天然ｶﾞｽ・ＬＮＧ事業の現状と今後の見通し

2011年9月7日

三菱商事株式会社エネルギー事業グループ天然ガス事業第二本部長

伊勢田 純一

2

第三部：三菱商事のLNG/天然ガス事業における取組第第三三部：部：三菱商事の三菱商事のLNG/LNG/天然ガス事業における取組天然ガス事業における取組

第二部：震災による影響第第二二部：部：震災による影響震災による影響

第一部：天然ガス・LNG概観及び見通し第一部：第一部：天然ガス・天然ガス・LNGLNG概観及び見通し概観及び見通し

第四部：最後に第第四四部：部：最後に最後に

3

・ 天然ガスを-162℃ まで冷却し液化。⇒液化天然ガス(LNG：Liquefied Natural Gas) ・

組成としてはメタンの含有量が高く、比重が軽い。

・

液化することで体積は600分の1。海上輸送と貯蔵に便利。

・ メタンに毒性・腐食性はない。

天然ガス

始めに始めに ––

LNGLNGとは？とは？

4

都市ガス

火力発電所

ガス田(探鉱･開発）

液化工場 海上輸送 受入設備

LNGタンク

LNGタンク

LNGﾀﾝｸﾛｰﾘｰ 気化設備 熱量調整・付臭

気化設備 熱量調整・付臭 ﾊﾟｲﾌﾟﾗｲﾝ

始めに始めに

--

天然ガス天然ガス((LNG)LNG)が使われるまでが使われるまで

5

天然ガスの位置づけ天然ガスの位置づけ

Abundant ⇒ 石油と比べても埋蔵量多い

Affordable ⇒ 原油対比割安に推移

Acceptable ⇒ 他化石燃料比CO2削減効果大

外部環境

「天然ｶﾞｽ黄金時代に突入」

（ＩＥＡ）

天然ガスの一次エネルギーにおける役割及び期待が 高まっている。

6

（出典：IEA World Energy Outlook 2010

(New Policy Scenario) ) 2010年11月発行

一次エネルギー需要見通し

天然ガスの位置づけ天然ガスの位置づけ

天然ｶﾞｽ天然ｶﾞｽ

7

Abundant Abundant 膨大な埋蔵量膨大な埋蔵量 ～シェールガス革命のインパクト～～シェールガス革命のインパクト～

6,621 6,621 tcftcf ++ 6,587 6,587 tcftcf 1,3208 1,3208 tcftcf＝＝

天然ガス確認埋蔵量

（出所：BP統計2010年）

シェールガス可採資源量

（出所：EIA）

探鉱・評価により、今後も資源ベースは拡大していく

可採年数：64年

可採年数：127年

8

地域 CBM ｼｪｰﾙｶﾞｽ ﾀｲﾄｶﾞｽ 合計

北米 3,017 3,840 1,371 8,228

ラテンアメリカ 39 2,116 1,293 3,448

西欧州 157 509 353 1,019

中央･東欧州 118 39 78 235

旧ソ連 3,957 627 901 5,485

中東･北アフリカ 0 2,547 823 3,370

サハラ以南アフリカ 39 274 784 1,097

中央ｱｼﾞｱ・中国 1,215 3,526 353 5,094

豪州 470 2,312 705 3,487

その他アジア太平

洋

39 313 745 1,097

合計 9,051 16,103 7,406 32,560

世界の非在来型ガス (Tcf)

非在来型天然ガスの台頭非在来型天然ガスの台頭

出典：ＥＩＡ出典：ＥＩＡ

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シェールガスとはシェールガスとは

在来型ガス田在来型ガス田

シェール層シェール層

10

Affordable Affordable ––

油価比割安に推移油価比割安に推移

油価の約5分の１

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Acceptable Acceptable 一次エネルギーの評価一次エネルギーの評価

0

1

2

3

4低炭素性

社会的受容性

供給安定性

経済性

（出所）エネルギー経済研究所

再生可能

エネルギー原子力

石炭天然ガス

石油

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第三部：三菱商事のLNG/天然ガス事業における取組第第三三部：部：三菱商事の三菱商事のLNG/LNG/天然ガス事業における取組天然ガス事業における取組

第二部：震災による影響第第二二部：部：震災による影響震災による影響

第一部：天然ガス・LNG概観及び見通し第一部：第一部：天然ガス・天然ガス・LNGLNG概観及び見通し概観及び見通し

第四部：最後に第第四四部：部：最後に最後に

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40

50

60

70

80

2000 2002 2004 2006 2008 2010

(p

)

2011

約8千万ﾄﾝ

90

ﾘｰﾏﾝｼｮｯｸ中越沖震災

による影響

本邦LNG需要見通し（2011年見込み）

単位単位::百万㌧百万㌧

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Global Supply

200

250

300

350

400

450

500

2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025

Year

MTPA

Planned

FEED

FID

Producing

Demand

多項式 (Demand)

FEED中Wheatstone, Ichthys, 

Browse, etc.

ＬＮＧ需給見通し（三菱商事見積り）

計画中計画中

単位：百万㌧単位：百万㌧

建設中建設中

稼動中稼動中

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第三部：三菱商事のLNG/天然ガス事業における取組第第三三部：部：三菱商事の三菱商事のLNG/LNG/天然ガス事業における取組天然ガス事業における取組

第二部：震災による影響第第二二部：部：震災による影響震災による影響

第一部：天然ガス・LNG概観及び見通し第一部：第一部：天然ガス・天然ガス・LNGLNG概観及び見通し概観及び見通し

第四部：最後に第第四四部：部：最後に最後に

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取 締 役 社 長 社 長 直 轄

■ 監査部

■ 経営企画部

ｺｰﾎﾟﾚｰﾄｽﾀｯﾌ部門

• 広報

• 総務・法務・人事

• 企画・業務

•CFO（財務・経理）

営業グループ

新産業金融事業

エネルギー事業

金 属

機 械

化 学 品

生活産業

天然ガス事業第一本部

天然ガス事業第二本部

石油事業本部

炭素・LPG事業本部

E&P (石油・ガス資源開発）

三菱商事の天然ガス事業への取組体制

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三菱商事の天然ガス事業への取組体制

本邦業界での影響力大本邦業界での影響力大

三菱商事

41％

その他

59％

70.6

日本のエネルギー資源総輸入量

及び当社シェア（Million Ton）

三菱商事

三菱商事

7％

三菱商事

16％

三菱商事

三菱商事

三菱商事

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開始 プロジェクト名 役 割 比率

1969 アラスカLNG 東京電力・東京ガスに紹介、交渉補佐、輸入業務代行

＊極東で初めてLNG導入

－

1972 ブルネイLNG 液化・販売部門に投資、交渉補佐、輸入業務代行、船舶 25%

1983 マレーシアLNG 液化・販売部門に投資、交渉補佐、輸入業務代行

（サツ、ドゥア、ディガの３プロジェクト）

ｻﾂ/ﾄﾞｩｱ/ﾃｨｶﾞ

5%/15%/4％

1989 西豪州LNG （含む

原油開発）上流・液化・販売部門に投資、交渉補佐、輸入業務代行、船舶

＊三井物産と共同投資（初）8.3%

2000 オマーンLNG 液化・販売部門に投資 2.8%

2004 カルハットLNG（オマーン）

液化・販売部門に投資、輸入業務代行、船舶

＊グローバル取引と裁定取引4%

2009 サハリンLNG （含む原油開発）

上流・液化・販売部門に投資、交渉補佐、輸入業務代行

＊三井物産と共同投資10%

2009 タングーLNG (インドネシア)

上流・液化・販売部門に投資、交渉補佐

＊国際石油開発帝石(INPEX)と共同投資約9.9%

2010 シェールガス

(カナダ)

上流・開発部門に投資。本邦電力・ガス会社と共同開発

＊北米で完結する天然ガス事業30%

2014( 予定)

ドンギ・スノロLNG (インドネシア)

上流・液化・販売部門に、韓国ｶﾞｽと共同投資

＊LNGプラントのオペレーターシップ取得約45%

三菱商事の関与する天然ガス・三菱商事の関与する天然ガス・LNGLNG事業事業

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三菱商事の天然ガス・三菱商事の天然ガス・LNGLNG事業バリューチェーン事業バリューチェーン

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インドネシア・スラウェシ島

ドンギ・スノロプロジェクトドンギ・スノロプロジェクト

オペレーターとして中規模オペレーターとして中規模LNGLNGプロジェクトを主体的に開発プロジェクトを主体的に開発

21

インドネシア国有石油・ガス会社「プルタミナ社」、同国民間最大手エネルギー会社「メドコ社」、「韓国ガス公社」とともに、「ドンギ・スノロLNGプロジェクト」に参画。

これまで長年に亘って培ってきたLNGビジネスのノウハウを活かし、最大株主（44.9%）として計画からプラント操業までを主導。

2014年から、年間約200万トン（当社持分約90万トン）のLNGを生産し、日本や韓国

に出荷・販売する予定。

ドンギ・スノロLNGプロジェクト（インドネシア）

日本・インドネシア・韓国による、初めての「オール・アジア」LNGプロジェクト

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ｶﾅﾀﾞ/ﾌﾞﾘﾃｨｯｼｭｺﾛﾝﾋﾞｱ州

カナダ・シェールガスプロジェクトカナダ・シェールガスプロジェクト

非在来型天然ガス案件への取組み非在来型天然ガス案件への取組み

23

西ｶﾅﾀﾞ・ｺﾙﾄﾞﾊﾞ堆積盆地でｼｪｰﾙｶﾞｽ鉱区資産取得し、地元企業 と共に開発。米国ガス価格での事業を取り込む。

埋蔵量：約5～8兆立方ﾌｨｰﾄ

生産量：

日量5億立方ﾌｨｰﾄ

（2014年時目標）

オペレーター：

加ﾍﾟﾝ・ｳｪｽﾄｴｸｽﾌﾟﾛﾚｰｼｮﾝ社

米国ガス市場へ供給米国ガス市場へ供給

西カナダ西カナダ//シェールガス事業シェールガス事業

出資比率• PWE社：50%（オペレーター）• 三菱商事：30%• 韓国ガス公社：5％• コンソーシアム4社：各3.75%

米国ｶﾞｽﾏｰｹﾃｨﾝｸﾞ会社

CIMA Energy社(当社

34%出資)を通じて天然

ガスとしてﾊﾟｲﾌﾟﾗｲﾝﾈｯﾄ

ﾜｰｸを通じて販売。

24

7,104kmｻﾊﾘﾝｻﾊﾘﾝ22

CBMCBM

西カナダ

太平洋圏での新たな太平洋圏での新たなLNGLNGｿｰｽｿｰｽとしての可能性としての可能性

PNGPNG

北西大陸棚北西大陸棚

西カナダからの輸送 は豪州からとさほど

変わらない。

6,993km

西カナダ西カナダ//シェールガス事業シェールガス事業

6,938km

25

イラク・バスラ県

イラクイラクSGUSGUプロジェクトプロジェクト

カントリーリスクの高い地域での取組みカントリーリスクの高い地域での取組み

26

Basrah province

Syria

Basrah

Baghdad

Saudi Arabia

Iran

予定地予定地

イラクイラクSGUSGUプロジェクトプロジェクト

Basrah Gas Company（石油省傘下South Gas 

Company 51%、Shell 44%、三菱商事 5%）を

通じて、南部バスラ県3油田からの随伴ガス

を回収・精製し、国内向けドライガス等の供

給、及びLNG等の輸出を計画

既設のガス処理プラントを補修・回収後、段

階的にガス生産量に応じてガスプラントを増

設し、洋上LNGプラントを新設

フレアガス削減により、CO2換算最大約2,000

万トンの温室効果ガス削減が見込まれ、将

来的には排出権取得も検討

主要契約（プロジェクト開発協定書及び株主

間協定書）のイニシャリングを本7月に行い、

最終的には閣議承認を経て正式契約調印と

なる見込み

案件概要案件概要

27

需要を梃子にした、上流権益確保に向けた取組み需要を梃子にした、上流権益確保に向けた取組み

KOGASKOGASとの包括的な協業推進との包括的な協業推進

韓国ガスとの協業韓国ガスとの協業

28

KOGASKOGASとの包括的な協業推進との包括的な協業推進

ﾄﾞﾝｷﾞｽﾉﾛ案件ﾄﾞﾝｷﾞｽﾉﾛ案件 を共同で推進。を共同で推進。

西ｶﾅﾀﾞ西ｶﾅﾀﾞ

ｼｪｰﾙｼｪｰﾙ ｶﾞｽ鉱区を共ｶﾞｽ鉱区を共

同開発。同開発。

33月月1111日直後に期近の十数ｶｰｺﾞの融通申日直後に期近の十数ｶｰｺﾞの融通申 し入れあり、本邦電力向に受渡実施。し入れあり、本邦電力向に受渡実施。

⇒⇒

日本と韓国の需要を梃子にした、上流権益確保に向日本と韓国の需要を梃子にした、上流権益確保に向

けたけた取組みの取組みの一環。一環。

その他案件も協その他案件も協 議中。議中。

目 的

無資源国である日本と韓国が共同で天然ｶﾞｽの開発やLNGプロジェクトを

推進する事により資源の更なる安定的確保を狙う。これ迄、LNG取引の太

宗を占めていた日本と韓国以外にも、インドや欧州などでLNG需要が増え

ている中、日韓が一体となってエネルギー確保に努めることで本邦のエネ

ルギーセキュリティーに寄与。

29

トレーディング機能の強化トレーディング機能の強化

LNGLNGフローの拡大フローの拡大

30

0

1

2

3

4

5

6

7

8

920

07/8

2007

/10

2007

/12

2008

/2

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/4

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/8

2008

/10

2008

/12

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/2

2009

/4

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/6

2009

/8

2009

/10

2009

/12

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/2

2010

/4

2010

/6

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/8

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/10

2010

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/2

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/4

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/6

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/8

2011

/10

2011

/12

The

num

ber

of C

argo

2007年8月以来130カーゴ

(2011年7月末時点）

三菱商事のスポット三菱商事のスポットLNGLNG販売実績販売実績

トレーディング機能強化

31

2006年に米国テキサス州のFreeport LNG受入基地で年間110万㌧の基地

使用権を取得。新たに計画されてい

るLNGの出荷基地建設など様々な形

での活用を検討中。

2008年に投入したLNGの北米市場で

の有利販売を期し、中規模ｶﾞｽﾏｰｹ

ﾀｰであるCIMA Energy Limited社に

34%出資し参画。天然ガス取扱高は

約0.8Bcf/日。（LNG換算約5～6百万

㌧/年）で、北米市場のﾊﾟｲﾌﾟﾗｲﾝ/ｶﾞｽ

貯蔵設備網を駆使した下流展開の橋

頭堡としての位置づけ。

北米市場参入北米市場参入/LNG/LNG受入基地使用権獲得受入基地使用権獲得//ｶﾞｽﾏｰｹﾀｰ参画ｶﾞｽﾏｰｹﾀｰ参画

トレーディング機能強化

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第三部：三菱商事のLNG/天然ガス事業における取組第第三三部：部：三菱商事の三菱商事のLNG/LNG/天然ガス事業における取組天然ガス事業における取組

第二部：震災による影響第第二二部：部：震災による影響震災による影響

第一部：天然ガス・LNG概観及び見通し第一部：第一部：天然ガス・天然ガス・LNGLNG概観及び見通し概観及び見通し

第四部：最後に第第四四部：部：最後に最後に

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三菱商事三菱商事

最後に

20202020年目標年目標

10001000万㌧万㌧

民間企業民間企業LNGLNG生産能力持分比較生産能力持分比較