デジマチックインジケータ・ダイヤルゲージ・テス...

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精密測定機器の豆知識 17 精密測定機器の豆知識 デジマチックインジケータ・ダイヤルゲージ・テストインジケータ編 キャップ クランプ リミット針 長針 外わく 目盛板 ステム スピンドル 測定子 各部の名称 通し目盛:測定値を直接読取る場合 振分目盛:基準値から誤差を読取る場合 逆目盛:深さ測定、シリンダゲージ用 一回転未満目盛:振分目盛に加え、読み誤りを防止する場合 目盛板 0.01mm 0.001mm 通し目盛 振分目盛 通し目盛 振分目盛 逆目盛 1回転未満目盛 連続目盛 1回転未満目盛

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精密測定機器の豆知識

17精密測定機器の豆知識

デジマチックインジケータ・ダイヤルゲージ・テストインジケータ編

キャップクランプ

リミット針

長針

外わく

目盛板

ステム

スピンドル

測定子

■各部の名称

通し目盛:測定値を直接読取る場合振分目盛:基準値から誤差を読取る場合逆目盛:深さ測定、シリンダゲージ用一回転未満目盛:振分目盛に加え、読み誤りを防止する場合

■目盛板

0.01mm 0.001mm

通し目盛 振分目盛 通し目盛 振分目盛

逆目盛 1回転未満目盛 連続目盛 1回転未満目盛

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18 精密測定機器の豆知識

ステム取付方式

取付方式

注意点

取付方式

注意点

耳金締付方式

ステムねじ止め方法 ステムすり割締付方法

●取付け穴公差:φ8G7(+0.005~0.02)●締め付けねじ:M4~M6●締め付け位置:ステム下端から8mm以上●最大締め付けトルク:M5ねじ1点締め時150N・cm●締め付けトルクが強すぎるとスピンドルの作動が悪くなることが ありますのでご注意ください。

●用途に応じて耳金の向きを90°変えることができます。(出荷時は縦向き)●但し、1シリーズの1部の機種(No.1911、1913-10、1003)は横向きに変えられません。●測定面に対しスピンドルが直角になる様に固定してください。傾きが大きくなると測定誤差の要因となります。

●取付け穴公差:φ8G7(+0.005~0.02)

■ダイヤルゲージの取付方法

■デジマチックインジケータ・ダイヤルゲージ測定子●ねじ部寸法は、M2.5×0.45(長さ5)に統一されています。●測定子を制作する際はねじ根元の不完全ねじ部を0.7以下としてください。

8以上

M6ボルト

平座金

5

M2.5×0.45不完全ねじ部を0.7以下

M2.5×0.45 深さ7φ3ザグリ 深さ1

スピンドル

■ダイヤルゲージ・デジマチックインジケータの使用姿勢姿勢 備考

測定子下向き姿勢(正姿勢) —

スピンドル水平姿勢(横姿勢)

スピンドル水平姿勢または測定子上向き姿勢で使用される場合には、測定子下向き姿勢に比べ測定力は低くなります。ご使用前に必ず作動及び、長針またはデジタル表示の戻りの確認をして下さい。デジマチックインジケータ・ダイヤルゲージの姿勢による作動保証については、総合カタログの各々の商品紹介ページにてご確認下さい。

測定子上向き姿勢(逆姿勢)

デジマチックインジケータは、下死点から0.2mmの範囲の繰返し安定性は保証しておりません。ゼロセットや指 定の値のプリセットを行う時には、下 死 点から0.2mm以上スピンドルを持ち上げた位置でゼロセットや指定の値のプリセットを行いご使用下さい。

0.2m

m

4 5 678

9

32

1 0

地面

45

678

9

321

0

地面

45678

9

32

10

地面

0.2m

m

■デジマチックインジケータ原点設定について・スピンドルへの注油はなさらないようにしてください。塵埃等を

誘引し、作動不良となる恐れがあります。・スピンドルの作動が悪くなった場合には、乾いた布かアルコール

を少量含ませた布でスピンドルの上下摺動面を拭いて下さい。改善されない場合には、弊社での修理対応をお勧めいたします。

■ダイヤルゲージ・デジマチックインジケータのご使用に際して

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精密測定機器の豆知識

19精密測定機器の豆知識

■ダイヤルゲージ B 7503-1997(JIS/日本工業規格抜粋)

指示誤差

項目 測定方法 説明図 測定用具

1

隣接誤差2

戻り誤差3

繰返し精密度4

測定力5

番号

ダイヤルゲージのスピンドルを鉛直、かつ、下方にして保持し、ダイヤルゲージの目盛の読みを基準にして次のとおり行う。基点から2回転までは1/10回転ずつ、5回転までは1/2回転ずつ、5回転以上は1回転ずつ、スピンドルを測定範囲の終点まで押込み、そのままの状態からスピンドルを逆方向に戻しながら押込み方向の測定時と同一測定点を測定して得られた両方向の誤差線図から求めれる(付図1)。

目量0.001mm及び目量0.002mmで測定範囲が2mm以下のダイヤルゲージについては目量の0.5μm以下、器差±1μmのマイクロメータヘッド又は測長器及び支持台。上記以外のダイヤルゲージについては目量1μm以下、器差±1μmのマイクロメータヘッド又は測長器及び支持台。

測定台支持台

支持台上皿ばね式指示はかり(目量2g以下)又は力計(感度0.02N以下)

測定台上面に測定子を垂直に当て、測定範囲内の任意の位置で5回スピンドルを急激及び緩やかに作動させたとき、各回の指示の最大差を求める。

スピンドルを鉛直、かつ、下方に置いた姿勢でダイヤルゲージを保持し、スピンドルを上下各方向に連続的、かつ、徐々に移動させ、測定範囲の基点、中央及び終点の測定力を測定する。

支持台

ダイヤルゲージ

マイクロメータヘッドまたは測長器

支持台

測定台

ダイヤルゲージ

ダイヤルゲージ

上ざらばね式指示はかり

支持台

※1 隣接誤差備考 上表の数値は、温度20℃におけるものとする。

性 能:最大許容誤差ダイヤルゲージの最大許容誤差は、上表による。指示の許容誤差は、校正の不確かさを内側に見積もって評価する。

●指示の最大許容誤差 単位:μm

558±9±10±15±15

0.01mm10mm以下

戻り誤差測定範囲

繰返し精密度指示誤差 1/10回転※1

1/2回転1回転2回転全測定範囲

30.54±5±6±6±7

0.002mm2mm以下

415±6±7±8±12

目量及び測定範囲

2mmを越え10mm以下3

0.52.5±3±4±4±5

1mm以下3

0.54±5±6±6±7

0.001mm1mmを越え2mm以下

415±6±7±8±10

2mmを越え5mm以下

指示誤差線図(付図1)

+10

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5 5測定範囲 1/5回転以上

6 7 8 9 10回転

μm

0

-10

1/10回転以上

長針静止点

1回転指示誤差

1/2回転指示誤差

基点

指示誤差

終点

戻り誤差

隣接誤差

2回転指示誤差及び隣接誤差範囲

1回転指示誤差範囲

1/2回転指示誤差範囲

-10

0

+10μm

2回転指示誤差

全測定範囲指示誤差

行き戻り

行程

0 0.5 1 1.5 2回転

※1 隣接誤差備考 上表の数値は、温度20℃におけるものとする。

性 能:最大許容誤差ダイヤルゲージの最大許容誤差は、上表による。指示の許容誤差は、校正の不確かさを内側に見積もって評価する。

●指示の最大許容誤差 単位:μm

558±9±10±15±15

0.01mm10mm以下

戻り誤差測定範囲

繰返し精密度指示誤差 1/10回転※1

1/2回転1回転2回転全測定範囲

30.54±5±6±6±7

0.002mm2mm以下

415±6±7±8±12

目量及び測定範囲

2mmを越え10mm以下3

0.52.5±3±4±4±5

1mm以下3

0.54±5±6±6±7

0.001mm1mmを越え2mm以下

415±6±7±8±10

2mmを越え5mm以下

指示誤差線図(付図1)

+10

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5 5測定範囲 1/5回転以上

6 7 8 9 10回転

μm

0

-10

1/10回転以上

長針静止点

1回転指示誤差

1/2回転指示誤差

基点

指示誤差

終点

戻り誤差

隣接誤差

2回転指示誤差及び隣接誤差範囲

1回転指示誤差範囲

1/2回転指示誤差範囲

-10

0

+10μm

2回転指示誤差

全測定範囲指示誤差

行き戻り

行程

0 0.5 1 1.5 2回転

デジマチックインジケータ・ダイヤルゲージ・テストインジケータ編

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20 精密測定機器の豆知識

■てこ式ダイヤルゲージ B 7533-1990(JIS/日本工業規格抜粋)

■テストインジケータ角度誤差テストインジケータでは、測定子を測定面にあてる角度により誤差が発生します。測定子を測定面にあてる時は、図の角度θをできるだけ小さくするようにセットしてください。θの値により測定値が異なってきます。θの値による測定値の補正は表に従って行います。

〔 真の値 = 測定値 × 補正値 〕

広範囲行き精度

隣接誤差

戻り誤差

項目 測定方法 説明図 測定用具

繰返し精度

a

b

測定力

1

2

3

4

5

番号

(1)目量0.01mmのものは、測定子を基点から時計方向に測定範囲の終点まで目盛の読みを基準として0.1mmずつ作動させ、指針の読みから測定用具の読みを差し引いて描いた誤差線図から求める。

(2)目量0.002mmのものは、測定子を基点から時計方向に測定範囲の終点まで目盛の読みを基準として0.02mmずつ作動させ、指針の読みから測定用具の読みを差し引いて描いた誤差線図から求める。測定に当たっては、測定用具の器差を補正する。

行き精度測定終了後、そのままの状態から測定子を逆方向に戻しながら広範囲行き精度の測定時と同一測定点を測定して得られた行き・戻りの誤差線図から求める。

マイクロメータヘッドまたは測長器(目量1μm以下、器差±1μm以内)、支持台

測定台、支持台、JIS B7506(ブロックゲージ)に規定する1級ブロックゲージ

上ざらばね式指示はかり(目量2g以下)又は力計(感度0.02N以下)

測定子が測定台上面に平行になるようにダイヤルゲージを保持し、測定範囲内の任意の位置で5回測定子を急激に又は緩やかに作動させたとき各回の指示の最大差を求める。

測定台上面に置いたブロックゲージに測定子を平行に当て、測定範囲内の任意の位置でブロックゲージを前後左右に移動させ、指示の最大差を求める。

器枠又はステムを保持し、測定子を行き・戻り各方向に連続かつ徐々に移動させて、測定範囲の基点、中央及び終点において測定力を測定する。

●性能行き方向の最大測定力は、0.5Nを超えてはならない。測定力の同一方向に対する最大値と最小値との差は、0.2N(20gf)を超えてはならない。なお、測定力は、できる限り小さいことが望ましい。

0.002

※1:測定子の長さが35mmを超えるものについて運用する。備考 上表の数値は、温度20℃におけるものとする。

●指示の精度てこ式ダイヤゲージの指示精度の許容値は、以下の表による。 (単位:μm)

0.010.50.81.00.2

0.28

58

10

3

3 3

4※1

1

5

2 2

目量(mm) 測定範囲(mm) 広範囲行き精度 隣接誤差 繰返し精度 戻り誤差

支持台

ダイヤルゲージ

マイクロメータヘッドまたは測長器

支持台

ダイヤルゲージ

測定台

ブロックゲージ測定台

ダイヤルゲージ

上ざらばね式指示はかり

θθ

θ

θ

角度10°20°30°40°50°60°

補正値0.980.940.870.770.640.50

角度補正

●インボリュート測定子を使用することで、角度θが28°まで無補正で測定できます。(ご注文により製作致します。)

補正例テストインジケータの読みが0.002mmの場合θ=10° 0.002mm×0.98=0.00196mm

θ=20° 0.002mm×0.94=0.00188mmθ=30° 0.002mm×0.87=0.00174mm