農林水産技術会議事務局 農農と食のと食の ササイ …1...

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農と食の 農と食の サイエンス サイエンス 2013 2013 農と食の サイエンス 2013 農林水産技術会議事務局

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農と食の農と食のサイエンスサイエンス

20132013

農と食のサイエンス

2013

農林水産技術会議事務局

読ど く し ゃ

者のみなさんへ 「農

のう

と食しょく

のサイエンス」では、食た

べ物もの

や農のうりんすいさんぎょう

林水産業について、みなさんが日

頃ごろ

、何なに

気げ

なく感かん

じている疑ぎ

問もん

や知し

りたいことについて、最さいきん

近の研けんきゅう

究成せい

果か

をもとに、わかりやすく紹しょうかい

介しています。 本

ほんごう

号では、「新あたら

しい品ひんしゅ

種」のお話はなし

や、「お茶ちゃ

のカテキン」、「植しょくぶつ

物のためのワクチン」、「微

生せいぶつ

物の力ちから

」など全ぜん

14話わ

をマンガと解かいせつ

説を組く

み合あ

わせてわかりやすく説せつめい

明しています。 この本

ほん

に書か

いてあることは、みなさんの『なぜ』、『どうして』の数かず

と比くら

べるとほんの少すこ

しかもしれません。だから、この本ほん

がきっかけとなって、食

べ物もの

や農のうりんすいさんぎょう

林水産業についてもっともっと知

りたくなって、そのことを他ほか

の本ほん

やインターネットで調しら

べるようになってくれると、とてもうれしいです。 春

はる

や秋あき

には、農のうりんすいさんかんけい

林水産関係の研けんきゅうしょ

究所は一いっぱん

般公こうかい

開日び

をつくって、みなさんが来く

るのを待

っています。ぜひ、一いち

度ど

遊あそ

びに来き

てみてください。

○農林水産試験研究機関一い ち ら ん

・(独どく

)農業・食品産業技ぎじゅつ

術総そうごう

合研究機き

構こう

(茨いばらきけん

城県つくば市)029-838-8988 http://www.naro.aff rc.go.jp/

・(独どく

)農業生物資し

源げん

研究所 (茨いばらきけん

城県つくば市)029-838-7406 http://www.nias.aff rc.go.jp/

・(独どく

)農業環かんきょう

境技ぎじゅつ

術研究所 (茨いばらきけん

城県つくば市)029-838-8148 http://www.niaes.aff rc.go.jp/

・(独どく

)国こくさい

際農林水産業研究センター (茨いばらきけん

城県つくば市)029-838-6313 http://www.jircas.aff rc.go.jp/index.sjis.html

・(独どく

)森林総そうごう

合研究所 (茨いばらきけん

城県つくば市)029-873-3211 http://www.ff pri.aff rc.go.jp/

・(独どく

)水産総そうごう

合研究センター (神か な が わ け ん

奈川県横よこはま

浜市)045-227-2600 http://www.fra.aff rc.go.jp/

・農林水産政せいさく

策研究所 (東京都千代田区)03-6737-9000 http://www.maff .go.jp/primaff /

注)(独どく

)は独どくりつぎょうせい

立行政法人の略です。

1

【サイエンス新事情】

・お茶ちゃ

のカテキンは老ろう

化か

や花かふんしょう

粉症を防ふせ

ぐ効こう

果か

が期き

待たい

できる……………………………………………………………………4

・世せ

界かい

初はつ

の「屋おくないがた

内型エビ生せいさん産システム」 …………………………………………………………………………………………6

・初しょか夏に新しん

ソバを食た

べよう!………………………………………………………………………………………………………8

・グーグルマップで病びょうき気から稲いね

を守まも

る……………………………………………………………………………………………10

・除じょそうざい

草剤を減へ

らした大だい

豆ず

作づく

り………………………………………………………………………………………………………12

・ピーマンの病びょうき気をワクチンで予よ

防ぼう

………………………………………………………………………………………………14

・高こう

タンパク小こ

麦むぎ

でおいしいパンを作つく

ろう………………………………………………………………………………………16

・加か

工こう

用よう

ホウレンソウをラクラク収しゅうかく穫……………………………………………………………………………………………18

・樹き

と樹き

をつなげる新しん

技ぎじゅつ術でナシづくり…………………………………………………………………………………………20

・たくさん収しゅうかく穫できるお米こめ

の品ひんしゅ種を開かいはつちゅう

発中………………………………………………………………………………………22

・豚とんしゃ舎汚お

水すい

からリン回かいしゅう収、肥ひりょう料として有ゆうこう効活かつよう用…………………………………………………………………………………24

・ふっくら、暖あたた

か、安あん

価か

なシルクフィルを開かいはつ発…………………………………………………………………………………26

・微び

生せいぶつ物の力ちから

でより環かんきょう境に優やさ

しい農のうぎょう業を…………………………………………………………………………………………28

・温おんしつ室効こう

果か

ガス減へ

らす新あたら

しい豚ぶた

のエサ……………………………………………………………………………………………30

【付ふ

録ろく

・みんなで行い

こう!

 

食しょく

と農のう

の科か

学がく

館かん

、多た

ま摩森しんりん林科か

学がく

園えん

、さかなと森もり

の観かんさつえん

察園、さけの里さと

ふれあい広ひろ

場ば 

……………………………………32

もくじ

2

「サイエンス「サイエンス新し んし ん

事じ

情じょうじょう

」「サイエンス新し ん

事じ

情じょう

3

次のページからはじまるよ!

どんなことがわかっているのかな?

4

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

ふだん飲の

んでいるお茶ち

には、しぶみやにがみがあり、

それがもとできらわれることがありますが、実じ

は、健け

んこう康

によいさまざまな物ぶ

っしつ質

が含ふ

まれています。代だ

表ひょう

的てき

なもの

としては、そのしぶみやにがみの原げ

んいん因

になっているカテ

キンがあります。

◆血け

っかん管

の病び

ょう

気き

を防ふ

ぐ効こ

果か

が期き

待たい

できる

 

激はげ

しすぎる運う

んどう動

、たば

この吸す

い過す

ぎやお酒さ

の飲の

み過す

ぎなどは、人ひ

のから

だに活か

っせい性

酸さん

素そ

を発は

っせい生

させ

ます。この活か

性せい

酸さん

素そ

は、

私わたし

たちの体か

らだ

を酸さ

化か

させま

す。言い

いかえると、体か

らだ

サビつかせ、これにより、

体たいない内

の細さ

いぼう胞

が傷き

つけら

れ、血け

っかん管

の病び

ょう

気き

などもお

こりやすくなります。緑り

ょく

茶ちゃ

カテキンは、活か

っせい性酸さ

素そ

お茶のカテキンは老化や花粉症を防ぐ効果が期待できる

お茶のカテキンは老化や花粉症を防ぐ効果が期待できる

お茶ち

のカテキンは老ろ

化か

や花か

粉ふん

症しょう

を防ふ

ぐ効こ

果か

が期き

待たい

できる

5

をとりのぞいて、体か

らだ

のサビ付つ

きを抑お

える機き

能のう

があること

が動ど

うぶつ物

実じっけん験

でわかりました。その力ち

から

は、同お

じ効こ

果か

がある

ことで知し

られているビタミンEに比く

べ、非ひ

常じょう

に高た

いこと

もわかりました。そのため、カテキンをとることで、体か

らだ

をサビつくことを強つ

く抑お

え、老ろ

化か

の防ぼ

止し

などの効こ

果か

が期き

待たい

できます。

◆花か

粉ふん

症しょう

もやわらげる

 

最さいきん近

では、カテキンの一い

っしゅ種

に春は

るさき先

に多お

い花か

粉ふん

によるア

レルギー症し

ょう

の症し

ょう

状じょう

をやわらげる効こ

果か

があることもわかり

ました。

 

このように、お茶ち

には健け

んこう康

によい成せ

いぶん分

がたくさん含ふ

れているのです。お茶ち

を飲の

みながら、お茶ち

のもつさまざ

まな機き

能のう

性せい

について考か

んが

てみませんか?

6

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

◆日に

本ほんじん人

の大だ

好す

きなエビに忍し

び寄よ

る影か

 

皆みな

さんのご家か

庭てい

の食し

ょく

卓たく

でも、エビを使つ

った料り

ょう

理り

はよく

目め

にする一い

っぴん品

ではないでしょうか?日に

本ほん

人じん

は、世せ

界かい

でも

有ゆうすう数

のエビをよく食た

べる国こ

くみん民

です。そのエビのほとんど

は、海か

いがい外

で養よ

殖しょく

され輸ゆ

入にゅう

されたものです。日に

本ほん

のエビの

自じ

給きゅう

率りつ

は10%程て

度ど

です。

 

エビの養よ

殖しょく

は、全ぜ

世せ

界かい

で年ね

間かん

生せい

産さん

額がく

7,500億お

円えん

超こ

える巨き

大だい

な産さ

業ぎょう

です。養よ

殖しょく

エビの主お

な産さ

地ち

である東と

南なん

アジアでは、海か

外がい

の高た

い需じ

要よう

に応こ

えるため、より多お

くの

エビを生せ

産さん

しようとして

います。

 

これらの養よ

殖しょく

場じょう

の多お

はマングローブの林は

やし

を伐ば

採さい

し建け

設せつ

されます。ま

た、養よ

殖しょく

場じょう

では効こ

うりつ率

よく

エビを生せ

いさん産

するために過か

密みつ

養よう

殖しょく

を行お

こな

っていること

から、それによる水す

いしつ質

泥でい

質しつ

の悪あ

化か

がマングロー

ブ林り

の環か

境きょう

破は

壊かい

の原げ

んいん因

一ひと

つとなっています。

 

マングローブ林り

などの

熱ねったい帯森し

んりん林は、地ち

球きゅう

温おん

暖だん

化か

世界初の「屋内型エビ生産システム」

世界初の「屋内型エビ生産システム」

世せ

界か

初は

の「屋お

内型エビ生せ

ん産システム」

7

を防ぼ

止し

する観か

点てん

からも重じ

ゅう

要よう

な環か

境きょう

資し

源げん

であり、今こ

後ご

も、

エビ料り

ょう

理り

を安あ

定てい

的てき

に食し

ょく

卓たく

で楽た

しむには、そうした環か

境きょう

影えい

響きょう

を与あ

えない養よ

殖しょく

技ぎ

術じゅつ

を開か

いはつ発

し、それを普ふ

及きゅう

すること

がとても重じ

ゅう

要よう

です。

◆安あ

んてい定

した養よ

殖しょく

システムで、おいしく安あ

んぜん全

なエビを

 

そこで、日に

本ほん

においてこれまで蓄ち

くせき積

してきたエビに関か

する研け

究きゅう

の成せ

果か

と、日に

本ほん

の養よ

殖しょく

技ぎ

術じゅつ

を組く

み合あ

わせ、世せ

界かい

初はつ

の屋お

くないがた

内型エビ生せ

いさん産

システムを開か

いはつ発

しました。新に

いがたけん

潟県妙み

ょう

高こう

市し

に設せ

置ち

されたこのシステムは、外が

部ぶ

と遮し

ゃだん断

された施し

設せつ

を設せ

置ち

することにより、環か

境きょう

にやさしく、安あ

んていてき

定的にエ

ビを生せ

いさん産

でき、エビの自じ

給きゅう

率りつ

を上あ

げることが期き

待たい

されて

います。さらに、外が

部ぶ

からの病び

ょう

気き

の侵し

入にゅう

がないため、薬く

すり

を使つ

う必ひ

つよう要

がありません。また、このシステ

ムで育そ

てると、エビに含ふ

まれるう

まみ・甘あ

み成せ

いぶん分

の量り

ょう

が輸ゆ

入にゅう

された

エビよりも多お

く、おいしくなるな

どの利り

点てん

があります。

 

このシステムを、国こ

内ない

や、将し

ょう

来らい

的てき

には海か

いがい外

に導ど

入にゅう

することによ

り、環か

境きょう

にやさしく安あ

んていてき

定的な食し

ょく

料りょう

の生せ

いさん産

ができるようになると期き

待たい

が高た

まっています。

8

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

ソバは、特と

くゆう有

の香か

りとのどごしが良よ

く、特と

にとれたて

のソバを「新し

ソバ」と呼よ

びます。新し

ソバは風ふ

味み

が最さ

いこう高

で、

日に

本ほん

では人に

気き

の食し

ょく

品ひん

です。しかし、国こ

くない内

で消し

ょう

費ひ

するソバ

粉こ

(年ね

んかん間

)13万ま

〜15万ま

トンのうち、ほとんどが中ち

ゅう

国ごく

やカ

ナダから輸ゆ

入にゅう

されており、国こ

くさん産

ソバ粉こ

の生せ

いさん産

量りょう

は3万ま

ン程て

度ど

しかありません。今こ

んかい回

は、初し

夏か

に新し

ソバが楽た

しめ

る新あ

たら

しい品ひ

んしゅ種のお話は

なし

です。

◆ソバの作さ

付つ

け時じ

き期

 

春はる

に種た

をまき、夏な

に実み

るものを夏な

ソバ、夏な

に種た

をまき、秋あ

に実み

るものを

秋あき

ソバと呼よ

んでいます。

九きゅう

州しゅう

では、秋あ

ソバが栽さ

培ばい

されていますが、収し

ゅう

穫かく

時じ

に秋あ

の長な

があめ雨

や台た

いふう風

で被ひ

害がい

を受う

けることが問も

んだい題

なっています。

 

このような中な

、九き

ゅう

州しゅう

温おんだん暖

な気き

候こう

を生い

かして、

早そう

春しゅん

に種た

をまいて初し

夏か

実みの

るソバの開か

いはつ発が進す

めら

初夏に新ソバを食べよう!

初夏に新ソバを食べよう!

初し

夏か

に新し

ソバを食た

べよう!

9

れてきました。

◆夏な

に新し

ソバが取と

れる「春は

のいぶき」

 

これまで初し

夏か

に実み

る九き

ゅう

州しゅう

に合あ

う品ひ

んしゅ種

はありませんでした。

一いっぽう方

、東ひ

がし

日に

本ほん

には初し

夏か

でも実み

る品ひ

んしゅ種

がありますが、熟じ

ゅく

した

実み

が雨あ

でぬれてしまうと収し

ゅう

穫かく

前まえ

に芽め

が出で

てしまいます(穂ほ

発はつ

芽が

)。芽め

が出で

るときに実み

の中な

にある栄え

いよう養

が使つ

われてしまう

ので、品ひ

んしつ質

が悪わ

くなりやすく、雨あ

の多お

い九き

ゅう

州しゅう

には適て

しません。

そこで、改か

良りょう

を重か

ねた結け

果か

、早は

く実み

がつき収し

ゅう

量りょう

も多お

く、し

かも穂ほ

発はつ

芽が

しにくい新し

んひんしゅ

品種「春は

のいぶき」が作つ

られました。

 

これまでは、ソバの消し

ょう

費ひ

が増ふ

える夏な

には、前ぜ

んねん年

に収し

ゅう

穫かく

れたものが使つ

われていましたが、「春は

のいぶき」は6月が

から

収しゅう

穫かく

できるので、取と

れたて

のおいしいソバを、夏な

に食た

べることができます。

 

また、「春は

のいぶき」は初し

夏か

に実み

がつくため、収し

ゅう

穫かく

たあとに野や

菜さい

や水す

稲とう

を作る

ことができ、1年ね

に複ふ

数すう

回かい

農のう

地ち

を使つ

うことができるの

で、農の

地ち

の有ゆ

うこう効

活かつよう用

にもつ

ながります。あなたも、初し

夏か

に新し

ソバを味あ

わってみま

せんか。

10

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

グーグルマップで病気から稲を守る

グーグルマップで病気から稲を守る

グーグルマップで病び

ょう

気き

から稲い

を守ま

 

日に

本ほん

人じん

はお米こ

を主し

食しょく

としていますが、お米こ

の収し

ゅう

穫かく

量りょう

品ひんしつ質

は、気き

象しょう

条じょう

件けん

によって大お

きく影え

響きょう

されます。例た

えば、

夏なつ

の低て

いおん温

による冷れ

いがい害

もその一ひ

つですが、冷れ

いがい害

からイネを

守まも

るためには、水す

いでん田

に農の

業ぎょう

用ようすい水

を多お

く入い

れ、太た

いよう陽

の熱ね

暖あたた

めて保ほ

温おん

します。逆ぎ

ゃく

に、暑あ

さで高こ

うおん温

障しょう

害がい

を受う

けそうな

場ば

合あい

は、農の

業ぎょう

用ようすい水

を流な

しっぱなしにし、太た

陽よう

熱ねつ

で暖あ

たた

まら

ないようにして温お

度ど

を下さ

げる対た

いさく策を行お

こな

います。このよう

に、イネの生せ

いいく育

に合あ

わせ

てしっかりと農の

業ぎょう

用ようすい水

管かん

理り

を行お

こな

うことがとても

重じゅう

要よう

です。今こ

んかい回

は、イン

ターネットのグーグル

マップを利り

用よう

してイネの

生せいいく育

を予よ

測そく

するシステム

を紹し

ょう

介かい

します。

◆イネの冷れ

いがい害

・高こ

うおん温

障しょう

害がい

予よ

防ぼう

 「グーグルマップによ

る水す

いとう稲

栽さいばい培

管かん

理り

警けいかい戒

情じょう

報ほう

システム」は、パソ

11

コンで情じ

ょう

報ほう

が必ひ

つよう要

な水す

いでん田

の場ば

所しょ

を地ち

図ず

上じょう

でクリックし、

品ひんしゅめい

種名と田た

う植え日び

、植う

えた苗な

の葉は

の数か

を入に

ゅう

力りょく

することで、

1週し

ゅう

間かん

先さき

までの生せ

いいく育

が予よ

測そく

できます。

 

イネの籾も

(殻か

を取と

り去さ

る前ま

のイネの果か

実じつ

)の中な

で花か

粉ふん

ができる時じ

期き

(穂ほ

が出で

る7〜14日に

ちまえ前

)が一い

ちばん番

低ていおん温

に弱よ

ので、このシステムを使つ

ってその時じ

き期を予よ

測そく

し、先さ

ほど

説せつめい明

したように冷れ

いがい害

が予よ

想そう

される時と

には水す

いでん田

の水み

を深ふ

してイネを守ま

ります。

 

また、穂ほ

が出で

た後あ

に高こ

うおん温

が予よ

想そう

される時と

には、農の

業ぎょう

用よう

水すい

を流な

しっぱなしにして高こ

うおん温

障しょう

害がい

を防ふ

ぎます。

            

◆病び

ょう

気き

からイネを守ま

 

イネの重じ

ゅう

要よう

な病び

ょう

気き

である

「いもち病び

ょう

」については、イ

ネに感か

んせん染

しやすい気き

温おん

と条じ

ょう

件けん

が分わ

かっています。このシス

テムでは、いもち病び

ょう

の感か

んせん染

しやすさの予よ

測そく

もできます。

感かんせん染

しやすい気き

温おん

やその他ほ

条じょう

件けん

が続つ

けば、いもち病び

ょう

薬くすり

をまいて被ひ

害がい

を防ふ

ぎます。

携けいたい帯

電でん

話わ

でも利り

用よう

できるの

で、水す

いでん田

作さ

業ぎょう

の空あ

き時じ

間かん

でも

情じょう

報ほう

を得え

ることができます。

12

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

除草剤を減らした大豆作り

除草剤を減らした大豆作り

除じ

草剤を減へ

らした大だ

豆ず

作づ

 

大だい

豆ず

をはじめ作さ

くもつ物

を育そ

てるには、雑ざ

っそう草

を抑お

えないと

満まんぞく足

な収し

ゅう

量りょう

が望の

めません。一い

っぱんてき

般的には除じ

ょそうざい

草剤を散さ

布ぷ

して

雑ざっそう草

を抑お

えますが、環か

境きょう

への薬や

くざい剤

の影え

響きょう

を少す

なくするた

め除じ

ょそうざい

草剤の使し

用よう

量りょう

を減へ

らすことが求も

められています。

◆除じ

ょそう草

作さ

業ぎょう

が重じ

ゅう

要よう

な大だ

豆ず

作づく

 

大だい

豆ず

作づく

りで最も

っと

も大お

きな

問もんだい題

の一ひ

つが雑ざ

っそう草

で、特と

に大だ

豆ず

が小ち

さいうちは雑ざ

草そう

に負ま

けてしまいがちで

す。雑ざ

っそう草

を抑お

えるため、

畝うね

の間あ

いだ

を耕た

がや

して雑ざ

草そう

を埋う

め込こ

んだり、手て

で雑ざ

っそう草

取と

り除の

いたりしますが、

たいへんな労ろ

力りょく

がかかり

ます。そこで、大だ

豆ず

と一い

緒しょ

に麦む

などを植う

え、あら

かじめ土つ

の表ひ

ょう

面めん

を覆お

うこ

13

とで雑ざ

っそう草

を生は

えなくさせる技ぎ

術じゅつ

の開か

いはつ発

が進す

められてきま

した。

◆麦む

の力ち

から

を借か

りて大だ

豆ず

の雑ざ

っそう草

を抑お

える技ぎ

術じゅつ

 

新あたら

しく開か

いはつ発

された技ぎ

術じゅつ

は、市し

販はん

の種た

まき機き

に新あ

たに部ぶ

品ひん

を取と

り付つ

けることで、畝う

を作つ

りながら大だ

豆ず

の両り

ょう

脇わき

に麦む

を同ど

時じ

にまくというものです。大だ

豆ず

と麦む

を初し

夏か

にまくと、

麦むぎ

が大だ

豆ず

のすき間ま

の土つ

の表ひ

ょう

面めん

を覆お

うことで、雑ざ

っそう草

が生は

るのを防ふ

ぎます。麦む

は本ほ

んらい来

、冬ふ

作さくもつ物

(秋あ

に種た

をまいて育そ

てる作さ

くもつ物

)なので、大だ

豆ず

が大お

きくなる夏な

には、夏な

の暑あ

に負ま

けて穂ほ

が出で

ることなく枯か

れます。枯か

れた後あ

も、ワラ

を敷し

いたようになって雑ざ

っそう草

が生は

えて来く

るのを防ふ

ぎます。

 

今こんかい回

開かいはつ発

された方ほ

うほう法

では、

除じょそうざい

草剤や除じ

ょそう草

のための管か

理り

作さ

業ぎょう

を減へ

らすことができ、麦む

大だい

豆ず

の成せ

長ちょう

を邪じ

魔ま

することも

ありません。近き

んねん年

、農の

家か

1軒け

当あ

たりの大だ

豆ず

の栽さ

培ばい

面めん

積せき

が大お

きくなってきており、除じ

ょそう草

作さ

業ぎょう

にはこれまで以い

上じょう

に労ろ

力りょく

かけられないことから、今こ

回かい

の技ぎ

術じゅつ

は大だ

豆ず

栽さいばい培

の労ろ

力りょく

削さく

減げん

にも貢こ

うけん献

することが期き

待たい

され

ます。

14

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

ピーマンの病気をワクチンで予防

ピーマンの病気をワクチンで予防

ピーマンの病び

ょう

気き

をワクチンで予よ

防ぼ

 

私わたし

たちは、インフルエンザなどの病び

ょう

原げん

体たい

から身み

を守ま

ために、ワクチンを接せ

っしゅ種

し免め

んえき疫

力りょく

をつけることができま

す。

 

一いっぽう方

、植し

ょく

物ぶつ

は動ど

うぶつ物

とは異こ

なり免め

んえき疫

細さいぼう胞

を持も

っていませ

んが、あるウイルスに感か

んせん染すると、類る

似じ

のウイルスに

感かんせん染

しなくなるという現げ

象しょう

があります。その仕し

組く

みはまだはっきりとは解か

明めい

されていませんが、こ

の現げ

象しょう

を利り

用よう

して植し

ょく

物ぶつ

ためのワクチンを作つ

るこ

とが可か

能のう

です。今こ

んかい回

は、

最さいきん近

開かいはつ発

された植し

ょく

物ぶつ

ウイ

ルスワクチンを紹し

ょう

介かい

しま

す。

◆ピーマンモザイク病び

ょう

 

ピーマンには、ピーマ

ンモザイク病び

ょう

という特と

くゆう有

15

の病び

ょう

気き

があります。ピーマンがこの病び

ょう

気き

にかかると、果か

実じつ

が奇き

形けい

し、収し

ゅう

量りょう

が低て

下か

します。ピーマンモザイク病び

ょう

は、

日に

本ほん

各かく

地ち

に大お

きな被ひ

害がい

をもたらしています。

 

これまで、ピーマンモザイク病び

ょう

対たいさく策

として、臭

しゅう

化か

メチ

ル剤ざ

という薬や

くざい剤

を使つ

った土ど

壌じょう

消しょう

毒どく

が広ひ

く行お

こな

われてきまし

た。しかし、臭し

ゅう

化か

メチル剤ざ

はオゾン層そ

を破は

壊かい

することか

ら禁き

止し

となったため、代か

わりの対た

いさく策

技ぎ

術じゅつ

が求も

められてい

ます。

◆開か

いはつ発

されたワクチンの効こ

果か

 

このワクチンは、病び

ょう

原げん

ウイルスを高こ

うおん温

処しょ

理り

することに

よって毒ど

くせい性

を弱よ

めたもので、これをピーマンの苗な

に接せ

種しゅ

(葉は

の表ひ

ょう

面めん

にワクチンを塗ぬ

ります)しておくと、高た

予よ

防ぼう

効こう

果か

が得え

られます。

 

また、このワクチンは

ピーマンの収し

ゅう

量りょう

や品ひ

質しつ

に悪あ

影えい

響きょう

を及お

ぼさないばかり

か、接せ

種しゅ

によって、ピーマ

ンのビタミンC含が

量りょう

が約や

1・4倍ば

高たか

まることも確か

認にん

されています。

 

現げんざい在

、このワクチンは

販はんばい売されています。

16

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

高タンパク小麦でおいしいパンを作ろう

高タンパク小麦でおいしいパンを作ろう

高こ

タンパク小こ

麦む

でおいしいパンを作つ

ろう

 

小こ

麦むぎ

はパンやラーメン、うどん、ケーキなどのお菓か

子し

の原げ

料りょう

として広ひ

く利り

用よう

されています。日に

本ほん

で生せ

いさん産

される

小こ

麦むぎ

は主お

にうどん用よ

で、日に

本ほん

の気き

候こう

風ふう

土ど

ではパン用よ

の小こ

麦むぎ

が上じ

ょうず手

に栽さ

いばい培

できませんでした。今こ

んかい回

は、パン用よ

小こ

麦むぎ

として期き

待たい

がかかる新あ

たら

しい品ひ

種しゅ

のお話は

なし

です。

◆タンパク質し

と用よ

途と

 

パン、ラーメン、うどん、お菓か

し子には、それぞれに

適てき

した小こ

麦むぎ

が使つ

われています。小こ

麦むぎ

を生き

じ地にする場ば

合あい

生き

じ地の粘ね

りの強つ

さは、

生き

じ地に含ふ

まれるタンパク

質しつ

の量り

ょう

で決き

まります。パ

ンやラーメンにはタンパ

ク質し

が多お

くて生き

じ地の粘ね

が強つ

い強き

ょう

力りき

小こ

麦むぎ

、菓か

し子に

はタンパク質し

が少す

なくて

生き

じ地の粘ね

りが弱よ

い薄は

くりき力

小こ

麦むぎ

、うどんにはタンパク

質しつ

、生き

じ地の粘ね

りの強つ

さと

も中ち

ゅう

間かん

程てい

度ど

の中ち

ゅう

力りき

小こ

麦むぎ

使つか

われています。日に

本ほん

はこれまでうどん用よ

品ひんしゅ種

がほとんどで、パン用よ

17

小こ

麦むぎ

は病び

ょう

害がい

や雨あ

に弱よ

く、収し

ゅう

量りょう

が低ひ

いため、わずかしか

栽さいばい培

されていませんでした。

◆ブレンドで本ほ

んかくてき

格的なパンができる「ゆめちから」

 

パン用よ

の小こ

麦むぎ

よりもさらに力ち

から

の強つ

い生き

じ地ができるもの

として超ち

ょう

強きょう

力りき

小こ

麦むぎ

がありますが、パン用よ

には生き

じ地が強つ

ぎるため国こ

くない内

ではこれまであまり注ち

ゅう

目もく

されてきませんで

した。しかし、国こ

くないさん

内産のうどん用よ

小こ

麦むぎ

とブレンドするこ

とにより、生き

じ地の強つ

さがパンに適て

したものになることが

分わ

かりました。

 

そこで品ひ

んしゅ種

改かい

良りょう

を重か

ねた結け

果か

、これまでのパン用よ

品ひん

種しゅ

と違ち

って病び

ょう

害がい

に強つ

くて収し

ゅう

量りょう

が多お

い新し

品ひん

種しゅ

「ゆめちから」

が開か

いはつ発

されました。

 「ゆめちから」をうどん用よ

の小こ

麦むぎ

と1対た

1程て

度ど

の割わ

合あい

ブレンドすると、本ほ

格かく

的てき

なパ

ンができる小こ

麦むぎ

粉こ

になりま

す。現げ

んざい在

、パン用よ

の小こ

麦むぎ

の自じ

給きゅう

率りつ

は約や

3%ですが、「ゆめ

ちから」を活か

つよう用

することによ

り、うどん用よ

の国こ

産さん

小こ

麦むぎ

をパ

ン用よ

に代か

えることができ、小こ

麦むぎ

の自じ

給きゅう

率りつ

向こう

上じょう

に貢こ

献けん

するこ

とが期き

待たい

されます。

18

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

加工用ホウレンソウをラクラク収穫

加工用ホウレンソウをラクラク収穫

加か

工こ

用よ

ホウレンソウをラクラク収し

ゅう

穫か

 「おひたし」など普ふ

段だん

家か

庭てい

で食た

べるホウレンソウ以い

外がい

に、レストランや冷れ

いとう凍

食しょく

品ひん

に使つ

われる加か

工こう

用よう

ホウレンソ

ウがあります。加か

工こう

用よう

ホウレンソウの必ひ

つよう要

とされる量り

ょう

多おお

くなってきていますが、国こ

くない内

での収し

ゅう

穫かく

はほとんどが手て

作さ

業ぎょう

で行お

こな

われ、輸ゆ

入にゅう

品ひん

より費ひ

用よう

がかかっています。今こ

回かい

は、国こ

くさん産

の加か

工こう

用よう

ホウレンソウを低て

コストで安あ

定てい

供きょう

給きゅう

きる、新あ

たら

しい収し

ゅう

穫かく

機き

のお話は

なし

です。

◆作さ

業ぎょう

時じ

間かん

を10分ぶ

の1に

短たん

縮しゅく

 

新あら

たに開か

いはつ発

された「加か

工こう

用よう

ホウレンソウ収し

ゅう

穫かく

機き

」は、バリカンのよう

な刃は

でホウレンソウを刈か

り取と

ります。刈か

り取と

られ

たホウレンソウは、ナイ

ロン製せ

のブラシでかき上あ

げられ、ベルトコンベ

ヤーで自じ

動どう

的てき

にコンテナ

へ送お

られます。

 

この収し

ゅう

穫かく

機き

を使つ

うこと

で、手て

作さ

業ぎょう

で行お

こな

われてき

19

た収し

ゅう

穫かく

作さ

業ぎょう

の時じ

間かん

は約や

10分ぶ

の1と大た

いへん変

短みじか

くなります。一い

度ど

にたくさんの面め

んせき積

での栽さ

いばい培

や収し

ゅう

穫かく

ができるようにな

り、加か

工こう

用よう

ホウレンソウを安や

く、楽ら

に作つ

ることができま

す。

 

また、バリカンで株か

元もと

から刈か

り取と

るため、加か

工こう

用よう

に不ふ

要よう

な根ね

株かぶ

が収し

ゅう

穫かく

物ぶつ

に入は

らないといった特と

徴ちょう

もあります。

◆収し

ゅう

穫かく

機き

に合あ

わせた栽さ

いばい培

技ぎ

術じゅつ

 

種たね

まきと同ど

時じ

に農の

業ぎょう

用よう

ナイロンシートを張は

る機き

械かい

を併あ

せて使つ

うことで、収し

ゅう

穫かく

機き

で一い

度ど

に刈か

り取と

るときに、雑ざ

草そう

が混ま

じることを防ふ

ぐことができます。収し

ゅう

穫かく

機き

で収し

ゅう

穫かく

しや

すいように、茎く

や葉は

が直ち

ょく

立りつ

して生せ

長ちょう

する品ひ

種しゅ

を選え

ぶこと

も大だ

事じ

です。さらに、加か

工こう

用よう

には葉は

が大お

きく、葉は

肉にく

厚あつ

いものが適て

しているた

め、生せ

食しょく

用よう

ホウレンソウの

約やく

2倍ば

(約や

40㎝)の草く

丈たけ

で伸の

ばして収し

ゅう

穫かく

します。

 

このような栽さ

培ばい

技ぎ

術じゅつ

と新あ

たら

しい収し

ゅう

穫かく

機き

を組く

み合あ

わせる

ことで、国こ

くさん産

で安あ

価か

な加か

工こう

用よう

ホウレンソウを大た

量りょう

に確か

保ほ

できるようになります。

20

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

樹と樹をつなげる新技術でナシづくり

樹と樹をつなげる新技術でナシづくり

樹き

と樹き

をつなげる新し

技ぎ

術じゅつ

でナシづくり

 

近きんねん年

、ナシの産さ

地ち

では樹じ

ゅれい齢

が30年ね

を超こ

える樹き

が増ふ

え、

収しゅう

穫かく

量りょう

が減げ

少しょう

しているため、新あ

たら

しい樹き

に植う

え替か

える必ひ

要よう

があります。しかし、植う

え替か

えてから収し

ゅう

穫かく

量りょう

が回か

復ふく

する

までには10年ね

もかかり、その期き

間かん

は収し

ゅう

入にゅう

が減げ

少しょう

するため、

植う

え替か

えは進す

んでいません。また、おいしいナシをたく

さん作つ

るには、経け

いけん験と技ぎ

術じゅつ

が必ひ

つよう要で、手て

ま間もかかります。

このような状じ

ょう

況きょう

の中な

、世せ

界かい

に例れ

のない新あ

たら

しい栽さ

いばい培

技ぎ

術じゅつ

「ナシの樹じ

体たい

ジョイ

ント仕し

た立て法ほ

」が発は

つめい明

れました。

◆ジョイント仕し

た立て法ほ

 

この技ぎ

術じゅつ

では、苗な

木ぎ

直ちょく

線せん

状じょう

に果か

樹じゅ

園えん

に植う

え、

隣となり

の樹き

の方ほ

うこう向

に曲ま

げた枝え

の先せ

んたん端

を、隣と

なり

の樹き

に接つ

木き

によりつないでいきま

す。このように樹き

を連れ

んぞく続

21

してつなげる技ぎ

術じゅつ

を「ジョイント仕し

た立て」と言い

います。

◆ジョイント仕し

立たて

て法ほ

の効こ

果か

 

ジョイント仕し

た立てをすることにより、樹き

をつないだ翌よ

年とし

には果か

実じつ

ができ、さらに次つ

の年と

には本ほ

んかくてき

格的に収し

ゅう

穫かく

を開か

始し

することができるようになります。またジョイント仕し

立た

てでは、同お

じ面め

んせき積

の果か

樹じゅ

園えん

に従じ

ゅう

来らい

の3〜4倍ば

の本ほ

数すう

苗なえ

木ぎ

を植う

えるため、約や

5年ね

で収し

ゅう

穫かく

量りょう

を回か

いふく復

することがで

きます。

 

さらに、今い

までの栽さ

いばい培

方ほうほう法

では、樹き

のまわりを1本ほ

つ回ま

りながら作さ

業ぎょう

しますが、ジョイント仕し

た立て法ほ

では、

つながった樹き

は直ち

ょく

線せん

的てき

で単た

純じゅん

な構こ

うぞう造

なので、熟じ

ゅく

練れん

した生せ

産さん

者しゃ

でなくても、剪せ

定てい

(樹き

形かたち

を整と

との

えるために枝え

の一い

部ぶ

切き

り取と

る作さ

業ぎょう

)などの管か

理り

作さ

業ぎょう

が簡か

単たん

で、収し

ゅう

穫かく

作さ

業ぎょう

も効こ

率りつ

良よ

く行お

こな

うことができ、作さ

業ぎょう

時じ

間かん

が短た

縮しゅく

されます。

 

さらに、樹き

と樹き

が連れ

結けつ

され

ているため、ナシの甘あ

さや大お

きさのばらつきが小ち

さくな

り、品ひ

んしつ質

がそろったナシを生せ

産さん

できるというメリットもあ

ります。

22

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

たくさん収穫できるお米の品種を開発中

たくさん収穫できるお米の品種を開発中

たくさん収し

ゅう

穫か

できるお米こ

の品ひ

ゅ種を開か

つ発中ち

ゅう

 

日に

本ほん

で一い

ちばん番

多おお

く栽さ

いばい培

されている品ひ

んしゅ種

は、「コシヒカリ」

です。コシヒカリはおいしいお米こ

として有ゆ

うめい名

ですが、茎く

が長な

くて細ほ

いため、たくさんお米こ

を収し

ゅう

穫かく

しようとして肥ひ

料りょう

をあげすぎると、自じ

分ぶん

の重お

さで倒た

れてしまいます。

 

最さいきん近、品ひ

んしゅ種改か

良りょう

が進す

められ、コシヒカリのようにおい

しく、しかもコシヒカリ

よりもたくさん収し

ゅう

穫かく

でき

る品ひ

種しゅ

ができてきまし

た。また、たくさん収し

ゅう

穫かく

できて、お酒さ

の原げ

料りょう

にも

使つか

える品ひ

種しゅ

も開か

発はつ

され、

注ちゅう

目もく

を集あ

めています。

◆たくさん収し

ゅう

穫かく

できてお

いしい品ひ

種しゅ

 

コシヒカリなどの品ひ

種しゅ

の平へ

均きん

的てき

な収し

ゅう

量りょう

は、10

アール当あ

たり約や

530キ

ロですが、最さ

近きん

開かい

発はつ

され

23

た「あきだわら」は、10アール当あ

たり600キロを超こ

る収し

ゅう

量りょう

があります。食た

べてもおいしく、お米こ

の見み

た目め

コシヒカリと同お

じくらいきれいです。肥ひ

料りょう

をあげても倒た

れにくく、安や

くておいしいお米こ

を作つ

ることができます。

◆たくさん収し

ゅう

穫かく

できて、お酒さ

がつくれる品ひ

んしゅ種

 

たくさん収し

ゅう

穫かく

できる品ひ

んしゅ種

の中な

には、お酒さ

の原げ

料りょう

に向む

ているものもあります。最さ

いきん近

開かいはつ発

された「たちはるか」

は、10アール当あ

たり600キロを超こ

える収し

ゅう

量りょう

があり、な

おかつ倒た

れにくい品ひ

種しゅ

です。食た

べてもおいしいのです

が、お米こ

のタンパク質し

が少す

ないので、おいしい日に

本ほん

酒しゅ

造つく

ることができます。ま

た、「楽ら

風ふう

舞まい

」は、収し

ゅう

量りょう

はそれほど多お

くありませ

んが、日に

本ほん

酒しゅ

だけでなく、

沖おき

縄なわ

の泡あ

盛もり

にも適て

してい

ます。

 

これらの品ひ

種しゅ

を使つ

うこ

とで、安や

くておいしいお

米こめ

やお酒さ

を楽た

しむことが

期き

待たい

されます。

24

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

豚舎汚水からリン回収、肥料として有効活用

豚舎汚水からリン回収、肥料として有効活用

豚と

ゃ舎汚お

水す

からリン回か

収しゅう

、肥ひ

料りょう

として有ゆ

効こ

活か

う用

 

豚ぶた

を育そ

てている豚と

んしゃ舎

から出で

る汚お

水すい

には高こ

濃のう

度ど

のリンが

含ふく

まれており、そのまま河か

川せん

に放ほ

流りゅう

すると環か

境きょう

汚お

染せん

を引ひ

き起お

こすため、このリンを除じ

去きょ

する必ひ

要よう

があります。

 

一いっぽう方

で、リンは最も

っと

も重じ

ゅう

要よう

な肥ひ

料りょう

成せいぶん分

でもあります。し

かし、日に

本ほん

にはリン資し

源げん

がほとんどないので輸ゆ

入にゅう

に頼た

ており、除じ

去きょ

だけでなく、

リンを資し

源げん

として再さ

利り

用よう

できる技ぎ

術じゅつ

が望の

まれてい

ます。

◆結け

晶しょう

化か

による方ほ

うほう法

 

リンは、汚お

水すい

の中な

にさ

まざまな形か

たち

で存そ

在ざい

してお

り、汚お

水すい

がアルカリ性せ

なると、他ほ

の成せ

分ぶん

と結む

ついて結け

晶しょう

(固こ

形けい

物ぶつ

)と

なります。この結け

晶しょう

は、

大だい

部ぶ

分ぶん

がリン酸さ

マグネシ

ウムアンモニウム(別べ

名めい

25

MAP)です。MAPは土つ

の中な

で徐じ

々じょ

に溶と

ける性せ

質しつ

持も

っており、MAPを肥ひ

料りょう

として使つ

うとタマネギが大お

く育そ

てられることがわかりました。汚お

水すい

は、空く

気き

を送お

込こ

むとアルカリ性せ

になり、それによってMAPの結け

晶しょう

取と

り出だ

し肥ひ

料りょう

として使つ

うことができます。実じ

際さい

に農の

家か

も使つ

いやすい技ぎ

術じゅつ

として注ち

ゅう

目もく

されています。

◆吸き

ゅうちゃく着

資し

材ざい

による方ほ

うほう法

 

畜ちくさん産

排はいすい水

では、処し

理り

水すい

の色い

や、病び

ょう

原げん

菌きん

などの衛え

生せい

面めん

の対た

策さく

も重じ

ゅう

要よう

な課か

題だい

となっています。結け

晶しょう

化か

とは別べ

の方ほ

法ほう

として、新あ

たに開か

発はつ

された非ひ

晶しょう

質しつ

ケイ酸さ

カルシウム水す

和わ

物ぶつ

という資し

材ざい

(ケイ酸さ

と消し

ょう

石せっ

灰かい

から製せ

造ぞう

)を使つ

うと、

茶ちゃ

色いろ

の処し

理り

水すい

の色い

を薄う

くすると同ど

時じ

に、消し

ょう

毒どく

を行お

こな

い、さ

らに排は

水すい

中ちゅう

のリンを回か

収しゅう

して肥ひ

料りょう

として利り

用よう

する

ことができます。回か

収しゅう

た肥ひ

料りょう

には、カルシウム、

マグネシウム、ケイ酸さ

どの肥ひ

料りょう

成せい

分ぶん

も含ふ

まれて

います。今こ

後ご

は処し

理り

費ひ

用よう

などの課か

題だい

を解か

決けつ

し、技ぎ

術じゅつ

の普ふ

及きゅう

を目め

指ざ

します。

26

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ふっくら、暖か、安価なシルクフィルを開発

ふっくら、暖か、安価なシルクフィルを開発

ふっくら、暖あ

たた

か、安あ

価か

なシルクフィルを開か

つ発

 

みなさん「真ま

綿わた

」をご存ぞ

じですか。江え

ど戸時じ

代だい

に木も

綿めん

(綿め

花か

の種た

から取と

れる繊せ

維い

。コットン)の生せ

いさん産

が盛さ

んに

なる前ま

は、わたと言い

えば真ま

綿わた

でした。真ま

綿わた

は、蚕か

いこ

の繭ま

ら作つ

られています。真ま

綿わた

は白し

くて光こ

うたく沢

があり、柔や

らかく

保ほ

温おん

性せい

が高た

いため、布ふ

団とん

や防ぼ

寒かん

具ぐ

の中な

に詰つ

め込こ

む素そ

材ざい

して利り

用よう

され、質し

の良よ

ものは紬つ

むぎ

(絹き

織おり

物もの

)の原げ

料りょう

としても利り

用よう

されてき

ました。ところが、真ま

綿わた

はすべて手て

作さ

業ぎょう

で作つ

るた

め、手て

間ま

がかかり、高こ

価か

な点て

が問も

題だい

でした。

◆新あ

たな低て

コストの絹き

素そ

材ざい

 

そんな中な

、2011年ね

にこれまでの真ま

綿わた

に代か

る新あ

たら

しいシルクわた「シ

ルクフィル」が開か

発はつ

され

27

ました。2千せ

粒つぶ

程てい

度ど

の繭ま

から一い

斉せい

に糸い

を引ひ

き出だ

し、枠わ

巻ま

き取と

り、薬や

品ひん

で繭け

糸し

の表ひ

ょう

面めん

のセリシン(のり状じ

ょう

のタン

パク質し

)を取と

り除の

き、ほぐしてわたにします。セリシン

は水す

溶よう

性せい

の物ぶ

質しつ

ですので、取と

り除の

くことで水み

洗あら

いができ

るようになります。これらの製せ

造ぞう

工こう

程てい

が機き

械かい

化か

され、製せ

造ぞう

コストは真ま

綿わた

に比く

べて半は

分ぶん

程てい

度ど

に抑お

えられました。

◆ふわっと、体か

らだ

にフィット

 

シルクフィルは、羊よ

うもう毛

や木も

綿めん

の布ふ

団とん

と違ち

って、人ひ

の肌は

にフィットする適て

度ど

な軽か

さを持も

っています。また、布ふ

団とん

の性せ

能のう

を評ひ

ょう

価か

する方ほ

法ほう

の一ひ

つに体た

積せき

の大お

きさがあります

が、シルクフィルは、従じ

ゅう

来らい

の真ま

綿わた

や羊よ

毛もう

よりも体た

積せき

が大お

きいので、ふわっとした特と

徴ちょう

を持も

っていて、暖あ

たた

かく感か

ます。さらに、布ふ

団とん

を押お

した時と

の戻も

りも、真ま

綿わた

羊よう

毛もう

より高た

いという結け

果か

も得え

られています。

 

こうしたシルクフィル

の登と

場じょう

で、日に

常じょう

生せい

活かつ

にお

いてシルクの利り

用よう

が増ふ

ていくことが期き

待たい

されて

います。

28

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微生物の力でより環境に優しい農業を

微生物の力でより環境に優しい農業を

微び

生せ

つ物の力ち

から

でより環か

境きょう

に優や

しい農の

業ぎょう

 

農のうさくもつ

作物の栽さ

いばい培

には、畑は

たけ

を覆お

って雑ざ

っそう草

を防ふ

いだり、地じ

面めん

の温お

度ど

を維い

持じ

したりするマルチフィルムが欠か

かせませ

ん。普ふ

通つう

はポリエチレン製せ

のものが用も

いられていますが、

使し

用よう

後ご

はゴミになるため回か

収しゅう・

処しょ

分ぶん

する必ひ

つよう要

があります。

今こんかい回

は、このマルチフィルムの処し

理り

に微び

生せい

物ぶつ

の力ち

から

を活か

用よう

するお話は

なし

です。

◆生せ

分ぶん

解かい

性せい

プラスチック

 

生せい

分ぶん

解かい

性せい

プラスチッ

ク(生せ

プラ)とは、微び

生せい

物ぶつ

によって分ぶ

解かい

されるプ

ラスチックです。生せ

プラ

で作つ

ったマルチフィルム

なら、使し

用よう

後ご

そのまま畑は

たけ

に埋う

めれば、土ど

中ちゅう

の微び

生せい

物ぶつ

によって水み

と二に

酸さん

化か

炭たん

素そ

に分ぶ

解かい

され、ゴミも出で

ません。このため、生せ

ラ製せ

マルチフィルムがだ

んだんと使つ

われるように

なってきました。ところ

29

が、埋う

める場ば

所しょ

やその時と

の天て

んこう候

によってうまく分ぶ

んかい解

され

ない場ば

合あい

があることがわかり、これをどうやってきちん

と分ぶ

解かい

させるのかが問も

題だい

となりました。

◆微び

生せい

物ぶつ

の活か

つよう用

で生せ

プラを効こ

うりつ率

よく分ぶ

んかい解

 

この問も

んだい題

を解か

決けつ

するため、微び

生せい

物ぶつ

の作つ

り出だ

す酵こ

素そ

で生せ

プラ製せ

マルチフィルムを分ぶ

んかい解

する方ほ

うほう法

を研け

究きゅう

することに

しました。研け

究きゅう

の結け

果か

、稲い

などの葉は

の表ひ

ょう

面めん

にいる微び

生せい

物ぶつ

(酵こ

母ぼ

やカビの仲な

間ま

)が優す

れた分ぶ

解かい

酵こう

素そ

を作つ

ることを発は

見けん

しました。さらに、この酵こ

素そ

を生せ

プラ製せ

マルチフィル

ムに散さ

布ぷ

すると、フィルムが急き

ゅう

速そく

に分ぶ

解かい

され、一い

日にち

でバ

ラバラになることもわかりました。現げ

在ざい

、この酵こ

素そ

の大た

量りょう

生せい

産さん

など実じ

用よう

化か

に向む

た研け

究きゅう

を行お

こな

っており、こ

れが広ひ

く使つ

われるように

なれば、より環か

境きょう

にやさ

しい農の

業ぎょう

になります。

30

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

温室効果ガス減らす新しい豚のエサ

温室効果ガス減らす新しい豚のエサ

温お

つ室効こ

果か

ガス減へ

らす新あ

しい豚ぶ

のエサ

 

地ち

球きゅう

温おん

暖だん

化か

をもたらすガスのことを「温お

んしつ室

効こう

果か

ガス」

と言い

いますが、畜ち

産さん

業ぎょう

からはこの温お

んしつ室

効こう

果か

ガスが多お

く発は

生せい

します。有ゆ

うめい名

なのは牛う

のゲップに含ふ

まれているメタン

ですが、豚ぶ

のふん尿に

ょう

からもメタンや一い

酸さん

化か

二に

窒ちっ

素そ

といっ

た温お

室しつ

効こう

果か

ガスが発は

生せい

します。これらのガスは、地ち

球きゅう

温おん

暖だん

化か

する能の

力りょく

が二に

酸さん

化か

炭たん

素そ

に比く

べて数す

十じゅう

〜数す

百ひゃく

倍ばい

強つよ

いため、発は

生せい

量りょう

を少す

なくする技ぎ

術じゅつ

開かい

発はつ

が求も

られていました。

◆エサからのアプローチ

 

豚ぶた

のエサには、肉に

のも

とになる重じ

ゅう

要よう

な栄え

養よう

素そ

あるアミノ酸さ

が含ふ

まれて

います。しかし、肉に

にな

らなかったアミノ酸さ

がふ

ん尿に

ょう

中ちゅう

に排は

出しゅつ

され、その

アミノ酸さ

に含ふ

まれる窒ち

素そ

31

が温お

室しつ

効こう

果か

ガスの一い

酸さん

化か

二に

窒ちっ

素そ

を作つ

る材ざ

料りょう

になります。

そこで、豚ぶ

の成せ

長ちょう

に悪あ

影えい

響きょう

が出で

ないよう、アミノ酸さ

のバ

ランスを調ち

ょう

整せい

しつつエサに含ふ

まれる窒ち

素そ

量りょう

を少す

なくし

た、豚ぶ

用よう

の低て

タンパク質し

飼し

料りょう

を開か

発はつ

しました。このエサ

を豚ぶ

に与あ

えたところ、ふん尿に

ょう

中ちゅう

に排は

出しゅつ

される窒ち

素そ

量りょう

が減げ

少しょう

し、その結け

果か

、ふん尿に

ょう

から発は

生せい

する一い

酸さん

化か

二に

窒ちっ

素そ

の量り

ょう

も約や

4割わ

少すく

なくすることができました。

◆広ひ

く利り

用よう

されるために

 

法ほうりつ律

により、大お

きな事じ

業ぎょう

所しょ

は温お

んしつ室

効こう

果か

ガスの排は

出しゅつ

量りょう

削さく

減げん

する義ぎ

務む

がありますが、温お

んしつ室

効こう

果か

ガス量り

ょう

を削さ

減げん

した

人ひと

にお金か

を払は

って自じ

分ぶん

が削さ

減げん

したことにできる制せ

度ど

があ

ります。豚ぶ

用よう

低てい

タンパク

飼し

料りょう

は、この制せ

度ど

の中な

温おん

室しつ

効こう

果か

ガスを削さ

減げん

する

方ほう

法ほう

の一ひ

つとして認み

めら

れたことから、温お

室しつ

効こう

果か

ガスの排は

出しゅつ

量りょう

を削さ

減げん

する

ことで、農の

家か

は収し

ゅう

入にゅう

が増ふ

える可か

能のう

性せい

があるので

す。今こ

後ご

、この制せ

度ど

のも

とで、この技ぎ

術じゅつ

が幅は

広ひろ

使つか

われるようになること

が期き

待たい

されます。

32

○農のうりんすいさん

林水産業ぎょう

の新あた

しい技ぎ

術じゅつ

を知し

ることができます。

「食しょく

と農の う

の科か

学が く

館か ん

」http://trg.aff rc.go.jp/住  所:〒305-8517 茨城県つくば市観音台3-1-1

電  話:029-838-8980 FAX:029-838-8982

開館時間:9:00 ~ 16:00

開 館 日:年末年始を除く毎日

入 館 料:無料

 当とうかん

館では、農のうりんすいさん

林水産業ぎょう

についてのいろいろ

な研けん

究きゅう

所しょ

が開かいはつ

発した、最さいきん

近の研けん

究きゅう

成せい

果か

や新あたら

い農のうりんすいさん

林水産技ぎ

術じゅつ

を紹しょう

介かい

しています。農のう

と食しょく

大たい

切せつ

さや、研けん

究きゅう

開かいはつ

発のすばらしさなどをご理り

解かい

いただける施し

設せつ

です。また、青せい

少しょう

年ねん

向む

けの

イベントなども開かいさい

催しています。

樹じ ゅ も く

木や森も り

の昆こ ん

虫ちゅう

について学ま な

ぶことができます。

「独ど く り つ

立行ぎょう

政せ い

法ほ う じ ん

人 森し ん り ん

林総そ う ご う

合研け ん

究きゅう

所し ょ

 多た ま

摩森し ん り ん

林科か

学が く

園え ん

」http://www.ff pri-tmk.aff rc.go.jp/住  所:〒193-0843 東京都八王子市廿里町1833-81

電  話:042-661-1121 FAX:042-661-5241

開園時間:9:30 ~ 15:30(閉門は16:00)

休  園:5月~ 2月の毎週月曜日(月曜日が祝日の場合

は翌日)、年末年始(12月26日から1月15日ま

で)、3月および4月は休園日はありません。

入 園 料:大人300円、子供50円(高校生まで)、

     (4月のみ大人400円、子供150円)

・森もり

の科か

学がく

館かん

 森しんりん

林に関かか

わる研けん

究きゅう

成せい

果か

を、パネルや映えい

像ぞう

、試し

作さく

品ひん

などを用もち

いてわかり

やすく説せつめい

明しています。また、都と

心しん

から1時じ

間かん

ほどで来く

ることができる

自し

然ぜん

豊ゆた

かな森もり

の樹じゅもく

木や昆こん

虫ちゅう

についても楽たの

しく学まな

ぶことができます。

みんなで行こう!みんなで行こう!みんなで行こう!

33

○豊ゆ た

かな自し

然ぜ ん

の中な か

でおさかなとふれあおう!

「独どくりつ

立行ぎょう

政せい

法ほうじん

人 水すいさん

産総そうごう

合研けん

究きゅう

センター さかなと森もり

の観かんさつえん

察園とおさかな情じょう

報ほうかん

館」

「独どくりつ

立行ぎょう

政せい

法ほうじん

人 水すいさん

産総そうごう

合研けん

究きゅう

センター さけの里さと

ふれあい広ひろ

場ば

http://www.fra.aff rc.go.jp/nikko/

http://salmon.fra.aff rc.go.jp/youran/fureai/fureaihiroba

住  所:〒321-1661 栃木県日光市中宮祠2482-3 増養殖研究所日光庁舎内

電  話:0288-55-0055 FAX:0288-55-0064

開園時間:9:00 ~ 17:00(11月1日~ 30日は16:00まで)

休 園 日:12月1日~翌3月19日

観 覧 料:大人300円、小人100円(団体割引・シーズンパスポートあり)

住  所:〒066-0068 北海道千歳市蘭越9番

電  話:0123-23-2804  FAX:0123-23-2449

開館時間:10:00 ~ 16:00

休 館 日:毎週月曜日、年末年始(12月27日~ 1月5日)

入 館 料:無料

 樹じゅれい

齢300年ねん

を超こ

えるミズナラやウラジロモミの天てんねん

然林りん

が茂しげ

る静しず

かな園えんない

内でヒメマスやカワマスなど10種

しゅるい

類以い

上じょう

のさかなたちにエサをやることもできます。春はる

には色いろ

とりどりの草くさばな

花、夏なつ

には爽さわ

やかな森しんりんよく

林浴、秋あき

には鮮あざ

やかな紅こうよう

葉など、季き

節せつ

と共とも

にさまざまに変へん

化か

する魚さかな

たちと四し き

季を感かん

じながら家か

族ぞく

で自し

然ぜん

観かんさつ

察も楽

たの

しめます。おさかな情じょう

報ほうかん

館では水

すいさん

産業ぎょう

の歴れき

史し

や研けん

究きゅう

開かいはつ

発の内ないよう

容など遊

あそ

びながら楽たの

しく学まな

べます。

 展てん

示じ

館かん

ではふ化か

放ほう

流りゅう

事じ

業ぎょう

のあゆみ、さけます類るい

の種しゅるい

類・分ぶん

布ぷ

などをパネルなどで分わ

かりやすく解かいせつ

説しています。実

じつぶつだい

物大のサケの模も

型けい

で実じっさい

際の重おも

さや質しつかん

感も体たいけん

験でき、秋あき

には鮮あざ

やかなベニザケも見み

ることができます。また、体

たいけんかん

験館では映えいぞう

像でふ化か

放ほう

流りゅう

事じ

業ぎょう

の仕し

組く

みを紹

しょう

介かい

しており、秋あき

から春はる

にかけては、自し

然ぜん

産さんらん

卵やふ化か

した稚ち

魚ぎょ

などを身み

近ぢか

に水すいそう

槽で観かんさつ

察できます。

農と食のサイエンス2013(第8号)発行:2013年8月

農林水産省 農林水産技術会議事務局〒100-8950 東京都千代田区霞が関1-2-1電話:03-3502-7407 FAX:03-3507-8794http://www.s.aff rc.go.jp/バックナンバーはホームページでもご覧いただけますが、冊子をご希望の方には、無料で配布いたしますので、上記までご連絡ください。編  集:農林水産技術会議事務局総務課イラスト:筒井博子(日本職能開発振興会)協  力:全国農業新聞(サイエンス新事情は全国農業新聞に掲載されたものを再編集した)