media literacy part 3

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メディア・リテラシー 3

Upload: masaru-kitajima

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Education


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メディア・リテラシー3

記号とは何か

• 我々は「読む」という行為を日常生活のあらゆる場面で行っている

• 何かを読むこと無しに一日を終えることはまずなく、読むという行為は日常生活の根幹を成すと言える

• 「読む」という行為が成立する条件• 読むことを行う人「読み手」が存在する

• 読まれるべきもの「対象」が存在する

• 「読む」という行為は、読み手と対象の間に関係を成立させること

• 読むという行為は、これが全てか?

• 話し相手の表情を読む時、表情筋の微細な動きから、相手の機嫌など様々な事柄を読み取っている

• 読むという行為が行われた時、対象との関わりをきっかけに、それ以前には存在しなかった事柄が読み手の頭の中に発生する

• この読み手の頭の中に発生する事柄を「意味内容」と呼ぶ

• 「読む」という行為は、実は読み手が対象との関わりを通して、頭の中に意味内容を発生させること

• 読み手が意味内容を読み取る、あらゆる対象のことを「記号」と呼ぶ

• 道路標識・文章・空の雲行き等々

記号の定義と成立条件

• 記号という概念の定義• 人間の感覚に訴える物質的存在であると同時に、それを感知する人間に意味内容を想起させるもの

• 記号は「人間によって読み取られるもの」で、物質的基盤をもつ

• 話し言葉には「音」と言う物理的現象としての側面がある

• 記号は、物質的存在である事によって感知されるだけでなく、感知した人間に何らかの意味内容を想起させる

• 話し言葉における「ネコ」は、[neko]と言う音(=物質的存在)であるだけでなく、聞き取った人間に何らかの意味内容(例えば:家で飼っている猫や、よく見かける野良など)を想起させる。→「ネコ」は音ではなく「記号で」ある

• 記号の成立条件• 読み手が意味内容の存在を認めること

• 我々が意味内容を認めるならば、それは記号と呼ぶべきもの

• 記号という概念は、人間の読むという行為によって生ずる現象を表すものであり、人間の影響力から独立した客観世界の性質を表すものではない

• 逆説的だが、そこに読み手がいなければ、例えば書籍に印刷された文章は記号とは見なされない

• 従って、この世界には「本質的に記号である」ものは存在しない

読むという行為の成り立ち

• 読むという行為を可能にする条件を考察する為に、以下のシチュエーションを念頭に話をするめる

• 「送り手」と「読み手」が対峙していて、送り手が記号を含む表現を送る

• このシチュエーションには、一つの目標がある

• それは「コミュニケーションを成功させる」こと

• コミュニケーションの成功とは、送り手が表現に託した意味内容を読み手が正確に読み取るか否かによって測られる

• この時、表現の中に含まれる記号には、一つの明確な役割が付与される

• それは意味伝達(意味内容を伝達すること)と呼ばれる

• 記号に意味伝達という役割が与えられる事により、

• 「読むと言う行為を可能にする条件」は「送り手が記号に託した意味内容を、読み手が正しく読み取る為の条件」として考えられる

意味伝達の手段としての言葉• 「送り手が記号に託した意味内容を、読み手が正しく読み取る為の条件」を考察する

• 言葉を介したコミュニケーションを想定する

• 言葉は、意味伝達の手段としての特徴をもつ典型的な記号だから

• 会話にせよ手紙のやり取りにせよ、相手が送り出す言葉の中から、相手の意志や考えを読み取ろうとする

• この時、読み手は「言葉は送り手の意志や考えを表す」という前提に立っている

• 言葉に限らず様々な種類の記号を、意味伝達の手段として用いている

• 道路標識・野球におけるサイン等々

• これらの記号が伝達する意味内容は、言葉の存在を前提とすることで初めて生まれて来る

• 言葉以外の記号は、言葉を用いる事ができない状況下で、言葉の代替として用いられるもの

コードと意味伝達

• コミュニケーションの場面で、言葉が意味伝達を完了するまでのプロセスを考えて見る

• 考察の初期段階として、コミュニケーションを成功させるために必要な条件の中でも、最も基本的なものだけを考える

• その為に、考察の対象とする具体例では、送り手と読み手との間でコミュニケーションが成功する(=意味伝達が理想的に行われる)場合だけを想定する

• 送り手が読み手に対して「今は何時ですか?」と尋ねたとする

• コミュニケーションが成立する場面には、かならず伝達の対象となるメッセージが存在する

• メッセージとは、伝達されるべき意味内容を担う表現のこと

• ここでは「今は何時ですか?」と言う言葉がそれにあたる

• コミュニケーションが成立する場面には必ずメッセージの送り手と読み手とメッセージが存在する

• この3つはコミュニケーションを構成する基本要素

• コミュニケーションの一般的なプロセス

• 「送り手が発信するメッセージを読み手が受け取り、その内容を読み取る」

• このプロセスの結果として、コミュニケーションの成功を想定するためには「コミュニケーションの成功」を定義しておく必要がある

• コミュニケーションの成功の定義• 送り手によってメッセージに託された意味内容が、読み手によって正確に再現される事