30...

23
30 30 5.水質

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Page 1: 30 30...T-N、Chl-aは、経年的に横這い傾向であり、著しい水質変化は見られない。CODは平成15年、16年において、T-Pは平成15年以降若干上昇する傾向がみられる。COD

30 30

5.水質

Page 2: 30 30...T-N、Chl-aは、経年的に横這い傾向であり、著しい水質変化は見られない。CODは平成15年、16年において、T-Pは平成15年以降若干上昇する傾向がみられる。COD

31 31水質1 環境基準類型指定状況

二風谷ダムは、沙流川の下流域に位置する。貯水池流入端を境とし、上流は河川A類型に、貯水池を含む下流は河川B類型に指定されている。

Page 3: 30 30...T-N、Chl-aは、経年的に横這い傾向であり、著しい水質変化は見られない。CODは平成15年、16年において、T-Pは平成15年以降若干上昇する傾向がみられる。COD

32 32水質2 定期水質調査地点

二風谷ダムでは、流入河川2地点、貯水池内3地点、下流河川1地点で定期水質調査を実施している。

凡 例

定期調査地点

長知内橋(S43~継続中)

幌毛志(H8~H22)

貫気別(H8~継続中)

貯水池上流(H8~継続中)

湖心(H8~継続中)

ダムサイト(H8~継続中)

放水口(H8~継続中)

Page 4: 30 30...T-N、Chl-aは、経年的に横這い傾向であり、著しい水質変化は見られない。CODは平成15年、16年において、T-Pは平成15年以降若干上昇する傾向がみられる。COD

33 33水質調査状況

二風谷ダムでは、生活環境項目、富栄養化項目等について、概ね月1回を基本として年調査を実施している。

健康項目については、ダムサイトにおいて年2回調査を実施している。

◆定期水質調査頻度の概要

水質3

内容

調査地点 流入河川 幌毛志※、長知内橋、貫気別

貯水池 ダムサイト、湖心、貯水池上流

下流河川 放水口

調査頻度 月1回 (3月または12月を除く10又は11回)

※貯水池内では上層(0.5m)、中層(1/2水深)、下層(底上1.0m)での採水

調査項目 生活環境項目

富栄養化関連項目

健康項目(年2回)・・・ダムサイト

計器観測(水温、濁度、DO等)・・・貯水池(多水深)

植物プランクトン・・・貯水池

その他(糞便性大腸菌群数 等)

※幌毛志の定期水質調査はH22年まで実施されていたが、H23年以降、長知内橋と統合となった。

Page 5: 30 30...T-N、Chl-aは、経年的に横這い傾向であり、著しい水質変化は見られない。CODは平成15年、16年において、T-Pは平成15年以降若干上昇する傾向がみられる。COD

34 34水質4

水温年平均値

SS年平均値

DO年平均値

流入河川及び下流河川の水質(経年)流入・下流河川とも、水温、BOD、DOは、経年的に横這い傾向である。SSは平成14年から平成19年にかけて高い値が継続しているが、平成20年以降は、平成23

年を除き、平成13年以前の水質レベルとなっている。

BOD年75%値

0

5

10

15

H08 H09 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

水温

(℃

水温

1

10

100

1000

H08 H09 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

SS

(m

g/L)

SS

0

1

2

3

4

H08 H09 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

BO

D(m

g/L)

BOD

河川B類型環境基準値 3mg/L以下

河川A類型環境基準値 2mg/L以下

0

5

10

15

20

H08 H09 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

DO

(m

g/L)

DO

河川B類型環境基準値 5mg/L以上

河川A類型環境基準値7.5mg/L以上

幌毛志 長知内橋 貫気別 放水口

Page 6: 30 30...T-N、Chl-aは、経年的に横這い傾向であり、著しい水質変化は見られない。CODは平成15年、16年において、T-Pは平成15年以降若干上昇する傾向がみられる。COD

35 35流入河川及び下流河川の水質(経年)

流入・下流河川とも、COD、T-Pは、平成15年から平成19年にかけて高い値が継続しているが、平成20年以降は、平成23年を除き、平成13年以前の水質レベルとなっている。T-N及びChl-aは、横這い傾向であり、著しい水質変化はない。

水質5

COD年75%値

T-N年平均値

Chl-a年平均値

T-P年平均値

0

2

4

6

8

10

H08 H09 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

CO

D(m

g/L)

COD

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

H08 H09 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

T-N

(m

g/L)

T-N

0.00

0.10

0.20

0.30

0.40

0.50

H08 H09 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

T-P

(m

g/L)

T-P

0

5

10

15

20

H08 H09 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

Chl-

a(μ

g/L)

Chl-a

幌毛志 長知内橋 貫気別 放水口

Page 7: 30 30...T-N、Chl-aは、経年的に横這い傾向であり、著しい水質変化は見られない。CODは平成15年、16年において、T-Pは平成15年以降若干上昇する傾向がみられる。COD

36 36水質6 流入河川及び下流河川の水質(経月)流入河川と下流河川の水温は、同程度でほとんど水温差はない。SSは流入河川の貫気別(額平川)で高い傾向にあり、特に平成14年から平成19年までその傾向が著しいもの

の、平成20年以降は平成23年4月を除き、平成13年以前の水質レベルとなっている。流入・放流量が大きい月で、流入・下流河川のSSが高くなる傾向がみられ、下流河川に比べ流入河川が高い

傾向にある。

水温

SS

0

5

10

15

20

25

30

H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

水温

(℃

水温

0

200

400

600

800

1000

H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

SS

(m

g/L)

SS

河川A類型、B類型環境基準値25mg/L以下

23501540 1580 1480 3050

0

10

20

30

40

50

0

50

100

150

200

250

300

H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

貯水

位(E

L.m

)

流量

(m3/s)

流入量 放流量 貯水位

幌毛志(流入河川) 長知内橋(流入河川) 貫気別(流入河川) 放水口(下流河川) 環境基準値

Page 8: 30 30...T-N、Chl-aは、経年的に横這い傾向であり、著しい水質変化は見られない。CODは平成15年、16年において、T-Pは平成15年以降若干上昇する傾向がみられる。COD

37 37水質7

流入・下流河川とも、BOD及びChl-aは、低い値で変動している。CODは、下流河川に比べ流入河川が高い傾向にある。SSと類似した変動を示しており、濁

質に起因するものと考えられる。

流入河川及び下流河川の水質(経月)

BOD

COD

Chl-a

※長知内橋のBODは、検出限界0.5mg/L以下を0.5mg/Lとして示す。

0

1

2

3

H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

BO

D(m

g/L)

BOD 河川B類型環境基準値 3mg/L以下

河川A類型環境基準値 2mg/L以下

幌毛志(流入河川) 長知内橋(流入河川) 貫気別(流入河川) 放水口(下流河川) 環境基準値

0

2

4

6

8

10

H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

CO

D(m

g/L)

COD15.5 10.7 12.1 16.1 24.9 10.3 10.1

12.516.316.9

44.2

0

5

10

15

20

H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

Chl-

a(μ

g/L)

Chl-a

Page 9: 30 30...T-N、Chl-aは、経年的に横這い傾向であり、著しい水質変化は見られない。CODは平成15年、16年において、T-Pは平成15年以降若干上昇する傾向がみられる。COD

38 38水質8

T-N及びT-Pは、SS及びCODと同様に下流河川に比べ、流入河川の貫気別(額平川)で高い傾向がみられており、濁質に起因するものと考えられる。DOは、流入・下流河川ともに、環境基準値を満足し季節変動している。

流入河川及び下流河川の水質(経月)

T-N

T-P

DO

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

T-N

(m

g/L)

T-N 1.46 1.01 2.98

0.000.050.100.150.200.250.300.350.40

H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

T-P

(m

g/L)

T-P0.766 0.879~0.410 0.588 0.988 1.66 0.553

0.4211.77

0

5

10

15

20

H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

DO

(m

g/L)

DO

河川B類型環境基準値 5mg/L以上

河川A類型環境基準値 7.5mg/L以上

幌毛志(流入河川) 長知内橋(流入河川) 貫気別(流入河川) 放水口(下流河川) 環境基準値

Page 10: 30 30...T-N、Chl-aは、経年的に横這い傾向であり、著しい水質変化は見られない。CODは平成15年、16年において、T-Pは平成15年以降若干上昇する傾向がみられる。COD

39 39水質9 貯水池上層(ダムサイト)の水質(経年)

水温、BOD、DOは経年的に横這い傾向であり、著しい水質変化は見られないSSは、平成15年以降、環境基準値を超える傾向が見られており、流入河川の濁質増加傾向

の影響を受けていると考えられる。

水温年平均値

SS年平均値

DO年平均値

BOD年75%値

5

10

15

H08 H09 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

水温

1

10

100

1000

H08 H09 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

SS

0

1

2

3

4

H08 H09 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

BOD

0

5

10

15

20

H08 H09 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

DO

河川B類型環境基準値 25mg/L以下

河川B類型環境基準値 3mg/L以下

河川B類型環境基準値 5mg/L以上

平均値 75%値

Page 11: 30 30...T-N、Chl-aは、経年的に横這い傾向であり、著しい水質変化は見られない。CODは平成15年、16年において、T-Pは平成15年以降若干上昇する傾向がみられる。COD

40 40水質10 貯水池上層(ダムサイト)の水質(経年)

T-N、Chl-aは、経年的に横這い傾向であり、著しい水質変化は見られない。CODは平成15年、16年において、T-Pは平成15年以降若干上昇する傾向がみられる。

COD年75%値

T-N年平均値

Chl-a年平均値

T-P年平均値

0

2

4

6

8

10

H08 H09 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

COD

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

H08 H09 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

T-N

0.00

0.05

0.10

0.15

0.20

H08 H09 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

T-P

0

2

4

6

8

10

H08 H09 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

Chl-a

平均値 75%値

Page 12: 30 30...T-N、Chl-aは、経年的に横這い傾向であり、著しい水質変化は見られない。CODは平成15年、16年において、T-Pは平成15年以降若干上昇する傾向がみられる。COD

41 41水質11 貯水池(ダムサイト)の水質(経月)

水温、SSとも、上層、中層、下層の変動は類似しており水温躍層は形成されていない。SSは、平成15年8月以降、環境基準値を超過する頻度が多い傾向にある。また、流入・放

流量が大きい月で、貯水池内のSSが高くなる傾向がみられる。

水温

SS

0

5

10

15

20

25

30

H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

水温

(℃

水温

0

100

200

300

400

H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

SS

(m

g/L)

SS

河川B類型環境基準値 25mg/L以下

0

10

20

30

40

50

0

50

100

150

200

250

300

H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

貯水

位(E

L.m

)

流量

(m3/s)

流入量 放流量 貯水位

上層 中層 下層

Page 13: 30 30...T-N、Chl-aは、経年的に横這い傾向であり、著しい水質変化は見られない。CODは平成15年、16年において、T-Pは平成15年以降若干上昇する傾向がみられる。COD

42 42水質12 貯水池(ダムサイト)の水質(経月)

BOD、Chl-aは、上層の値が中層、下層よりもわずかに高くなる場合もみられるが、低い値で変動しているが、平成22年以降、上層、中層、下層で観測値の差はみられなくなっている。CODは、SSの変動と類似する。

BOD

COD

Chl-a

0

1

2

3

H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

BO

D(m

g/L)

BOD

河川B類型環境基準値 3mg/L以下

0

2

4

6

8

10

H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

CO

D(m

g/L)

COD

0

5

10

15

20

H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

Chl-

a(μ

g/L)

Chl-a

上層 中層 下層

Page 14: 30 30...T-N、Chl-aは、経年的に横這い傾向であり、著しい水質変化は見られない。CODは平成15年、16年において、T-Pは平成15年以降若干上昇する傾向がみられる。COD

43 43水質13

ダムサイトでは、T-N、T-P、DOとも、上層、中層、下層の大きな違いは見られない。T-Pの挙動は、SSと概ね一致しており、平成15年8月以降に値が高くなる頻度が多くなっている。DOは環境基準値を上回っており貧酸素化していない。

貯水池(ダムサイト)の水質(経月)

T-N

T-P

DO

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

T-N

(m

g/L)

T-N

0.00

0.10

0.20

0.30

0.40

0.50

H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

T-P

(m

g/L)

T-P

0

5

10

15

20

H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

DO

(m

g/L)

DO

河川B類型環境基準値 5mg/L以上

上層 中層 下層

Page 15: 30 30...T-N、Chl-aは、経年的に横這い傾向であり、著しい水質変化は見られない。CODは平成15年、16年において、T-Pは平成15年以降若干上昇する傾向がみられる。COD

44 44貯水池(ダムサイト)の水質鉛直分布水質14

水温は、年間を通じて、表層から下層までほぼ一様であり、ほとんど水温躍層を形成しない。これは貯水池の水深が浅く、回転率が高いためと考えられる。

濁度は、高い値を示すときには、全層で高くなる傾向がみられている。

水温

濁度

1月 2月 4月 5月 6月 7月

8月 9月 10月 11月 12月

H21 H22 H23 H24 H25

H21 H22 H23 H24 H25

30

35

40

45

50

0 5 10 15 20 25 30

標高

(EL.m)

(℃)

水温

30

35

40

45

50

0 5 10 15 20 25 30

標高

(EL.m)

(℃)

水温

30

35

40

45

50

0 5 10 15 20 25 30

標高

(EL.m)

(℃)

水温

30

35

40

45

50

0 5 10 15 20 25 30

標高

(EL.m)

(℃)

水温

30

35

40

45

50

0 5 10 15 20 25 30

標高

(EL.m)

(℃)

水温

30

35

40

45

50

0 50 100 150 200

標高

(EL.m)

(度)

濁度

30

35

40

45

50

0 50 100 150 200

標高

(EL.m)

(度)

濁度

30

35

40

45

50

0 50 100 150 200

標高

(EL.m)

(度)

濁度

30

35

40

45

50

0 50 100 150 200

標高

(EL.m)

(度)

濁度

30

35

40

45

50

0 50 100 150 200

標高

(EL.m)

(度)

濁度

※平成22年8月の出水により、湖内の水深が浅くなっている。

Page 16: 30 30...T-N、Chl-aは、経年的に横這い傾向であり、著しい水質変化は見られない。CODは平成15年、16年において、T-Pは平成15年以降若干上昇する傾向がみられる。COD

45 45大腸菌群数及び糞便性大腸菌群数水質15

大腸菌群数は、いずれの地点も夏季に高くなる傾向がみられ、環境基準値を超過することがある。一方、糞便性大腸菌群数は、概ね水浴場水質基準の「可」の基準を満足しており、衛生上問題ない水質であると考えられる。

・大腸菌群・・・糞便による汚染の指標として、大腸菌の生化学的性状をもつ細菌を検出した菌群。土壌や環境由来の菌類も検出される。

・糞便性大腸菌群・・・一般に45℃付近の高温条件で増殖できる大腸菌群をいう。大腸菌群に比べると糞便汚染による指標性がはるかに高い指標細菌とみなされている。

大腸菌群数

糞便性大腸菌群数

幌毛志(流入河川) 長知内橋(流入河川) 貫気別(流入河川) ダムサイト(上層) 放水口(下流河川) 環境基準値

1.E-01

1.E+00

1.E+01

1.E+02

1.E+03

1.E+04

1.E+05

H08 H09 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

大腸

菌群

(MP

N/100m

L)

240000

不検出河川A類型環境基準値(1000MPN/100mL以下)

河川B類型環境基準値(5000MPN/100mL以下)

1.E-01

1.E+00

1.E+01

1.E+02

1.E+03

1.E+04

H08 H09 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

糞便

性大

腸菌

群数

(個/100m

L)

水浴場水質基準(可:1000個/100mL以下)

不検出

不検出河川A類型環境基準値(1000MPN/100mL以下)

河川B類型環境基準値(5000MPN/100mL以下)

水浴場水質基準(可:1000個/100mL以下)

不検出

Page 17: 30 30...T-N、Chl-aは、経年的に横這い傾向であり、著しい水質変化は見られない。CODは平成15年、16年において、T-Pは平成15年以降若干上昇する傾向がみられる。COD

46 46貯水池内の植物プランクトン水質16

二風谷ダムでは、植物プランクトン細胞数が一時的に増加する場合も見られるが、概ね1,000細胞数/mLの低い値で変動する。ダムの回転率が約47回/年※と大きいことなどにより、植物プランクトンが増殖困難な環境であることが原因と考えられる。

不明藻類(同定不可能)

緑藻綱

ミドリムシ藻綱

クリプト藻綱

渦鞭毛藻綱

珪藻綱

黄色鞭毛藻綱

藍藻綱

クロロフィルa

0

10

20

30

40

50

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14

クロ

ロフ

ィル

a(μg

/L)

植物

プラン

クトン

細胞数

(細胞

数/mL)

12006.

0

10

20

30

40

50

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

H15 H16 H17 H18 H19 H20

クロロ

フィ

ルa(μ

g/L

植物

プラン

クトン

細胞数

(細胞

数/mL)

25645.71

0

10

20

30

40

50

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

7000

8000

H21 H22 H23 H24 H25

クロロ

フィ

ルa(μ

g/L

植物

プラン

クトン

細胞数

(細胞

数/mL)

※H9~H25の各年回転率の平均値

Page 18: 30 30...T-N、Chl-aは、経年的に横這い傾向であり、著しい水質変化は見られない。CODは平成15年、16年において、T-Pは平成15年以降若干上昇する傾向がみられる。COD

47 47水の華(変色水)の発生状況水質17

二風谷ダムでは、融雪出水の収束する6~7月頃に、局所的な変色水が確認されることがあったが、水質障害には至っていない。

融雪出水による栄養塩供給と水温上昇が発生の要因の一つと考えられるが、回転率が約47回/年と大きいため、1ヶ月を越えるような長期的な継続は起こりにくいと考えられる。

年 期間 色 発生箇所、原因等

平成11年 6月14日~6月22日 茶褐色 貯砂ダム下流から湖心

平成12年 6月14日~6月20日、9月25日~11月8日

灰褐色、淡黄色、茶褐色

湖心上流(Chl-a:770μg/L)、オサツ川(Chl-a:240μg/L)

平成13年 5月22日~5月29日、 茶褐色 オサツ川(ペリディニウム)

6月13日 茶褐色 看々川流入部(ペリディニウム)

平成14年 5月7日~6月11日 茶褐色 オサツ川、貯砂ダム右岸、管理橋~湖心(ペリディニウム)

平成15年 5月22日~6月10日 茶褐色 オサツ川(ペリディニウム)

6月3日 緑色 クレストゲート付近(クリプトモナス、クラミドモナス、シネドラ、フラギラリア、ペリディニウム)

平成16年 6月20日~7月22日 緑色 湖心~ダムサイト(ユウグレナ、パンドリナ)

9月7日 黒褐色 オサツ川合流部付近(クリプトモナス)

平成17年 6月10日~7月19日 茶褐色、緑色 オサツ川合流部付近、看々川合流部付近、湖心付近(ペリディニウム、パンドリナ)

平成20年 6月3日~6月13日 茶褐色 オサツ川上流部、湖心付近(ペリディニウム)

平成21年 6月9日 緑褐色 オサツ川合流部付近(緑藻:ファコツス科)

平成22年 6月8日 緑色、緑褐色 オサツ川合流部付近(ペリディニウム)

オサツ川合流部付近(ペリディニウム、パンドリナ)湖心付近(パンドリナ)6月22日

平成23年 6月14日 緑色、緑褐色 オサツ川合流部付近(パンドリナ)、湖心付近(ペリディニウム)

オサツ川合流部付近(ペリディニウム、パンドリナ)、湖心付近(ペリディニウム)6月21日

平成24年 変色水は確認されていない

平成25年 変色水は確認されていない

二風谷ダムの変色水の発生状況

Page 19: 30 30...T-N、Chl-aは、経年的に横這い傾向であり、著しい水質変化は見られない。CODは平成15年、16年において、T-Pは平成15年以降若干上昇する傾向がみられる。COD

48 48水温の状況水質18

下流河川の水温は、流入河川との差は小さい。流入本川(幌毛志)と比べると約1~2℃、流

入支川(貫気別)と比較すると約0~1℃高くなっている。

ダム湖による、貯留による影響は小さいと考えられる。

※H11~H25年における4月~11月の月平均水温

0

5

10

15

20

25

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月

月平均

水温

(℃)

幌毛志 貫気別 ダムサイト 平取

0

5

10

15

20

25

30

H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

水温(℃) 水温幌毛志 貫気別 ダムサイト 平取

Page 20: 30 30...T-N、Chl-aは、経年的に横這い傾向であり、著しい水質変化は見られない。CODは平成15年、16年において、T-Pは平成15年以降若干上昇する傾向がみられる。COD

49 49水質19

平成15年8月の出水後には、流入河川の濁度上昇に伴い、ダムサイトの濁度も高くなる傾向が見られる。しかし、ダムサイトの濁度は、流入河川よりも低い値となる傾向がみられており、貯水池内で沈降して減少しているためと考えられる。平成14年~平成20年で、濁度の上限は高い推移にあるが、平成21年以降、回復傾向がみられる。なお、自動観測装置による濁度測定の検出限界は1,000度程度であるため、濁りを過小評価する

おそれがあることから、二風谷ダムでは超高濃度濁度計による計測も実施している

濁水の流入河川とダムサイトの状況

※H15.8.8以前における4月~11月の月平均濁度

※H15.8.9以後における4月~11月の月平均濁度

0

100

200

300

400

500

600

700

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月

月平

均濁

度(度

)

平成15年8月出水前 幌毛志

貫気別

ダムサイト

0

100

200

300

400

500

600

700

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月

月平

均濁

度(度

)

平成15年8月出水後 幌毛志

貫気別

ダムサイト

0.1

1

10

100

1000

10000

100000

H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

濁度(度) 日平均濁度(幌毛志) 日平均濁度(貫気別) 日平均濁度(ダムサイト)

自動観測装置による濁度の経時変化平成15年出水前後の月別濁度分布の変化

0.1

1

10

100

1000

10000

100000

H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

濁度(度) 日平均濁度(幌毛志) 日平均濁度(貫気別) 日平均濁度(ダムサイト)

超高濃度濁度計による濁度の経時変化

Page 21: 30 30...T-N、Chl-aは、経年的に横這い傾向であり、著しい水質変化は見られない。CODは平成15年、16年において、T-Pは平成15年以降若干上昇する傾向がみられる。COD

50 50濁水の発生原因

額平川では、上流でも濁りが確認されている。平成15年出水により流出した土砂が河道内に堆砂しており、流下過程で濁りが発生している可能性が考えられる。なお、平成15年8月の大規模出水により、上流域では崩落地が多く発生したが、以降は徐々に回復してきている。

H15(8月出水直後)H12 H20沙流川合流点より上流約10km

二風谷ダムの流域の変化(額平川)

水質20

河岸侵食

崩落地

河道内への土砂堆積

河岸侵食

沙流川合流点より上流約11km

Page 22: 30 30...T-N、Chl-aは、経年的に横這い傾向であり、著しい水質変化は見られない。CODは平成15年、16年において、T-Pは平成15年以降若干上昇する傾向がみられる。COD

51 51

0

2

4

6

8

10

H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

強熱

減量

(%)

0.00

0.04

0.08

0.12

0.16

0.20

H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

硫化

物(m

g/g)

0

100

200

300

400

500

600

H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

酸化

還元

電位

(mV

)

H10~H12:測定なし

底質の状況

ダムサイトの底質からみると、有機物の指標である強熱減量は小さい値で推移している。硫化物が小さい値であること、酸化還元電位が正の値で還元環境でないと判断されることから、硫化水素の発生する可能性は低い。

強熱減量

硫化物

酸化還元電位

水質21

<0.01

※H23の硫化物は検出限界0.01mg/g以下である。

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52 52水質のまとめ

◆水質のまとめ

◆今後の方針

●流入河川と下流河川のBOD、DOは同程度の値であり、経年的な変動も小さく環境基準値を満足している 。貯水池の回転率が大きく滞留時間が短いことにより、貯水池による水質変化は小さいと考えられる。

●大腸菌群数は夏季に環境基準値を超過する場合もあるが、経年的には、環境基準河川B類型の値を満足する。なお、糞便性大腸菌群数からみると衛生上問題ない。

●SSは、流入河川が下流河川より高い傾向にある。平成14年~平成19年にかけて、流入河川のSSはさらに高くなる傾向が見られたが、平成20年以降は、平成13年以前の水質レベルとなっており、貯水池内及び下流河川においても同様の傾向がみられる。濁水による水質障害は起きていない。

●流入河川と下流河川の水温差は小さく、冷水放流はみられない。●貯水池における植物プランクトン増殖時間は短く、細胞数は少ない傾向にある。植物プランク

トンの増殖による局所的な変色水がみられる年もあるが、平成24年以降変色水は確認されず、水質障害には至っていない。

●流入河川の濁水状況は、自動観測装置による連続観測等により状況把握に努める。●貯水池による水質変化はほとんど見られず、富栄養化は発生しないと考えられるが、局所的な

変色水については継続して監視していく。

水質22