デジタルサイネージの国内市場動向 及び今後の展望...4...
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デジタル サイネージの国内市場動向及び今後の展望
(株)富士キメラ総研
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1.デジタルサイネージ市場の概況
■デジタルサイネージ:ディスプレイを活用した電子データによる各種映像/
情報表示システム
■対象製品/システム :「映像/情報表示用ディスプレイ/メディプレーヤー/
映像/情報コンテンツ制作及び配信システム」
■国内市場
液晶/PDP等設置性に優れる薄型ディスプレイの大画面化/低価格化、及び
通信インフラ/各種配信システムの開発・投入に伴いデジタルサイネージ
を目的とした導入が増加。
ディスプレイの新たな活用用途として市場拡大が期待される。
デジタルサイネージ
インフォメーション用
広告用
販促用(空間演出用含)
主要用途
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◆市場トレンド
・ディスプレイ(映像機器)の低価格化/コンテンツ制作・配信システムの増加等に伴い市場は前年比増加で推移(2009年は景気低迷の影響により前期の需要が減尐していたが、年末に向けて徐々に増加傾向)。
・交通機関/店舗・商業施設等へのディスプレイ設置増に伴い。デジタルサイネージの認知度向上。
・景気回復に伴い、広告出稿量増加 ⇒ 映像広告目的の新規設置増加(鉄道/店舗・商業施設等):従来のポスター/看板から映像機器を活用した広告表示へ(代替及び一部に映像機器を活用)。
・景気回復に伴い新規設置需要先が増加。インフォメーション/販促/広告用途ともに増加傾向。
・特に、2010年は鉄道/店舗・商業施設を中心とした映像広告(インストアメディア)の本格化。新たな媒体ビジネスとして注目。
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2.デジタルサイネージの国内市場推移
2008年 2009年 2010年
ディスプレイ市場 39,000 39,000 42,000
メディアプレーヤー市場 1,100 1,150 1,400
コンテンツ制作/配信市場
5,160 6,210 7,500
広告市場 14,800 15,500 21,000
国内市場規模 60,060
(-)
61,860
(103.0)
71,900
(116.2)
単位:百万円
2008年 2009年 2010年
ディスプレイ市場 8,940 9,440 11,100
メディアプレーヤー市場 1,100 1,150 1,400
コンテンツ制作/配信市場
5,160 6,210 7,500
広告市場 6,300 8,200 12,000
国内市場規模 21,500
(-)
25,000
(116.3)
32,000
(128.0)
2009年国内サイネージ市場
約618.6億円
対象製品
・ディスプレイ:液晶/PDPモニター、TV、プロジェクター、LED、電子ペーパー等
*広義のサイネージ市場
2009年国内サイネージ市場
約250億円
(ネットワークシステム対象)
対象製品
・ディスプレイ:液晶/PDPモニター、TV、プロジェクター
(ビルボード等LED、電子ペーパー除く)
*メディアプレーヤー等を使った配信対応システムを対象
*ディスプレイ市場には設置工事費を含む
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3.製品別市場推移
◆ディスプレイ市場
・業務用モニター(液晶モニター/PDPモニター)、業務用として利用されるデジタルTVを対象。
・2009年市場規模:約132,500台(内配信対応:約1万台)・260億円
*LEDディスプレイ/電子ペーパー及び設置工事費除く
・サイネージ需要の増加に伴いディスプレイ数量は年々増加していくが、製品の低価格化に伴い金額ベースの伸びは鈍化。
0
20,000
40,000
60,000
80,000
100,000
120,000
140,000
160,000
2008 2009 2010
デジタルTV
リアプロジェクター
フロントプロジェクター
PDPモニター
液晶モニター
(台)
(年次)
125,000 132,500 157,050
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◆メディアプレーヤー市場
・メディアプレーヤー(専用端末/専用ソフト)を対象。・2009年市場規模:9,300台
(専用端末:6,700台・専用ソフト:2,600ライセンス)・金額ベース:2009年:11.5億円
(専用端末:9億円・専用ソフト:2.5億円)・複数拠点に対する同一コンテンツの一括配信ニーズの増加により、年々新規導入ユーザーが増加傾向。
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
12,000
2008 2009 2010
配信専用ソフト
配信専用端末
(台)
(年次)
8,700 9,300 10,500
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◆コンテンツ制作/配信市場
・2009年市場規模:約62.1億円(制作:22.1億円・配信:40億円)・年々のユーザー数の増加(配信を受けるディスプレイ数の増加)に伴い、市場規模は拡大傾向にある。
・コンテンツ制作については、既存のCM等の素材を活用する例が多く、1から新たなコンテンツを制作している例は現状尐ない。
・2010年は、新規導入ユーザーの増加、ディスプレイ数の増加により、約75億円の市場規模が予測される。
・下記市場は、メディアプレーヤー/ソフトを活用した配信市場を対象としており、ビルボードや鉄道車両向けは含んでいない。
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1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
7,000
8,000
2008 2009 2010
コンテンツ配信
コンテンツ制作
(百万円)
(年次)
5,160 6,210 7,500
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◆広告市場
・2009年市場規模:約155億円である(ビルボードを除く市場規模は約82億円である)。・デジタルサイネージは従来のポスター/看板からの代替、共存、といった形で新たなモデルが登場している。
・特に、鉄道関連(車両/駅構内等)への新規設置が増加しており、ディスプレイ数の増加により新たな広告として注目されている。
・インストアメディアは、景気回復傾向の中で、2010年の新たな導入が期待される。
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
2008 2009 2010
インストアメディア他
交通広告
ビルボード
(百万円)
(年次)
14,800 15,50021,000
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4.需要先別市場動向
2009年 2010年 主な用途
総数 配信対応数 総数 配信対応数
店舗/商業施設 39,000 2,000 49,000 3,500 広告/店舗案内/セール情報等
外食産業 2,500 300 3,000 500 メニュー/トレサビリティ/店舗情報等
交通機関 10,500 1,500 13,000 2,500 各種広告/運行情報等
金融機関 4,500 1,200 4,500 1,200 金利情報/商品紹介等
アミューズメント 5,500 500 6,000 700 施設案内/チケット案内等
公共施設 7,000 800 8,500 1,000 各種広告/施設案内等
オフィスビル 40,000 1,000 45,000 2,000 会社案内/商品案内等
教育機関 5,000 900 5,200 1,000 講義案内等
医療機関 4,000 700 4,500 800 病院/医師紹介等
その他 14,500 1,100 18,350 1,800 ―
合計 132,500 10,000 157,050 15,000 ―
◆ディスプレイ数(LED/電子ペーパー除く)
単位:台
*その他:ホテル/結婚式場、官公庁自治体施設、警察/消防等
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2010年以降の方向性
期待度:新規需要 トレンド
店舗/商業施設 ◎ インストアメディア(広告)及び販促等各種情報表示目的に新規設置増加が予測される。大手スーパー/コンビニの動向に注目。
外食産業 ○ 営業案内/商品案内といった販促用中心の導入。
交通機関 ◎ 駅構内/車両内への普及。映像広告としてのビジネスモデル増加。
金融機関 △ 新規需要が減尐し、買い替え主体の推移。
アミューズメント ○ 徐々に新規設置が減尐し買い替え需要増加。シネコン/パチンコ等が先行事例。
公共施設 ◎ 美術館/博物館/競技場等のインフォメーション用中心に新規設置増加。
オフィスビル △ エントランスにおける会社案内やニュース/天気予報等。大型インテリジェントビルへの設置が主。
教育機関 △ 大学の講義案内がメイン。小中高校のニーズは現状低い。
医療機関 ○ 総合病院中心に新規設置増加傾向。
その他 ― ホテル行灯や警察/消防等、映像機器を活用した情報表示用の潜在需要は大きい。
◆今後の有望需要先
*期待度 高い:◎ ⇔ 低い:×
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2010年以降の方向性
期待度:新規需要 製品トレンド 方向性
モニター
(LCD/PDP)
◎ ・大型化/3D/防塵構造/インタラクティブ機能等
サイネージ用ディスプレイの中心。設置場所のスペースによるが、現在の40~50インチから、50インチ以上が増加傾向。
TV ◎ ・大型化/3D/低価格化等
モニター同様、サイネージ用ディスプレイの中心。設置場所/導入費用に応じ、専用モニターと比較検討。
フロントプロジェクター
△ ・4,000ルーメン以上の製品中心に導入。防塵構造モデルの増加
モニターとは画面サイズで差別化されるが、輝度の点で施設構内の設置に劣る。目的に応じモニターと棲み分け。
リアプロジェクター
△ ・4面一体型や6面/9面等マルチビジョンとしての設置。
直視型モニターの大画面化/低価格化に伴い新規需要減尐。マルチビジョンとして1部需要先で差別化。
LED ○ ・屋外設置として一定需要を確保。
・より細かいピッチ/近距離視認
近距離視認が可能になったことで、ビルボードの他、屋外ポスター/看板からの代替も期待される。低価格化が最大の課題。
5.ディスプレイの方向性
*期待度 高い:◎ ⇔ 低い:×
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6.デジタルサイネージ市場の方向性
2010年 予測 2015年 予測 市場予測
全体市場 ネットワークシステム 全体市場 ネットワークシステム
ディスプレイ市場 42,000 11,100 47,000 15,000 2015年サイネージ市場
全体市場規模
約1420億円
ネットワークシステム対象
約1,000億円
店舗/商業施設、交通機関を中心とした新規設置増加により市場拡大。
広告市場
2015年約750億円(現在の屋外広告費:交通広告費/屋外広告費 約6,200億円の12%程の比率)
メディアプレーヤー市場
1,400 1,400 2,000 2,000
コンテンツ制作/
配信市場
7,500 7,500 18,000 18,000
広告市場 21,000 12,000 75,000 65,000
国内市場
(2010年比)
71,900
(―)
32,000
(―)
142,000
(197.5)
100,000
(103.0)
*ディスプレイ市場には設置工事費等を含む。ネットワークシステム:LED及び鉄道車両除く。
単位:百万円
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有難うございました
参考資料「デジタルサイネージ市場総調査」:富士キメラ総研発行
(データの詳細につきましては下記へ連絡頂けましたら対応致します)
2010.5.11
富士キメラ総研
稲葉 視朗
E-mail:[email protected]
TEL:03-3664-5818