験の事前登録と結果の公開への動きが一気に加速

86

Page 2B

Spitzer says Glaxo withheld Paxil info Drug linked to suicide risk in kids

By Kathleen Fackelmann

USA TODAY

A leading drug company withheld information and misled doctors about the safety of treating kids with Paxil, a widely used antidepressant, says a lawsuit filed Wednesday by the New York state attorney general's office.

The lawsuit, filed in the New York State Supreme Court in Manhattan, charged London-based Glaxo-SmithKline with fraud for its failure to disclose crucial findings that suggested Paxil didn't work well on kids and could potentially trigger suicidal thoughts.

2004. 6. 3

87

Vol. 292 No.11, September 15, 2004Editorial

Clinical Trial Registration

A Statement From the International Committee of Medical Journal Editors

Author Affiliations: Dr DeAngelis is editor-in-chief, JAMA; Dr Drazen is editor-in-chief, New England Journal of Medicine; Prof Frizelle is editor, The New Zealand Medical Journal; Dr Haug is editor-in-chief, Norwegian Medical Journal; Dr Hoey is editor, CMAJ; Dr Horton is editor, The Lancet; Mr Kotzin is executive editor, MEDLINE; Dr Laine is senior deputy editor, Annals of Internal Medicine; Dr Marusic is editor, Croatian Medical Journal; Dr Overbeke is executive editor, Nederlands Tijdschrift voorGeneeskunde (Dutch Journal of Medicine); Dr Schroeder is editor, Journal of the Danish Medical Association; Dr Sox is editor, Annals of Internal Medicine; and Dr Van Der Weyden is editor, The Medical Journal of Australia. 88

9.臨床研究における諸問題

89

補助金の二重受給と同意説明文書への資金源の無記載

左記の記事での指摘

1)財団からの助成を科研費申請時に記載せず

2)説明文書に資金源を記載せず(倫理指針不遵守)

アスピリンの一次予防効果の研究

90

アスピリンの1次予防効果の研究:

混合診療に関する国会答弁

<国会質問の趣意>

適応外使用の(無償提供の)医薬品を保険診療と併用するのは、混合診療に当たるのではないか。

●今回の研究については、

1)薬が無償提供され、患者負担がない。

2)他の効能で承認されている。

3)海外で1次予防効果を認めている国があり、特殊な療法とは言えない。

などを理由に混合診療に当たらない。

●保険の併用を全般に認めるわけではなく、個別事例で判断する。

朝日新聞2007.6.23

<政府答弁>

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倫理審査の現状と問題 ~東大病院の例~ (荒川 義弘) 第15回CSPOR・CRCセミナ―(2007/9/23~24)

使用目的を研究者の自己学習用に限り,その他への転用を禁じる16

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臨床研究における制度的問題点

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臨床研究の認知

臨床試験の質が保証されないGCP等の適応なし

(治験はGCP適用)

問題点現行法律等

明確な基準がない。告知・宣誓ではない。臨床研究の立案者が直接実施者になれない場合がある

一部施行(自己申告、非開示)

(医療機関等における利益相反規程)

未承認薬等の臨床研究が困難(自由診療では実施可能)

混合診療の禁止健康保険法

診療情報の研究等への利用の手順が煩雑。疫学研究が困難

同意なき目的外使用禁止

個人情報保護法

安全確保の法的裏付け無し

補償の制度無し

倫理指針(告示)はある

(被験者保護法)ない

臨床研究の試験薬の調達困難

(個人輸入、院内製剤は可能)

試験薬の品質が研究者任せ(ただし、遺伝子治療とヒト幹細胞由来細胞治療は指針がある)

未承認薬・機器の製造・販売・授与の禁止、

� GMP、GLPの適用なし

薬事法

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臨床研究における制度的問題点

自己開示・宣誓、モニタリン

グ実施

一定の条件下で認可(国または

第三者認証制度)

ガイドライン整備

試験・IRBの登

録、補償制度

ICH-GCPの準

一定の条件下で認可(国または

第三者認証制度)

解決策

臨床試験の質が保証されないGCP等の適応なし

(治験はGCP適用)

問題点現行法律等

明確な基準がない。告知・宣誓ではない。臨床研究の立案者が直接実施者になれない場合がある

一部施行(自己申告、非開示)

(医療機関等における利益相反規程)

未承認薬等の臨床研究が困難(自由診療では実施可能)

混合診療の禁止健康保険法

診療情報の研究等への利用の手順が煩雑。疫学研究が困難

同意なき目的外使用禁止

個人情報保護法

安全確保の法的裏付け無し

補償の制度無し

倫理指針(告示)はある

(被験者保護法)ない

臨床研究の試験薬の調達困難

(個人輸入、院内製剤は可能)

試験薬の品質が研究者任せ(ただし、遺伝子治療とヒト幹細胞由来細胞治療は指針がある)

未承認薬・機器の製造・販売・授与の禁止、

� GMP、GLPの適用なし

薬事法

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臨床研究のガイドライン等の整備と振興策

<ガイドライン、規制> 現状では倫理委員会等のレベルに依存

• 倫理委員会の教育、認可、監査、専門家の諮問制度の取り入れ

• 未承認薬・適応外医薬品の試験の届出・認証制、薬事法認知

• GLPとGMP、GTPのリスクに応じた弾力的運用

• ICH-GCPの準用

• 研究費補助金へのガイドライン遵守義務付帯

<振興策>

• 健康被害の補償制度の整備

• 保険外併用療法制度の適用

• 臨床研究費の増額

• 産官学の人事交流の促進策