大溝城遺跡発掘調査 現地説明会·.pdf2020/01/08  · tel 0740-36-2011 fax 0740-36-2012...

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大溝城遺跡発掘調査 現地説明会 問合せ先:高島市教育委員会 文化財課 TEL 0740-32-4467 本丸跡の発掘調査現場 日時:2018 年3月 18 日 ( 日 ) 10 時より 場所:大溝城遺跡 発掘調査現場 08 2018.3 設立年月:2015 年4月 構  成:役員3名 会長 今西 仁 副会長 仁賀 定夫・澤村 茂美 会員 17 名 オブザーバー 高島市役所高島支所 高島市教育委員会文化財課 高島市役所観光振興課 活動目的:重要文化的景観「大溝の水辺景観」を活かした地域振興 所在地等:高島市勝野 1688「大溝まち並み案内処 総門」内 TEL 0740-36-2011 FAX 0740-36-2012 MAIL [email protected] 制作・発行:大溝の水辺景観まちづくり協議会 本協議会が発足して丸3年、ひとつの節目ということで、いつもより大きいサ イズで旧高島町内に配布させていただきました。 ようやく長い冬が明け、春の訪れにそわそわする今日この頃。「総門」内にあ ります本協議会事務局は、4月から新メンバーを迎えてパワーアップします。ま たのぞきに来てくださいね。 移り変わりの激しい忙しない時代ですが、「発酵」のように時間をかけてこそ イイ味がでてくるものもたくさんあります。コツコツ、着実に、前に進んでいけ るような活動を続けていきたいナァと思います。 (上田) 編集後記 まちづくりは大変難しいと思います。地域の方々からの応援とご 理解を頂かないとまちづくりは出来ません。 これまでわたしは、他所で大溝の説明をするとき「コンビニもな いまちです」と言ってきました(現在はありますが…)。そんなまち をどうすれば活性化できるのか、いつも考えてきました。まちづく りの先生方の講演を聞いたり、先進地に行ったりして勉強もしてき ました。大学の先生に「学生さんと一緒にとにかく大溝に来てほしい、 何も買わなくてもいいですから」というお願いをしたこともありま した。何もないまちでも、人がたくさん歩いているだけで地域が変 わるのでは…そこからのスタートでした。 3年前に、勝野・打下地域が重要文化的景観と日本遺産に選定され、 今多くの方が大溝に来訪されています。少しずつまちは変わってき ていると感じています。これからも歴史と観光を中心にしたまちづ くりを進め、多くの方に来ていただくことでもっと変わっていくの ではと思います。平昌五輪のカーリング女子の凱旋帰国の挨拶で、 「わ 1. 大溝ぶらり学 2017・特別講演会「高島 水煌めく郷~高島の日本遺産が照らす未来」 2. まちあるきツアー用パンフレット 3. 高島学園の校外学習受け入れ 4. 夏まつりでの PR 活動 5. 大溝 祭と水辺の景観フォトコンテスト 2017 6. 全国文化的景観地区連絡協議会岐阜大会への参加 7. 地域資源を見つめ直すワークショップ 8. 大溝祭での観光案内窓口 9.「大溝・白鬚 水辺ガイ ドの会」勉強会での古式水道の水源地見学 10. まちあるきツアー限定ランチ「大溝ぶらり御膳」 11.「水の文化ぐるっと博」での大溝祭曳山特別見学付きツアー 12. 長浜市への視察研修 「大溝の水辺景観まちづくり協議会は設立してまもなく丸3年を迎えます。これからも一歩一歩、未来へつながる活動を行なっていきたいと思いますので、 今後とも地域の皆さまのご理解とご協力をどうぞよろしくお願いいたします。 10 「平成 29 年度 大溝の水辺景観まちづくり協議会 活動報告」号 1  おおみぞこみぞ通信8号 おおみぞこみぞ通信8号       国の重要文化的景観「大溝の水辺景観」の主要な構成要素である大溝城遺跡の全貌を明らかにしていく目的で、平成 27 年度 より、高島市教育委員会による本丸跡の確認調査が実施されてきました。今年度の調査により、本丸の全体構造がより一層 まちづくりについて思うこと / 会長 今西 昨年 11 月、協議会の研修として、長 浜のまちづくりを視察させていただきま した。長浜が黒壁を立ち上げられた頃、 ここ大溝でも「びれっじ」として本町の 町家改修を始めた頃と時をほぼ同じくし ていて、大変親しみのあるまちです。 長浜への視察研修に参加して / 副会長 澤村 茂美 活動をふりかえって… たしたちの故郷は何もないまちです」 と言われていましたが、銅メダルによ り大きくまちは変わろうとしています。 わたしたちのまちも皆さんの力をお借 りして変えていきたいと思っています。 研修ではまず、長浜まちづくり株式会社の竹村さんにまちづくりの体験談 を聞かせていただきました。その中で興味を引かれたのは、空家バンクを中 心とした空家システムでした。大家さんは少ない家賃で空家をそのままの形 で貸し、また借主は自分たちの責任において改修を行なう、そのことで貸主・ 借主共の負担がより少なくなっているということでした。ここ大溝も空家、 空き店舗が大変大きな課題となっています。大溝の空家システムを考案して、 一軒でも人が移り住み、活性化へと繋がらないだろうかと思います。 次に見学したのが曳山会館です。長浜の曳山は大層立派で、長浜祭りの華 やかさを想像出来るものでした。大溝の曳山はそれに比して小さいですが、 その素朴さと温かさとでまた違った魅力があると感じました。 長浜は多くの観光客で賑わっていました。高島の南の玄関口である大溝に も一人でも多く人々に訪れてほしいと思います。その前に、温かな春の陽射 しに誘われて、まずは地元の私達が大溝の水辺や街なかをぶらりと歩いてみ ませんか。 寿2017 10 11 12 明らかになったそうです。その調査成果の現地 説明会が開催されることになりました。当日、 調査成果の詳細資料も配布されます。事前申込 みは不要です。貴重な機会ですので、ご興味の ある方はぜひお越しください。 ※雨天結構です。  ※駐車場は用意していません。駅前有料駐車場をご利用ください。

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Page 1: 大溝城遺跡発掘調査 現地説明会·.pdf2020/01/08  · TEL 0740-36-2011 FAX 0740-36-2012 MAIL oomizo.mizube@gmail.com 制作・発行:大溝の水辺景観まちづくり協議会

912

大 溝 城 遺 跡 発 掘 調 査 現 地 説 明 会

「大溝

発酵するまちの未来」

問合せ先:高島市教育委員会 文化財課 TEL 0740-32-4467 本丸跡の発掘調査現場

日時:2018 年3月 18 日 ( 日 ) 10 時より 場所:大溝城遺跡 発掘調査現場

082018.3

設立年月:2015 年4月構  成:役員3名 会長 今西 仁 副会長 仁賀 定夫・澤村 茂美     会員 17 名     オブザーバー 高島市役所高島支所            高島市教育委員会文化財課            高島市役所観光振興課活動目的:重要文化的景観「大溝の水辺景観」を活かした地域振興所在地等:高島市勝野 1688「大溝まち並み案内処 総門」内     TEL 0740-36-2011 FAX 0740-36-2012     MAIL [email protected]

制作・発行:大溝の水辺景観まちづくり協議会 本協議会が発足して丸3年、ひとつの節目ということで、いつもより大きいサイズで旧高島町内に配布させていただきました。 ようやく長い冬が明け、春の訪れにそわそわする今日この頃。「総門」内にあります本協議会事務局は、4月から新メンバーを迎えてパワーアップします。またのぞきに来てくださいね。 移り変わりの激しい忙しない時代ですが、「発酵」のように時間をかけてこそイイ味がでてくるものもたくさんあります。コツコツ、着実に、前に進んでいけるような活動を続けていきたいナァと思います。(上田)

編集後記

 まちづくりは大変難しいと思います。地域の方々からの応援とご理解を頂かないとまちづくりは出来ません。 これまでわたしは、他所で大溝の説明をするとき「コンビニもないまちです」と言ってきました(現在はありますが…)。そんなまちをどうすれば活性化できるのか、いつも考えてきました。まちづくりの先生方の講演を聞いたり、先進地に行ったりして勉強もしてきました。大学の先生に「学生さんと一緒にとにかく大溝に来てほしい、何も買わなくてもいいですから」というお願いをしたこともありました。何もないまちでも、人がたくさん歩いているだけで地域が変わるのでは…そこからのスタートでした。 3年前に、勝野・打下地域が重要文化的景観と日本遺産に選定され、今多くの方が大溝に来訪されています。少しずつまちは変わってきていると感じています。これからも歴史と観光を中心にしたまちづくりを進め、多くの方に来ていただくことでもっと変わっていくのではと思います。平昌五輪のカーリング女子の凱旋帰国の挨拶で、「わ

1. 大溝ぶらり学 2017・特別講演会「高島 水煌めく郷~高島の日本遺産が照らす未来」 2. まちあるきツアー用パンフレット 3. 高島学園の校外学習受け入れ 4. 夏まつりでの PR 活動 5. 大溝祭と水辺の景観フォトコンテスト 2017 6. 全国文化的景観地区連絡協議会岐阜大会への参加 7. 地域資源を見つめ直すワークショップ 8. 大溝祭での観光案内窓口 9.「大溝・白鬚 水辺ガイドの会」勉強会での古式水道の水源地見学 10. まちあるきツアー限定ランチ「大溝ぶらり御膳」 11.「水の文化ぐるっと博」での大溝祭曳山特別見学付きツアー 12. 長浜市への視察研修

「大溝の水辺景観まちづくり協議会は設立してまもなく丸3年を迎えます。これからも一歩一歩、未来へつながる活動を行なっていきたいと思いますので、今後とも地域の皆さまのご理解とご協力をどうぞよろしくお願いいたします。

重要文化的景観「大溝の水辺景観」をさまざまな切り口で

紹介する講座「大溝ぶらり学」。スタートして、今年度で3

年目になります。今回は、10月に開催したトークディスカッ

ション「大溝

発酵するまちの未来」の内容をご紹介します。

重要文化的景観とは何か

開催レポート

山本 この地域の重要文化的景観の特徴の一

つである「水」や「食」をテーマとして、こ

れらが残されてきた歴史や文化を、今後どう

やって未来につなげていくのかということを

考えるためのトークディスカッションとして

開催します。

 そもそも重要文化的景観とは一体何かとい

うと、これは元々ヨーロッパ等で広まった概

念なのですが、古いものだけではなくその場

所にある自然や歴史、そして人々の暮らしが

つくり上げてきたもの、それ全体を文化財に

しようという制度です。わたしは普段仕事で

重要文化的景観を説明することが多いのです

が、今日はこの地域でお

商売をされてきた皆さん

の、まさに重要文化的景

観そのもの、というよう

なお話しが聞けるのでは

ないかと期待していま

す。

「平成 29 年度 大溝の水辺景観まちづくり協議会 活動報告」号

1       おおみぞこみぞ通信8号 おおみぞこみぞ通信8号       4

国の重要文化的景観「大溝の水辺景観」の主要な構成要素である大溝城遺跡の全貌を明らかにしていく目的で、平成 27 年度より、高島市教育委員会による本丸跡の確認調査が実施されてきました。今年度の調査により、本丸の全体構造がより一層

まちづくりについて思うこと / 会長 今西 仁

 昨年 11 月、協議会の研修として、長浜のまちづくりを視察させていただきました。長浜が黒壁を立ち上げられた頃、ここ大溝でも「びれっじ」として本町の町家改修を始めた頃と時をほぼ同じくしていて、大変親しみのあるまちです。

長浜への視察研修に参加して / 副会長 澤村 茂美

活動をふりかえって…

たしたちの故郷は何もないまちです」と言われていましたが、銅メダルにより大きくまちは変わろうとしています。わたしたちのまちも皆さんの力をお借りして変えていきたいと思っています。

 研修ではまず、長浜まちづくり株式会社の竹村さんにまちづくりの体験談を聞かせていただきました。その中で興味を引かれたのは、空家バンクを中心とした空家システムでした。大家さんは少ない家賃で空家をそのままの形で貸し、また借主は自分たちの責任において改修を行なう、そのことで貸主・借主共の負担がより少なくなっているということでした。ここ大溝も空家、空き店舗が大変大きな課題となっています。大溝の空家システムを考案して、一軒でも人が移り住み、活性化へと繋がらないだろうかと思います。 次に見学したのが曳山会館です。長浜の曳山は大層立派で、長浜祭りの華やかさを想像出来るものでした。大溝の曳山はそれに比して小さいですが、その素朴さと温かさとでまた違った魅力があると感じました。 長浜は多くの観光客で賑わっていました。高島の南の玄関口である大溝にも一人でも多く人々に訪れてほしいと思います。その前に、温かな春の陽射しに誘われて、まずは地元の私達が大溝の水辺や街なかをぶらりと歩いてみませんか。

登壇者

高島歴史民俗資料館

学芸員

 白井

忠雄さん

㈲淡海酢

代表取締役社長

 福井

順一さん

㈱福井弥平商店

代表取締役社長

 福井

毅さん

四〇〇年鮒寿し

総本家

喜多品老舗

十八代目

 北村

真里子さん

高島ワニカフェ

オーナーシェフ

 岡野

将広さん

進行役

高島市教育委員会

文化財課

 山本

晃子さん

大溝ぶらり学

トークディスカッション

2017

2 3 4 5

6 7

8 9 10 11 12

明らかになったそうです。その調査成果の現地説明会が開催されることになりました。当日、調査成果の詳細資料も配布されます。事前申込みは不要です。貴重な機会ですので、ご興味のある方はぜひお越しください。※雨天結構です。 ※駐車場は用意していません。駅前有料駐車場をご利用ください。

Page 2: 大溝城遺跡発掘調査 現地説明会·.pdf2020/01/08  · TEL 0740-36-2011 FAX 0740-36-2012 MAIL oomizo.mizube@gmail.com 制作・発行:大溝の水辺景観まちづくり協議会

 ランチ後のカフェタイム

には、観光案内をしたり、

移住相談なんかも受けてい

ます。お店の形をカフェに

したことで、お客様とゆっ

くりお話ししやすい場にす

ることができたと思ってい

ます。今は、周りにもう少し

食事できる場所がほしいと思

い、カレー屋を準備中です。

 僕が大溝に来るきっかけ

になったのも、人のつなが

りがあってこそ。だからそ

う遠くない将来、この地域

に移住しやすくなるような

とっかかりとしてのシェア

ハウスを実現できたらと考

えています。

トークディスカッション「大溝 発酵するまちの未来」開催レポート大溝ぶらり学2017

大溝のまちの

なりたち

白井 忠雄

高島歴史民俗資料館

しっとりとした魅力的な

まちになってほしい

代表取締役社長 さん

さん

福井 毅㈱福井弥平商店 高島の風景や人柄みたいなお酒を

 手前どもは寛延年間に創

業、約270年この土地で

清酒製造業をさせていただ

いています。江戸時代に確

立された技術や考え方を使

いながら、今実際につくっ

ているものは江戸時代とは

だいぶ違った、ある意味洗

練された現代的なお酒です。

お祭りに使っていただく上

撰なんかは、変わっていな

いように見えますが、実は

毎年微妙に変えています。

これは、皆さんに「萩乃露

いつも変わらないね」と言っ

てもらうため。そのためは、

変わらないといけないと

思っています。

 ただ、その時代に売れれ

ばいいものだけをつくると

いう意思は全くありません。

「萩乃露らしさって何だろ

う」と問いながら、わたし

が一番大事にしているのは、

水の柔らかさを活かした酒

造りです。そして、地酒蔵

として出来ることを、酒造

りを通してやっていきたい

と思っています。

 今の大溝にどういう賑わ

いがふさわしいのかという

と、どんどん人や観光バス

が来て…

ということではな

く、もっとしっとりとした

楽しみが似合うまちなのか

な、と。地元の皆さんが誰

でもガイドになれて、しっ

とりを味わいたい人にお

せっかいをかけ、まちのこ

とを教える…そんな魅力の

あるまちになるといいなぁ

と思っています。萩乃露も、

そんな高島の風景や人柄み

たいなお酒に出来たらと思

いながら頑張っています。

まだまだ必要なものが

あるのではないか

代表取締役社長 さん福井 順一㈲淡海酢 地元の方にもよそから来られる方にも

喜んでいただきたい

 淡海酢もそうですし、福

井弥平商店さんの家も、福

井家の総本家は福井三四郎

さん、今はびれっじ2号館

になっているところです。

 昔のお酢造りというのは

酒屋さんの酸敗したお酒を

原料にしていました。第二

次世界大戦の前後には物資

不足で、酸敗したお酒もな

くて、それ以前にドイツで

発明された合成酢が戦後し

ばらく一般的でした。合成

酢って、化学的なお酢なの

で発酵臭がしないんです。

最近のメーカーもののお酢

もやはり発酵臭がしません。

「機械式発酵」と言って、強

制的に1日から2日で発酵

させるやり方でつくられて

いますから。わたしたちは、

「静置発酵」といって、じっ

くりと発酵させる昔からの

方式でつくっています。原

料のお米も安曇川町の無農

薬の「たかしま生きもの田

んぼ米」を直接買って、麹

造りから自分のところで

やってます。安心して食べ

ていただけるお酢です。

 6年前に「淡海堂」をオー

プンしましたが、そのきっ

かけは周辺のお店が次々と

閉まっていって、地元の方

がよそへ出掛けていく時の

お土産がないなぁという話

を聞いて。それによそから

来られる方も買うものがな

いという状況があったので、

まちおこしにつながればい

いなぁという思いがありま

した。まだまだ必要なもの

があるのではないでしょう

か、観光客の方に喜んでい

ただける施設がもっとでき

てほしいなぁと思います。

地域の方とつなげて

いけたら

十八代目 さん北村 真里子四〇〇年鮒寿し 総本家 喜多品老舗 大溝、高島を知っていただきたい

 喜多品の元々のいわれは、

1619年に分部さんがこ

ちらへ来られる時に、料理

人賄方として伊勢の方から

一緒に大溝に参りましたの

が始まりです。中でも鮒寿

しを得意として、木桶で百

匁百貫千日、というつくり

方で代々つくっています。

 ご家庭では8ヶ月とか1

年くらいで漬け込みますが、

喜多品の場合は、飯漬けで

3年間かかります。オレン

ジの卵のところが、羊羹を

切ったような、なめらかな

切り口になるように、とい

うのを理想としていますの

で、塩漬けにやはり2年は

必要です。

 鮒寿しというと飯漬けが

一般的ですが、ここ高島で

は、フナを塩漬けしてごは

んで漬けたあと、ごはんを

一度取り除いて、また酒粕

で漬け直して食べるという

のが高島の鮒寿しです。喜

多品では、萩乃露さんの酒

粕で、1年かけて3、4回

奈良漬けを漬けるように漬

け直したのを「大溝

甘露漬

け」という名前でお出しし

ています。

 大溝、高島に来ていただ

きたい、知っていただきた

いという思いが強くなって

いて、地域のお料理屋さん

にお願いして、年に2、3

回お客様に高島に来ていた

だける取組みをしています。

何十年ぶりに高島に来られ

たお客様が、当時の地元の

方との会話をすごく覚えて

いらっしゃったりするんで

す。お客様と地域の方とを

つなげていけたらと感じて

います。

人のつながりがあってこそ

オーナーシェフ さん岡野 将広高島ワニカフェ 地域のために、何ができるのか

 僕の妻が安曇川町出身で、

4年前に市内で物件を探し

ていた中で、今西さんをご

紹介していただいて、まち

づくりへの熱い思いをお聞

きしたことがびれっじに来

る一番のきっかけでした。

 「ワニカフェ」は、輪が2

つで「ワニ」なんですが、

地元の生産者さんから直接

有機のお野菜を提供しても

らって、それを僕が料理す

ることで、生産者の方と消

費者の方をつなげる役割が

出来たらな、輪が繋がった

らいいなという思いでやっ

てきました。野菜だけでな

く、高島のジビエも質がい

いし、ビワマスなんかも漁

師さんから直接買わせても

らっています。

 こういう古い地域に入っ

て、何か新しくやらせても

らうというのは、地域のた

めに自分に何ができるのか

を問うてそれを実践してい

くしかない、それしか信頼

を得ていく方法はないと

思っています。

 「大溝の水辺景観」を

形成する現在のまちづ

くりがいつ行なわれた

かというと、天正6年

(1578)に織田信長

の甥の信澄が大溝城を

築いたのが始まりです。

ただ残念なことに、築

城してのち本能寺の変

がおこり、城主信澄は

明智光秀の娘婿という

ことで、大坂城内にて

丹羽長秀に責められて

自害してしまいます。

 その後代々城主が変

わりますが、江戸時代

になって、元和5年(1

619)に伊勢上野か

ら分部光信侯が2万石

の大溝藩主としてこの

地に入ってきます。こ

の光信候によって本格

的な城下づくりが始ま

ります。城はすでに壊

されていましたが、そ

のまま再建することな

く、その西側に陣屋構

えをして大溝藩の中心

政庁をなしました。そ

して北側に城下町をつ

くり、現在もそのまま

残る歴史的な景観とし

て、非常に稀有な場所

になっています。

3       おおみぞこみぞ通信8号 おおみぞこみぞ通信8号       2

歴史、食、人、風景、生活…

  

重要文化的景観をどうつないでいくのか

めひゃっかんせんにち

ひゃく

のぶずみ

おうみどう

わけべ

みつのぶ

にわ

ながひで

いいづ