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2015427財務省主計局 資料1

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社 会 保 障

2015年4月27日

財務省主計局

資料1

第Ⅰ部

当面の社会保障制度改革の基本的考え方

医療・介護に関する制度改革・効率化の具体案

1

当面の社会保障制度改革の基本的考え方

2

(注1)計数については、それぞれ四捨五入によっているので、端数において合計とは合致しないものがある。

(注2)一般歳出※における社会保障関係費の割合:55.0%

※ 一般歳出は、基礎的財政収支対象経費から地方交付税交付金等を除いたもの。

(注3)2014(H26)年度予算額は2015(H27)年度との比較対象のため組替え表記している。

2015(H27)年度予算における社会保障関係費について

社会保障

315,297

32.7%

地方交付税

交付金等

155,357

16.1%

公共事業

59,711

6.2%

文教及び

科学振興

53,613

5.6%

防衛

49,801

5.2%

その他

95,133

9.9%

債務償還費

133,035

13.8%

利払費等

101,472

10.5%

国債費

234,507 24.3%

基礎的財政収支 対象経費

728,912 75.7%

一般会計

歳出総額 963,420

(100.0%)

食料安定供給 10,417 (1.1)中小企業対策 1,856 (0.2)エネルギー対策 8,985 (0.9)恩給 3,932 (0.4)経済協力 5,064 (0.5)その他の事項経費 61,379 (6.4)予備費 3,500 (0.4)

(単位:億円)

区        分 2014年度 2015年度 増△減

1.医療 111,990 114,891 2,901

2.年金 109,025 112,398 3,373

3.介護 26,899 27,592 693

4.福祉・その他 57,353 60,415 3,063

 (1) 生活扶助 9,434 9,301 △ 133

 (2) 子どものための教育・保育給付 4,672 6,090 1,417

 (3) 雇用保険 1,536 1,459 △ 77

 (4) その他 41,710 43,565 1,855

 (生活保護費再掲) (29,202) (29,022) △ 180

 (社会保障の充実等再掲) 3,789 9,615 5,826

合        計 305,266 315,297 10,030

3

社会保障

9.6

社会保障

13.9

社会保障

20.4

社会保障

31.5

公共事業

6.4

公共事業

9.2

公共事業

7.5

公共事業

6.0

防衛

3.1

防衛

4.7

防衛

4.9

防衛

5.0

文教・科技

4.8

文教・科技

6.1

文教・科技

5.7

文教・科技

5.4

その他

8.7

その他

10.6

その他9.2

その他

9.5

交付税等

9.7

交付税等

13.2

交付税等

16.1

交付税等

15.5

国債費

10.2

国債費

13.2

国債費

18.4

国債費

23.5

1985(S60)

年度

1995(H7)

年度

2005(H17)

年度

2015(H27)

年度

(注)計数は各年度の当初予算ベース。

国の一般会計歳出における社会保障関係費をはじめとする主要経費の推移

(単位:兆円)

PB対象経費72.9兆円

4

(出典)2000年度における社会保障給付費は国立社会保障・人口問題研究所「社会保障費用統計」、GDPは内閣府「国民経済計算」による。2012年度及び2025(H37)年度における社会保障給付費及びGDPはH24年3月30日厚労省「社会保障に係る費用の将来推計の改定について(H24年3月)」による。

(注1)表記額は実額、( )内の%表示はGDP比。 (注2)「社会保障改革の具体策、工程及び費用試算」を踏まえ、充実と重点化・効率化の効果を反映している。

社会保障給付費の見通し

2000 2012 2025

109.5兆円 (22.8%)

148.9兆円 (24.4%)

GDP 479.6兆円 2012(H24)年度

GDP 610.6兆円 2025(H37)年度

GDP 510.8兆円 2000(H12)年度

GDP 1.27倍

GDP 0.94倍

年金 60.4兆円 (9.9%)

医療 54.0兆円 (8.9%)

介護19.8兆円 (3.2%)

その他14.7兆円 (2.4%)

年金 53.8兆円 (11.2%)

医療 35.1兆円 (7.3%)

介護8.4兆円 (1.8%)

その他12.2兆円 (2.5%)

年金 41.2兆円 (8.1%)

医療 26.0兆円 (5.1%)

介護3.3兆円 (0.6%)

その他7.7兆円 (1.5%)

年金 1.1倍

医療 1.5倍

介護 2.3倍

年金 1.3倍

介護 2.5倍

医療 1.3倍

78.1兆円 (15.3%)

○ 2025(H37)年には、いわゆる「団塊の世代」がすべて75歳以上となる「超高齢社会」を迎え、医療・介護のニーズもピークに向かう。

○ 社会保障給付は、高齢化とともに今後も急激な増加が見込まれ、税・社会保険料といった国民負担の増大が見込まれる。特に、医療・介護分野における給付の増加が顕著であり、国民負担(財源調達力)のベースとなるGDPの伸び(消費税収)及び現役世代の負担能力の伸び(保険料収入)を上回って増加の見通し。

5

社会保障給付費の増に伴う公費負担の増

(出典)国立社会保障・人口問題研究所「社会保障費用統計」。2014(H26)年度は厚生労働省(当初予算ベース)による。 (注)社会保障制度改革推進法では、「国民が広く受益する社会保障に係る費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合う観点等から、社会保障給付に要する費用に係る国及び地方公共団体の負担の

主要な財源には、消費税及び地方消費税の収入を充てるもの」とされている(社会保障制度改革推進法第2条第1項4号)。

0

10

20

30

40

50

2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23

社会保障給付費と保険料の差額 (兆円)

(年度)

H2 H7 H12 H17 H22 H26 (当初予算)

給付費 47.2 64.7 78.1 88.5 104.7 115.2

保険料 39.5 51.2 55.0 55.3 58.5 64.1

公費 16.2 20.7 25.1 30.0 40.8 42.9

○ わが国社会保障制度は、社会保険方式を採りながら、高齢者医療・介護給付費の5割を公費で賄うなど、公費負担(税財源で賄われる負担)に相当程度依存している。

○ その結果、近年、高齢者医療・介護給付費の増に伴い、負担増は公費に集中している。これを賄う財源を確保出来ていないため、給付と負担のバランス(社会保障制度の持続可能性)が損なわれ、将来世代に負担を先送りしている(=財政悪化の要因)。

財源107.0兆円 +資産収入

2014 (H26)年度

給付費 115.2兆円

39.5

60.1

47.2

107.5

0

20

40

60

80

100

2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23

(兆円)

保険料

(年度)

給付費

公費

保険料

64.1

国庫負担 31.1

年金 56.0

医療 37.0

介護・福祉 その他 22.2

(うち介護9.5)

資産収入等

2014 (H26)年度

地方負担 11.9

16.2

43.5

1990年 2010年

被保険者 負担

18.5 28%

30.3 28%

事業主 負担

21.0 32%

28.1 26%

公費 負担

16.2 25%

40.8 37%

社会保障 給付費 47.2 104.7

(兆円)

社会保障財源の内訳の推移

6

社会保障4経費(国・地

方)の財源不足額(消費税

収との差額)は20.

7兆円

全人口に占める人口数及び割合

医療(2011年) 介護(2012年)

2012年 2025年 国民医療費に 占める割合

1人当たり 国民医療費

(64歳以下:17.5万円)

1人当たり 国民医療費 国庫負担

(64歳以下:2.7万円)

介護給付費に 占める割合

1人当たり 介護給付費

1人当たり 介護給付費 国庫負担

要支援・ 要介護認定率

65~74歳 1,560万人 (12.2%)

1,479万人 (12.3%)

21.6% 55.3万円 8.5万円 9.7% 5.0万円 1.4万円 4.4%

75歳以上 1,519万人 (11.9%)

2,179万人 (18.1%)

34.0% 89.2万円 32.6万円 87.9% 46.1万円 13.1万円 31.3%

年齢階層別(65歳以上)の医療・介護に係る費用等

(注1)国民医療費は患者による自己負担額を含むが、介護給付費は利用者による自己負担額を含まない。

(注2)1人当たり国民医療費及び介護給付費は、年齢階級別の国民医療費及び介護給付費(償還払いの費用(福祉用具購入等)等を除く)をそれぞれの時点の人口で除して

機械的に算出。また、1人当たり国民医療費国庫負担については、それぞれの年齢階層の国庫負担額(75歳以上は4.8兆円、65歳~74歳は3.9兆円)を2011年(H23)

時点の人口で除して機械的に算出。1人当たり介護給付費国庫負担については、2012年度予算における介護給付費の国庫負担額の割合を乗じて機械的に算出。

(出典)2012年(H24)の人口は総務省統計局「人口推計(24年10月)」、2025(H37)年の人口は社会保障人口問題研究所「将来人口推計」、国民医療費は厚生労働省

「H23年度国民医療費の概況」、総務省統計局「人口推計(23年10月)」 。介護給付費及び要支援・要介護認定率は、厚生労働省「介護給付費実態調査(H24

年)」、総務省統計局「人口推計(24年10月)」 。

+約700万人

▲約100万人 約4倍 約9倍

○ 今後、2025(H37)年には、いわゆる「団塊の世代」が全て75歳以上となり、75歳以上人口の急激な増加が見込まれる。 ○ 75歳以上人口は、65~74歳人口に比べて一人当たりの医療費・介護費が高く、さらに、一人当たりの国庫負担で

見ると、医療で約4倍、介護で約9倍と大きく増加する。 ○ 社会保障制度改革は、国民皆保険を維持するため、団塊の世代が後期高齢者になりはじめる直前の2020(H32)

年度までに受益と負担の均衡がとれた持続可能な制度を構築することを目的として進める必要。

7

患者負担

保険給付費

×

公的保険 医療費

国民全体の 医療費

高齢化(人口構造の変化)の要因

社会保障の自然増の要因と考え方

単価 (公定)

年齢別受療率 ×

年齢別人口

年齢別 患者数

8

その他の要因

「その他の要因」改革の視点

必要な医療の高度化等を取り込みつつ、制度改革や効率化等にセットで取組み、全体として抑制

○ 公的保険給付の範囲の見直し ○ 単価 ・ サービス単価の抑制 ・ 医療の高度化に対する適正な評価 ○ 受療率 ・ 医療提供体制の改革(過剰病床の削

減、入院期間の短縮化等) ・ 医療の無駄(重複受診・多剤投与等)

の排除などの効率化の取組み ・ 健康・予防の推進 ○ 負担 ・ 年齢・就業先に関わらず負担能力に応

じた公平な負担

いわゆる「自然増」の要因

○ 社会保障関係費の伸びは、高齢化(人口構造の変化)に伴う伸びとその他の要因(医療の高度化等に伴う単価増等)に伴う伸びに分かれる。このうち、「高齢化に伴う伸び」はやむを得ない増だが、「その他要因に伴う伸び」に相当する部分は、社会保障以外の経費と同様、制度改革や効率化等に取り組むことにより、伸びを抑制していくことが必要。

《イメージ(医療の場合)》

全年齢の総和

年齢別 一人当たり平均医療費

○ 過去3年間の社会保障関係費の伸びは、経済雇用情勢の改善等や制度改革の効果により、社会保障の充実等を除き、1.5兆円(年平均+0.5兆円程度)と、「高齢化による伸び」相当の範囲内となっている。

○ 引き続き、2020(H32)年に向けて、国民皆保険を維持するための制度改革に取組み、経済雇用情勢の好転やこれまでの改革等の効果、医療の効率化の取組みの効果と相まって、今後5年間の社会保障関係費の伸びを、少なくとも高齢化による伸び(+2兆円強~2.5兆円)相当の範囲内としていく必要。

社会保障関係費 31.5兆円

2015(H27)年度 2020(H32)年度

社会保障関係費 35兆円~

35.5兆円程度

消費税増収分を活用した社会保障の充実等

(+1.5兆円程度)

高齢化に伴う伸び (+2兆円強~2.5兆円) +3兆円後半

~4兆円程度

《社会保障制度改革の柱》

Ⅰ.経済雇用情勢の好転やこれまでの改革等の効果

Ⅱ.国民皆保険を維持するための制度改革 (1) 公的保険給付範囲の見直し (2) サービス単価の抑制 (3) 負担能力に応じた公平な負担

Ⅲ.医療の効率化 (1) 医療提供体制の改革

〔極力早期の効果発現に努力〕

(2) 医療の無駄排除、予防の推進等 〔3年後に効果検証・中間見直しに反映〕

2012年度 2015年度

社会保障関係費 28.9兆円(※) 31.5兆円

うち社会保障の充実等 +1.0兆円

消費税増収分を活用した社会保障の充実等

(1.0兆円程度)

その他の要因に伴う伸び

今後の社会保障関係費の伸びに関する大きな考え方

(※)年金国庫負担2分の1ベース

9

年金:13.1兆円 医療:12.3兆円 介護:3.2兆円

子育て支援:2.1兆円 2018年の

消費税収(国分) 17.6兆円

*消費税率10%段階。 *国分の消費税率7.8%から交付税法定率分(19.5%)除いた6.28%相当分

社会保障給付費の伸びと制度の持続可能性

(注1)2015(H27)年度当初予算案を基に消費税率引上げの効果が平年度化する2018(H30)年度時点の社会保障4経費のうち国分について推計を行ったもの。消費税率1%当たりの消費税収を2.8兆円と見込んで試算。

(注2)税制抜本改革法に基づく低所得者対策は社会保障の充実2.8兆円の一部として措置されると仮置きして機械的に試算。この検討結果により計数は変動し得る。 (注3)社会保障の充実及び公経済負担の増分は、現行制度における各制度の国・地方の負担割合等に基づき機械的に試算。

○ 今回の社会保障・税一体改革の枠組みで見ると、引き続き社会保障給付費の伸びを「少なくとも高齢化による伸び相当の範囲内」とできれば、名目3%の経済成長の実現と相まって、後代への負担のつけ回し(社会保障4経費と消費税収の差額)の拡散をギリギリ防ぐことが可能となり、制度の持続可能性確保につなげることができる。

2018年 社会保障4経費 30.7兆円(国)

*高齢化による増の範囲内とする改革を実施した場合

3%の経済成長による増収

0.5兆円程度/年

後代への負担の 付け回し(国分)

13.1兆円

高齢化による増 0.5兆円弱/年

名目3%の経済成長の実現と相まって後代への負担のつけ回しがギリギリ拡散しない

2015年度の社会保障4経費:27.7兆円 +高齢化の伸びによる増(3年間):1.5兆円 +社会保障の充実(国分) :1.2兆円 +公経済負担(国分) :0.3兆円

10

○ 財政健全化計画においては、PB対象経費の4割強を占め、今後も増加が見込まれる社会保障の改革が鍵。また、社会保障改革は、財政健全化のためでだけでなく、国民皆保険制度を次世代に引き渡すため、団塊の世代が後期高齢者になりはじめる直前の2020(H32)年度までに受益と負担の均衡がとれた持続可能な制度を構築することを目的として進める必要。

○ 社会保障関係費の伸びは、高齢化(人口構造の変化)のほか、その他の要因(医療の高度化等)がある

が、「その他の要因に伴う伸び」については、社会保障以外の経費と同様、制度改革や効率化等に取り組むことにより、その伸びを抑制していくことが、社会保障制度の持続可能性確保のために必要。

○ これまでの3年間においても、経済雇用情勢の改善等と制度改革の効果により、社会保障関係費の伸びは

1.5兆円(年平均0.5兆円)の伸びとなっている。 引き続き、 2020(H32)年に向けて、国民皆保険を維持するための制度改革に取組み、経済雇用情勢の好

転やこれまでの改革等の効果、医療の効率化などの取組みの効果と相まって、今後5年間の社会保障関係費の伸びを、少なくとも高齢化による伸び相当の範囲内としていくことが必要。

※2020(H32)年までの間、財政健全化計画の中間見直しの段階で、それまでの改革の効果や、その時点での社会保障給付費の動向等を検証。

○ 夏の財政健全化計画においては、上記のような社会保障関係費の伸びに関する大きな考え方、改革・効率

化等の柱とそれに沿ったメニューを盛り込み、その上で、年末に具体的な改革・効率化等の工程表を策定することとする必要。

論点整理(社会保障改革の基本的考え方)

11

医療・介護等に関する 制度改革・効率化の具体案

12

Ⅰ.経済雇用情勢の好転やこれまでの改革等の効果 Ⅱ.国民皆保険を維持するための制度改革 (1) 公的保険給付範囲の見直し (2) サービス単価の抑制 (3) 負担能力に応じた公平な負担 Ⅲ.医療の効率化 (1) 医療提供体制の改革 (2) 医療の無駄排除、予防の推進等

13

保険給付の範囲の見直し (総括)

○ 国民皆保険を維持し、限られた医療介護資源で疾病等に伴う大きなリスクに有効に対応する観点から、同一効果を有する後発医薬品がある先発医薬品や、個人が日常生活で通常負担するようなサービス等について、給付のあり方を見直し、公的保険給付の範囲を重点化することが必要。

項目 今後の検討課題

1.同一効果を有する後発医薬品(ジェネリック)の使用促進

足元の動向を反映した後発医薬品使用割合目標の引上げ(2015(H27)年度)P15

目標引上げに伴う診療報酬その他の措置(2016(H28)年度~)P16

後発医薬品が存在する先発医薬品について、保険給付額を後発医薬品の価格に基づいて設定する患者インセンティブ制度の導入(2018(H30)年度~)P17

2.リスクの大きさやQOL/ADL等への影響度に応じた保険給付のあり方の見直し

QOL: quality of life ADL: activities of daily life(日常生活動作)

市販品類似薬の保険給付対象からの除外 P18

受診時定額負担・保険免責制の導入 P19

次期介護保険制度改革における軽度者に対する生活援助サービス・その他給付(例:通所介護)、福祉用具貸与・住宅改修に係る給付のあり方の見直し P20-23

3.在宅療養等との公平確保 ・その他

入院患者の居室代見直し P24

柔道整復師に係る給付のあり方の見直し ○ 部位数・施術回数・施術期間について、料金の包括化、長期・頻回に関する給付率引下げ ○ 支給対象の見直し ○ 受領委任払いが実施可能な施術所の限定 ○ 不適切事例への調査・監査の強化

○ 公的保険給付の範囲の重点化は、保険給付費の伸びの抑制と同時に、雇用・成長分野としての医療介護市場の発展・育成に寄与することができる。 14

現在の目標 60%

40%

50%

60%

70%

80%

23.9 24.9 25.9 26.9 27.9 28.9 29.9

現在の目標が前提とする増加率

足元の増加率(青線の2倍の傾き)

足元の増加率で 延伸した推計値 80%超

足元、増加のスピードが倍に加速

○ 過去の改革努力や後発医薬品使用に対する国民意識の高まり等を背景に、使用割合増加の速度が倍増している(調剤医療費をベースとする推計)。

○ 足元の後発医薬品使用増加の傾向を継続する観点から、現行の目標(2017(H29)年度内に60%)の目標割合の引上げ(2017(H29)年度内に80%)を行い、これに対応した措置をとることが必要。

○ 後発品メーカーの設備投資計画など、関係者の将来予測を確保する観点からも、単なる現行目標の「達成時期の前倒し」ではなく、本年夏の段階で、3年程度先の目標を示すことが重要。

経済財政運営と改革の基本方針2014(抄) 後発医薬品については、諸外国並みの後発医薬品普及率を目指す。

後発医薬品(ジェネリック)の使用割合目標の引上げ

特許切れ市場における 後発医薬品シェアの国際比較

日 本(2013年)

46.9%

アメリカ (2010年) 約90%

イギリス(2013年) 75.2%

ド イ ツ(2013年) 82.5%

フランス(2012年) 70.7%

(現在の目標) 2017(H29)年度に60%

(出典) 日 本 : H25年9月薬価調査

ア メ リ カ : 2012 IMS Health

イギリス : Analysis of NHS prescription data for 2013

ド イ ツ : Pro Generika(IMS PharmaScope)

フランス : フランス政府・医療品経済委員会2012年活動レポート (Rapport annuel 2012 CEPS)

4月6日 ドイツの数値、出典を更新しました

15

○ 使用割合目標の引上げに際しては、あわせて、以下のような措置を講じ、足元の後発医薬品使用の増加傾向を継続させる必要。

具体的な内容

既に講じている施策の強化

診療報酬:DPC病院の機能評価係数Ⅱの「後発医薬品係数」について、入院医療で用いられる薬剤に占める後発医薬品の割合に応じた加算の頭打ちを80%へ引上げ(現在は60%で頭打ち)

診療報酬:保険薬局に係る後発医薬品調剤体制加算について、加算が認められる調剤する医薬品に占める後発医薬品の割合に係る基準を引上げ(現在は55%及び65%)

薬価:特許切れ医薬品について、後発医薬品への置換え率に応じた特例的引下げ措置(Z2)について、引下げ率を全般的に引き上げるとともに、新たに「置換え率80%未満」のブラケットを新設(現在は「置換え率60%未満」のブラケットまで)

追加的に講じることが考えられ

る施策

処方せん様式の変更(後発医薬品への変更不可欄にチェックをした場合の理由の記載の義務化)

診療報酬:非DPC病院に対する、後発医薬品使用割合に応じた診療報酬上の加減算措置の導入

後発医薬品の使用割合目標引上げに伴う措置

(厚生労働省「薬価調査(平成25年9月)、平成23年度国民医療費」より作成) 16

長期収載品(特許切れ先発医薬品)に対する保険給付のあり方の見直し

薬価

薬価

保険給付

患者負担分

(定率)

現行の医療保険制度

特許切れ先発医薬品 後発医薬品

○ 後発医薬品の使用促進を図ってもなお、現行の医療保険制度の下では、長期収載品(特許切れ先発品)の価格の高止まりの解消は迅速には進まず、患者にとっても後発医薬品を使用する十分なインセンティブがない。

○ 後発医薬品の使用促進については、使用割合目標を引上げて現行の取組みを継続した後、長期収載品に係る薬価制度を抜本的に見直し、長期収載品に係る保険給付額を後発医薬品の価格に基づいたものとする制度に改革する必要。

一定期間を経ても後発医薬品への適切な置換えが図られていない場合、特例的引下げ(Z2)(26年度~) 例)置換率60%未満の場合▲1.5%

患者負担分

(定率)

取引価格

保険給付

特許切れ先発医薬品 後発医薬品

先発品を選択した患者の追加負担

後発医薬品の 保険収載薬価

複数価格帯がある 場合には平均値など

患者負担分

(定率)

後発医薬品の価格に基づいて 保険給付する制度への改革

取引価格

保険給付の基準額

公的保険対象医薬品の分類別シェア(2013年9月)

数量シェア 金額シェア

先発 医薬品

後発品なし 18.2% 49.3%

後発品あり(a) 31.2% 31.7%

後発医薬品(b) 27.6% 11.1%

後発品シェア(b)/(a+b) 46.9% 25.9% (中医協資料(24.10.31)及び厚生労働省「薬価基準改定の概要」から作成) 17

※1 各区分における市販品と医療用医薬品は、いずれも同一の有効成分を含んでいる。ただし、同一の有効成分を含んでいる市販薬であっても、医療用医薬品の効能・効果や用法・用量が異なる場合があることには留意が必要。

※2 市販品の価格は、メーカー希望小売価格。 ※3 医療用医薬品の価格については市販品と同じ数量について、病院・診療所で処方箋を発行してもらい、 薬局で購入した場

合の価格であり、別途再診料、処方料、調剤料等がかかる。 ※4 医療用医薬品については、医療保険の適用となり、7割が保険で賄われるため、患者負担は原則3割となる。

市販品と医療用医薬品の比較

区 分 市販品類似薬 医療用医薬品

名称 価格 名称 薬価 自己負担 (薬価3割)

① 湿布 A 950円 AA 70円 20円

② 漢方薬 B 1,296円 BB 280円 80円

③ 目薬 C 1,317円 CC 1,440円 430円

○ 市販品と同一の有効成分の薬でも、医療機関で処方されれば、低い自己負担で購入が可能なケースがある。 ○ 諸外国と比較しても、我が国における市販品使用の割合は低位であり、セルフメディケーションが十分進んでいない。 ○ 市販品類似薬について、公平性の観点、セルフメディケーションの推進の観点から、市販(スイッチOTC)が認められた

医療用医薬品に係る保険償還率の引下げ、市販品として既に十分定着した市販品類似薬(湿布、漢方薬、目薬、ビタミン剤、うがい薬)の保険給付からの完全除外の加速化が必要。

[参考]ビタミン剤については2012(H24)年度から単なる栄養補給目的での使用は保険適用から除外、うがい薬については2014(H26)年度からうがい薬のみの処方は保険適用から除外されている。

市販品類似薬等に係る保険給付の見直し

9.8%

10.4%

11.1%

13.9%

14.3%

14.7%

16.5%

16.7%

17.4%

18.6%

18.8%

20.5%

20.9%

21.6%

21.6%

22.6%

26.1%

26.6%

28.0%

34.7%

41.4%

0% 10% 20% 30% 40% 50%

カナダ

ニュージーランド

ドイツ

フィンランド

アメリカ合衆国

日本

スイス

フランス

スロベニア

デンマーク

エストニア

韓国

オーストリア

チェコ

スペイン

スウェーデン

チリ

ベルギー

オーストラリア

アイスランド

ポーランド

一人当たり薬剤費に占める市販医薬品費の割合

(出典) OECD「HEALTH AT A GLANCE 2013」 薬剤費の内、OTC薬品費用のデータが判明している国を全て抜粋。 (注) 一人あたり薬剤費は、病院・診療所等内で消費されている薬剤費を 除いている。

〈スイッチOTCとは〉

医療用医薬品の有効成分が転用された一般用医薬品(市販品)。 医薬品としての使用実績があり、副作用の発生状況、海外での使用状況等からみ

て市販品として適切であるとされたもの。

一般名 効能 スイッチ年

ニコチン 禁煙補助薬 2001年

アモロルフィン塩酸塩 水虫薬(外用) 2002年

ロキソプロフェンナトリウム水和物 解熱鎮痛薬 2010年

フェキソフェナジン塩酸塩 アレルギー性鼻炎薬 2012年

〈スイッチOTCの例〉

18

○ 限られた医療資源の中で、疾病等に伴う大きなリスクをカバーするという保険の基本機能を十分に発揮しつつ、国民皆保険制度を維持していく観点から、現行の定率負担(月額上限あり)に加え、個人が日常生活で通常負担できる少額の定額負担の導入が必要。

(注)定額を常に保険免責にするという考え方と、月額上限(高額療養費)の範囲内で一定額の受診時定額負担を求めるという考え方がある。

○ その際には、医療機関間の適切な役割分担やかかりつけ機能の推進といった視点に立った制度設計も必要。

[患者負担のイメージ(受診時定額負担の場合) ]

定額負担導入後

外来医療費 = 初診料(2,820円)+ 検査 + 画像診断 + 処置 + 薬剤(処方費、医薬品費)

・定率負担に加え、少額の定額負担 ・ただし、月額一定額上限(高額医療費)の適用は維持

負担

外来医療費

高額 療養費

患者負担

公的保険 からの給付

負担

外来医療費

高額 療養費

患者負担

14,000円-定額

6,000円+定額

現行制度(定額負担導入前)

・定率負担(70歳未満:3割、70~74歳:原則2割、75歳以上:1割) ・ただし、月額一定額(高額療養費)を上限(所得に応じて8,000円~44,000(70歳以上)、35,400円~252,600円+医療費の1%(70歳未満))

6,000円

14,000円

外来医療費20,000円の場合 外来医療費20,000円の場合

少額の定額負担

公的保険 からの給付

受診時定額負担・保険免責制の導入

19

○ 要介護者に対する訪問介護は「身体介護」と「生活援助」に分けられるが、要介護5では、生活援助のみの利用件数は全件数の5%未満であるのに対し、要介護1では、生活援助のみの利用件数が全件数の5割を超えている。また、生活援助の内容は、掃除の占める割合が最も多く、次に一般的な調理・配膳が多い。

(※) 生活援助1回(45分以上)の利用で利用者負担(1割負担)は250円程度。 → 軽度者に対する生活援助は、日常生活で通常負担する費用であり、原則自己負担(一部補助)の仕組みに切り替え

る必要。また、2015(H27)年度から地域支援事業へ移行した予防給付(訪問介護・通所介護)についても同様の観点からの見直しを行う必要。これらにより、事業者間の価格競争の促進と、サービスの効率化、産業の発展が図られる効果も期待できる。

介護保険における軽度者に対する生活援助サービス等の在り方

(出所) 厚生労働省「H25年度介護給付費実態調査」

8.6

3.2 5.0 2.9

12.3

4.1

9.2 13.4

0.5

9.8

4.9 2.7

19.8

12.0

57.1

25.6

42.2

22.1

15.9

2.3 1.7

排泄介助

食事介助

清拭

部分浴

全身浴

洗面等

身体整容

更衣介助

体位変換

移乗・移動介助

通院・外出介助

起床・就寝介助

自立支援のため見守り的援助

その他の身体介護

掃除

洗濯

一般的な調理・配膳

買い物・薬の受け取り

その他の生活援助

通院等乗降介助

不詳

0

10

20

30

40

50

60

訪問介護の提供内容の構成割合(複数回答) 【要介護1】 (%)

身体介護 生活援助

(出所) 厚生労働省「H24年度介護サービス施設・事業所調査」より作成

生活援助のみ

身体介護

+生活援助

身体介護のみ

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5

訪問介護の件数(サービス類型別の構成比)

訪問介護の提供内容の構成割合は、3年周期での調査のため、次回は2015(H27)年度調査。

20

○ 軽度者の福祉用具使用は日常生活で通常負担する費用と考えられ、また、軽度者の利用割合の高い住宅改修は個人の資産形成そのものであり、原則として自己負担(一部補助)する制度に切り替える必要があるのではないか。

なお、福祉用具の貸与等については、価格設定は自由競争に委ねられているが、利用者負担が原則1割となっている中では、利用者の価格考慮のインセンティブが低いため、競争原理が機能せず、価格が高止まりしている可能性。原則自己負担(一部補助)の仕組みに見直すことにより、価格競争を促す効果も期待できる。

(参考) 福祉用具貸与における種目ごとの1月当たり平均利用者負担※ 車いす(付属品含む):830円、特殊寝台(付属品含む):1,040円、手すり:280円、歩行器:290円 等

福祉用具貸与 特定福祉用具販売 住宅改修

対象種目等 ① 車いす(付属品含む) ② 特殊寝台(付属品含む) ③ 床ずれ防止用具 ④ 体位変換器 ⑤ 手すり (工事を伴わないもの) ⑥ スロープ(工事を伴わないもの) ⑦ 歩行器 ⑧ 歩行補助つえ ⑨ 認知症老人徘徊感知機器 ⑩ 移動用リフト(つり具の部分を除く) ⑪ 自動排泄処理装置

① 腰掛便座 ② 自動排泄処理装置の交換可能部品 ③ 入浴補助用具(入浴用いす、浴槽用

手すり、浴槽内いす、入浴台、浴室内すのこ、入浴用介助ベルト)

④ 簡易浴槽 ⑤ 移動用リフトのつり具の部分

① 手すりの取付け ② 段差の解消 ③ 滑りの防止及び移動の円滑化等のた

めの床又は通路面の材料の変更 ④ 引き戸等への扉の取替え ⑤ 洋式便器等への便器の取替え ⑥ その他①~⑤の住宅改修に付帯して

必要となる住宅改修

限度額 区分支給限度基準額 (要支援、要介護度別) の範囲内において、他のサービスと組み合わせ

同一年度で10万円 ・要支援、要介護区分にかかわらず定額

同一住宅で20万円 ・ 要支援、要介護区分にかかわらず定額

費用【2012年実績】 2,373億円 154億円 475億円

うち要支援、要介護12に係る費用 (全費用に占める比率)

918億円 (38.7%)

98億円 (63.6%)

365億円 (76.9%)

介護保険における軽度者に対する福祉用具貸与・住宅改修の在り方

※福祉用具貸与単位数 × 10 円 ÷ 件数 × 1割 (利用者負担割合) 【介護給付費実態調査 (2015(H27)年1月審査分)】

21

訪問介護

10.9%

通所介護

24.6%

福祉用具・住宅改修

サービス

3.8%

訪問看護

2.1%

通所

リハビリテーション

8.1%

特定施設入居者

生活介護

5.6%

居宅その他

5.6%

認知症対応型

共同生活介護

8.8%

地域密着型その他

4.0%

施設サービス

19.1%

居宅介護支援

7.7%

訪問介護

22.1%

通所介護

35.2%

福祉用具・住宅改修

サービス

8.1%

訪問看護

2.4%

通所リハビリテーション

12.8%

特定施設入居者

生活介護

5.5%

居宅その他

2.3%

認知症対応型

共同生活介護

0.5%

地域密着型その他

1.2%

軽度者に対するその他の給付の見直し ○ 軽度者に対するその他の給付(例:通所介護)については、地域の実情に応じたサービスを効率的に提供する観点か

ら、柔軟な人員・設備基準として自治体の裁量を拡大し、自治体の予算の範囲内で実施する枠組み(地域支援事業)へ移行すべき。その際には、メニューの統合等により、簡素で分かりやすい体系とすべき。

08:00

09:00

10:00

11:00

12:00

13:00

14:00

15:00

16:00

17:00

1人当たり費用 (要介護1):6,560円/日

→ うち利用者負担 656円、税・保険料負担 5,904円 (食事代等は別途負担)

※ 通常規模型、その他地域で7~9時間のサービスを提供する場合の介護報酬の基本部分。 この他、入浴介助や機能訓練などのサービス提供や事業所の体制に対して別途加算・減算が

ある (例えば入浴介助を行う場合、1人当たり費用は500円/日増加)。さらに、介護職員の処遇改善を行っている場合、最大で+4.0%の加算 (介護職員処遇改善加算) がある。

A社の場合 B社の場合 C社の場合

費用額 4,836億円

(24年度実績)

費用額 26,172億円 (24年度実績)

要支援1・2に対する給付

要介護1・2に対する給付

入浴 機能訓練

嚥下体操

昼食

機能訓練

おやつ

送迎

送迎

健康チェック等

送迎

入浴 レクリエーション (塗り絵、クイズ)

昼食

機能訓練

カラオケ

おやつ

送迎

ゆっくりする

書道

テレビ鑑賞

昼食

麻雀

おやつ

カジノ

送迎

送迎

健康チェック等

レクリエーション (音楽)

口腔体操

平成29年度末 までに地域支援

事業へ移行

地域支援事業へ 移行すべき。

通所介護の1日のスケジュール例

※ 訪問介護、通所介護に係る介護予防支援は地域支援事業へ移行 (訪問介護、通所介護以外に係る介護予防支援は、引き続き給付として実施)

原則自己負担(一部補助)とすべき。

生活援助

介護予防支援 9.9% ※

生活援助

原則自己負担(一部補助)とすべき。 地域支援事業へ

移行すべき。

(出所)厚生労働省「介護保険事業状況報告年報」に基づき作成。計数には、補足給付を含む。 22

(参考)諸外国における介護制度との比較

(出所) 増田雅暢「世界の介護保障」2014、OECD Health System Accounts Database, 2010 等に基づき作成

○ 介護に社会保険制度を採用している主な国は、日本、ドイツ、韓国。

○ 給付については、ドイツ、韓国では中重度者のみが対象とされており、日本の要支援者、要介護1、2に相当する軽度者は対象外とされている。

○ 利用者負担については、韓国では、負担割合が在宅給付は15%、施設給付は20%とされている。(ドイツの保険給付は定額制(部分保険)であり、それを超える部分は全額自己負担。)

要支援等

0.5兆円

(6%) 要介護1

1.1兆円

(12%)

要介護2

1.5兆円

(18%)

要介護3

1.8兆円

(20%)

要介護4

2.0兆円

(22%)

要介護5

1.9兆円

(22%)

(出所)厚生労働省「介護保険事業状況報告年報」に基づき作成。

介護保険総費用の構成割合 (2012(H24)年度実績)

総額 8.8兆円

日本 ドイツ 韓国

保険者 市町村等(全国で1,579) 介護金庫(全国で124) 国民健康保険公団

(全国で1)

要介護 区分

7段階(軽度も対象) (要介護1~5、要支援1・2)

3段階(中度以上) ※要介護Ⅲの「特に重度」を加える と4段階。また、2013(H25)年に、 認知症の者等を対象とする要介 護0が創設。

3段階(中度以上)

給付 対象者

○65歳以上の要支援者・要介護者

○40~64歳の加齢に伴う特定疾病により要支援・要介護状態となった者

すべての年齢層の要介護者

○65歳以上の要介護者 ○65歳未満の老人性疾患により要介護状態となった者

被保険者

○第1号被保険者(65歳以上)

○第2号被保険者(40~64歳の医療保険加入者)

公的医療保険の加入者 (年齢制限なし)

国民健康保険の加入者 (年齢制限なし)

利用者 負担

原則1割 保険給付は定額制、それを超える部分は自己負担

在宅給付15% 施設給付20%

総費用に占める利用者負担の比率

7.1% 30.4% 17.8%

23

65歳以上医療区分Ⅰ (一般所得)の療養病床

その他 介護保険施設

補足給付における 基準費用額

食費 調理費 食材費 1,380円

居住費 (光熱水費)

320円

1日当たり

食費 調理費 食材費 1,380円

居住費 (光熱水費)

370円

1日当たり

食費 調理費 食材費 1,380円

1日当たり

居住費 0円

※1 医療区分Ⅰ・・・医療区分ⅡⅢ以外の患者。 ※1 医療区分Ⅱ・・・筋ジストロフィー・多発性硬化症・筋萎縮性側索硬化症(ALS)・パーキンソン病関連疾患、その他の 難病(スモンを除く)、医療脊髄損傷(頸髄損傷) ・慢性閉塞性肺疾(COPD)などの患者。 ※1 医療区分Ⅲ・・・スモン・医師及び看護師により、常時監視・管理を実施している状態の患者。 ※2 補足給付における基準費用額・・・介護保険においては、食費・居住費は原則として保険外であるが、低所得者に 限り、基準費用額と自己負担額の差額を補足給付として給付。

在宅療養との公平確保(入院患者の居室代見直し)等

○ 入院時の生活費に関して、在宅療養との公平を確保する確保する観点から、難病患者・小児慢性特定疾病患者等を除き、全ての病床について、居住費(光熱水費相当)の負担を求めていく必要。

[参考] 2015(H27)年度医療保険制度改革において、在宅療養でも負担する費用として、食材費相当額に加え、調理費相当額の負担を求める見直しを実施。

(注)低所得者は引上げを行わない(据え置き)。難病患者、小児慢性特定疾病患者は負担額を据え置く。

※2

(出典) 社会医療診療行為別調査 (各医療区分に係る入院基本料の算定回数の総計について、百分率で表示)

24

Ⅰ.経済雇用情勢の好転やこれまでの改革等の効果 Ⅱ.国民皆保険を維持するための制度改革 (1) 公的保険給付範囲の見直し (2) サービス単価の抑制 (3) 負担能力に応じた公平な負担 Ⅲ.医療の効率化 (1) 医療提供体制の改革 (2) 医療の無駄排除、予防の推進等

25

サービス単価の抑制 (総括)

○ 今後、2017(H29)年4月の消費税率10%への引上げを前提とすると、診療報酬・薬価改定は、2016(H28)年度、2017(H29)年度予算、2018(H30)年度予算と3年度連続になる可能性がある。

― 通常改定は2016(H28)年度及び2018(H30)年度(2年に一度)

― 2017(H29)年度も消費税率10%への引上げ(予定)があることから、薬価調査を実施したうえで、課税仕入れに係る消費税負担増への対応が必要。P30

(注)医療費の課税関係(非課税取扱い)に変更が生じる場合の対応については別途の検討が必要。

○ 薬価調査に基づく薬価のマイナス改定分は、市場実勢価格の反映にすぎず、2014(H26)年度予算と同様診療報酬本体を含む他の経費の財源とはしない。P29

また、薬価・調剤報酬について、以下のような、個別の課題への対応が必要。 ・調剤報酬の適正化 P31-35

・費用対効果評価の活用等による新薬等の薬価算定の適正化 P36

・生活習慣病治療薬に係る処方の適正化 P37 等 ○ 診療報酬本体・介護報酬についても、高齢化等によって医療機関・介護事業者の収入総額(=医療

費・介護費)が増えていく中、保険料等の国民負担の上昇を抑制する観点からマイナスとする必要。

○ Ⅱ(1)の公的保険給付の範囲の抜本的見直しができず、幅広く公的保険でカバーしていく場合は、皆保険制度を持続するためには公的な保険給付の総量の伸びを抑制せざるを得ず、2016(H28)~2018(H30)年度において、サービス単価(診療報酬本体・薬価、介護報酬)をさらに大幅に抑制することが必要。

26

診療報酬改定・介護報酬改定の国民生活への影響

税金 約16.6兆円 保険料 約21.0兆円 患者 負担等 約5.4 兆円

税金 約▲1,660億円 保険料 約▲2,100億円

患者 負担等

約▲540億円

医療費約43.0兆円 (2015(H27)年度予算ベース)

※ 2015(H27)年度予算ベースの医療費を公表されている最新の内訳で按分

税金 約5.3兆円 保険料 約4.1兆円 利用者 負担 約0.7 兆円

税金 約▲530億円 保険料 約▲410億円 利用者 負担

約▲70 億円

介護費用約10.1兆円 (2015(H27)年度予算ベース)

※1 2015(H27)年度予算における財源構成比に基づき機械的に按分 ※2 2015(H27)年度介護サービス料金(介護報酬)改定▲2.27%による国民負担軽減効果(平年度ベース)

→▲0.24兆円程度 (国費▲0.06兆円、地方費▲0.06兆円、保険料▲0.10兆円、利用者負担▲0.02兆円)

国 :約2.7兆円 地方:約2.6兆円

国 :約11.1兆円 地方:約 5.5兆円

国 :約▲1,110億円 地方:約▲ 550億円 国 :約▲270億円

地方:約▲260億円

診療報酬を▲1%適正化した場合 介護報酬を▲1%適正化した場合

約▲4,300億円の医療費の抑制 約▲1,010億円の介護費用の抑制

国民負担の軽減(税金、保険料、患者負担)

医療機関等の収入減

国民負担の軽減(税金、保険料、利用者負担)

介護事業者の収入減

27

診療報酬本体の改定率指数と国民医療費の推移比較

○ 医療サービスの公定単価である診療報酬単価(P)については、2001(H13)年度を100とした上で、2年に一度の改定率を反映すると2012(H24)年度は100.6(平均伸び率 年+0.1%)。

○ 一方、診療報酬単価(P)を2年に一度補整しても、実際の診療単価(実際のP)は2年間でそれよりも高く伸びており(平均伸び率 年+0.4%)伸びており、さらに、高齢化等に伴う患者数(Q)の増により報酬総額(P×Q)はさらに大きく伸びている(平均伸び率 年+1.8%)。この結果、改定率の議論をしている際の想定を超えて国民負担(窓口負担、保険料負担、税金負担)が生じている。

○ こうした実態を踏まえて、診療報酬改定のあり方を検討していく必要。

98.7 98.7

98.7 98.7 97.4

97.4 97.7 97.7 99.2 99.2

100.6

100 98.0

99.3

101.9

104.6 104.9

107.5 109.2

112.5

117.4

119.9

122.1

100

96.2 95.9 96.8 97.6 96.6

97.5 97.9 99.5

102.3 103.4 104.2

2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

2001年(H13年)比(%)

①国民医療費(薬剤費、材料費除ベース) 平均伸び率 年+1.8%

②診療報酬単価(本体部分) 平均伸び率 年+0.1%

※1 平成24年8月30日 中央社会保険医療協議会「医療機関等における消費税負担に関する分科会」資料及び保険局医療課作成資料を基に作成。 ※2 2001年を100とした指数で、当該年度の変動率及び改定率を前年度の指数に乗じたもの。

(年度)

28

③高齢化等の影響を①から除いたベース

平均伸び率 年+0.4%

薬価調査・薬価改定について

○ 薬価(P)については、市場実勢価格を反映して、継続的にマイナス改定がなされているが、薬剤費総額(P×Q)については、高齢化等による使用量の増加や年度途中の新薬の保険収載等により増加している。診療報酬本体と同様、改定率の議論をしている際の想定を超えて国民負担(窓口負担、保険料負担、税金負担)が生じている。

○ こうした実態を踏まえ、薬価調査に基づく薬価の引下げに加え、薬剤費の適正化に向けた更なる取組みが必要。 ○ いずれにせよ、薬価調査に基づく薬価(P)の改定は、市場実勢価格の適切な反映のために行うものであり、Qが

一定との前提で計算される「薬価改定影響額」は、診療報酬本体の財源とはならない。

99.8

108.1 107.8

114.2

110.9

115.6 115.3

125.2 123.1

131.9

100

93.7 93.7

89.8 89.8

83.8 83.8

79.4 79.4

74.8 74.8

50

60

70

80

90

100

110

120

130

140

150

2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011

薬価調査に基づく既存薬価の改定率(薬剤費ベース)

平均下落率▲2.9%

2001年(H13年)比(%)

※1 平成26年9月10日 中央社会保険医療協議会薬価専門部会参考資料を基に作成。 ※2 2001年を100とした指数で、当該年度の変動率及び改定率を前年度の指数に乗じたもの。

実際の薬剤費総額 (国民医療費ベース)の伸び

平均伸び率+2.8%

患者 (被保険者)

医療機関 保険薬局

卸売り

製薬メーカー

医療用医薬品 取引の流れ

薬価基準 (公定価格)

市場 実勢価格

(自由価格)

薬価改定 薬価改定 薬価改定

薬価基準と市場実勢価格との乖離を (調整幅2%を残して)是正。

<参考:近年の薬価調査・薬価改定のイメージ>

薬価基準と 市場価格の乖離

[過去の乖離率] H22改定時 8.4% H24改定時 8.4% H26改定時 8.2%

薬価調査 医療用医薬品(既収載品)の保険償還価格を市場実勢価格に合わせるために、卸売価格を調査。

薬価調査

2年 2年

29

薬価改定をめぐる課題

薬価改定のあり方

昨年の骨太の方針を踏まえ、薬価基準が市場実勢価格を適正に反映したものとなるよう、薬価調査・薬価改定のあり方を見直すことが必要。

〈経済財政運営と改革の基本方針2014(抜粋)〉 薬価調査、更には薬価改定が2年に1度となっている現状の下では、医薬品の取引価格が下落しているにもかか

わらず、保険からの償還価格が一定期間据え置かれているため、患者負担、保険料負担、公費負担に影響を与えている。

このような現状を踏まえ、調査・改定に係るコストにも適切に配慮しつつ、他の統計に与えている影響や市場価格形成の状況を勘案して、市場実勢価格を適正に反映できるよう、薬価調査・薬価改定の在り方について、診療報酬本体への影響にも留意しつつ、その頻度を含めて検討する。

30

2017(H29)年度における消費税10%への引上げ(予定)との関係

○ 2017(H29)年4月から消費税を10%に引き上げる(予定)ことに伴い、現行の課税関係(非課税取扱い)に変更がない場合には、課税仕入れに係る消費税増への対応が必要。この際、高止まりした薬価基準をベースにすると、実際の課税仕入れ(市場実勢価格)に係る消費税負担を超える措置を講ずることになる。

⇒ 2016(H28)年度に薬価調査を行い、新たな薬価基準に改定した上で、消費税引上げへの対応を適切に措置する必要。(1997(H9)年度においても同様の対応)

(参考)2014(H26)年度における消費税8%引上げに伴う対応 消費税引上げ対応分として薬価改定率+0.64%を措置=医薬品比率(22.55%)× 3/105

※ なお、仮に現行の課税関係を変更し医療費を課税扱いとする場合には、消費税制度の中で仕入れ税額控除が行われる

ことから、診療報酬・薬価に含まれる課税仕入れに係る消費税対応分(消費税率10%相当分)を是正することが必要となる。

調剤技術料を巡る課題:調剤技術料の近年の推移(1)

○ 調剤技術料は医療費ベースで1.7兆円(2013(H25)年度)。

○ 2009(H21)年度を100とした場合の医療費の伸び率を診療種類別に見ると、医科、歯科に比べ調剤技術料の伸び率が高い。

106

108

111

112

100 102

104

105

107

102

104

106 107

109

113

117

119

2009 2010 2011 2012 2013

出所:厚生労働省 「H25年度 医療費の動向」及び「調剤医療費(電算処理分)の動向~H25年度版~」を基に作成。

(年度)

医科・入院 (薬剤料等含む)

歯科 (薬剤料等含む)

医科・入院外 (薬剤料等含む)

調剤技術料

調剤医療費 うち技術料 うち薬剤料

2013年度 (H25年度)

7.0兆円 1.7兆円 5.2兆円

2012年度 (H24年度)

6.6兆円 1.7兆円 4.9兆円

2011年度 (H23年度)

6.5兆円 1.6兆円 4.9兆円

2010年度 (H22年度)

6.0兆円 1.6兆円 4.4兆円

2009年度 (H21年度)

5.8兆円 1.5兆円 4.3兆円

<調剤医療費の推移>

(注)「調剤技術料」とは「調剤医療費」における技術料。 31

調剤技術料を巡る課題:調剤技術料の近年の推移(2)

○ 調剤技術料の近年の伸びを要因分解すると、一処方当たりの単価(P)の伸びが半分程度を占めており、医薬分業率の上昇等に伴う処方回数(Q)の伸びのみが要因ではないことがわかる。

9%

13%

17%

19%

5% 6%

8% 9%

2010 2011 2012 2013

2009年度からの

調剤技術料の伸び率

調剤技術料 全体の伸び率 (対2009年度)

うち一処方当たりの 単価の伸び率 (対2009年度)

0

100

200

300

400

500

600

700

800

0

10

20

30

40

50

60

70

処方箋発行枚数(百万枚)

医薬分業率(%)

2013年度 医薬分業率 67.0%

※医薬分業率(%) = 処方箋枚数(薬局での受付回数)

医科診療 入院外 日数×医科投薬率+歯科診療日数×歯科投薬率 × 100

出所:厚生労働省 「調剤医療費(電算処理分)の動向~平成25年度版~」

(年度)

(年度)

医薬分業率の年次推移

【医薬分業の趣旨】 医師が患者に処方箋を交付し、薬局の薬剤師がその処方箋に基づき調

剤を行い、医師と薬剤師がそれぞれの専門分野で業務を分担し国民医療の質的向上を図るもの。(経営上の分離、構造上の分離が要件。)

【医薬分業に期待される利点】 ・処方内容のチェック・服薬指導等を通じた薬物療法の有効性、安全性

の向上 ・在庫に縛られない、医療機関による自由な処方 ・薬局における残薬解消の取組みや後発医薬品の使用の促進

出所:日本薬剤師会「医薬分業進捗状況(保険調剤の動向)」 (注)「調剤技術料」とは「調剤医療費」における技術料。 32

調剤技術料を巡る課題:院内処方、院外処方の比較

前提条件 院内処方の診療報酬

(医科のみ) 院外処方の診療報酬

(医科+調剤) 差額

[ケース1] ・風邪 (内服薬6日分)

・処方料 420円 ・薬剤情報提供料 100円 ・調剤料 90円 ・調剤技術基本料 80円

(医科技術料) ・処方せん料 680円

(調剤技術料) ・調剤基本料 410円 ・後発医薬品調剤体制加算 180円 ・調剤料 300円 ・薬学服用歴管理指導料 410円

合計 690円 1,980円 1,290円

自己負担(3割負担) 210円 590円 380円

[ケース2] ・花粉症 (内服薬14日分) ・外用薬

・処方料 420円 ・薬剤情報提供料 100円 ・手帳記載加算 30円 ・調剤料(内服・外用) 150円 ・調剤技術基本料 80円

(医科技術料) ・処方せん料 680円

(調剤技術料) ・調剤基本料 410円 ・基準調剤加算 120円 ・後発医薬品調剤体制加算 180円 ・調剤料(内服・外用) 730円 ・薬剤服用歴管理指導料 410円

合計 780円 2,530円 1,750円

自己負担(3割負担) 230円 760円 530円

[ケース3] ・高血圧、糖尿病、不眠、胃炎 (内服薬28日分)

・処方料 420円 ・薬剤情報提供料 100円 ・手帳記載加算 30円 ・調剤料 90円 ・長期投薬加算 650円 ・調剤料(麻向覚毒)加算 10円 ・処方料(麻向覚毒)加算 10円 ・調剤技術基本料 80円

(医科技術料) ・処方せん料 680円 ・一般名処方加算 20円 ・長期投薬加算 650円

(調剤技術料) ・調剤基本料 410円 ・後発医薬品調剤体制加算 180円 ・調剤料 2,430円 ・向精神薬加算 80円 ・一包化加算 1,280円 ・薬剤服用歴管理指導料 410円

合計 1,390円 6,140円 4,750円

自己負担(3割負担) 420円 1,840円 1,420円

(注1)上記診療報酬は、投薬に関する費用のみで、医療機関で算定する基本診療料や医学管理料は含まない。 (注2)ケース2及びケース3は、平成27年3月12日「規制改革会議公開ディスカッション」にて健康保険組合連合会及び日本医師会が提出した資料を抜粋したもの。

←後発医薬

品調剤体制加算を追加しました。

33

算定回数ベース(左軸)

0.066%

0.003% 0.00%

0.02%

0.04%

0.06%

0.08%

0.10%

0.00%

0.20%

0.40%

0.60%

0.80%

1.00%

20

02

20

03

20

04

20

05

20

06

20

07

20

08

20

09

20

10

20

11

20

12

20

13

調剤技術料全体に占める 在宅訪問関連技術料

40点

35点

36点

37点

38点

39点

40点

41点 処方箋受付1回当たりの算定点数

調剤技術料を巡る課題:調剤技術料の内訳毎の算定点数の推移 ○ 調剤技術料をその内訳で見ると、以下の傾向がみられる。 調剤基本料・調剤料は、院内処方の調剤技術基本料・調剤料の数倍~十数倍の点数が算定できる上に、右肩上がりで増

加 昨今の不正事案等も通じて意義を見出しにくいとの批判がある薬剤服用管理指導料を含む薬学管理料が近年増加傾向 在宅訪問関係の技術料は低位

○ 院内処方との比較、保険薬局の果たしている役割も踏まえながら、調剤技術料について抜本的な適正化が必要。

116点

60点

35点

40点

45点

50点

55点

60点

65点

90点

95点

100点

105点

110点

115点

120点

200220032004200520062007200820092010201120122013

処方箋受付1回当たりの算定点数

調剤料計(左軸)

調剤基本料計(右軸)

(出典)厚生労働省「社会医療診療行為別実態調査」

薬学管理料計 (薬剤服用管理指導料を含む)

点数ベース(右軸)

薬剤服用歴管理指導料の算定要件

・お薬手帳の記載 ・薬剤情報提供文書の提供と説明 ・薬剤服用歴の記録とそれに基づく指導 ・残薬確認 ・後発医薬品に関する情報の提供

調剤基本料の算定要件 調剤料の算定要件

患者等が提出する処方せんの枚数に関係なく処方せんの受付1回につき算定。 ※ なお、保険薬局の体制に応じた各

種の加算措置がある。

医薬品の種別、投与日数、調剤数に応じて算定。 ※ なお、調剤料計の伸びについて

は、投薬日数の伸びの影響もある。

在宅患者訪問薬剤管理指導料の算定要件

在宅で療養を行っている患者であって通院が困難なものに対して、医師の指示に基づき、保険薬剤師が薬学的管理指導計画を策定し、患家を訪問して薬学的管理及び指導を行った場合に算定。

※ 要介護・要支援認定の在宅療養患者に係る薬剤管理指導については、介護保険において算定(居宅療養管理指導費)。

(介護保険における算定回数は、医療保険の約30倍(H25)) 34

263

338

429 496

577

0億円

200億円

400億円

600億円

2010 2011 2012 2013 2014

1.8

3.5

7.0 8.4

1店舗 2~5店舗 6~19店舗 20店舗以上

(参考1)保険薬局の収益率及び大手調剤薬局の内部留保

○ 同一法人で保険調剤を行っている店舗数が多い保険薬局では、収益率が一桁台後半と高い状況にある。 ○ 調剤薬局大手の内部留保(利益剰余金)は年々増加している。

(出典)各社「有価証券報告書」、(注)各年における決算の金額を合算している。

〈大手調剤薬局4社における内部留保合計額推移〉

〈保険薬局の収益率〉

(出典)厚生労働省「第19回医療経済実態調査」

このページと次のページは統合しましょう。

次のページの内容については大手4社平均で括って一つの図で十分かと思います。

35

日本製薬工業協会の「透明性ガイドライン」に基づき製薬企業72

社が公表した、製薬企業から医師への金銭情報を集計。

その結果、2013(H25)年度には、「講師謝金」、「原稿執筆料」、「コンサルタント料」で合計約300億円が医師に支払われていたことが判明。

新薬創出・適応外薬解消等促進加算のあり方

○ 「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」(新薬等加算)は、H22年度以降、試行的に実施。 (注)新薬等加算は、以下の要件を満たす品目の薬価を、特許期間中維持する仕組み ①後発医薬品が上市されていない新薬で、 ②市場実勢価格の下落率が平均的な下落率よりも低く、 ③真に医療の質の向上に貢献する医薬品の研究開発を行っている企業の品目

○ 新薬等加算については、 ・ 適用要件②が「薬の有用性」という実質面ではなく、単に「価格の下落率」という形式面に着目しており、趣

旨に真に貢献していないのではないか、 ・ 適応外薬解消にまで公費を含めた助成が必要なのか、 ・ そもそも製薬企業は付加価値の高い新薬創出に有効で・効率的な経営努力を行っているのか、

等の観点からその意義を改めて精査する必要。

2015.4.1 新聞報道

2014(H26)年度中に保険収載された新医薬品のうち、その付加

価値に鑑みて小児・有用性等の加算等の対象と認められたものは、件数ベースで26%、金額ベースで13%にとどまる。

保険収載される「新薬」

当該先発品の 市場実勢価格による 引下げ分

新規後発品が 上市された後の 最初の薬価改定

薬価

新薬特許期間満了 (後発品上市)

又は 薬価収載15年

新薬の薬価収載 時間

当該加算の対象とならなかった場合の新薬の薬価

(現行制度における新薬の薬価)

先発 → 当該加算の対象となった新薬の薬価

A円

当該改定猶予分

新薬創出・適応外薬解消等促進加算の対象となる医薬品の薬価推移のイメージ

所要額570億円(2014(H26)年度医療費ベース)

36

生活習慣病治療薬の処方のあり方

○ 生活習慣病治療薬は作用機序の違いなどによりいくつかのタイプが存在。その処方に当たっては、性・年齢、進行度、副作用のリスク等に応じて、基本的には個々の患者ごとに医師が判断すべきものである。

○ しかしながら、例えば、高血圧薬などを例に取ると、我が国では高価な降圧薬(ARB系)が多く処方されている。費用対効果による評価やそれに基づく処方ルールの明確化や価格付けのあり方等について検討が必要。

製品名 薬効

1 ヒュミラ 関節リウマチ

2 レミケード 抗リウマチ薬

3 リツキサン 非ホジキンリンパ腫他

4 エンブレル 関節リウマチ

5 アドエア 抗喘息薬(配合剤)

6 ランタス 糖尿/インスリンアナログ

7 アバスチン 転移性結腸がん

8 ハーセプチン 乳がん

9 クレストール 高脂血症/スタチン

10 ジャヌビア 2型糖尿病/DPP4

製品名 薬効

1 プラビックス 抗血小板薬

2 ディオバン ARB

3 ブロプレス ARB

4 ジャヌビア 2型糖尿病 /DPP4

5 オルメテック ARB

6 レミケード 抗リウマチ薬

7 モーラステープ群 鎮痛・消炎

8 アバスチン 抗がん剤

9 タケプロン PPI

10 アリセプト アルツハイマー病

<医薬品世界売上高上位10品目> <医薬品国内売上高上位10品目> <高血圧薬の使用に関するガイドライン>

【STEP1】 ACE、ARB、Ca拮抗剤、 サイアザイド利尿剤のいずれか

【STEP2】(以下の組合わせいずれか) (ACE又はARB)+(Ca拮抗剤) (ACE又はARB)+(サイアザイド利尿剤) (Ca拮抗剤)+(サイアザイド利尿剤)

【STEP3】 ・(ACE又はARB)+(Ca拮抗剤)+(サイア

ザイド利尿剤)

【STEP4】 ・(ACE又はARB)+(Ca拮抗剤)+(サイア

ザイド利尿剤)+

日本

・β ブロッカー ・サイアザイド 利尿剤の追加 ・α ブロッカー

【STEP1】 55歳以上(全人種) →Ca拮抗剤 55歳未満(アフリカ系、カリブ系を除く) →ACE(副作用等がある場合にはARB)

【STEP2】 ・(ACE又はARB)+(Ca拮抗剤)

【STEP3】 ・(ACE又はARB)+(Ca拮抗剤)+(サイアザイド

利尿剤)

【STEP4】 ・(ACE又はARB)+(Ca拮抗剤)+(サイアザイド

利尿剤)+

イギリス

・β ブロッカー ・サイアザイド 利尿剤の追加 ・α ブロッカー

(出典) ・医薬品国内売上高上位10品目:日刊薬業 ・医薬品世界売上高上位10品目:セジデム・ストラテジックデータ(株)ユート・ブレーン事業部

<代表的な治療薬の一日薬価>

ACE系 タナトリル錠(10mg) 145.6円

ARB系 ディオバン錠(80mg) 109.10円

Ca拮抗系 アムロジン錠(5mg) 53.30円

サイアザイド利尿系 ニュートライド錠(100mg) 22.4円 37

Ⅰ.経済雇用情勢の好転やこれまでの改革等の効果 Ⅱ.国民皆保険を維持するための制度改革 (1) 公的保険給付範囲の見直し (2) サービス単価の抑制 (3) 負担能力に応じた公平な負担 Ⅲ.医療の効率化 (1) 医療提供体制の改革 (2) 医療の無駄排除、予防の推進等

38

負担能力に応じた公平な負担 (総括) ○ 世代間・世代内での負担の公平を図るため、年齢や就業先に関わらず、負担能力に応じた公平な負担を求めること

が必要。

項目 今後の検討課題

1.高齢者の患者負担のあり方

(医療) ・ 骨太2014に基づき、後期高齢者保険

料軽減特例は原則的に本則に戻すとともに、きめ細かな激変緩和措置を講ずることを決定。

・ 2014(H26)年度より、70~74歳の定率窓口負担(本則2割→特例1割)について、新たに70歳になる者から、段階的に2割負担に戻しているところ。

(介護) ・ 2015(H27)年8月から、一定の所得

以上の者について、利用者負担を1割から2割に引上げ。

現役世代と高齢者で差がある高額療養費制度の見直し P40

全制度を通じ、マイナンバーも活用しつつ、所得だけでなく、高齢者を中心に預貯金等の金融資産も勘案して、負担能力に応じた負担を求める。 (2018(H30)年~)

後期高齢者医療の窓口負担の見直し P41 (2019(H31)年~) ・ 2割負担が適用になる前期高齢者について、75歳になった以

降も2割負担を維持 ・ 2019(H31)年度時点で既に75歳になっている者について

も、数年かけて段階的に2割負担への引上げ

次期介護保険制度改革における負担能力に応じた利用者負担の見直し P42

・ 利用者負担限度額(高額介護サービス費)の見直し ・ 2割負担となる対象者の拡大(住民税課税者等)

2.被用者保険者間における負担能力に応じた負担

・ 後期高齢者支援金について、2015(H27)年度より段階的に総報酬割へ移行する予定。

前期高齢者医療費納付金への総報酬割の導入 P44 介護納付金(40歳~64歳の介護保険料)を人頭割から総報

酬割へ P45

※ 社会保障改革プログラム法に規定された検討事項

被用者保険の統合も視野に入れた取組み(中期的課題)

3.高所得者に対する年金給付のあり方の見直し

現役世代と比べて遜色のない一定の所得を得ている高齢者について、国庫負担相当分の年金給付の支給を停止 P46

※ 社会保障改革プログラム法に規定された検討事項

39

○ 高額療養費制度については、70歳以上の高齢者について、 ① 月単位の上限額が、70歳未満に比べて低額に設定されている、 ② 外来については、70歳未満にはない更なる特例措置が講じられている、 など、若年者よりも負担が低い状況となっている。 ⇒ 高齢者を特別に優遇している制度を速やかに見直し、所得に応じた適正な負担とするとともに、マイナンバーも活用

しつつ高齢者の保有する預貯金等の金融資産も勘案して、上限額を定める制度に移行する必要。

現役世代と高齢者で差がある高額療養費制度の見直し

現役 高齢者(現状)

【見直しの考え方】

70歳未満 70歳~74歳 75歳以上

医療費の自己負担 3割負担

(就学前2割)

2割負担 * 26年4月以降70歳になる者か

ら(現役並み所得者3割)

1割負担 (現役並み所得者3割)

高額療養費月額上限

入院

年収約1,160万円~ 25.4万円 (注1) 現役並所得

(年収約370万円以上) (6.6%※)

8.7万円 (注3)

○ 年齢にかかわらず、負担能力に応じて現役世代と同様の負担を求める。

○ その際、預貯金額等の金融資産の保有状況も勘案した負担能力で設定。

年収約770万円 ~約1,160万円

17.2万円 (注2)

年収約370万円 ~約770万円

8.7万円 (注3)

~年収約370万円 5.8万円 (注3) 一般所得

(~年収約370万円) (53.5%※)

4.4万円

住民税非課税

3.5万円 (注4)

住民税非課税(注5)

(21.4%※) 2.5万円

年金収入80万円以下等(18.5%※)

1.5万円

外来

年収約370万円以上~

入院の場合と同じ

現役並所得 4.4万円

○ 入院の場合と同じ上限とする。

~年収約370万円 一般所得 1.2万円

住民税非課税 住民税非課税 0.8万円

上記は医療費が100万円と仮定した場合の金額。 (※)後期高齢者に占める割合 (注1)4か月目以降は14.0万円、(注2)4か月目以降は 9.3万円、(注3)4か月目以降は4.4万円、(注4)4か月目以降は2.5万円、(注5)年金収入のみの場合、単身世帯で年金収入155万円以下。

《高額療養費自己負担限度額》

40

○ 高齢者の定率の窓口負担は、原則となる負担率が1割または2割と、現役世代の3割よりも軽減。

○ 70歳~74歳の定率窓口負担を段階的に1割から2割に引き上げている現在の取組みを連続的に延伸する観点から、2019(H31)年度以降に新たに75歳以上となる者について2割負担を維持することを検討する必要。

○ 2019(H31)年時点で既に75歳以上となっている者は、数年かけて段階的に2割負担に引き上げることを検討する必要。

後期高齢者の医療窓口負担の見直し

定率負担の割合

70歳

2割負担

2割負担 2014(H26)年4月以降70歳に

なる者から段階的に2割、その他は1割

3割負担

1割負担

75歳 3割負担

現役並み 所得者 一般・低所得者

○マイナンバーの利活用等により、預貯金等の金融資産を勘案して「現役並み所得者」を設定する制度へ移行する必要 2018年(H30)年~

○2019(H31)年新たに75歳になる者 ・現在の取組を連続的に延伸し、2割負担を維持 ○2019(H31)年時点で既に75歳の者 ・2019年以降、1割負担から2割負担へ数年か けて段階的に引上げ

【見直しの考え方】

41

○ 一定の所得以上の者については、2015(H27)年8月から利用者負担が1割から2割に引き上げられる (あわせて現役並み所得の者に係る利用者負担限度額(高額介護サービス費)も引き上げられる) が、医療保険制度と同様、2割負担の対象者の拡大、利用者負担限度額の在り方等の見直しが必要ではないか。

○ その際には、マイナンバーも活用しつつ、預貯金等の金融資産も勘案して負担能力を判断する仕組みに移行する必要。

介護保険における利用者負担の見直し

75歳以上 70~74歳 70歳未満

一定以上所得 ※1 ※2 2割 現役並み所得 ※3 3割 3割 原則3割 (義務教育 就学前2割) それ以外 1割 それ以外 1割 2割

高額介護サービス費 高額療養費 (70歳以上)

現役並み所得 ※2 44,400円(世帯) 現役並み所得 44,400円

一般 37,200円(世帯) 一般 44,400円

住民税非課税等 24,600円(世帯) 住民税非課税等 24,600円

年金収入80万円以下等 15,000円(個人) 年金収入80万円以下等 15,000円

※1 年金収入+その他所得の合計額が、単身世帯であれば280万円以上、2人以上の世帯であれば346万円以上 ※2 2015(H27)年8月~ ※3 収入の合計額が、単身世帯であれば383万円以上、2人以上の世帯であれば520万円以上 ※4 26年3月末までに70歳に達している者は1割 (26年4月以降70歳になる者から2割)

【利用者負担】

【利用者負担限度額】

《多数該当》

介護と医療の利用者負担限度額の違いについて (2015(H27)年4月9日 計画課羽野補佐に確認) 《介護》 ・ 住民税世帯非課税→世帯として24,600円 ・ このうち個人として「公的年金等収入金額+その他合計所得金額」が

80万円以下の場合→個人として15,000円 《医療》 ・住民税非課税世帯で、かつ、世帯として、総所得金額(※)がゼロの場

合→世帯として15,000円 ※ 「高齢者医療確保政令」の15条1項4号の構成としては、通常公的

年金等控除は120万円のところ、80万円に読み替えて適用 (このため、年金収入のみで80万円以下の人は総所得金額がゼロとなる)

【事例】 ① 2人の非課税世帯で、両方とも年金収入のみ80万円以下であって、

自己負担がそれぞれ15,000円 (介護)世帯の負担は合計30,000円のところ、世帯の上限24,600円が

適用→世帯の負担は24,600円 (医療)総所得金額がゼロとなる((80万円以下-80万円)+(80万円

以下-80万円)=0+0=0)ので、世帯の負担は15,000円 ② 2人の非課税世帯で、Aが80万円以下、Bが80万円超であって、 ⅰ)Aの自己負担20,000円、Bの自己負担0円 (介護)世帯の負担は20,000円、このうちAの年金収入は80万円以下

なので、Aの上限は15,000円→世帯の負担は15,000円 (医療)総所得金額がゼロとならない((80万円以下-80万円)+(80

万円超-80万円)=0+80万円超-80万円>0)ので、世帯の上限は24,600円→世帯の負担は20,000円

(※) 医療の上限の考え方は、②について全て共通 ⅱ)Aの自己負担0円、Bの自己負担20,000円 (介護)世帯の負担は20,000円、Bの年金収入は80万円超なので、世

帯の上限は24,600円→世帯の負担は20,000円 (医療)世帯の上限は24,600円→世帯の負担は20,000円 ⅲ)Aの自己負担20,000円、Bの自己負担20,000円 (介護)世帯の負担は40,000円のところ、世帯の上限24,600円が適用

→世帯の負担は24,600円 (医療)世帯の上限は24,600円→世帯の負担は24,600円 →①及び②ⅰのケースでは、医療と介護の間で世帯の負担額が異な

るという結果になる。

【世帯単位】

介護

医療

介護 医療

※4

42

○対象者拡大(住民税課税者等)の検討 ○預貯金等の金融資産も勘案する制度へ

○医療保険における高額療養費の見直しとあわせて見直し ○預貯金等の金融資産も勘案して設定する制度へ

33.9%

22.8%

10.5% 7.0%

23.2%

22.7%

12.0%

9.5%

15.4%

14.9%

11.8%

9.4%

7.4%

11.6%

12.2%

8.5%

6.5%

5.9%

9.2%

7.7%

5.2%

9.2%

11.6%

12.5%

3.6% 7.1%

16.0%

17.7%

2.6% 3.2%

8.1%

11.3%

2.2% 2.6% 8.7%

16.2%

200万円未満 200~300万円 300~400万円 400~500万円

4,000万円以上

3,000~ 4,000万円

2,000~ 3,000万円

1,500~ 2,000万円

1,200~ 1,500万円

900~ 1,200万円

600~ 900万円

300~ 600万円

300万円未満

(参考)夫婦高齢者世帯の収入階級別の貯蓄保有状況

○ 基本的には高収入であるほど貯蓄が多い傾向にあるが、相対的に収入が少ない高齢者世帯であっても、一定の貯蓄 (例えば2,000万円以上の貯蓄) を有する世帯は一定程度存在する。

(注) 夫婦高齢者世帯とは、65歳以上の夫婦のみの世帯を指す。

(出所) 平成21年全国消費実態調査

貯蓄現在高

(収入階級)

貯蓄現在高とは,郵便貯金銀行,郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧日本郵政公社),銀行,その他の金融機関への預貯金,生命保険・積立型損害保険の掛金,株式・債券・投資信託・金銭信託等の有価証券と社内預金等のその他の貯蓄の合計をいう。

貯蓄現在高は,生命保険及び積立型損害保険については加入してからの掛金の払込総額により,また,株式及び投資信託については時価より,債券及び貸付信託・金銭信託については額面による。 なお,H元年調査から貯蓄に積立型損害保険を,6年調査から金投資口座・金貯蓄口座を含めている。

43

保険料負担 保険料負担

保険料負担 保険料負担 保険料負担

前期高齢者医療費納付金の総報酬割への移行 ○ 医療保険者が歴史的に分立している中、前期高齢者(65~74歳)の医療給付費については、保険者間で高齢者が偏在すること

による負担の不均衡を是正するため、保険者間で財政調整が図られている。 ○ しかしながら、財政調整の方式は各保険者の前期高齢者の加入者数に応じた方式(人頭割)であり、負担能力(総報酬)に応

じたものとなっていない。 ○ 最終的には被用者保険を統合することも視野に、被用者部分の前期高齢者納付金の総報酬割化など、被用者間の負担の公平化

を図る各種の措置の検討が必要。

(注)後期高齢者支援金については、2015(H27)年度より段階的に総報酬割へ移行する予定。

支払基金

<交付金>

5.97% 3.09%

35.55%

前期高齢者加入率

(全国平均)

14.83%

※数字は2015(H27)年度予算ベース

<納付金>

1.62%

前期高齢者加入率が 全国平均である場合の額

全国平均 協会けんぽ 健保組合A 健保組合B 国 保

保険料負担

中小企業A 健保組合C

人頭割から総報酬割への移行のイメージ

総報酬

健保組合B

(注)各保険者とも前期高齢者加入率が同等と仮定。

人 頭 割 総 報 酬 割

中小企業A 健保組合B 健保組合C

【参考】現行の財政調整の方式(イメージ)

国庫負担

44

被保険者数に 応じて負担(人頭割)

○ 第2号被保険者(40~64歳)の保険料は、各医療保険者が徴収しているが(介護納付金)、これを医療保険者間で按分する際、全額が加入者数割(人頭割)となっている。

→ 今般の医療保険制度改革において、後期高齢者医療における後期高齢者支援金の全面総報酬割の導入が予定されている点を踏まえ、プログラム法の規定に基づき、介護納付金の総報酬割導入について検討を進める必要。

介護納付金の総報酬割への移行 27.4.6更新

社会保障制度改革プログラム法 第5条第4項 政府は、前条第七項第二号ロに掲げる事項に係る同項の措置 (注:後期高齢者医療における総報酬割) の検討状況等を踏まえ (中略) 納付金の額を当該被用者保険等保険者の標準報酬総額に応じた負担とすることについて検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

公費 0.37兆円

国 :0.31兆円 地方 :0.06兆円

国費 0.15兆円

交付

国民健康保険 0.8兆円

協会けんぽ 0.9兆円

被用者保険 健保組合等

0.9兆円 社会保険診療

支払基金

第1号保険料 (65歳以上)

(22%)

2.1兆円

公費 (50%)

4.7兆円

国 :2.2兆円 地方:2.5兆円

第2号保険料 (40~64歳)

(28%)

2.6兆円

※ 負担割合は原則として、 国25%、都道府県12.5%、市町村12.5% ただし、施設等給付の場合は、 国20%、都道府県17.5%、市町村12.5%

介護給付費 9.4兆円

介護納付金

被用者保険間では報酬額に比例し て負担する仕組みとする

(総報酬割)

各医療保険者 が医療保険料と 一体的に徴収

45

○ 低所得者等への加算の導入と合わせて、世代内及び世代間の公平を図る観点から、高所得の基礎年金受給者の老齢基礎年金額について、国庫負担相当額を対象とした支給停止を行う(税制抜本改革の施行時期にあわせて施行(2015(H27)年10月))。

○ 老齢基礎年金受給者について、所得550万円(年収850万円相当)を超える場合に、老齢基礎年金額の一部の支給停止を開始し、所得950万円(年収1300万円相当)以上の者については、老齢基礎年金額の半額(最大3.2万円)を支給停止する。

(注) 所得550万円(年収850万円) :標準報酬の上位約10%に当たる収入(老齢年金受給権者のうち、上位約0.9%に当たる年収) 所得950万円(年収1300万円) :標準報酬の上位約2%に当たる収入 (老齢年金受給権者のうち、上位約0.3%に当たる年収)

老齢基礎年金

6.4万円 (満額)

3.2万円 (満額の場合の国庫負担相当額)

所得550万円 (年収850万円)

所得950万円 (年収1300万円)

支給停止

(支給停止のイメージ)

所得550万円未満の者(老齢年金受給者の約99%)については、 支給停止は行わない。

0.6% (約16.2万人)

0.3% (約8.1万人)

高所得者の年金給付の在り方(クローバック)

<社会保障・税一体改革の政府原案に当初盛り込まれた改正案> 【3党協議の過程で検討事項とされた】

<成立した法律の附則の検討規定>

○ 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律(H24年法律第62号)

附則第2条の3 高額所得による老齢基礎年金の支給停止については、引き続き検討が加えられるものとする。

○ 老齢基礎年金は、老齢期における稼得能力の喪失に対応するためのものであり、その財源の1/2は国庫負担で

ある。世代間の公平性確保の観点からも、現役世代と比べて遜色のない所得を得ている一定の高齢者について

は、国庫負担分相当の年金給付の支給を停止すべきではないか。

46

Ⅰ.経済雇用情勢の好転やこれまでの改革等の効果 Ⅱ.国民皆保険を維持するための制度改革 (1) 公的保険給付範囲の見直し (2) サービス単価の抑制 (3) 負担能力に応じた公平な負担 Ⅲ.医療の効率化 (1) 医療提供体制の改革 (2) 医療の無駄排除、予防の推進等

47

816

2,473 605

1,431

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

鹿

7対1病院が過剰 ⇒ 看護師不足(取り合い) ⇒ リハビリ等の受皿病院が不足 ⇒ 高コスト

一般病床

7対1 357,569床

10対1

13対1

15対1

療養病床

(13,110円/日)

(15,660円/日)

(11,030円/日)

(9,450円/日)

210,566床

26,926床

54,301床

216,653床

【現在の姿(2012年)】 <2025年のあるべき姿>

【データに基づいて都道府県ごとに目標設定(地域医療構想)】

※厚生労働省保険局医療課調べ 出典:平成23年11月25日 中央社会保険

医療協議会 総会資料(厚生労働省提出資料)

※経過措置の23,022床を除く

医療提供体制改革の必要性

○ 医療機能毎の病床数については、急性期を念頭に高い診療報酬点数(15,910円/日)となっている「7対1入院基本料」を算定する病床(患者7人に対し看護師1人が配置された病床)が過剰な状況になっており、医療機能の早期・円滑な分化・転換が課題。

○ また、療養病床数や、平均在院日数・入院受療率に係る不合理な地域差を解消することが必要。

816

2,473

25.5

39.8

14.5

22.6

神奈川県

埼玉県

愛知県

千葉県

東京都

岐阜県

滋賀県

静岡県

栃木県

宮城県

茨城県

三重県

長野県

兵庫県

奈良県

大阪府

群馬県

新潟県

山梨県

山形県

沖縄県

青森県

福島県

岩手県

京都府

福井県

和歌山県

広島県

秋田県

岡山県

鳥取県

香川県

島根県

富山県

石川県

愛媛県

福岡県

大分県

宮崎県

北海道

佐賀県

山口県

長崎県

徳島県

熊本県

鹿児島県

高知県

人口1人当たり国民医療費(万円) 都道府県間で約1.6倍の差

人口10万人対病院病床数(床) 都道府県間で約3倍の差

平均在院日数(一般病床)(日) 都道府県間で約1.6倍の差

(床) (万円・日) (床) (人/10万人)

入院受療率(人口10万人対入院(総数)) 都道府県間で約2.4倍の差

【人口10万人あたり病床数と1人当たり国民医療費・平均在院日数の関係】 【人口10万人あたり病床数と入院受療率の関係】

高度急性期

急性期

回復期

慢性期

(出典)平均在院日数、人口10万人対病院病床数:平成25年医療施設(動態)調査・病院報告 人口1人当たり国民医療費:平成23年国民医療費

(出典)人口10万人対病院病床数:平成25年医療施設(動態)調査・病院報告 入院受療率:性・年齢階級別調整後入院受療率(間接法)

人口10万人対病院病床数(床) 都道府県間で約3倍の差

48

医療提供体制改革、医療費適正化計画策定等のスケジュール

2014(H26) 年度

2015(H27) 年度

2016(H28) 年度

2017(H29) 年度

2018(H30) 年度

~ 2023(H35)

年度 ~

2025(H37)年度

地域 医療構想

(医療計画)

医療費 適正化計画

※ 今国会提出中の医療保険制度改革法案により見直し

(参考) 国保改革

報酬改定 診療報酬

改定 診療報酬

改定 診療報酬

改定

国:ガイドライン策定

都道府県: 地域医療構想策定

都道府県医療計画(6年)

必要病床数

国:基本方針策定

都道府県医療費適正化計画(6年) ・ 地域医療構想と整合的な医療費 目標の設定 ・ 目標が実績と乖離した場合の要因 分析と必要な対策の検討

目標設定

都道府県: 地域医療構想策定後 前倒し策定

国保への財政支援 3,400億円

○都道府県が財政運営の責任主体 ○各都道府県国保の医療費適正化に向けた取組等を推進

○ 将来のあるべき病床機能を達成するために、都道府県において、データに基づいて将来必要となる病床数に係る地域医療構想を策定するとともに、地域医療構想と整合的な医療費目標等を盛り込んだ医療費適正化計画を前倒して策定することとされている。

49

高度急性期、急性期、回復期の病床数の推計 (ガイドラインに基づき都道府県毎に推計)

実際の診療データに基づき、全患者の1日当たり医療資源投入量を入院経過日数順に並べ、基準に該当する患者数(人・日)を合算。これにより得られる医療需要を病床数に換算。

3000点

600点

225点

入院からの日数

高度急性期

急性期

回復期

在宅医療等

医療資源投入量

慢性期の病床数の推計 (ガイドラインに基づき都道府県毎に推計)

療養病床の入院受療率に現在、地域差があることから、例えば、全国最大レベルの入院受療率を全国中央値レベルにまで低下させる割合を用いて、地域差を解消。

全国最大レベル(県単位)の入院受療率を 全国中央値レベル(県単位)にまで低下させる割合を用いて、二次医療圏ごとに全国最小との差を等比的に低下する。

中央値(県)

現在

2025年

最小 (二次医療圏)

最大 (二次医療圏)

入院受療率

最小(県)

【地域差解消手法の基本例】

最小 (県)

最大 (県)

○ 地域医療構想に盛り込まれる病床数については、病床機能(高度急性期・急性期・回復期・慢性期)の別に、都道府県が二次医療圏等ごとに推計することとされている。

○ その推計の考え方・手法について、これまで、政府(内閣官房・厚生労働省)において検討を進めてきたが、先般「地域医療構想ガイドライン」としてとりまとめられたところ(27.3.31)。

○ このガイドラインに基づき、今後、都道府県において、将来必要となる病床数の目標に係る地域医療構想を策定する。

地域医療構想の概要

50

医療提供体制改革(総括):インセンティブの枠組みの強化に向けた今後の課題

○2015(H27)年4月より地域医療構想施行 (3月末にガイドライン公表済み) ・2025(H37)年の病床機能毎の必要病床数の算定式

○医療費適正化計画の見直し(法案提出) ・地域医療構想と整合的な目標設定、PDC

A等

地域医療構想と整合的な診療報酬体系の構築(2016(H28)年度~) ・ 地域医療構想と整合的な点数の付与 (それぞれの病床機能の算定要件の厳格化) ・ 慢性期病床の医療従事者配置基準等と報酬単価の見直し P52

・ 県の勧告等に従わない病院の報酬単価の減額 医療基金(900億円)、国保の財政支援(保険者努力支援制度700~

800億円)のメリハリある配分(2015(H27)年度~) ・ 地域医療構想や医療費適正化計画を迅速に策定し、不合理な地域差

解消に取り組む県に重点的に配分等 高齢者医療確保法14条の運用基準の明確化(2016(H28)年度~) ・ 改革が進まない地域の報酬単価の調整 都道府県の権限強化(2016 (H28)年度~) ・ 民間医療機関に対する他施設への転換命令等

外来医療費の適正化(2016(H28)年度~)

外来医療費についても、レセプトデータに基づく地域差の分析等を行い、国が医療費適正化計画上の標準的な外来医療費の算定式(ガイドライン)を策定・提示する必要。P53

医療費目標を達成するための医療費適正化計画上の

「医療の効率的な提供に係る指標」に、後発医薬品の使用促進、重複・頻回受診/重複投薬の防止、その他の適正化等を追加する必要。

病床の機能分化・不合理な地域差解消に向けた枠組みの強化

病床の機能分化・不合理な地域差解消に向けた改革の進捗状況(再掲)

○ 現在進めている医療提供体制改革の実効性確保のため、病床の機能分化・不合理な地域差解消に向けたインセンティブの枠組みをさらに強化することが必要。

○ また、外来医療費についても、地域差の分析等を踏まえ、適正化に取り組む必要。

既定の取組みの着実な実施

国保の調整交付金について、医療費水準の地域差が保険料に的確に反映される配分方法へ見直し。

後期高齢者支援金の加減算制度、国保の医療費適正化支援制度等について、

・ 大胆な傾斜付け ・ 後発医薬品の使用促進、重複・頻回受診/重複投薬の防止などのア

ウトカム指標の追加 51

慢性期病床(主に医療療養病床)の見直しの方向性

○ 医療療養病床については、患者の医療区分やその割合に応じて報酬に高低がある(図1)。 ○ より高い診療報酬の対象となる医療区分2、3の人口に対する受療率には地域差がある(図2)。これは医療区分の算定要件

のうち、スモン等の特定疾患ではなく、状態・医療処置の要件の適用の違いによって生じていると考えられる(図3)。 ○ こうしたことを踏まえ、医療区分2、3の算定要件を厳格化することが必要。 ○ また、地域医療構想に沿って、療養病床から在宅施設等へと機能転換を円滑に図る観点から、療養病棟入院基本料2の対象病

床については、医師・看護師配置基準、報酬の組合せを老人保健施設などと整合的なものとしていく必要 (図4)。

図1

図2

医療区分3

【疾患・状態】 ・スモン・医師及び看護師により、常時監視・管理を実施している状態 【医療処置】 ・24時間持続点滴・中心静脈栄養 等

医療区分2

【疾患・状態】 ・筋ジストロフィー等やその他の難病(スモンを除く) ・脊髄損傷(頸髄損傷) ・慢性閉塞性肺疾(COPD) ・疼痛コントロールが必要な悪性腫瘍・肺炎・尿路感染症 ・リハビリテーションが必要な疾患が発症してから30日以内・脱水かつ発熱を伴う状態 ・体内出血・頻回の嘔吐かつ発熱を伴う状態・褥瘡・末梢循環障害による下肢末端開放創 ・せん妄・うつ状態・暴行が毎日みられる状態(原因・治療方針を医師を含め検討) 【医療処置】 ・透析・発熱又は嘔吐を伴う場合の経腸栄養・喀痰吸引(1日8回以上)等

医療区分1 医療区分2・3に該当しない者

新たな難病制度の創設を踏まえて、

難病等への要件の厳格化を図る。

図3

医療療養病床 介護療養型

老人保健施設 (従来型の)

老人保健施設

1人当たり 床面積

6.4㎡以上 8.0㎡以上

大規模改修までは 6.4㎡以上

8.0㎡以上

平均的な 1人当たり費用額※1

(2015年改定後) 約53万円※2

・療養型 約35.6万円※3 ・療養強化型 約37.7万円※3

約29.8万円

100床当たり 人員配置例 カッコ内は 配置基準

医師 3人 看護職員 20人 看護補助者 20人

看護 4:1 補助 4:1

医師 1人 看護職員 18人 介護職員 18人

看護・介護 3:1 うち看護 2/7

医師 1人 看護職員 10人 介護職員 24人

看護・介護 3:1 うち看護 2/7

図4 医療療養病床と介護保険施設の配置基準等

※1 介護保険施設:多床室、要介護5の基本施設サービス費について、1月を30.4日と仮定し1月当たりの報酬額を算出。(1単位10円) ※2 療養病棟入院基本料1を算定する病棟の患者1人1月当たりのレセプト請求金額(平成23年度慢性期入院医療の包括評価調査分科会報告書) ※3 介護職員を4:1で配置したときの加算を含む。 ※4 平成30年3月31日までは6:1でも可

※4

0

100

200

300

400

500

600

700

800

北海道

青森県

岩手県

宮城県

秋田県

山形県

福島県

茨城県

栃木県

群馬県

埼玉県

千葉県

東京都

神奈川県

新潟県

富山県

石川県

福井県

山梨県

長野県

岐阜県

静岡県

愛知県

三重県

滋賀県

京都府

大阪府

兵庫県

奈良県

和歌山県

鳥取県

島根県

岡山県

広島県

山口県

徳島県

香川県

愛媛県

高知県

福岡県

佐賀県

長崎県

熊本県

大分県

宮崎県

鹿児島県

沖縄県

医療区分2、3に係る医療療養受療率(65歳以上人口10万人あたり)

医療区分2 医療区分3

52

データに基づく外来医療費の地域差の分析と解消

0人 50人 100人 150人 200人 250人 300人 北海道

青森県

岩手県

宮城県

秋田県

山形県

茨城県

栃木県

群馬県

埼玉県

千葉県

東京都

神奈川県

新潟県

富山県

石川県

福井県

山梨県

長野県

岐阜県

静岡県

愛知県

三重県

滋賀県

京都府

大阪府

兵庫県

奈良県

和歌山県

鳥取県

島根県

岡山県

広島県

山口県

徳島県

香川県

愛媛県

高知県

福岡県

佐賀県

長崎県

熊本県

大分県

宮崎県

鹿児島県

沖縄県

0人 50人 100人 150人

北海道

青森県

岩手県

宮城県

秋田県

山形県

茨城県

栃木県

群馬県

埼玉県

千葉県

東京都

神奈川県

新潟県

富山県

石川県

福井県

山梨県

長野県

岐阜県

静岡県

愛知県

三重県

滋賀県

京都府

大阪府

兵庫県

奈良県

和歌山県

鳥取県

島根県

岡山県

広島県

山口県

徳島県

香川県

愛媛県

高知県

福岡県

佐賀県

長崎県

熊本県

大分県

宮崎県

鹿児島県

沖縄県

(出典)平成23年患者調査

○ 入院医療のみならず外来医療についても、各種既存データから地域差の存在が推察される。今後、NDB等を活用して、その要因等を深く、広く分析した上で、情報を公開するとともに、不合理な地域差の解消などを各都道府県が策定する医療費適正化計画に反映していくことが必要。

○ また、保険者がそれらの情報を活用し、重複・頻回受診、重複投薬などを効果的・効率的に防止することが重要。

1人当たり医療費の地域差 (市町村国民健康保険+後期高齢者医療)

160千円

180千円

200千円

220千円

240千円

260千円

280千円

300千円

神奈川県

和歌山県

鹿児島県

全国平均 241千円

都道府県別、1人当たり実績医療費(入院外+調剤)

16千円

18千円

20千円

22千円

24千円

26千円

28千円

30千円

32千円

鹿児島県

和歌山県

海 道

京 都 府

神奈川県

県 東

全国平均 25千円

都道府県別、1人当たり実績医療費(歯科)

(出典)厚生労働省保険局調査課「平成24年度医療費の地域差分析」

糖尿病外来の受療率 (人口10万人当たり)の地域差

気分障害外来の受療率 (人口10万人当たり)の地域差

53

Ⅰ.経済雇用情勢の好転やこれまでの改革等の効果 Ⅱ.国民皆保険を維持するための制度改革 (1) 公的保険給付範囲の見直し (2) サービス単価の抑制 (3) 負担能力に応じた公平な負担 Ⅲ.医療の効率化 (1) 医療提供体制の改革 (2) 医療の無駄排除、予防の推進等

54

医療の無駄排除、予防の推進等(総括)

○ ICTの利活用等により、重複受診・多剤投与など医療の無駄排除に向けた保険者機能の強化を図る必要 ○ また、予防の推進に向けて、保険者機能が強力に発揮される仕組みを構築する必要。

項目 今後の検討課題

1.医療データの活用による保険者機能の強化

ICTやマイナンバー等を活用してリアルタイムにレセプトデータ等を把握し、重複受診・重複検査・重複投薬を未然に抑制する枠組み

レセプト審査の強化(審査支払機関のチェック機能の高度化、保険者独自の審査機能の強化・外部民間専門業者の育成等)

2.病院の機能評価、医薬品等に対する費用対効果評価の推進

病院機能評価(1997(H9)年~、日本医療機能評価機構)の認定病院数の向上、評価対象範囲の拡大(診療所等への拡大)P56

2016(H28)年度を目途に試行的に導入するとされている費用対効果分析の早期本格実施 P57

3.保険者機能による予防の推進に向けた枠組みの強化

医療保険者による予防の推進(データヘルスの推進、受診・投薬が少ない被保険者へのインセンティブ措置(ヘルスポイント、保険料の傾斜設定)の普及等)

介護保険者(市町村)による予防の推進(要介護認定率(年齢調整後)や一人当たり介護給付費が低い市町村へのインセンティブ(調整交付金や40-64歳の保険料収入の傾斜配分)の創設等)

○ 医療のデータベース(NDB)について、収載情報の充実(重症度、医療・介護必要度、介護レセプト、住所地等の収載)、データ活用の利便向上(研究者等の利用手続きの簡略化・オンサイトセンターの増設、民間活用の検討)が必要。

◎ 財政健全化計画との関係

・医療の無駄排除、予防の推進に向けた取組みを強化しつつ、その効果については、医療費の動向に反映される形で勘案される(予め定量的に見込むことは困難)。3年後取組みの定量的な効果を検証し、中間見直しの際に勘案することも必要。

55

(参考1)第三者機関による機能評価と認定

受審・認定病院数の推移(~2015(H27)年1月末) 主要国における病院機能評価

国名

義務/任意 機関の性格 認定病院

割合 経済的優遇措置

の有無

英 任意 民間(営利) - なし

米 義務 民間

(非営利) - あり

独 義務 公法人 25.1% -

仏 義務 国

(独立機関) 99.5% あり

加 一部義務 民間

(非営利) 急性期病院等

では100% 州ごとに決定

豪 任意 民間

(非営利) 80~90% あり

日 任意 民間

(非営利) 26.6% なし 認定率26.63%(2015(H27)年1月末時点)

○ 各国において、病院が組織的に医療を提供するための基本的な活動が、適切に実施されているかどうかを評価する仕組み

が導入されている。

○ 我が国でも1997(H9)年以降日本医療機能評価機構が病院機能評価を実施。近年受審病院数が伸悩み(2009(H21)

年以降減少)。

【評価対象領域】提供される医療サービスの質、病院組織の運営

【評価調査者】 中立性・公正性を保持するサーベイヤーのチーム(医師、看護師、事務の3者構)

【認定】 一定の水準を満たした病院に対して「認定」を付与

○ 今後、認定を受けている病院数の向上、認定に対する診療報酬上のインセンティブ付け、評価対象の診療所への拡大、等が必要。

56

(参考2)医薬品等に対する費用対効果評価

効果

費用

b

a

A

比較対照技術

評価対象の 医療技術

B 比較対照からの健康状態の改善分

比較対照からの費用の増分 増分費用効果比

(ICER)

増分費用効果比= (ICER)

b-a (費用がどのくらい増加するか) B-A (効果がどのくらい増加するか)

費用対効果評価のイメージ

ICER の基準値

技術A

技術B

技術C

費用対効果が劣る

費用対効果が優れる

①償還の可否の判断材料に用いる場合

推奨

非推奨

推奨

技術A

技術B

技術C

②償還価格への反映に用いる場合

ICER の基準値

費用対効果が劣る

費用対効果が優れる (出典)平成25年2月27日中医協費用対効果評価専門部会(第8回) 福田参考人提出資料

○ イギリス、フランス、ドイツ、オーストラリア等では、医薬品あるいは医療技術などについて、費用対効果分析を実施。その結果に基づき、保険償還の対象とすることの可否、あるいは保険償還額などを決定する枠組みを設けている。

○ 中医協の議論では、「2016(H28)年度診療報酬改定における試行的導入も視野に入れながら、引き続き検討す

る」とされているが、早期・本格実施を推進する必要。

57

第Ⅱ部

生活保護・障害福祉の制度改革

年金に関する中期的課題

雇用保険の財源のあり方

子育て支援策の拡充と財源確保策

58

生活保護

59

70.0 66.1 61.1 64.4 65.8 70.8 74.7 78.1 65.5 58.6 60.2 66.3

127.4

149.8

161.9

204.7

192.9

162.8

159.9

134.4

134.9 142.7 143.1

110.0

89.8 88.2 94.7

176.4

206.7 217.0

5.40

3.80

5.20

3.60

1.06

0.45

1.15

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

0102030405060708090

100110120130140150160170180190200210220230240250260270280290300

昭和26 30 40 50 60 平成元 4 7 10 21 23 27.1

(被保護世帯数・被保護人員)

(万) (%)

(完全失業率・有効求人倍率)

生活保護受給者の動向

過去最低水準 ⇒ 現在 被保護人員 88.2万人 2.5倍 217.0万人 (H7年)

被保護世帯数 58.6万世帯 2.8倍 161.9万世帯 (H4年)

被保護人員

被保護世帯数

有効求人倍率

完全失業率

(出典)被保護人員及び被保護世帯:厚生労働省「被保護者調査」(2012(H24)年3月以前は「福祉行政報告例」)、有効求人倍率:厚生労働省「一般職業紹介状況」、完全失業率:総務省「労働力調査」

○ 被保護人員は現在約217万人に達しており、国民の約58人に1人が受給している状況。(保護率1.7%)

○ 世帯数では約161万9千世帯となっており、過去最高水準の更新が続いている。

60

就労による保護脱却は、4割程度にとどまる

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

4.5

5.0

5.5

6.0

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

70.0

80.0

19 20 21 22 23 24 25 26

保護開始・廃止割合 (%)

生活保護からの脱却(その他の世帯)

保護開始・廃止割合と失業率

保護開始割合

完全失業率 (%)

完全失業率

保護廃止割合

(出典)保護開始割合及び保護廃止割合:厚生労働省「被保護者調査」 (23年度以前は「福祉行政報告例」) 完全失業率:総務省「労働力調査」

完全失業率が低下しているにもかかわらず、保護廃止割合が低下している

(年度)

15.2% 17.0% 27.8%

23.2% 19.9% 20.2% 18.7% 17.1% 21.6% 23.2%

24.2% 27.7%

29.5% 32.8%

34.5% 36.1%

27.1% 23.9%

14.1% 13.8%

15.6% 14.1%

14.8% 15.6%

9.4% 12.1%

14.0%

14.1%

13.5% 11.7%

10.3% 10.1%

26.7%

23.2%

20.0% 21.3%

21.5% 21.3%

21.8% 21.1%

29,712

38,688

108,984 102,684

83,328 85,756

73,691 69,096

11,160 17,292

78,168

58,464

33,804

34,864

21,954 20,364

0

20,000

40,000

60,000

80,000

100,000

120,000

19 20 21 22 23 24 25 26

失業

貯金等の減少

傷病

その他の労働 収入の減少

その他

純増数

保護開始世帯の開始理由

(凡例)

(世帯)

34.1% 35.3% 32.8% 36.8% 36.6% 38.9% 41.4% 41.8% 29.8% 24.3% 27.5%

26.6% 23.2% 22.2% 21.3% 21.2%

36.2% 40.3% 39.7%

36.7% 40.2% 38.8% 37.4% 36.9%

△ 18,552 △ 21,396

△ 30,816

△ 44,220 △ 49,524 △ 50,892 △ 51,737 △ 48,732 △ 60,000

△ 40,000

△ 20,000

0

保護廃止世帯の廃止理由

(出典)2011(H23)年度以前は「福祉行政報告例」、2012(H24)年度以降は「被保護者調査」 ※ 2011(H23)年度までは9月単月のデータを12倍したもの。2012(H24)、2013(H25)年度は年間データ。2014(H26)年度は4月から12月の平均値を12倍した参考値。

(年度)

保護開始理由・保護廃止理由

完全失業率の低下に伴い、保護開始割合も低下

労働収入の 増加・取得等

死亡・失踪

その他

○ 足下の経済雇用環境は大きく改善しているにもかかわらず、「その他の世帯」の保護廃止割合はむしろ低下している。

○ 保護廃止世帯のうち、労働収入の増加による生活保護からの脱却は4割程度にとどまっており、就労を通じた保護脱却を一層進める観点から、保護受給の更新期の設定や、正当な理由なく就労しない場合の保護費の削減などの更なる取組みが必要ではないか。

61

医療扶助の適正化

生活保護費の内訳

医療扶助費 17,077億円 (47.0%) 生活扶助費

12,256億円 (33.8%)

住宅扶助費 5,799億円 (16.0%)

その他 1,182億円 (3.3%)

(出典)厚生労働省「生活保護費負担金事業実績報告」

2013(H25)年度実績

医療扶助が全体の半分近くを占める

頻回受診の状況

総計 5日以下 6~10日 11~15日 16~20日 21~25日 26日以上

生活保護 100.0% 88.6% 7.4% 2.5% 0.9% 0.5% 0.2%

国民健康保険等(注) 100.0% 90.4% 6.3% 2.2% 0.7% 0.3% 0.1%

入院外の月間受診回数(25年度)

(注)国民健康保険及び後期高齢者医療 (出典)厚生労働省「医療扶助実態調査」「医療給付実態調査」

11.4%

9.6%

○ 医療扶助費は、生活保護費全体の約5割を占めている。 ○ 生活保護受給者は、1人当たり医療費が国民健康保険・後期高齢者医療の被保険者と比べて約6割程度高い。また、国

民健康保険等と比べて受診回数が多い傾向にあり、不要な医療扶助が生じている可能性がある。 ○ 医療扶助の適正化を一層進めるため、医療保険制度における改革とあわせて、後発医薬品に基づく医療扶助基準の

設定や、医療費の一部自己負担の導入等の更なる制度の見直しが必要ではないか。

62

一人当たり医療費

(注)国民健康保険及び後期高齢者医療。 生活保護受給者及び国民健康保険等被保険者に占める65歳以上の者の割合はそれぞれ40%(24年度)及び52%(25年度)。 (出典)厚生労働省「被保護者調査」「生活保護費負担金事業実績報告」国民健康保険中央会「国保・後期高齢者医療 医療費速報」

年額・万円

生活保護 79.0

国民健康保険等(注) 48.7

79.0

48.7

0

20

40

60

80

100

生活保護 国民健康保険等

生活保護受給者が ・年間約30万円程度 ・比率にして6割程度 高くなっている

(万円)

2013(H25)年度一人当たり医療費

最低賃金・年金・生活保護の比較

○ 1日8時間週5日最低賃金で就労した場合の可処分所得額(注1)

最低賃金 130,258

○ 生活保護基準額

世帯構成 基準額

内訳

生活扶助 (注3)

母子加算 児童養育

加算 住宅扶助(注4)

(基準額(上限))

単身 (35歳) 135,170 81,470 - - 53,700

(65歳) 135,730 82,030 - - 53,700

夫婦のみ (夫35歳、妻35歳) 186,530 122,530 - - 64,000

(夫65歳、妻65歳) 186,620 122,620 - - 64,000

夫婦子1人 (父35歳、母35歳、子10歳) 239,000 159,200 - 10,000 69,800

母子 (母35歳、子10歳) 214,840 118,050 22,790 10,000 64,000

(母35歳、子10歳、子7歳) 267,840 153,450 24,590 20,000 69,800

(注1)最低賃金で就労した場合の可処分所得額=最低賃金額(時給)×173.8時間×0.844 (東京都の最低賃金額は888円)

「0.844」は、H24年度において、地域別最低賃金の最低額(時給652円(島根県、高知県))で月173.8時間働いた場合の税・社会保険料を考慮した可処分所得の総所得に対する比率

(注2)年金受給者の可処分所得額は、「年金受給額(東京都平均)-所

得税額-住民税額(東京都)-国民健康保険料(東京都千代田区)(65歳以上)」で試算。

(注3)生活扶助=1類+2類(冬季加算含む)+期末一時扶助 (2015(H27)年度基準改定反映後)

(注4)住宅扶助基準額は、2015(H27)年7月の見直し後の金額。

例)東京都23区 (単位:円)

(単位:円)

○ 平均的な年金受給額から税・健康保険料を控除した額(注2)

単身 146,121

夫婦のみ 197,144

(単位:円)

○ 次期生活扶助基準の検討(2017(H29)年度)にあたっては、被保護世帯と世帯構成が類似する一般低所得世帯との均衡を踏まえつつ、最低限度の生活保障としての扶助基準の在り方について整理する必要。

○ 具体的には、一般低所得世帯の消費実態について、世帯構成や年齢、居住地域等に応じてきめ細かく分析・検証し、最低賃金水準との関係を踏まえた就労可能世帯の保護水準や、年金受給者との均衡を踏まえた高齢者世帯の保護の在り方などについて検討を行うべき。

63

平均世帯人数(人)

収入金額(万円)

生活保護基準と消費実態の比較①

15.4

18.5

19.8 19.8 20.6

22.4 23.1

25.5 26.1

31.0

23.9

20.5

18.2

10

15

20

25

30

35

3.23 3.57 3.56 3.57 3.59 3.61 3.61 3.67 3.57 3.64

-310 310-392 392-448 448-498 498-541 541-600 600-652 652-746 746-894 894-

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ Ⅶ Ⅷ Ⅸ Ⅹ

(万円)

収入階層十分位

1級地-1 東京都区部等

2級地-1 栃木県宇都宮市

3級地-2 山形県鮎川村等

生活保護基準 (夫婦子1人)

(夫35歳、妻35歳、子10歳)

(生活扶助+住宅扶助)

一般世帯の消費支出 (30歳代)

(2人以上世帯) (全国平均)

(生活扶助+住宅扶助相当)

1月当たりの生活保護基準と消費支出 (夫婦子1人のケース)

○ 「夫婦子1人」の被保護世帯の扶助基準について、世帯構成が類似する一般世帯の消費実態と比較すると、地方都市(例:宇都宮市)の場合では収入階層でみて第5・十分位、東京都区部では第7・十分位の高い収入階層と同水準の消費生活を保障している。

(出典)総務省「全国消費実態調査」(H21年) (注)一般世帯の消費支出(生活扶助+住宅扶助相当)については、消費支出全体から、保険医療(医療扶助相当)、教育(教育扶助相当)、自動車等関係費(生活保護受給世帯の自動車保有は原則認められていない)、NHK受信料(生活保護受給世帯は支払免除)等を控除して算出。 64

平均世帯人数(人)

収入金額(万円)

生活保護基準と消費実態の比較②

収入階層十分位

15.4

18.5

19.8 19.8 20.6

22.4 23.1

25.5 26.1

31.0

26.8

23.2

21.1

10

15

20

25

30

35

3.23 3.57 3.56 3.57 3.59 3.61 3.61 3.67 3.57 3.64

-310 310-392 392-448 448-498 498-541 541-600 600-652 652-746 746-894 894-

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ Ⅶ Ⅷ Ⅸ Ⅹ

(万円)

1級地-1 東京都区部等

2級地-1 栃木県宇都宮市

3級地-2 山形県鮎川村等

○ 「母子世帯(子2人)」の被保護世帯の扶助基準について、世帯構成が類似する一般世帯の消費実態と比較すると、地方都市(例:宇都宮市)の場合では収入階層でみて第7・十分位、東京都区部では第9・十分位の高い収入階層と同水準の消費生活を保障している。

1月当たりの生活保護基準と消費支出 (母子世帯(子2人)のケース)

生活保護基準 (母子世帯)

(母35歳、子10歳、子7歳)

(生活扶助+住宅扶助)

一般世帯の消費支出 (30歳代)

(2人以上世帯)

(全国平均) (生活扶助+住宅扶助相当)

(出典)総務省「全国消費実態調査」(H21年) (注)一般世帯の消費支出(生活扶助+住宅扶助相当)については、消費支出全体から、保険医療(医療扶助相当)、教育(教育扶助相当)、自動車等関係費(生活保護受給世帯の自動車保有は原則不可)、NHK受信料(生活保護受給世帯は支払免除)等を控除して算出。 65

生活扶助基準と地域別消費実態の比較

○ 生活扶助基準においては、地域ごとの生活水準を反映するため、全国を6つの級地区分に分類。級地区分が同じであれば、生活扶助額は同一。

○ しかしながら、同じ級地区分に属する地域間において、それぞれの地域の一般低所得者の消費実態を比べると、1.1倍~1.6倍の格差がみられる。

級地区分 市町村の例

1級地-1 東京都23区 横浜市

1級地-2 札幌市 千葉市

2級地-1 金沢市 静岡市

2級地-2 長岡市 三島市

3級地-1 弘前市 福知山市

3級地-2 結城市 篠山市

生活扶助基準 の級地区分

※ 市町村の級地指定は1987(S62)年度以降、見直しが行われていない。

128.0

114.0

161.2

90

100

110

120

130

140

150

160

170

横浜

神戸

都区部

さいたま

京都

名古屋

大阪

仙台

千葉

広島

福岡

札幌

大津

岡山

長野

福島

前橋

和歌山

金沢

松江

盛岡

大分

高松

鹿児島

奈良

富山

宮崎

水戸

静岡

甲府

福井

佐賀

山形

鳥取

津 徳島

宇都宮

秋田

熊本

高知

新潟

長崎

山口

青森

岐阜

松山

那覇

1級地-1 1級地-2 2級地-1

都道府県庁所在地の級地区分と消費実態

最大格差 1.28倍

最大格差 1.14倍

最大格差 1.61倍

(出典)総務省「全国消費実態調査」(平成21年) (注) 収入300万円未満の2人以上世帯について、生活扶助相当の消費実態額を財務省で試算した上で、各級地の最小金額の都市を100として指数化 66

【基本的考え方】

○ 足下の被保護者数は、雇用環境が大幅に改善しているにもかかわらず依然として高止まっており、最低限度の生活保障や自立助長といった制度趣旨を踏まえた見直しが必要。制度全般について予断なく検討し、次期生活扶助基準の検証(2017(H29)年度)までに必要な見直しを行うべき。

【就労を通じた保護脱却の促進】

○ 就労可能な受給者が多い「その他の世帯」の保護廃止が進んでいない状況を踏まえ、被保護者の就労を通じた保護脱却を一層進めるため、例えば、保護受給の更新期の設定や、正当な理由なく就労しない場合の保護費の削減などの仕組みの導入について、検討を行うべき。

【医療扶助の適正化】

○ 生活保護費全体の約5割を占める医療扶助の適正化を一層進める観点から、頻回受診の是正の強化に加え、一般の保険医療制度において、特許切れ医薬品について保険給付額を後発医薬品の価格に基づいて設定する制度や、外来受診時定額負担が導入される場合には、その見直しの趣旨を踏まえて、例えば、後発医薬品に基づく医療扶助基準の設定や、医療費の一部自己負担の導入等の医療扶助制度の見直しについて検討を行うべき。

【世帯類型ごとの保護のあり方】

○ 次期生活扶助基準の検証にあたっては、被保護世帯と世帯構成が類似する一般低所得世帯との均衡を踏まえつつ、最低限度の生活保障としての扶助基準の在り方について予断なく検討し、整理することが重要。

○ 具体的には、一般低所得世帯の消費実態について、世帯構成や年齢、居住地域等に応じてきめ細かく分析・検証し、例えば、

・ 最低賃金水準との関係を踏まえた就労可能世帯の保護水準、 ・ 年金受給者との均衡を踏まえた高齢者世帯の保護の在り方、 ・ 教育費等や他制度による給付等を踏まえた有子世帯の保護の在り方 等について、検討を行うべき。

制度見直しに向けた論点整理

67

障害福祉

68

今後取り組むべき課題等

○ 今後もサービス需要の伸びが見込まれる中で、真に支援を必要とする障害者に対し必要な支援を確実に行き届かせるとともに、サービス提供を効率的なものとすることにより、制度を持続可能なものとすることが重要。

○ 2016(H28)年においては、障害福祉サービスの在り方等について、障害者総合支援法の施行後3年を目途とした見直しを行うこととされている。この見直しに当たっては、

① 自立や就労を支援するための効率的なサービス提供の在り方 ② 必要な支援の度合いに応じたサービス提供の在り方 ③ 制度を支える財源・利用者負担の在り方 等について、例えば次項以降に掲げる観点から幅広く検討を行い、必要な見直しを図るべきではないか。

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

16,000

18,000

その他

地域生活支援事業

特別児童扶養手当等

自立支援医療

障害児施設給付費等

自立支援給付

+2.4% +12.7%

+5.5% +9.8%

+7.3% +7.5% +3.4%

(億円)

<障害福祉関係予算額の推移>

(注)一般会計計上分のみ。全て当初予算額。

36,667

70,569

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

70,000

80,000

0

10

20

30

40

50

60

70

80

難病等対象者

精神障害者

知的障害者

身体障害者

障害福祉サービスを行う事業所数(右軸)

(万人) (ヶ所)

+8.6% +8.4%

+8.6%

+10.6% +11.7% +6.1%

<障害福祉サービス(自立支援給付)に係る実利用者数・事業所数の推移>

(注)国保連データから作成。児童デイサービスを除く。事業所数は異なる障害福祉サービスを提供している者の重複を含む。 69

70

① 執行の適正化

○ 制度創設以降9年が経過し、これまで主にサービス量の拡充が図られてきたが、今後はサービスの質の向上も重要。例えば、都道府県等による事業所等に対する実地指導について、実施率が低いことから、全事業所等に対する実地指導を徹底するべきではないか。

(注)厚生労働省は、施設は2年に1度、その他のサービス事業所は3年に1度、実地指導を行うよう自治体に対し通知している。 ○ 新たな判定式が導入された障害支援区分の判定結果を見ると、従来と比べ、全体としてより上位の(重度の)区分にシフト

しており、総費用額の増大につながっていると考えられる。また、2次判定における上位区分への変更においても依然として大きな地域差が生じている。このため、新たな判定式の検証を行うとともに、不合理な地域差の改善を図るべきではないか。

(注)2014(H26)年度より、障害程度区分から障害支援区分に変更が行われるとともに、新たな判定式を導入し、従来の2次判定結果により近い結果が1次判定において出る仕組みとした。

全体として重い区分にシフト

全国平均 最小値 最大値 上位変更割合が 高い主な市町村

身体障害

6.3%

2.3% (大分県)

14.3% (滋賀県)

大阪市(15.7%) 金沢市(14.6%) 東近江市(43.9%)

知的障害

11.1%

4.2% (長崎県)

21.1% (石川県)

大阪市(24.1%) 金沢市(39.1%) 東近江市(51.5%)

精神障害

14.7%

4.9% (青森県)

39.0% (奈良県)

大阪市(29.6%) 柏市(48.2%) 寝屋川市(83.3%)

合 計

10.5%

5.2% (青森県)

21.8% (奈良県)

大阪市(23.1%) 金沢市(35.8%) 鹿嶋市(59.6%)

6倍

5倍

8倍

4倍

期間 非該当 区分1 区分2 区分3 区分4 区分5 区分6 2次判定で上位に

変更した割合

2012.10~2013.9 0.1% 6.8% 20.9% 21.8% 15.8% 13.9% 20.7% 34.9%

2013.10~2014.3 0.1% 7.0% 21.0% 21.3% 15.8% 14.9% 19.9% 34.5%

2014.4~9 0.0% 2.5% 19.2% 21.3% 18.8% 15.5% 22.7% 10.5% (出所)厚生労働省資料から作成 (注)%は上位変更人数/認定人数の割合。主な市町村は、認定人数により市町村を規模別に分類した上で、最も上位変更割合が高い市町村を、認定人数の規模順に上から記載。

(注)2013.10~2014.3については、2014.3までに申請が行われ、2014.4以降に判定が行われたものを含む。 (出所)厚生労働省資料

<障害支援区分の審査判定実績(2014年4~9月)>

<2次判定における上位区分への変更割合(2014年4~9月)> <実地指導実施率>

年度 施設 施設 以外 うち訪問系

うち日中 活動系

うち就労・ 訓練系

2012年度 49.7% 19.4% 15.4% 27.7% 28.9%

2013年度 40.6% 20.3% 17.1% 27.2% 28.6%

2ヶ年間の 実施率の低い

都道府県

福岡県 6.7% 三重県 13.2% 山梨県 17.2%

秋田県 0.0% 東京都 6.9% 三重県 9.7%

秋田県 0.0% 山梨県 2.8% 三重県 5.4%

秋田県 0.0% 三重県 9.5% 東京都 13.1%

秋田県 0.0% 東京都 13.3% 奈良県 16.1%

2ヶ年間の 実施率の低い 政令市・中核市

札幌市、新潟市、青森市、奈良市 0.0%

奈良市 2.9% 富山市 4.7% 新潟市 5.0%

仙台市、富山市 0.0% 奈良市 2.7%

新潟市 0.0% 青森市 2.6% 奈良市 4.2%

奈良市 3.1% 富山市 7.3% 新潟市 7.9%

(出所)厚生労働省「障害者支援施設等の指導監査の概況」等から作成 (注)実地指導実施率とは実地指導先の数/指定事業所等の数。ただし、指定事業所等の数には、障害者を

受け入れていない事業所も含まれる可能性があることに留意。なお、兵庫県は他県に比べ監査件数が多いため、2ヶ年間の実施率の低い都道府県からは除いている。

② 制度上の見直し ○ 本来の趣旨に則ったサービス利用という観点から、例えば、「短期入所(ショートステイ)」について、1ヶ月間利用してい

る者が事業所ベースで一定数見られることから、その要因分析やその結果に基づく制度改正等が必要ではないか。また、「生活介護」について、サービス利用者の「常時介護の必要性」の検証やその結果に基づく制度改正等が必要ではないか。

(注)短期入所は、介護者の疾病等のため障害者を短期に受け入れるサービス。稼働率が低いこと等から、報酬単価は施設入所支援に比べ高めに設定。生活介護は、常時介護が必要な者に対し、入浴等の介護や生産活動の機会の提供等を行うサービス。日中サービス系の中でも、高い報酬単価が設定されている。対象者は障害支援区分3以上などに限定。

○ 今後も、介護者の高齢化等により、障害福祉サービス等の需要は伸びると考えられるため、真に支援を必要とする障害者に対

し必要な支援を行き届かせる観点から、以下を検討すべきではないか。

① 居宅介護のうち「家事援助」(掃除や調理・配膳等)について、介護保険における「訪問介護」に係る議論等も踏まえつつ、必要性に応じた給付の在り方の見直し (軽度の障害者の「家事援助」の利用割合は8割超)

② 障害者の地域生活を推進するため、インフォーマルサービス(制度等に基づかない形でNPO等により提供されるサービス)の利用等を進めつつ、一部のサービスについて地域の実情に応じ効率的にサービスを提供する枠組み(地域生活支援事業)の活用

③ 支援を必要とする度合に応じてサービスが提供される仕組みへの見直し (就労支援のサービスやグループホームなど、障害支援区分の認定が

必要ないか、支援区分が「非該当」であっても利用が可能なサービスの見直しや、障害支援区分等に応じた利用限度額の導入等)

④ 通所サービス利用者に対する食費負担軽減措置の見直し(自立支援法施行時に経過的に導入。通所サービスを利用しない障害者(施設入所者を除

く)や、介護・医療の通所・通院では食費補助はない)を含む利用者負担の在り方の見直し

(注)家事援助の括弧書きは居宅介護の占める割合。 (出所)国保連データ。

(出所)(独)国立重度知的障害者総合施設のぞみの園「地域における短期入所(ショートステイ)の利用体制の構築に関する調査について」

<短期入所における利用日数別の事業所分布>

障害支援区分

居宅介護 うち家事援助

利用人数 (千人)

総費用額 (百万円)

利用人数 (千人)

総費用額 (百万円)

区分1 16 388 14(88.7%) 286(74.1%)

区分2 46 1,518 39(85.4%) 945(62.3%)

区分3 34 1,820 26(78.5%) 827(45.4%)

区分4 16 1,438 10(64.9%) 388(27.0%)

区分5 12 1,827 5(44.9%) 234(12.8%)

区分6 20 4,432 5(23.9%) 218( 4.9%)

合 計 144 11,422 100(69.6%) 2,898(25.4%)

<居宅介護における家事援助の利用状況(2014年10月)>

71

年金

72

スライド調整率

年金額の改定率

物価(賃金)

年金額の改定なし 物価(賃金)

実際の調整幅

年金額の改定率

物価(賃金) 調整なし

物価(賃金)

<ある程度、物価・賃金が上昇した場合> <物価・賃金の伸びが小さい場合> <物価・賃金が下落した場合>

時間

所得代替率

物価・賃金の伸びが一時的に 不十分又は下落するケース

ある程度、物価・賃金が上昇するケース

調整期間の長期化

将来の給付水準の低下

マクロ経済スライドによる調整

○ 現行のマクロ経済スライドによる自動調整は、『名目額』を下回らない範囲で行うものとされている(年金

受給世代への配慮)。

○ このため、例えば景気の変動に伴い賃金・物価の伸びが不十分又は下落した場合、マクロ経済スライドの効

果が限定的となる結果、マクロ経済スライド調整期間が長期化し、将来世代の年金給付水準が低下。

(マクロ経済スライドにおける名目下限措置の在り方) ○ 将来世代の給付水準を確保する観点からは、マクロ経済スライドによる調整が極力先送りされないよう工夫する ことが重要となるという認識について、概ね共有。

『社会保障審議会年金部会における議論の整理(平成27年1月21日)』

73

50

55

60

65

70

75

80

85

90

1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050

(注)2014年以降は推計。 (出所) 「H25年簡易生命表の概況」(厚生労働省)、「日本の将来推計人口(H24年1月推計)」(国立社会保障・人口問題研究所)の死亡中位ケース

団塊ジュニア世代が65歳以上に

平均寿命の伸長と年金の支給開始年齢

厚生年金の定額部分のみ

男性の平均寿命

女性の平均寿命

厚生年金の支給開始年齢(男性)

厚生年金の支給開始年齢(女性)

国民年金(1961年~) の支給開始年齢

○ 平均寿命が伸びる中、厚生年金については支給開始年齢の引上げが順次行われてきているが、国民年金については、1961(S36)年の制度創設以降、支給開始年齢の引上げが行われたことはない。

○ 現在、厚生年金の支給開始年齢が2025(H37)年度(男性の場合)にかけて引き上げられているが、今後、平均

寿命が更に伸びるととともに、2035(H47)年以降、団塊ジュニア世代(約700万人。1971~1974(S46~S49)

年生まれ)が65歳になることなどを踏まえ、それまでに支給開始年齢を引き上げることが必要ではないか。

厚生年金の 報酬比例部分

66.0

70.8

次回財政検証(2019年)

74

引上げ内容 決定時期

開始時期 (完了時期)

決定から開始 までの期間

2050年時点の 平均受給期間

勤労者世代人口(20~64歳)の高齢者人口(65歳以上)に対する

比率(2012年→2050年)

日本

60歳→65歳 (報酬比例部分・男性)

2000年 2013年

(2025年) 13年 男性:21.9年

2.4人→1.3人 60歳→65歳

(報酬比例部分・女性) 2000年

2018年 (2030年)

18年 女性:27.0年

米国 65歳→67歳 1983年 2003年

(2027年) 20年

男性:18.8年 女性:21.7年

4.4人→2.5人

英国 65歳→68歳 2007年 2018年

(2046年) 11年

男性:18.2年 女性:20.9年

3.5人→2.2人

ドイツ 65歳→67歳 2007年 2012年

(2029年) 5年

男性:19.1年 女性:22.0年

2.9人→1.5人

フランス 満額受給:65歳→67歳 (一部受給:60歳→62歳)

2010年

2016年 (2022年)

(一部受給:2011→2017年)

6年 男性:18.9年 女性:23.1年

3.3人→2.0人

カナダ 65歳→67歳 2012年 2023年

(2029年) 11年

男性:19.0年 女性:22.3年

4.2人→2.2人

イタリア

66歳(民間女性労働者62歳等)

→一律66歳、その後 平均余命の伸びに連動

(2021年に67歳)

2010年、 2011年

2012年 (2018年)

1年 男性:17.9年 女性:21.4年

2.9人→1.5人

(出所) 堀江奈保子「年金支給開始年齢の更なる引上げ~67歳支給開始の検討とその条件~」(「みずほ総研論集2008年Ⅰ号」より)、 財団法人年金シニアプラン総合機構「年金と経済 2010年1月」、各国政府HP、OECD”Pensions at a Glance 2013”、”Society at a Glance 2014”、“Pensions Outlook 2012” ほかより作成。

(注)フランスについては、満額拠出期間を満たす者は62歳から満額受給が可能。カナダについては、支給開始年齢が67歳に引き上げられるのは、老齢保障年金 (OAS)のみ。

支給開始年齢の引上げについて

○ 日本以外の全てのG7諸国では支給開始年齢の67~68歳への引上げが実施されている。 ○ 日本は、65歳への引上げの途中であり、また、引上げ後においても、平均寿命が長いことから、他国と比べて平均受給期間

が長い。過去の例を見ると、支給開始年齢の引上げの決定から実施までに相当の期間を要している。 ○ 今後労働人口が減少していく中で、高齢者の就労促進が課題となっていることを踏まえれば、高齢期の就労と年金受給のバ

ランスの観点から、高齢者雇用の環境整備と合わせて、年金支給開始年齢の更なる引上げについて早急に検討し、結論を得、現在の支給開始年齢の引上げが終了する2025年度に引き続いて実施していくことが必要ではないか。

75

支給開始年齢の引上げの必要性(ミクロのイメージ図)

年金給付 水準

年齢 65歳

マクロ経済スライドの適用 (平均寿命の伸長・現役世代の減少)

○ 平均寿命の伸長により年金の支給期間が伸びる中で、マクロ経済スライドの適用により年金給付水準が低下して

いくことが見込まれている。

○ こうした中、高齢者の就労を促進するとともに、年金の支給開始年齢を引き上げることにより、年金給付水準の

確保を図ることが必要。

(注)働けない高齢者は繰上げ受給が可能。

支給開始年齢 の引上げ =

年金給付水準 の確保

年金給付 水準

65歳 年齢

年金給付 水準

65歳 年齢

(注)2000(H12)年改正において、年金支給開始年齢を段階的に引き上げ、2025

(H37)年(男性)、2030(H42)年(女性)より65歳とすることとされている。

76

(参考) 現行の年金制度の仕組み(2004(H16)年改正)

○ 2004(H16)年改正において、基礎年金国庫負担や保険料を引き上げた上で、これら固定された財源の範囲内に収まるように

給付水準を自動調整する仕組み(マクロ経済スライド)が導入された。

○ このため、支給開始年齢の引上げ等を行った場合、引上げ等の時点において、全体としての年金給付額や国庫負担が抑制され

る一方で、マクロ経済スライドの適用が早期に終了することで、その後の年金給付額や国庫負担は全体として増加。

【基礎年金に係る給付と財源の概念図】

2014年 2110年

年金給付

下記の財源の範囲内に収まるように、マクロ経済スライドにより調整

国庫負担

保険料 (積立金の取崩・運用益

を含む)

国民年金:16,900円/月 (2004年度価格)

厚生年金:18.3% (ともに2017年度以降のもの)

2014年 2110年

年金給付

国庫負担

②マクロ経済スライドの適用期間 が短縮され、給付額が増加

(注)上図は、現在の年金給付水準を基に、マクロ経済スライドによる調整や支給開始年齢の引上げ等によって、年金給付等がどう変化するかを概念的に単純化して示したものであり、実際の各年度の変化は図に示されたように一律に減少又は増加するわけではないことに留意。

・現役世代の人口や給与の変動

・平均寿命の伸び により決定

マクロ経済スライドの適用終了年度

①制度改正により全体と としての給付額が抑制

保険料 (積立金の取崩・運用益

を含む)

77

(参考)人口構造の変化と高齢者の就労促進

78

【労働力率の将来推計】

(出所) (独)労働政策研究・研修機構「労働力需給の推計(2014年5月)」

<男 性> <女 性>

14.6

68.7

77.6

68.6 67.7 71.7

75.7 73.4

64.6

45.8

28.3 16.7

72.0

87.5 85.7 84.4 86.6 84.5 85.4

77.0

55.1

34.2

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

15-19歳 20-24歳 25-29歳 30-34歳 35-39歳 40-44歳 45-49歳 50-54歳 55-59歳 60-64歳 65-69歳

2012年

2030年(経済再生・労働参加進展シナリオ)

(%)

14.8

67.4

93.6 96.0 96.5 96.2 96.1 95.0 92.2

75.4

49.0

22.9

73.0

95.6 96.8 97.5 97.6 97.4 96.6 93.8 90.9

66.7

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

15-19歳 20-24歳 25-29歳 30-34歳 35-39歳 40-44歳 45-49歳 50-54歳 55-59歳 60-64歳 65-69歳

2012年

2030年(経済再生・労働参加進展シナリオ)

(%)

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

2014 2020 2030 2040 2050 2060 2070 2080 2090 2100 2110

【労働力人口と65歳以上人口の推移】 (万人)

(年)

(出所) 厚生労働省資料

労働市場への参加が進めば、2030年まで6,000万人前後の労働力人口を維持

労働市場への参加が進まなければ、労働力人口は急速に減少

労働力人口(70歳未満) (労働市場への参加が進む場合)

労働力人口(70歳未満) (労働市場への参加が進まない場合)

65歳以上人口

短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大

正社員の1/2 (週20時間)

正社員の3/4 (週30時間)

正社員の3/4 (週30時間)

○ 週所定労働時間が20~30時間の者は約400万人 ※雇用保険は週20時間以上で加入 ○ 例えば、今回の適用拡大の5要件のうち、企業規模要件を撤廃し、賃金要件を月収5.8

万円(年収70万円)以上とすると、上記25万人に加えて、更に200万人程度拡大

106

年収

1号

2号

週所定 労働時間

2号

適用拡大 (25万人)

130

年収

第1号被保険者 (主に非正規労働者)

第2号 被保険者

主に 正規労働者

週所定 労働時間

第3号被保険者 主に女性

第2号被保険者 の被扶養配偶者

又は

第1号被保険者

月収 8.8

130

①週20時間以上 ②月収8.8万円以上 (年収106万円以上) ③勤務期間1年以上 ④学生は適用除外 ⑤従業員501人以上

3号又は1号

現行 改正後

厚生年金の適用拡大(2016(H28)年10月施行)のイメージ (被用者の場合) 3年以内に検討を加え、

その結果に基づき、必要な措置を講じる。 (法律に明記。) (万円) (万円)

○ 非正規労働者の増加など就労形態が多様化していることを踏まえ、短時間労働者の将来の所得保障の充実を図るとともに、働き方の選択に中立的でない現在の仕組みを見直し、多様な働き方の実現、特に女性の活躍促進に資するよう、企業規模要件や賃金要件の緩和などの見直しによって、短時間労働者に対する被用者保険の適用範囲の更なる拡大を行うべきではないか。

79

論点整理

【マクロ経済スライドによる調整】

○ 将来世代の給付水準を確保する観点から、マクロ経済スライドによる調整が極力先送りされないよう見直しを行う

ことが必要ではないか。

【支給開始年齢の引上げ】

○ 平均寿命の伸びにより年金の平均受給期間が長期化していること、また、今後労働人口が減少していく中、高齢者

の就労促進が課題となっていることを踏まえれば、先進諸国の例と同様、働ける高齢者の就労を促進するとともに、

年金給付水準を確保し、制度の持続可能性を一層強化するため、支給開始年齢の更なる引上げが必要ではないか。 ※2004(H16)年改正による現在の制度の下では、支給開始年齢を変えても、長期的な年金給付総額は不変であることに留意。

○ 今後平均寿命が更に伸びるととともに、2035(H47)年以降、団塊ジュニア世代が65歳になることなどを踏ま

え、それまでに支給開始年齢を引き上げることが必要ではないか。その際、過去においては、決定から引上げ開始ま

でに一定の周知期間を設けていることを踏まえると、現在の支給開始年齢の引上げが終了する2025年度に引き続いて

支給開始年齢の引上げを実施するため、早急に検討を開始して結論を得、国民に周知することが必要ではないか。

【短時間労働者に対する厚生年金の適用拡大】

○ 短時間労働者の将来の所得保障の充実を図るとともに、働き方の選択に中立的でない現在の仕組みを見直し、多様

な働き方の実現、特に女性の活躍促進に資するよう、企業規模要件や賃金要件の緩和などの見直しによって、短時間

労働者に対する被用者保険の適用範囲の更なる拡大を行うべきではないか。

【その他】

○ 将来の年金給付水準の確保のため、標準報酬の上限の引上げを含め、拠出能力に応じ保険料を負担し、世代内の再

分配機能の強化を図る方策についても検討を行うべきではないか。

○ また、企業年金・個人年金や金融商品の活用等といった自助努力を促進することは少子・高齢化が進行する先進諸

国において共通して見られる動きであり、公的年金制度の改革と並行して、老後の所得水準を確保する観点から、こ

うした取組を進めることが重要ではないか。

80

雇用

81

雇用保険の国庫負担

82

○ 労働保険特別会計の雇用勘定については、一般会計から求職者給付の13.75%等(27年度予算1,523億円)の国庫負担金が繰り入れられているが、経済雇用情勢が大きく改善する中で、約6兆円の積立金が生じており、仮に国庫負担が停止されても、直ちに保険財政運営がひっ迫するような状況にはない。

○ 極めて厳しい一般会計の財政状況を踏まえ、雇用勘定への国庫負担を停止してはどうか。

4.8 4.7 4.6

4.3

3.9

2.9

1.9

0.8

0.5 0.4

0.8

1.6

2.8

4.2

4.9

5.6 5.4

5.6 5.9 5.9

6.1 5.9 5.8

1.6 1.8

2.0 2.1

2.3

2.7 2.8 2.7 2.7 2.7

2.1

1.7 1.7 1.5 1.5 1.6

2.2

1.8 1.8 1.7 1.7

2.0 1.9

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27

積立金残高 求職者給付等 国庫負担割合

(兆円) 国庫負担割合(%)

(年度)

過去最低水準

過去最高水準

20.0% (1/4×0.8)

14.0% (1/4×0.56)

25.0% (1/4)

13.75% (1/4×0.55)

(注)平成5年度~25年度は決算額。平成26、27年度は予算額。国庫負担割合は、失業等給付のうち一般求職者給付(基本手当)に係る国庫負担金の割合。

保険料率 (失業等給付)

0.8% 1.2% 1.4% 1.6% 1.2% 0.8% 1.2% 1.0% (予算) (予算)

子育て支援策

83

+約30万人

+約40万人

子育て支援策の現状

24年度末

25年度末

26年度末 (見込)

27 → 29 年度末 (見込)

保育利用児童数 227万人 234万人 246万人 267万人

待機児童数 2.27万人 2.14万人 - -

24年5月 25年5月 26年5月 27 → 31

年度 (見込)

放課後児クラブ

利用児童数 85.2万人 88.9万人 93.6万人 122万人

待機児童数 7,521人 8,689人 9,945人 -

量的拡充 質の向上

所要額 0.4兆円程度 0.3兆円程度~ 0.6兆円超程度

主な内容

●保育所等の量的拡充 ●放課後児童クラブ等の量的拡充

◎3歳児の職員配置を改善 (20:1→15:1)

△1歳児の職員配置を改善 (6:1→5:1) ◎小規模保育の体制強化 など ○放課後児童クラブの充実 など

量的拡充・質の向上 合計 0.7兆円程度~1兆円超程度

+約20万人

+40万人

消費税財源 0.7兆円を充当

放課後子ども総合プラン (いわゆる「小1の壁」の打破)

・新制度で放課後児童クラブ対象児童拡大

10歳未満 ⇒ 小学生(留守家庭に限る)

待機児童解消加速化プラン

・29年度までに潜在的なニーズを含め約40万人分の受け皿を確保し、待機児童解消を目指す

子ども・子育て 支援新制度

○ 消費税引上げ財源を充当し、約40万人分の保育の受け皿整備等を計画通り進めている。 ○ 子育て関連施策については、さらなる検討要請があり、財源確保が課題。

子ども・子育て支援新制度 (2015(H27)年度施行)

○ 子ども・子育て支援の更なる質の充実 (子ども・子育て関連3法案に対する附帯決議(2012. 8.10))

・ 今回の消費税率の引上げにより確保する0.7兆円程度以外の0.3兆円超について、財源の確保に最大限努力

○ 多子世帯における様々な負担軽減(3人以上子どもが持てる環境整備)

(少子化社会対策大綱(2015.3閣議決定))

例)延長保育を含む保育料、放課後児童クラブの利用料

○ 経済的に厳しい一人親家庭や多子世帯に対する支援

(「子供の未来応援国民運動」(2015.4発起人集会)等)

・ 年末を目途に財源確保を含めた政策パッケージを策定(発起人集会総理挨拶)

検討要請のある主な子育て関連施策

(注)25年度末以降の利用児童数には、認可保育所のほか小規模保育、幼稚園における長時間預かり 保育等の利用児童数を含む。

※質の向上のうち、◎は0.7兆円の範囲で全て実施する事項。 ○は一部を実施する事項、△はその他の事項

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(2015(H27)年度は0.5兆円)

○ 子育て支援策は近年公費中心に拡充。その結果、現金給付に係る事業主負担割合は大幅に低下。 ○ 子育て支援は現在及び将来の労働力確保にも資する施策であり、社会全体でその費用を賄う観点から更なる充実が必

要な保育の現物給付(例えば保育所運営費)に一定の事業主負担を導入すべきではないか。 (注)これにより不要となる公費を活用し、緊要性の高い現物給付サービスを充実させる。

子育て支援策の財源と事業主負担のあり方について

保護者 負担

公費負担 (国地方)

事業主負担 (負担割合)

現金給付

児童手当 - 1.85兆円 1821億円 (9%)

育児休業給付 ― 282億円 3820億円 (93%)

合 計 ― 1.88兆円 5641億円

現物給付

保育所運営費

・私立保育所

・公立保育所(地財措置)

・事業所内保育

(参考) 私立幼稚園

0.89兆円

(0.59兆円)

(0.30兆円)

(24億円)

(0.29兆円)

1.56兆円

(1.14兆円)

(0.41兆円)

(80億円)

(0.35兆円)

51億円

(―)

(―)

(51億円)

(―)

病児保育・延長保育(注) 350億円

393億円 129億円 (1/3)(注)

放課後児童クラブ(注) 1133億円

1204億円 521億円 (1/3)(注)

児童入所施設 22億円 2152億円 ―

合 計 1.04兆円 1.93兆円 701億円

公費0.04

(22%)

事業主 0.14

(78%)

公費0.80

(98%)

事業主 0.02

(2%)

公費0.78

(73%)

事業主 0.29

(27%)

公費1.17

(98%)

事業主 0.02

(2%)

公費1.88

(77%)

事業主 0.56

(23%) 公費1.93

(97%)

事業主 0.07

(3%)

0.00

1.00

2.00

3.00

子育て支援策は近年公費中心に拡充 主な子育て支援策(2015(H27)年度予算)

(単位:兆円)

(注)質の向上に係る費用については事業主負担を充当しない(公費で対応)と整理(2012.3.2 少子化社会対策会議決定)

1998(H10) 2007(H19) 2015(H27)

現金給付 現物給付 現金給付 現物給付 現金給付 現物給付

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少子化対策に関する事業主負担の拡大策について

拠出金 (標準報酬の0.15%)

制 度 保険料率(労使折半)

失業等給付(雇用保険) 1.0%

厚生年金保険 17.474%

医療 協会けんぽ (平均)10.0%

健保組合 (27年度早期集計ベース)

(平均)9.0%

介護 協会けんぽ 1.58%

健保組合 (27年度早期集計ベース)

(平均)1.41%

(参考)その他の社会保険料率の状況(2015(H27)年4月) 事業主

○児童手当(1,821億円)

○子ども・子育て支援新制度 650億円 ・ 放課後児童クラブ ・ 病児保育 ・ 延長保育

充当

年金特別会計

子ども・子育て 支援勘定

2015(H27)年度予算

事業主拠出金の仕組み

2,456 億円

(注)歳出との差額は積立金で対応

○ 事業主負担の拡大に当たっては、現行の事業主拠出金の枠組みを活用することが考えられる。

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