ichiyakukaihou37

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第一薬科大学同窓会の皆様には初めてご挨拶することになります。私は、本年4月に薬学 部長を拝名致しました原 千高(はら ちあき)でございます。平成5年に中川教授の後任とし て薬理学教授として着任以来、今年で約18年間本学に奉職しております。この間、旧薬理学 教室の主任教授として薬理学を講義して参りました。現在、新しい6年制薬学教育のもとでは、 薬物治療学の講義を主に担当しております。 さて、本学は昭和35年(1960年)に創立されて以来、今年で51年の歴史を刻みます。一方、 薬学部は5年前に薬剤師養成を目的として薬学部6年制が導入され、大きいな転換期を迎えま した。本学はこれを受け、平成18年度より6年制度のみの単科の薬科大学として再出発し、1 学年の定員は173名となりました。時の経過は早いもので、来年3月には6年制度最初の卒業 生が巣立ちます。また、同時期に新しい薬剤師国家試験が実施され、6年制度最初の薬剤師が 誕生することになります。 本学はこれまで新しい6年制度教育に向けて様々な改革を行ってきました。このことについ ては会報35号で前黒木学部長が報告したことと思います。このうち、ご注目頂きたいことの 一つは、本学のホームページの様変わりです。卒業生の皆様が大学の近況をお知りになりた いときには是非本学のホームページをご覧下さい。一部工事中の部分がありますが、大学の 状況がつぶさに見てとれます。また、教室の呼称が変わりました。皆様もご存じのように大学 は第三者評価機関による評価を定期的に受けることになっております。昨年、第三者評価を受 けるに当たり、教育組織を大講座制に切り替え、これまでの教室制度を廃止致しました。その 結果、従来の教室名の呼称は一部残っておりますが、どの研究室も「○○分野」と表記するこ とになりました。一方、学生の研究室配属制度は今も残っております。新制度では4年次から 6年次まで配属されることになりますが、配属数は教員1人あたり4名となっています。これ は、4年次末に行われる実務実習へ行くための資格試験である共用試験や6年次の国家試験 の指導、さらには卒業研究の実施体制作りが目的です。ちなみに、平成22年度の共用試験は、 知識を問う試験(C B T)は約98%、技能・態度試験(O S C E)は100%の合格率で、他大 学と遜色ない成績を上げております。この勢いで、新制度の薬剤師国家試験も遜色のない成 績を出すべく、6年生・教員一丸となって対策に取組んでいるところです。このように制度は 変わりましたが、卒業生の皆様方が巣立って行かれた研究室には昔同様、新たな後輩たちが 在籍していることをお忘れなきよう、同門会や同窓会の折に声を掛けてやって下さい。また、 機会があれば是非研究室をご訪問下さい。 もう一つ強調すべきは、旧「薬大祭」が復活したことです。大学創設以来続いていた「薬大祭は、薬剤師という医療人養成を目的とする教育の充実のため、一時期から「薬大祭」は中止 されていましたが、今年は10月29~30日(土・日)の2日間第3回目の「薬大祭」を開催致 します。特に東日本大震災を受け、「医療人は大災害にどう取り組んだか」を趣旨とした講演 会も企画されております。 本学は、新たな6年制薬学教育の開始とともに様々な改革を試み、汚名払拭の意味も込めて、 改善の努力を続けています。一時期事件のため定員割れを起こしましたが、その後はすべて 安定して定員の確保ができ、さらなる向上を目指しております。卒業生の皆様におかれまして は、なお一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げ、私のご報告とさせて頂きます。 第一薬科大学 薬学部長 原    千高 平成23年11月15日 ごあいさつ…………………………………… 2 総会報告……………………………………… 3 50周年記念講演会… ………………………… 4 50周年記念懇親祝賀会… …………………… 6 リカレントセミナー………………………… 8 災害医療ボランティアで感じた薬剤師の役割……………… 8 講座めぐり…………………………………… 9 同窓活動報告……………………………… 10 大学後援会 海外研修…………………… 12 第一薬科大学入学案内…………………… 14 ホームページについて…………………… 15 会費納入のお願い・会員名簿購入のご案内 平成23年度同窓会役員・編集後記………… 16 大学の近況 ICHIYAKU NEWS CONTENTS 2011 37 略歴 氏  名:原 千高(はら ちあき) 生年月日:昭和21年12月27日生 <学歴> 昭和47年4月 九州大学大学院薬学研究科修士課程入学 昭和49年4月 同博士課程進学 昭和52年3月 同博士課程単位修得の上退学 昭和54年5月 薬学博士の学位取得(九州大学薬博 甲89号) <職歴> 昭和52年4月 愛媛大学医学部助手(薬理学) 昭和56年10月 愛媛大学医学部学部内講師 昭和59年7月 文部省在外研究員として米国チューレン大学医学部および ニューオーリンズ在郷軍人病院研究施設に客員研究員として留学 昭和61年1月 帰国 平成元年12月 愛媛大学医学部助教授(薬理学) 平成5年4月 第一薬科大学教授(薬理学)として就任 平成23年4月 第一薬科大学薬学部長

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Page 1: Ichiyakukaihou37

 第一薬科大学同窓会の皆様には初めてご挨拶することになります。私は、本年4月に薬学

部長を拝名致しました原 千高(はら ちあき)でございます。平成5年に中川教授の後任とし

て薬理学教授として着任以来、今年で約18年間本学に奉職しております。この間、旧薬理学

教室の主任教授として薬理学を講義して参りました。現在、新しい6年制薬学教育のもとでは、

薬物治療学の講義を主に担当しております。

 さて、本学は昭和35年(1960年)に創立されて以来、今年で51年の歴史を刻みます。一方、

薬学部は5年前に薬剤師養成を目的として薬学部6年制が導入され、大きいな転換期を迎えま

した。本学はこれを受け、平成18年度より6年制度のみの単科の薬科大学として再出発し、1

学年の定員は173名となりました。時の経過は早いもので、来年3月には6年制度最初の卒業

生が巣立ちます。また、同時期に新しい薬剤師国家試験が実施され、6年制度最初の薬剤師が

誕生することになります。

 本学はこれまで新しい6年制度教育に向けて様々な改革を行ってきました。このことについ

ては会報35号で前黒木学部長が報告したことと思います。このうち、ご注目頂きたいことの

一つは、本学のホームページの様変わりです。卒業生の皆様が大学の近況をお知りになりた

いときには是非本学のホームページをご覧下さい。一部工事中の部分がありますが、大学の

状況がつぶさに見てとれます。また、教室の呼称が変わりました。皆様もご存じのように大学

は第三者評価機関による評価を定期的に受けることになっております。昨年、第三者評価を受

けるに当たり、教育組織を大講座制に切り替え、これまでの教室制度を廃止致しました。その

結果、従来の教室名の呼称は一部残っておりますが、どの研究室も「○○分野」と表記するこ

とになりました。一方、学生の研究室配属制度は今も残っております。新制度では4年次から

6年次まで配属されることになりますが、配属数は教員1人あたり4名となっています。これ

は、4年次末に行われる実務実習へ行くための資格試験である共用試験や6年次の国家試験

の指導、さらには卒業研究の実施体制作りが目的です。ちなみに、平成22年度の共用試験は、

知識を問う試験(CBT)は約98%、技能・態度試験(OSCE)は100%の合格率で、他大

学と遜色ない成績を上げております。この勢いで、新制度の薬剤師国家試験も遜色のない成

績を出すべく、6年生・教員一丸となって対策に取組んでいるところです。このように制度は

変わりましたが、卒業生の皆様方が巣立って行かれた研究室には昔同様、新たな後輩たちが

在籍していることをお忘れなきよう、同門会や同窓会の折に声を掛けてやって下さい。また、

機会があれば是非研究室をご訪問下さい。

 もう一つ強調すべきは、旧「薬大祭」が復活したことです。大学創設以来続いていた「薬大祭」

は、薬剤師という医療人養成を目的とする教育の充実のため、一時期から「薬大祭」は中止

されていましたが、今年は10月29~30日(土・日)の2日間第3回目の「薬大祭」を開催致

します。特に東日本大震災を受け、「医療人は大災害にどう取り組んだか」を趣旨とした講演

会も企画されております。

 本学は、新たな6年制薬学教育の開始とともに様々な改革を試み、汚名払拭の意味も込めて、

改善の努力を続けています。一時期事件のため定員割れを起こしましたが、その後はすべて

安定して定員の確保ができ、さらなる向上を目指しております。卒業生の皆様におかれまして

は、なお一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げ、私のご報告とさせて頂きます。

第一薬科大学薬学部長

原  千高

平成23年11月15日

ごあいさつ…………………………………… 2総会報告……………………………………… 350周年記念講演会…………………………… 450周年記念懇親祝賀会……………………… 6リカレントセミナー………………………… 8災害医療ボランティアで感じた薬剤師の役割………………… 8講座めぐり…………………………………… 9同窓活動報告……………………………… 10大学後援会 海外研修…………………… 12第一薬科大学入学案内…………………… 14ホームページについて…………………… 15会費納入のお願い・会員名簿購入のご案内平成23年度同窓会役員・編集後記…………… 16

大学の近況

ICHIYAKU NEWS

CONTENTS

2011

号37

略歴氏  名:原 千高(はら ちあき)生年月日:昭和21年12月27日生<学歴>昭和47年4月 九州大学大学院薬学研究科修士課程入学昭和49年4月 同博士課程進学昭和52年3月 同博士課程単位修得の上退学昭和54年5月 薬学博士の学位取得(九州大学薬博 甲89号)<職歴>昭和52年4月 愛媛大学医学部助手(薬理学)昭和56年10月 愛媛大学医学部学部内講師昭和59年7月 文部省在外研究員として米国チューレン大学医学部および       ニューオーリンズ在郷軍人病院研究施設に客員研究員として留学昭和61年1月 帰国平成元年12月 愛媛大学医学部助教授(薬理学)平成5年4月 第一薬科大学教授(薬理学)として就任平成23年4月 第一薬科大学薬学部長

Page 2: Ichiyakukaihou37

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一薬会会長に就任して

「母校の限りない発展」を願いつつ

一薬会会長  林  巌(11期生)

顧問  猪立山 正史(1期生)

ich

iya

ku

n

ew

s

 一薬会の皆様には、ますますご活躍のこととお慶び申し

上げます。

 3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心よりお見

舞いを申し上げます。

 私は、平成23年7月10日の総会で、猪立山前会長の後

任の指名を受けました11期生の林 巌です。創立50周年を

経た母校が新たな節目を迎えたこの時に、会長の重責を担

うことになりました。先輩諸氏の知恵と若い力をお借りし

て母校の発展と会の活性化のために尽力する所存です。皆

様のご指導とご協力をお願い申し上げます。

 母校の発展のためには、前執行部が促進してきた母校との

交流をさらに深化させ、力を尽くして参ります。1万4千名

を超える一薬会が母校の発展に寄与したならば、厳しい環境

の時代にも輝かしい成果をあげることができることでしょう。

 次に会の活性化についてですが、会員の地域での繫がり、

先輩と後輩との繫がり、クラブ・講座(教室)・同期での繫

がり等々を盛んにするために、引き続き次の事に力点をお

いて運営します。

 1.  ホームページの充実を図りタイムリーな情報を提供

します。

 2.  一薬会報を充実させ、情報(母校・会員)の伝達に

努めます。

 3.  同窓会収支のバランスを取り運営の安定化を図って

いきます。

 会員の皆様の母校への思いは様々でしょうが、第一薬科

大学卒業という共通の出会いを大切にしていきましょう。

一薬会を次の世代へと引き継ぐ一助となることができれば

幸いです。

 皆さんには益々お元気で活躍のことと存じます。

 既に数ヵ月が経ちましたが、去る7月の総会をもって会長

を退任させていただきました。2期8年の間、お力添えを

賜りありがとうございました。心から感謝を申し上げます。

 ご承知の通り、母校は昨年創立50周年を迎え記念すべ

き節目の時期にあります。また母校を取り巻く環境は今や

「競い」ともいえる状況にあるのではないでしょうか。一方、

同窓会は着実な会員の増加と併せ、若い人達の比率が高く、

力強く感じるところです。

半世紀を経て、「母校の限りない発展」のために大学と同窓

会が一つになって、新たな歴史を歩み始める-このような

時こそ、同窓会の取り組みには若さのパワーとフレッシュ

な発想が、ぜひとも必要であると考えました。従って今回

の若さを重視した執行部の交替は、前向きで発展的なバト

ンタッチであると信じています。どうぞ新しい役員陣に一

層のご支援を下さるようお願い致します。

 さて、私は8年前の会長就任時に、この紙上で次のよう

なことを述べさせていただきました。“会員の皆さんが「第

一薬科大学を卒業して良かった」、「一薬会の会員でよかっ

た」と思えるような同窓会でありたい”と。その後も常に

この事を念頭に置いて努めてまいりました。そして「本当

によかった」と言えるのは「会員同志のふれあい」によっ

て励みを分かち合える時であり、また何よりも「母校の充

実と発展」があってのことではないでしょうか。

 薬学教育6年制、薬学部・薬科大学の増加など、まさに「競

い」の中にある母校への私達卒業生一人一人の役割、さら

にはその力を結集した同窓会としての役割はますます重要

になっていると言わねばなりません。1万4千人を超える

総合力をもってすれば、必ずやその役割を果たしうるもの

と確信するところです。「本当によかった」と思える「母

校の充実と発展」のために、これからも同窓会が大きな原

動力になっていく事を願ってやみません。

【プロフィール】1974年3月 製薬学科卒:11期生職業:昭和製薬㈱ 代表取締役、(社)福岡予防医学研究所所長趣味:ガーデニング、そば打ち(福岡そばの会師範)

Page 3: Ichiyakukaihou37

3

D A I I C H I U N I V E R S I T Y O F P H A R M A C Y N EW S

講演をいただいた吉武毅人副学長

収入の部

支出の部

22年度

年  度 平成22年度 決算 平成23年度 予算科  目 予 算 決 算 予 算 増 減

前 年 度 繰 越 金 7,057,010 7,057,010 5,257,750 -1,799,260会 費 210,000 750,000 900,000 690,0001 0 年 会 費 1,000,000 1,830,000 800,000 -200,000銀 行 利 子 1,000 384 300 -700名 簿 収 入 35,000 50,000 600,000 565,000雑 収 入 10,000 70,000 60,000☆ 広 告 収 入特別貯金からの繰入

計 8,313,010 9,687,394 7,628,050 -684,960

科  目 予 算 決 算 予 算 増 減総 会 費 0 400,000 400,000名 簿 作 成 費 650,000 650,812 800,000 150,000事 務 費 890,000 734,514 950,000 60,000通 信 費 50,000 42,070 100,000 50,000慶 弔 費 100,000 0 100,000 0支 部 援 助 費 0 0 0 0☆ 支 部 通 信 費 500,000 460,000 600,000 100,000生涯教育援助費 200,000 21,050 100,000 -100,000交 通 費 100,000 16,420 100,000 0☆幹事会委員会費 280,000 272,862 300,000 20,000役 員 会 費 800,000 800,000印 刷 費 300,000 322,875 300,000 0会 報 作 成 費 1,365,000 1,788,680 1,365,000 0渉 外 費 100,000 64,260 100,000 0雑 費 40,000 480 100,000 60,000予 備 費 3,738,010 55,621 1,513,050 -2,224,960借 入 金 返 済 0 0 0 0次 年 度 繰 越 金 0 5,257,750 0 0

計 8,313,010 9,687,394 7,628,050 -684,960

 母校の発展に尽力するとともに、会員相互のすばらしい「ふれあい」のために、次の事項に力点をおいて活動しました。

1.母校との交流を行いました。 第一薬科大学創立50周年記念を大学と共催しました。 来賓24名、大学職員38名、卒業生 215名が参加 母校を訪問し、渡辺繁紀学長代理、吉武毅人副学長と面談しました。 猪立山会長が、卒業式・入学式に来賓として出席しました。 一薬会報(第一薬科大学創立 50周年記念号)が母校の全職員に配布されました。 同窓会名簿を全教室に届けました。

2.身近な「ふれあい」のために ◦支部活動を支援しました。  支部総会開催  支部総会出席  支部総会の案内状の作成と発送 ◦同門会・クラブ・同期会を支援しました。

3.情報による「ふれあい」のために ◦一薬会報(第一薬科大学創立 50周年記念号)を発行しました。 ◦会員情報の収集と提供を行いました。  会員住所の更新  会員名簿の発刊 ◦生涯教育を支援しました。

4.同期会・同門会・クラブ等との連動のために 「ふれあいネットワーク」づくりに取り組みました。

5.その他の事項 1) 大学の協力を得て、新6年生に入会の案内と会費納入のお願いの文書を平

成23年4月に発送しました。 2)未納者の処遇を検討しました。 3)平成24年度より、同窓会費が大学で委託徴収されることに決定しました。

 一般会計繰越    普通貯金 4,852,579 筑銀 普通 現  金 40,354 郵便振替 364,817   計 5,257,750

 特定貯金内訳(平成22年度分利息 23,107円を含む) 定期貯金 25,823,518 西日本シテイ銀行 11,910,856 筑邦銀行 8,570,141 福岡銀行 5,342,521                           計25,823,518

会計報告平成22年度決算及び平成23年度予算

1.母校の発展に力をつくしましょう。2.情報(母校・会員)の伝達に努めます ◦一薬会報で企画・特集記事を ◦ホームページでタイムリー情報を提供

1.母校への尽力 ◦学生募集への支援 ◦実務実習への支援2.情報の伝達 ◦情報ネットワークの整備と運用 ◦ホームページの充実 ◦一薬会報の充実3.支部活動の支援4.財務の健全化 ◦会費納入のお願い

活動方針今期、皆さんとともに心がけていきたい事項

今期取組みたい具体的な事項

活動報告

 平成23年7月9日(土)に役員会、7月10日(日)に総会をセントラルホテルフクオカ(福岡市中央区)で開催しました。役員改選で、林 巌会長(11)を選出しました。 会則では、第10条 幹事長、副幹事長、幹事の任期が1年から2年に改正されました。 平成22年度活動報告と決算、平成23年度役員、平成23年度活動方針と予算を次の通り承認しました。

 総会に先立ち、第一薬科大学副学長 吉武 毅人先生の 演題「日本の健康づくり政策の流れ」~メタボリックシンドローム概念導入への道~ で特別講演をして戴きました。

特別講演

総会報告

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遺伝子情報を活用した医薬品適正使用の現状と展望九州大学大学院薬学研究院薬物動態学分野・教授

家 入 一 郎 (18期生)

50周年記念講演会50 thAnniversary

 患者遺伝子情報に基づいた医薬品の適正使用、オーダーメ

イド薬物治療の実現はまだ遠い未来とだれもが予想していた。

しかし、昨今、UDP-グルクロン酸転移酵素遺伝子(UGT1A1)

多型診断による塩酸イリノテカンの適正使用(投与量の調

整)が保険適応となった。UGT1A1*6と*28変異によりイリ

ノテカンの活性代謝産物(SN-38)の代謝が遅延し、副作用

の原因となるためであり、投与前に遺伝子診断を行い、下痢

や血液障害などの副作用を未然に防ぐことを目的とする。世

界に先駆けた画期的な制度であるが、本邦では、先進医療と

しては幾つかの医薬品がすでにオーダーメイド薬物治療の適

応となっていた。例えば、プロトンポンプ阻害剤(PPI)に

よるH. Pylori除菌療法が挙げられる。PPIは多型が知られて

いるチトクロームP450 (CYP) 2C19で主に代謝される。先天

的酵素欠損者(poor metabolizer; PM、正常個体はextensive

metabolizer; EM)では、PPIが代謝されず、高い血中濃度が

維持される。除菌療法ではPPIと抗生物質が併用されるが、

強酸性下で不安定な抗生物質を胃酸分泌抑制することで安定

化させ、効果を高める目的でPPIが併用される。PMでは、胃

酸分泌抑制が長時間持続するので、抗生物質も安定となる。

PPIを同量で投与した場合、PMの方が除菌率が高くなる。言

い換えると、PMと同じ血中濃度を得るに必要な高用量をEM

に処方することで、同じ高い除菌率を得ることが可能となる。

治療前にCYP2C19遺伝子多型を診断し、PPIの処方量を調整

する。これらの制度は日本のみにあり、その意味で、日本は

オーダーメイド医療先進国と言える。

 塩酸イリノテカンやPPIに続くであろう医薬品もリスト

アップされている。薬物代謝酵素を発端としたオーダーメイ

ド薬物療法であり、次の遺伝子診断候補は、“ワルファリン体

内動態・効果とCYP2C9”などがあろう。

 一方、薬物代謝酵素だけではない。薬物の吸収、分布、排

泄を担う薬物トランスポーター遺伝子にも変異があり、医薬

品の体内動態や効果、副作用の個人差の原因となっている。

 ・ HMG-CoA還元酵素阻害剤スタチンの体内動態・効果と

SLCO1B1

 ・β遮断薬の消化管からの吸収とSLCO2B1

 医薬品の体内動態や効果が遺伝子で制御される事例が今後

も増えることが予想される。医療に関わるスタッフとしてそ

の現状を認識理解すべき課題である。

日時:平成22年10月30日㈯○記念講演会 13:30 ~ 第一薬科大学厚生会館大講堂(2階)

第一薬科大学厚生会館 ご挨拶をされる第一薬科大学 都築仁子学長

講演1

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D A I I C H I U N I V E R S I T Y O F P H A R M A C Y N EW S

私の履歴書日田市市議会議員

大 久 保   征 雄 (7期生)

 母校の創立50周年記念講演会に講師として招聘され、この私が皆様にお話しすることなど、とんでもない事と大いに悩みました。その中で67歳の今日を生きて行く事ができたのは、「薬剤師国家試験合格」が人生のバックボーン(私の背骨)としてあった。 この事実を現役の薬大生に伝えられたらと思い決意いたしました。昭和39年に薬大に入学し、45年に卒業しました。現在の薬学6年制を上回る7年間の研鑽期間でした。私は昭和19年に大分県日田郡大山町に生まれ、現在は日田市会議員として仕事をしていますが、「薬剤師」という国家資格があったればこその市会議員とも思っています。大分・福岡の高校を七校退学し(いずれも喧嘩が原因)もう進学する高校が無い時に、福岡の第一高校の都築貞枝理事長に縁あってお世話になることになり、薬大入学の運びとなりました。親元からの仕送りを使い切り、貞枝理事長の自宅付近でしょんぼりしていたら、「どうしたの」と声をかけられ、いくばくかのお金を用立てていただく事もありました(お返ししたと思いますが記憶がありません)。卒業後、国家試験にチャレンジしましたが、七転八起の合格でした。この間、薬化学の渡辺恭男教授、蒲地保子助手(現薬化学教授)に特別指導を受け、薬化学教室の片隅に大久保専用の机まで準備して戴き、私の大恩人です。昭和58年に大山町町議に初当選し、大分県の一村一品運動の先駆けとして、大山町の野菜や果物を

ブランド化し、現在は福岡市が最大の市場です。この運動が成功し、大山町は町民全戸に有線テレビを配し、年1回は海外旅行に行く豊かな農村として発展しました。 現在は日田市に合併し、観光事業にも意欲的に取り組んでいます。私は日田市議会運営委員長・総務委員長として、激務をこなしています。大学時代の思い出として、海外研修を経験したことも強烈な印象として残っています。研修に行くには費用もかさみますが、親父が、「うちの山林の杉の木を1本売れば済むたい」の一言で行くことが出来ました。この海外研修で人生観が変わったと思っています。 私の現在の趣味は仏像との対面です。全国の仏像と対面し、心で対話しています。なんとも心が平安で、仏像と会っていると生きていく勇気が湧いてきます。 このきっかけを戴いたのも、現在、臨済宗相国寺派管長の有馬頼底師にお会いした事に始まります。師は幼少のころ日田市の岳林寺で修業され8歳で得度されています。この頃からのお付き合いで、今でも京都を訪問し、お会いしています。 つたない「私の履歴書」ですが、薬大での青春時代があればこそ、そして薬剤師国家試験に合格したことが、人生のバックボーンです。 薬大生諸君、「決してあきらめるな。薬剤師になるのだ」

講演1座長:湯川栄二先生

講演2座長:蒲地保子先生

講演2

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6

50周年記念懇親祝賀会~第一薬科大学創立50周年を祝う大学と同窓生の集い~

日時:平成22年10月30日㈯○懇親祝賀会 17:30 ~   第一薬科大学・体育館

平成22年10月30日(土)第一薬科大学創立50周年記

念事業として、記念講演会終了後、懇親祝賀会

が開催されました。同窓会は記念講演の共催と懇親祝賀

会の主催で記念事業に参画しました。

 懇親祝賀会には、都築学園総長 都築仁子先生をはじ

め全職員の方と母校に在職された多くの先生方や各界の

来賓が出席されました。卒業生の参加は230名で総数270

名を超える祝賀会となり、学内は母校の創立を祝う歓喜

に包まれました。

 当日は、2年前に再開された薬大祭や最新の設備を備

えた学内を見学することができました。主催者挨拶をする猪立山正史同窓会長

全国から出席した卒業生 岩㟢正武先生による乾杯のご発声

Page 7: Ichiyakukaihou37

7

D A I I C H I U N I V E R S I T Y O F P H A R M A C Y N EW S

吉武副学長を囲んで

松本先生を囲んで

来賓の先生方

第一薬科大学 コーラス部

大学を代表して挨拶をされる渡辺繁紀学長代理

祝いのつくし太鼓

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第一薬科大学 薬品化学教室・教授 増田 寿伸

医療法人光善会 長崎百合野病院 藤木 和…(28期生)

「平成23年度第一薬科大学薬学卒後教育講座 in 長崎」“発光性有機化合物群の設計と合成”……―有機化学的観点から医療に貢献する―

 宮城県沖を震源地とする、日本の観測史上最大のマグニチュード9.0の大地震とそれに伴う大津波によって、東北から関東までの太平洋沿岸部は壊滅的な被害をうけました。毎日メディアで目にする状況に何か出来ないか!と自問自答していたところ、日本薬剤師会の呼びかけで薬剤師のボランティア派遣を知り、すぐに応募しました。震災が起きて約40日が過ぎた頃、気仙沼へ派遣されました。もうすぐ5月というのにとても寒く、余震の続く中必死に生きようと避難生活を余儀なくされている方々の医療ボランティアを行いました。気仙沼の災害医療本部に着いて、最初に感じたのは『救える命を救いたい。救った命を繋げたい』というひとつの志を持った医療人の結束でした。全国から集まった医師・薬剤師・看護師・医療事務などの壁はなく、それぞれに様々な知識と経験を駆使しながら素晴らしいシステムを作り、その中で情報交換を行い、次に繋げていくという場所でした。 薬剤師として、調剤・投薬・お薬手帳・医薬品や注射薬、医療材料の在庫管理と払い出し・OTCの配布等を行いました。現場に集められた医薬品は先発品と後発品が混在し、処方された医薬品に関しては先発⇔後発の切り替えや規格の選択は薬剤

師に一任されていました。薬の専門として質問されることも多々あり、医師からも薬剤師の裁量を重んじられ、医療スタッフの協働・連携によるチーム医療であり、薬剤師としてこれまでの知識と経験をすべて出し切ることを要求される現場だと感じ、これが本来の薬剤師ではないかと思いました。私たち薬剤師は医療用医薬品のみの知識だけではなく、幅広い病態の知識や公衆衛生、OTC、食物成分などの知識も重要だと思います。非日常の緊張感、初めての環境下の業務ではありましたが、災害医療は医療の原点ではないかと感じ、微力ながらこの災害医療ボランティアに参加できて大変光栄でした。

Recurrent Seminar リカレントセミナー

 夏の厳しい暑さが続く9月初旬、長崎県薬剤師会館において平成23年度第一薬科大学卒後薬学教育講座

が開催され、その講演者のひとりとして多くの卒業生の皆さんの前で、私が大学で行っている研究活動の一端を紹介させてもらう機会を頂きました。講演内容は、蛍光あるいは化学発光という光物理現象を示す有機化合物を分子設計し、有機化学を駆使してこれら機能性分子を化学合成していること、さらに、これら機能性分子を利用することで体内中の薬物動態や病気の進行度を検知できる高感度分析システムの開発を目指し研究活動を展開しているというものです。具体的には、(1)血中脂肪酸の蛍光誘導体化法による高感度分析、(2)クラウンエーテル化蛍光センサーを利用した金属イオンの選択的蛍光検出、(3)活性酸素を選択的且つ高感度に検出できる化学発光性分子の開発、(4)粘性の変化を高感度に検出できる蛍光性分子の開発など、これまでの研究成果および現在進行中の研究について紹介させて頂きました。特に、(4)粘性の変化を高感度に検出できる蛍光性分子の開発については、

現在最も勢力を注いでいる研究テーマであり、生活習慣病のひとつとされる脂質異常症などを早期に診断できる分析システムの構築に繋がるものと期待しています。 現在、薬局、病院など医療の現場で活躍されている卒業生の皆さんにとって、久しぶりの有機化学との対面であったと思います。講演スライドには卒業生の皆さんが学生時代に使用された歴代の有機化学のテキストを示しながら、その医療現場の中で有機化学を真に学んでいるのは薬学部出身者だけであることを強調させて頂きました。 本セミナーを通して、卒業生の皆さんが、本学でこのような総合的な教育を受けられたことを思い起こされ、これまで以上に多様な観点から医療を眺めて頂けたらと切に願います。 一方、講演終了後の懇親会では、20数年ぶりに卒業生と再会することができ、その活躍ぶりを嬉しく思うと同時に、大学で専門教育を担当する者として、改めて一人ひとりの学生と対峙しなければならないことを痛感できたことは本セミナーに参加させて頂いた私個人の大きな収穫でありました。 卒業生の皆さんの今後のご活躍を祈念いたします。

災害医療ボランティアで感じた薬剤師の役割

女性薬剤師として活躍される藤木和先生

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in 長崎

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tour of laboratory

講座め ぐり第 2 回

 同窓会の皆様、お元気でご活躍のことと思います。

 分析化学A研究室は、数年前に「環境化学」から現在の名称に変更となりました。本研究室は、旧教室名である環境化学教室が1993年に開設され、私と石村憲子助手(当時)の二人が物理分析学教室(当時)から移動して来たときから始まります。今年で教室開設以来、18年目を迎えます。この間、多くの助手等の先生方に教室を支えてもらいましたことを心から感謝申し上げます。現在は三年前に赴任した山田明史講師と二人で教育・研究に携わっています。講義は1、2年次の「分析化学Ⅰ及びⅡ」を黒木が、4年次の「臨床分析化学」を山田講師が担当しています。学生実習では、2年次後期に「物理系実習」を4教室で実施し、我々は医薬品の容量分析を分担しています。新薬学教育制度となり、講義・実習の内容も4年制薬学教育とは大きく変わったところです。

 教室には4~6年生が在籍していますが、6年生は現在1回目の認定試験が終わり、次回の認定試験に向けて秋期勉強会の真最中です。5年生は二期の実務実習中です。また、4年生は11月まで実務実習事前学習が続き、どの学年も忙しい日々が続いています。 研究内容は臭素系化合物に焦点を当て、臭素系難燃材である臭素化ジフェニルエーテルや臭素化ビフェニル、臭素化ダイオキシン類等の代謝機構、これに関与する酵素系の解明及び代謝物の内分泌撹乱物質としての評価を目指しています。また、塩素化ビフェニルの新規な代謝反応を見出しましたので、これに関わる酵素系を含め代謝機構の全体像を明らかにすることを目指しています。また、新規な代謝物には光学異性体が存在しますので、光学異性体ごとによる代謝能や活性の相違等も解明したいと考えています。

分析化学A分野教授 黒木 広明

 当教室は、物理分析学教室(増田義人教授)を前身としております。平成13年に増田先生が退任されたあと、健康化学教室として私が受け継ぎ、薬学科6年制制度を契機に、平成21年度から分析化学B分野として再スタートいたしました。当教室は、現在4~6年生の13名の学生が所属し、西村助手とともに指導にあたっております。4年生は年末から年始にかけてCBTやOSCEの共用試験で忙しく、5年生は約6か月の実務実習に出かけた後、卒業論文作成が待っています。 6年生は学内の認定試験の結果に一喜一憂しております。合同コンパなどで学年間交流の機会も増えてきました。私は現在、機器分析学の講義や実習を担当しています。高度な医療機器や分析技術の発展に伴い、分析データの解析力が薬剤師にも求められると思います。当教室の研究活動は、以前はPCBなどの環境分析が中心でしたが、最近、東南アジアを拠点として、海洋生物(海藻など)の産出する生理活性物質についてLC/MSやGC/MSを用いて探索し、その手法を卒業研究にも取り入れています。 一薬会の皆様との情報交換や教室同門会での再会を楽しみにしておりますので、ぜひ当教室にお立ちよりください。

 生薬学主任教授の福田直通です。 ナオミチというと皆さん多くの人が間違えて直道と書かれますが私のは電話でお馴染みの直通です。1983年10月にタイ国産生薬Borapet成分の科学的研究ということで薬学博士の学位を取得し、しばらくは同属成分の分離・構造解析、生薬成分の分析、を行ってきました。平成21年から漢方概論という講義を持ったこともありますが、このずっと以前から漢方の勉強をしており、教えたいことをうまく伝えるために講義のためのテキスト(薬剤師の漢方処方、福田・米光共著、廣川書店)を作成しました。現在は漢方薬を多くの人が自信を持って使用していただけるように、漢方のEBMを集める仕事をしています。というのは、漢方薬は非常に良く効くのにその裏付けが弱いところがあるためです。研究室の構成員として職員は現在のところ私一人、学生諸君は6年生が5名、5年生が6名、4年生が4名です。6年生は3回の認定試験とその後の薬剤師国家試験(六年制で最初のもの)目指して猛勉強中です。5年生は実務実習中です。4年生は来年1月のCBT試験に向けて勉強をしています。何年か経てばよりデータが集まり皆さんのお役に立てるものと思います。

分析化学B分野 生薬学分野の今教授 原口 浩一 教授 福田 直通

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 9月3日(土)、小倉北区の小倉飯店にて「第22回 第一薬科大学同窓会北九州支部総会・講演会及び懇親会」が開催された。当日は台風が接近する大雨だったこともあり27名と少人数のスタートであったが、5時からの講演会は54名、6時からの懇親会には77名もの方々にご参加いただいた。来賓のご祝辞は本部の濱良一副会長より、今まで同窓会をささえていただいた諸先輩方の熱意と、大学側の多大な協力を受けるようになった現在までの推移、そして何

よりも大切なのは卒業生の皆でこの同窓会を大きくし存続させていく事であるとのお話があった。講演会は、森田桂子先生(4期生)実務実習教

育センター教授による「6年制薬学教育における実務実習教育センターの役割」であった。薬学6年制の現状や6年制がどのように変わっていったか、事前学習の内容、さらに大学全体の意識改革により高いレベルの後輩たちが世に出てくることがうかがえるお話があった。特に新設された模擬薬局、模擬病院のスライド紹介は、皆熱いまなざしを向けておられた。大変、熱気あふれる講演だったために参加者が懇親会へ流れこみ、急遽料理を追加するハプニングが起きてしまった。懇親会は、お互いに本音で語り合い、今後この会の参加を増やすための貴重なご意見を多くいただき、大いに盛り上がって、皆で来年の再開を誓い合って散会した。

 残暑がきびしい9月4日、第一薬科大学リカレントセミナーと長崎県支部同窓会がそれぞれ長崎県薬剤師会館と長崎新聞社文化ホールにて開催されました。リカレントセミナーはオープン参加ということで一般に呼びかけ、同窓生以外の方の参加も見られたことは大変有意義な結果となりました。 同窓会にはリカレントセミナーを開催した大学から荒牧弘

範教授、増田寿伸教授、そして林巌同窓会会長にも出席して頂き、今までにない華やいだものとなりました。 その場におきまして突然太田充穂支部長から若い岡嘉徳先生(15期生)に支部長をバトンタッチしたいとの発言があり、どよめく会場でしたが、やがて太田先生の長年の功績を称える惜しみない拍手へと代わり、最後には岡新支部長を承認する拍手で満たされました。 さて、懇親会のサプライズとして、現在の大学と近辺の懐かしい場所の写真を上映しました。事務局として、事前に取材に行ったのですが、かつての目印になる建物も今はなく、大学の周りは様変わりしておりました。そのような上映でしたが、しばし思い出に浸っていただくことが出来たようです。

Dosou Report同窓活動

報告

北九州支部報告

長崎支部報告

北九州支部長 五反田 仁一郎(16期生)

事務局 永野……元(20期生)

岡新支部長 井手先生による万歳三唱太田前支部長

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 近畿支部では昭和56年に支部会報第1号を発行して以来、毎年発行しており、今年で第32号となります。支部会報は支部会員相互の意見交換の場でもありますが、昭和58年から支部会費を徴収することになり、会費の使途を明確にすべく、活動報告、会計報告を毎年、支部総会の承認を得て、会報に掲載しています。 しかし、支部会報の発行費用は支部会員の増加に伴い、膨らみ、支部会計の大部分を占めるまでになってきました。更に、母校の薬学教育6年制への移行に伴い、本部の同窓会費の徴収が大幅に落ち込み、本部からの支部援助金がカットされることになり、支部の財務状況は非常に厳しいものになりました。対策を支部幹事会で検討し、支部会費の値上げ(3000円/2年間→2000円/年)と経費の削減に取り組むことになりました。経費削減の方法の一つとして、経費の大部分を占める支部会報の発行方法を検討し、印刷版は活動報告、会計報

告、会費納入者名簿等の最低必要限の記事を掲載する4頁程度の薄いものとし、母校の状況、会員からの寄稿文や最近の話題等、読み物、写真をたっぷり載せてホームページに掲載する電子版を並行して発行することになりました。H22年度の第31号電子版を第1号として支部会報電子版用ホームページを立ち上げ、掲載することになりました。支部会報電子版用HPアドレスはhttp://www.geocities.jp/sibukaihoueban/

近畿支部のHPアドレスhttp://www.geocities.jp/ichiyakukaikinki/index.html

からも入れます。HPは8期生の志賀博和氏が担当して、運用していただいています。写真をたっぷりと掲載できるので、見応えがあります。Yahoo!であれば、簡単にアクセスできます。

 2011年の二期会(二期生同期会)は10月8日(土)~10日(祝)に奄美大島で開催されました。第12回目の二期会で、2泊3日は初めてのケースです。 昨年の4月、近畿地方在住有志が幹事となり、奈良(明日香散策・吉野の観桜)で開催し、その折に、はるばる奄美大島から参加してくれた押川君に、次は奄美大島での開催を押し付けた形になりました。奄美大島には彼一人しかおりませんでしたが、二期会本部の福岡在住の者、今回の幹事等が協力するからと説得しました。 ただ一人の奄美住人の押川君にはかなり気が重いようではありましたが、福岡在住の高森、岡部両君と相談しながら、10月に2泊3日のプランニングができ、福岡から5月の初めに開催案内状が投函されました。 当日は各地の空港から、三々五々奄美空港に集結し、32名(男性11名、女性21名)の出席がありました。 最初に訪れたのは、「夢おりの里」で大島紬の糸染から機織りを見学しました。気が遠くなるような、大変な手間がかかっており、高価な布地であることが分かりました。 1日目の宿泊先は名瀬のサンプラザホテルで、一同が会して、夕

食・懇親会が賑やかに開催されました。 2日目は金作原原生林での森林浴、マングローブパークでのカヌー体験、半潜水船に乗っての水中散歩等を楽しみ、宿泊先は「ばしゃ山村」という海岸すぐのリゾートホテルで、島の歓迎儀式を体験し、ソテツの葉の帽子を頭に載せて、島唄に合わせた踊りも体験しました。賑やかで楽しい一夜となりました。 3日目は雨天となりましたが、奄美パークの見学と昼食で、雨の影響はありませんでした。幹事の奥様とそのお姉様の手作りの伊勢海老の味噌汁とおむすび、お漬物を昼食にいただき、味は勿論のこと、心のこもったもてなしを受けました。 航空機の時間に合わせて、来年の佐賀での再会を約束して解散しました。 今回の幹事さんは大変だったと思いますが、幹事が一人でも、同期会が開催できましたので、これからの二期会は何処でも開催できそうです。              (住谷正祥 記)

近畿支部報告

同期会便り

近畿支部長 住谷 正祥(2期生)支部会報電子版を立ち上げました

一人幹事の二期会奄美 2011

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総括

 今回の海外研修に参加した学生は、北欧の薬剤師の意識

の高さや向上心などを肌で感じ、 今後の薬学を学ぶモチベー

ションの向上ならびに将来の方向性を思慮する一助となった

ようです。医療制度や規模の違いなどありますが、今後の日

本の薬剤師の役割について考える上で示唆に富んだ経験に

なったと思います。

 今後、 国際薬剤師・薬学連合 (FIP) 、 アジア薬剤師会連合

(FAPA) などの薬剤師関連の国際学会にも積極的に参加し

て、他国の薬学生 ・ 薬剤師と国際交流の機会を得て国際感覚

を身につけた人材に育ってもらいたいと思います。そのため

には、語学力の向上に心掛けなくてはなりません。

 帰国後、学生15名は5名ずつの3グループに分かれて、研

修報告書と報告会に向けたパワーポイント資料等を作成し

て、海外研修で学んだ成果をまとめております。これらの成

果の報告会を薬大祭(2011年10月30日)で行いました。

 最後に、 本研修に参加する機会を与えられたことに心より

感謝し、 本学学生の薬学教育の学習効果の向上のために、得

られた成果を還元することに努めさせていただきます。

大 学 後 援 会

海 研外 修研修目的 本研修は海外における薬剤師教育機関、 病院薬局、 調剤薬局、 医薬品製造会社及び医薬品に関わる歴史的施設・史蹟を研修し、 薬学部薬学科課程履修意欲の高揚を図るとともに、 将来薬剤師のあるべき姿を追求することを目的とする。

研修施設スウェーデン: Uppsala University Uppsala University Hospital Pharmacy Apoteket 調剤薬局デ ン マ ー ク: Svane Apotek 調剤薬局 Tåstrup Apotek 調剤薬局 Pharmakon 研修センター

研修期間2011年3月8日~17日

参加者総勢19名 第一薬科大学後援会 下瀬和俊会長、 曲渕直喜副会長 第一薬科大学教員 大光正男、 西村恵理 参加学生 15名(4年生10名、3年生1名、2年生2名、1年生2名)

スウェーデン・デンマーク海外薬学研修成果報告第一薬科大学 実務実習教育センター 大光…正男

デンマークの人魚姫

デンマーク Tåstrup : Tåstrup Apotek調剤薬局を訪問し、研修を行いました。 Robot: 約8000医薬品の管理を

する装置

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スウェーデン・デンマーク

デンマーク Lyngby : Svane Apotek 調剤薬局を訪問し、研修を行いました。

デンマーク Hillerød : Pharmakon研修センターを訪問し、研修を行いました。

スウェーデン Uppsala : Uppsala University

スウェーデン Uppsala : ウプサラ大学 薬学部学生との情報交換レセプション

ノーベル賞授賞地(ストックホルム市庁舎)

ウプサラ大聖堂(スウェーデン)にて記念撮影

ストックホルムの Apoteket 調剤薬局を訪問し、研修を

行いました。

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第一薬科大学入学案内

【AO入試】

願書受付:H23.9.1(木)~ H24.3.31(土)(必着)試験日:随時 選考方法:第一次審査(書類審査)、第二次審査(面接・化学Ⅰか生物Ⅰより受験者が選択する口頭試問あり)の2段階審査

【指定校入試】

試験日:H23.11.3(木・祝)

【推薦入試】

(第一期)試験日:H23.11.3(木・祝) (第二期)試験日:H23.12.17(土)

【社会人入試】

(第一期)試験日:H23.11.3(木・祝) (第二期)試験日:H23.12.17(土)

【帰国生徒入試】

(第一期)試験日:H23.11.3(木・祝) (第二期)試験日:H23.12.17(土)

【一般入試】

(第一期)試験日:H24.2.3(金) (第二期)試験日:H24.2.29(水)(第三期)試験日:H24.3.21(水)

【*大学入試センター試験、センター試験利用入試(前期、中期、後期)】

試験日:H24.1.14(土), 15(日)(本学独自の学力検査は課さない)選考方法:英語(リスニングを除く)と理科(化学、物理、生物、地学から1科目選択)

 平成23年4月より入試事務局長に就任いたしました福田直通と申します。よろしくお願いいたします。入試には広報部長の小松先生と入試課員(課長の高木、柳井、藤井)、広報課長の門口が対応しております。本学においては、受験生の能力・適正等を多様な面より判定できるような入試を実践しております。 さて、最近の入学者の傾向としまして、北九州や熊本から通学する学生が目立ちます。現在、北九州からは6年3名、5年2名、4年6名、3年4名、2年11名、1年18名の計45名、熊本からは4年2名、2年2名、1年15名の計19名が通学しています。九州新幹線の開業もあり、今後、ますます増加していくことを期待しております。そのため、平成24年度は北九州市と熊本市に入学試験場を新たに設けました。 また、私が赴任した頃に学生だった卒業生のお子様が多く入学してくれており元気に通学しています。多くの卒業生のお子様に学んでもらえるように、また社会人で資格が欲しいという人にも門戸を開くため、いろいろと考えて平成24年度の入学試験を下記のように行いますのでご案内申し上げます。 今後とも卒業生の皆様のご指導・ご鞭撻をよろしくお願いいたします。

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同窓会からのお知らせを掲載メールで新着情報の配信会員同士でコミュニケーション。

一薬会公式ホームページ開設!

  IDとパスワードを入力してログインをクリック

  IDとパスワードを入力してログインをクリック②

③ 会員登録をします。 ③ 会員登録をします。

  QRコードからhttp://www.bikita.jp/m/ にアクセス

パソコンからのアクセス方法 ケータイからのアクセス方法

  http://www.bikita.jpにアクセス(yahooやgoogleでビキタと検索すると出てきます)①

ココを  チェックしておくと次回から自動でログインできます!

! QRコード

IDとパスワードは、宛名紙に記載されています。大切に保管してください。IDとパスワードは、宛名紙に記載されています。大切に保管してください。

会員登録をしないと…会員登録をすると…ビキタ上にプロフィール名刺を作成して、ミニメールでメッセージの交換ができます。(Eメールアドレスは公開されません)

事務局や幹事の方から同窓会開催のお知らせを受け取ることができます。

同級生、先輩・後輩との交流が生まれます。プロフィール近況を紹介してください。同窓生にしか見られない設定にもできます。

コミュニティへの参加や記事への書き込みができません。

母校限定の記事や写真、お友達の名刺を閲覧することができません。(画面表示されません)

携帯版ビキタを利用できません。

できない…HELLO!! ♪

初めて IDを入力すると会員登録を求められます。

会員登録(無料)をお願いします

興味のあるコミュニティに参加して

♪情報交換

みんなでワイワイ♪「コミュニティ」

仲間との連絡に「ミニメール」

今のワタシ…「プロフィール名刺」

引っ越しました「同窓会住所変更」

在学生、卒業生の安心できるサイトを目指し、外部からの迷惑書き込みを防ぐための会員登録です。ご理解とご協力をお願いします。このホームページは、同窓会会員データ管理を委託しています小野高速印刷㈱の運営する同窓会コミュニティサイトBikitaを利用しています。

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編集後記  一薬会会員の皆様、37号会報最後までご覧頂きありがとうございました。いかがでしたでしょうか?会長が代わり初めての会報です。 申し遅れましたが私はこの度、一薬会総会において濱先輩とともに副会長に任命されました16期生の下瀬和俊と申します。主に会報及びホームページを担当することになりました。情報発信の大切な部署を任せられる事に対して多くの方の情報を集めることに努力したいと思います。

 今回会報作成については委員会を立ち上げての作業でしたが各委員の活発な意見の結果です。皆ボランティアで参加してくれています。本当に有難いと思います。会員の皆様の色々なご意見ご指導を頂きながら更に内容を充実させていきたいと思います。 最後になりましたが、会費未納の方は同窓会の運営にご理解ご協力頂きます様重ねてお願い申し上げます。

 財務を担当しています副会長の濱 良一です。同窓会を運営していくに当り一番重要なことは何よりも盤石な財政です。1万4千人を超える会員の皆様に同窓会活動や大学の状況などを織り交ぜて「一薬会報」を発行させていただいております。支部援助費、通信費、事務費などにも、

必要な経費として運用しておりました。今回から「一薬会ホームページ」の開設と情報発信を図り、より身近な同窓会の会務運営に心がけます。 入会金および会費については、平成7年以降は卒業後に納入を頂くことになり、納入率が非常に低下しました。財政が逼迫する状況を打破するために、役員は何度も検討を重ね、10年会費の創設と納入依頼、支部総会時の補助金見直しなど改善を図りました。そのような厳しい財政を続 ※会費納入に際しては、同封の振込用紙をご利用ください。

入会金と卒後10年会費納入について第一薬科大学を卒業されますと、一薬会(同窓会)の会員となります。会費は、3万円(入会金:2万円+10年会費:1万円)です。

10年会費(10年間の会費:1万円)について平成8年に10年会費を導入して15年が経過しました。今回26期生の皆さんは、2回目の10年会費(平成22年から31年まで)の納入の年です。新たに36期生の方は10年会費1回目の納入の年になりました。

副会長濱 良一(13期生)

副会長下瀬和俊(16期生)

会費納入のお願い

平成23年度同窓会役員 注)○は、新役職、☆は、新任の役員です。

役員名 氏   名 期生 名誉顧問  都築 仁子 名誉会長  都築 仁子○顧  問  猪立山正史 1○会  長  林   巌 11○副 会 長  濱  良一 13○副 会 長  下瀬 和俊 16○幹 事 長  國武 雅弘 19○副幹事長  岡本 隆行 24 幹  事  石橋 壮児 5 幹  事  金岡 正蔵 9 幹  事  内田 雅宏 11 幹  事 ☆井野 博文 16 幹  事 ☆石田ひとみ 17

役員名 氏   名 期生 幹  事 ☆横尾 賢乗 18 幹  事  國武 雅弘 19 幹  事  岡本 隆行 24 幹  事 ☆永田 義人 24 幹  事 ☆宮谷 英記 28 幹  事 ☆馬場  渉 32 幹  事 ☆竹野 将行 34 幹  事 ☆城戸 克己 34○評 議 員  川野 文子 1○評 議 員  村上 克幸 3○評 議 員  東  哲宏 4○評 議 員  森田 桂子 4○評 議 員  松本 秀喜 5

役員名 氏   名 期生北海道支部長  皆川 直孝 11関東支部長  小井手忠士 3東海支部長  鵜生 賢司 12静岡支部長 ☆瀧  幸夫 21近畿支部長  住谷 正祥 2岡山支部長  重安  衛 13広島支部長  松尾  健 12山口支部長  寶迫 邦幸 4山陰支部長  田中松一郎 10徳島支部長 ☆瀬谷 和男 18愛媛支部長  鴻海 俊平 20高知支部長  岡村 幸憲 4香川支部長  佐藤 宣幸 12

役員名 氏   名 期生福岡支部長  下瀬 和俊 16北九州支部長  五反田仁一郎 16筑豊支部長  土田由美子 22筑後支部長  橋本 和樹 13佐賀支部長  宇土 昭彦 5長崎支部長 ☆岡  嘉徳 15熊本支部長  大塚 俊朗 13大分支部長  安東 哲也 15宮崎支部長  長友  繁 10鹿児島支部長  迫田喜久男 12沖縄支部長  新垣 友二 25会 計 監 査  梅末 芳彦 5会 計 監 査  吉田  理 19

同窓会では、平成24年度会員名簿を作成致します。購入をご希望の方は、同封の振込み用紙でお申し込みください。 販売金額: 一部5,000円(送料を含む) 申込期限:平成24年1月末日 配布予定:平成24年4月上旬予定申し込み後の住所変更は、同封の変更届に記入の上、同窓会事務局まで郵便またはFAXでお願い致します。変更後の新住所に発送いたします。

会員名簿

 購入のご案内

連絡先

〒812-0033 福岡市博多区大博町3番3号昭和製薬株式会社内

 第一薬科大学同窓会事務局まで

FAXをご利用の場合は(092)291-7610

けている中、10数年を経て大学側の協力により在学時に委託徴収して頂けることになりました。6年間の分割徴収となりますが、同窓会には朗報となりました。しかしながら、1万4千人以上への通信費、会報送付には到底安心出来るものではありません。未だ入会金および10年会費を納入されておられない方々に同窓会運営のご理解とご協力をお願いしたく存じます。