media literacy part 13

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メディアリテラシー 13

Upload: masaru-kitajima

Post on 14-Apr-2017

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メディアリテラシー13

ニュースの作成• テレビのコンテント制作• ニュースの制作過程は、新聞もテレビも大差ない

• テレビは映像が必要な点で取材上の制限が多い為、深く事実を掘り下げるようなニュースの取り扱いがしにくい

• しかし映像と音声でニュースを伝えられる優位性はある

• 新聞とは違うニュース• 新聞とテレビでは取り上げられるニュースがかなり違う

• 新聞で言う一面に当たる、ニュース番組のヘッドラインニュースには芸能人の婚約や離婚等が来る場合もある

• なぜ、このような事が起きるのか?• 新聞の部数はその大半が定期購読によるものなので、一定部数の売り上げは既に確定している→広告収入が安定している

• 一方、テレビでは1分毎に視聴率が報告される

• 視聴率によって、広告収入が変わる為、視聴率の取れそうな話題を持って来るのがテレビニュースの特徴

• 制作しないテレビ制作• 生放送以外の番組の大半は、局内では制作されていない

• 外部の制作会社(プロダクション)に任せているケースが殆ど

• 制作キー局は、企画決定、予算繰り、スポンサー調整や系列ローカル局との調整を行う

• 制作現場には制作キー局からは中心となるプロデューサー、ディレクターの数人だけが出て、後の現場スタッフは制作会社の人間だけ

• これはNHKでも同じで、代表的な所ではNHKエンタープライズ21(優秀な番組が多い)と言うNHKが筆頭株主の会社もある

• テレビ局により、また番組により、制作キー局と制作会社の仕事の比率や内容は異なる• 実質的に制作会社丸投げの番組• 局側が企画から演出までの主要部分を決めて、雑務を制作会社が担当する番組

• など…

• 事前に収録されて放送されるパッケージ番組は丸投げの場合が多い

• ニュース番組ですら外注に• 2004年3月まで18年間に渡り、夜のニュース番組で高視聴率を取っていた、テレビ朝日の「ニュース・ステーション」はキャスターの久米宏の所属するオフィス・トゥー・ワンによる企画制作番組であった

• ニュース・ステーションがニュース番組の新機軸を築き、視聴者の目をニュース番組に向けた功績は評価されるべき

• 「中立」の立場を言い訳に権力批判に及び腰のニュース番組が多い中、ニュース・ステーションには多少なりとも権力批判の姿勢があった点も評価されるべき

• だからと言って、ニュース・ステーションを手放しで評価する事は出来ない

• ニュース・ステーションのニュース映像には、過度の演出と編集が加えられていた

• 映画の効果音並に音声も巧みに挿入されていた

• ニュースのテーマを視聴者に効果的に印象づけ、娯楽性を高める目的で行われた

• しかし、これらの編集や効果音がニュースの本質を誤って視聴者に認識させたり、報道メディアの一方的な解釈に誘導するような事になっていた

• 他のニュース番組も多少なりとも外注に頼っている

• 例えばニュース番組中の「特集」等は制作会社に発注されるケースが多い

• ニュース専門の制作会社がある訳ではない

• バラエティー番組を作っているスタッフがニュース番組を手がける事になる

• バラエティー等の娯楽番組では当たり前の演出がニュースでは「ヤラセ」になる事が認識されないまま、ニュースの外注と制作が行われている

• コンテントの偏向要因• ニュースも含めたメディアのコンテントは、組織と人の手により加工され作り出されている

• 今まで述べて来た制作過程の制約の他にも様々な要因がある

• これらの要因により、コンテントは選ばれ、形作られ、意味を与えられ、実態以上に膨らまされたり矮小化されたりする

• ニュースですら偏向しており、客観的なものは存在し得ない

• 偏向とは解釈の違いであり、言論の多様性でもあり得る

• ニュースが伝える事は絶対的な事実ではなく、一つの真実に過ぎ無い

• 一つの事実を別な角度から捉えて別なニュースになったとしても、どちらもある見方からの真実である

• 偏向要因• 制作過程を知る事はメディアリテラシーに必要な事であるが、それらは目に見える部分に過ぎ無い

• 社内の不文律、価値観、イデオロギーと言った「目に見えない」要因こそがコンテントに大きな偏向をもたらす

• メディアコンテントの偏向要因図(Shoemaker & Reese, 1996 )

イデオロギーレベルメディア組織外レベル組織レベルメディア・ルーティンレベル個人レベル

• このモデルは、メディア・コンテントに影響を与える要因を階層的に示している

• 個人レベル、メディア・ルーティンレベル、組織レベル、メディア組織外レベル、イデオロギーレベルの順に年輪構造になっている

• 内側のレベルは外側のレベルに影響される、もしくは決定される事を示す

• つまり、外側のレベルがより影響力が大きい事になる